「お願い、一日でいいから、あたしより長生きして・・・」
「もう、ひとりじゃ、生きていけそうにないから・・・」
アニメ版CV:島本須美
実写映画版:石原真理子
テレビドラマ版:伊東美咲
パチスロ版CV:ゆきのさつき
概要
高橋留美子の漫画「めぞん一刻」のヒロインである。通称「管理人さん」。
主人公五代裕作の住むおんぼろアパート「一刻館」に住み込みの管理人として赴任し、その美貌に一目で虜になった裕作が思いを寄せるようになる。
連載当時、独身男性層に爆発的な人気を博した、高橋作品を代表する永遠のマドンナである。
「響子さん、好きじゃーー!!!」
彼女の婚歴からすると「幼な妻」と「姉さん女房」のどちらも経験したことになる。
るーみっくヒロインの中でも大人である為、唯一「主人公と体を重ねた描写がある」ヒロインでもある。なお、初代アニメ版では水曜夜7時30分の地上波のフジテレビにて放映されていた事情から、体を重ねた描写はカットされているが、最終クールのエンディングアニメーションにて描かれる響子は裕作とのベッドシーンを匂わせる絵と多く言われる。
ヒロインと表記したが、『うる星やつら』同様、裕作とどちらが主人公であるか判り辛い程の存在感があり、アニメ・実写ではトップクレジット(主演扱い)である。
人物
登場時点で21歳。裕作とは2歳差。
愁いを帯びた儚げな雰囲気をまとった黒髪の佳人で、一刻館のマドンナのとして男性住人たちから絶大な支持を受ける。
竹箒とPIYOPIYOエプロンがトレードマーク。
男性からのアプローチも多いが、大抵は判然としない態度で煙に巻いている。
普段は物静かで大人しいが、本来は明るく快活で温厚。
一見してか弱くに見えるが、強気で頑固なところがあり、見掛けに寄らず行動的。
しかし、隠された面として、思い込みが激しく、世間知らずで、他者の感情に鈍感と箱入り娘のような部分が強く出ることがある。自分の感情も押し殺しがちで、端整な見た目に反して人付き合いは不器用でもある。
そして一途で嫉妬深く、時に大和撫子なイメージからは想像しえないはっちゃけた言動も起こす。
よくアパートの玄関先を箒で掃除しており、その音は彼女の機嫌のバロメーターともなっている。たとえば、裕作が朝帰りしたときは徹夜でアパートの前を掃除していたり、裕作の部屋に籠城する八神いぶき(響子の後輩でもある。)が、裕作といっしょに登校していくのを見送りながら笑顔でへし折り「古くなったのかしら」とゴマかしている(アニメ版では箒は偶然折れたような描写となり、むしろ無意識に犬の惣一郎に首を絞めるという描写が加えられている)。
高校は惣一郎の父・音無老人が理事を務める私立の女子校で、アニメ版では『桜丘女子高等学校』という校名だった(ちなみに校舎と制服は作者・高橋の母校をモデルとしている)。テニス部に所属し、地学の講師だった音無惣一郎と出会って仲を深め、卒業後に両親の大反対を押し切り、駆け落ち同然に結婚する。
しかし、わずか半年で惣一郎は急死。両親とは疎遠となり、抜け殻のように落ちこんでいたため、不憫に思った音無老人から一刻館の管理人を任され、以来、当アパートで管理人として忙しい日々を送り、変人ぞろいの住人たちとの触れあいに以前の快活さを思い出していった。
裕作へは早い段階で心を寄せ始めていたのだが、当人の鈍感さに加え、前夫である惣一郎への想いを断ち切れず、裕作と三鷹瞬の熱烈なアプローチも理解できない振りで通していた。女性の扱いに慣れた三鷹にはこの手が通用せず、強引にデートへ連れ出されることもある。
三鷹との仲を裕作が誤解して、一時一刻館を出ていったときには、落ち込んだ響子が「あきらめがよすぎるわよ、バカ」と物思いにふけっている。
それでも日増しに大きくなる裕作への感情と、亡き夫への想いの狭間で揺れ動き、最終的に裕作への想いをはっきりと自覚し、彼の真摯な想いを受け入れるに至る。
裕作からのプロポーズの際、未亡人としての痛切なお願いを絡めて応えたシーンは有名。
それまでにも、裕作に女性からの電話があると不機嫌となったり、裕作を含む各部屋の住人に取り次いでいた黒電話とは別にピンク電話を管理人権限で設置したり、裕作がガールフレンドの七尾こずえとデートに向かうと聞いて首を絞めるくらいに力を入れてネクタイを直そうとしたり、感情が昂ると裕作へ衝動的にキスしたり(裕作がハプニングでやらかした回数より多い)と、割とわかりやすく感情的になっていた。
裕作に平手打ちを食らわせた回数も多く、原作8話で裕作のいきなりの告白に一発見舞って以来、彼からのセクハラや煮え切らない態度に対して、度々裕作の頬に椛型の印を押している。
結婚後(エピローグ)は長女・春香を出産し、裕作から新居への転居を提案されながらも一刻館の管理人として共働きの日々を送っている。
出生時の姓は「千草(ちぐさ)」。
父・千草氏は裕作を「駄目な男」とみなしており、終盤近くまで裕作との結婚に反対して高熱をおして裕作が勤める幼稚園に押しかけ、警察に職務質問を受ける一幕がある。これは年若く嫁いだ一人娘が夫に先立たれて寡婦となった姿を見た後悔によるものである。
母・律子は夫・千草氏が入院した時の写真を持ち出して響子を家につれ帰ろうとすることもあるが、裕作と大喧嘩を起こして実家に戻ってきた響子を「そんなことするから振られるんでしょうが」と窘めるなど、夫とは逆に娘の再婚を推し進める母親として現実的な面を見せ、最終回での結婚式でも「私は大丈夫よ、しっかりおやりなさい」と響子を送り出している。
TIPS
るーみっくヒロインの中では、高橋留美子が「自分に一番近い性格」と認識しているキャラクター。
「アパートの美人管理人さん」というジャンルの構築に多大な影響を与えたキャラクターでもあり、今なお「一人暮らしの青年と美人管理人のロマンス(とエロス)」というファンタジーに胸を膨らませる男たちを生み出している罪作りなお人。
一方で『めぞん一刻』という作品をよく知らない人からは、たまに「魔性の女」と言う印象(天然ゆえに無自覚に五代を振り回したり三鷹と含めて曖昧な態度を取り続けたので、あながち間違いとも言い切れないが)を受けることも。同様に「完璧な大和撫子」像の一人としても形容されるが、前述のように性格面でポンコツで嫉妬深い面もある。
読者からも、初見では「儚げな美人のお姉さん」と好印象だが、読み進めるにつれて「何この人すごくめんどくさい(汗) 」「むしろ彼女を一途に想い通した裕作が男前」といった感想を持つ人も少なくない。
また、アニメ版放映当時、原作版ともども人気キャラであったことは確かで、その音無響子が歌うシングル曲・アルバムがリリースされており(中の人である島本須美の名義でなく、音無響子の名義)、現在で言うキャラクターソングの元祖にもなっている。
パチスロ版ではアニメ版のCVを使わないという取り決めが作者とパチスロ製作会社との間に決められたため、響子のCVは雪野五月が担当するが、奇しくも雪野は同じるーみっく作品『犬夜叉』のメインヒロイン・日暮かごめを演じている。
また、島本はるーみっく作品『炎トリッパー』ではメインヒロイン・涼子を演じており、初のるーみっく作品のメインヒロインを二役演じた人物となった。
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