概要
1983年に週刊少年サンデー増刊号に掲載された高橋留美子の読みきり作品であり、『高橋留美子傑作短編集2』および『るーみっくわーるど 1』に収録されている。また、1986年にはOVA『るーみっくわーるど第1弾としてアニメが製作され、一部地方テレビ局においてオンエアもなされた。
SFやタイムパラドックスな側面があり、ヒロインが異世界に迷い込むというプロットは、後作『犬夜叉』や『境界のRINNE』と共通している。
『うる星やつら』では「七面鳥逃げた」の扉絵で本作ビデオ版の宣伝がされており、宿丸と涼子が描かれていた。(単行本30巻掲載)
あらすじ
女子高校生・涼子(すずこ)は、盲腸の手術を終えた近所の少年・周平とともにある日の夕方、ガス爆発事故に巻き込まれる。
涼子が気付くと、そこは無数の屍が転がる戦国時代の合戦場。野盗に襲われた涼子は、16歳の戦国時代の少年・宿丸に助けられる。「嫁」として宿丸の村に連れて行かれた涼子は、宿丸の家の着物の中に周平が着ていた洋服を見つけ、周平も戦国時代に来ていると知る。涼子は宿丸とともに周平を毎日のように探し回るうち、宿丸に惹かれるようになっていく。
そんなある日、涼子は、宿丸の幼い妹・ すずが持っている「鈴」を見て、自分もよく似た古い鈴を持っていると話す。実は涼子は、幼い日に河原にいるところを今の両親に保護された養女であり、そのときの涼子が身に付けていた鈴とのことだった。
やがて村が野盗の急襲を受け、炎に包まれた家の中からすずの姿が目の前で突然消失した。直後、野盗の頭の攻撃から宿丸を庇った彼女もまた宿丸とともにタイムスリップした。涼子は自身が生命の危険が及ぶような炎を見るとタイムスリップする「炎トリッパー」であることを悟り、すずはかつての自分だったのだと確信する。
二人がタイムスリップしたのは、ガス爆発事故当日の昼過ぎ、事故が起きる数時間前。負傷した宿丸を手当てをしながら、もし自分が宿丸の妹ならば夫婦にはなれないと涼子は複雑な思いを抱く。直後、宿丸の腹に盲腸の手術痕を見つけ、宿丸こそ成長した周平本人だったと知り愕然とする。タイムスリップの途中で二人の手が離れ、周平は涼子よりも前の時代にタイムスリップしていたのだ。
このまま戦のない現代に残るか、生き抜くことも厳しい戦国時代へ戻るか。宿丸は戦国時代へ戻ることを望み、再びタイムスリップするため、二人はガス爆発が起こる現場へと立つ。そこに涼子と周平が来る姿を見たとき、爆発が起き再び戦国時代の村へとタイムスリップし、そこで二人は祝言(結婚)をあげた。
声の出演
涼子 / すず - 島本須美
周平 - 田中真弓
赤馬 - 玄田哲章
名主 - 矢田耕司
捨吉 - 千葉繁
ゴン - 西村智博
涼子の父 - 徳弘夏生
涼子の母 - 坪井章子
周平の母 - 峰あつ子
サラリーマンの男 - 石森達幸
幼児 - TARAKO
野盗 - 中田譲治
野盗 - 西村知道
野盗 - 佐藤正治
見張りの男 - 菅原正志
村の男 - 笹岡繁蔵
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