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だすとすぱーと

高橋留美子の漫画作品。1979年の少年サンデー増刊号に5ヶ月間連載。短編集『るーみっくわーるど』第3巻に収録。

高橋留美子の漫画作品。連載当時の「現代」を舞台とした、超能力スパイギャグコメディ。

少年サンデー増刊(現在の「週刊少年サンデーS」)に1979年5月号から9月号まで連載。スタジオ・ジップ社(現・小池書院)から全1巻で単行本が出されたのち、短編集『るーみっくわーるど』第3巻に収録された。現在は『るーみっくわーるどスペシャル 高橋留美子傑作短編集』の第1集に収録されている。

高橋留美子作品には珍しい事に、同作者連載作の中で唯一、アニメ化などのメディア化がされていない。同作者作品の多くがメディア化に恵まれている事を鑑みているファンにとってみれば、それを待ち望む声も多い作品であるかもしれない。たぶん。

メディア化されていない事もあり、いわゆるるーみっくの中では一段と知名度は低い。だが作品全体に流れる「るーみっく節」に関しては(初期作であるために時代性やタッチの未洗練などの粗は多いが)他の代表作と比して遜色はないため、逆に知名度の低さゆえに本作を知っているかどうかがメディアでるーみっくを知っている程度のニワカか、そうではないガチのるーみっく勢であるかを知る事の出来る「初級の分水嶺」という見方をされる事も多い作品と言えない事もない。(作品自体はるーみっくわーるど短編集において「初期3巻」の大トリ作品でもあるため、るーみっく作品において触れられるハードルとしては低い部類の作品といえる)

ストーリー

お好み焼きチェーン店「じぱんぐ」の売上金を資金源に、世界の安寧と平和のために世界の裏で戦う組織、HCIA(ヒノマルシーアイエー)。そこに所属するエージェント背古井は、組織が密かに育成していたエスパーとチームを組み任務を行うよう、指令を受ける。

ところが、やってきたエスパーはゴミを媒介ゲートにしてテレポートを行う五味たむろと、怪力による破壊活動を武器とする炎上寺由羅という、未熟な二人だった。

時を同じくしてHCIAを敵視する、世界征服を目的とした悪の組織「完璧の豚」(パーフェクトン)は、やってくるエスパーたちを危険視して破壊テロへと暗躍を始める。

HCIA新米チーム対完璧の豚。周囲に迷惑を振り撒きながら、彼らのカオスなバトルは笑いと共に様々な意味で激化していくのであった。

登場人物

  • 五味たむろ
    • HCIAのエスパー。ゴミからゴミへとテレポートできる瞬間移動能力者。能力が戦闘向きではないため、武器として二本のムチを常備しており、戦闘時や暗視状況においてはこれを振るうことで周囲状況を把握したり敵をシバいたりしている。
    • 能力を除けば、一応は常識人。ただしゲートが「ゴミからゴミ」であるため、本部・支局への帰還は当然、生ゴミの中という事になる。ゆえに帰還時には「飲食店内に生ゴミをぶちまける」という悲惨な状況を(本人の意図とは関係なく)作ってしまう悲しい男。
    • 普段は黒シャツ黒ボトムというファッションを愛用。さらに常備するムチの色も黒。そしてゴミからゴミへとテレポートする。以上の事からゴキブリ男の異名をとる。
  • 炎上寺由羅
    • HCIAのエスパー。怪力を武器とする能力者。リアル女子力(物理)の持ち主。
    • 非常に単純で精神の沸点が低い脳筋。ヒステリー持ちですぐ怒る。そのため能力制御に難がある。
    • 本人は望んでいるのは乙女あるいはスマートな生き方なので「女性なのに怪力の持ち主」であることを非常に悩んでおり、ソコを罵倒されると一発でキレて、周囲被害お構いなしの破壊活動に走る。
    • その能力と単純さからゴリラ女とあだ名されるが、これを呼ばれると当然ブチギレを起こす。
  • 背古井唯安
    • たむろと由羅を監督しているHCIAのエージェント。一見、筋の通った真面目な男に見えるのだが、状況に流されやすい暗黒ネガティブ野郎。一方で危機の際にはゴミを喰って生き延びるなど、精神的タフネス(というか自身の命に対するド汚さ)に関しては他のキャラの追随を許さない。
    • 容姿(性格も)は作者が同じ「めぞん一刻」の四谷さんと酷似しており、ある意味、四谷さんの前身と思われる。
  • 駄ブル
    • 常に背古井やたむろと一緒にいる駄犬。なんとなく殺伐となりがちな本作の癒し系マスコット。

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