概要
イチョウをモチーフとした有名ブランド、フサエブランドの創設者にして社長。
金髪の美女で、両親のどちらかが外国人のハーフ。
元々木之下フサエという名前だったが両親の離婚後、アメリカで母親が再婚し、フサエ・キャンベル・木之下となった。
昔は日本に暮らしており、自身の金髪を周囲の子供に揶揄されコンプレックスになっていた。
40年前の秋の初恋
阿笠博士とはお互いに初恋の相手。
小学4年生の頃は髪を高い位置でツインテール状の三つ編みにしており、登下校時はずっと帽子を目深に被り、頬にそばかす、帽子の下からのぞくクリクリした瞳が愛らしい少女だった。
阿笠と出会いは40年前の夏休み明けの登校日で、大型犬が吠えていて道が通れずに困っていた所を助けられた。飼い犬にかまれて以来動物嫌いになったと聞いた阿笠はフサエを可哀そうに思ってハムスターを飼っている知り合いの家に連れて行き、二か月もするとフサエは動物好きとなって上述の犬にも怖がらないようになった他、学校のニワトリの世話も共にしていたがその秋の11月の末に両親の離婚に伴い引っ越してしまう。別れの言葉を言いたくなかったフサエは阿笠に引っ越すことを言わなかった。
風で帽子が吹き飛ばされた時に「見ちゃダメ!!私の髪の毛変だから…みんなと違ってるから…」と泣きじゃくるも、阿笠は帝丹小学校のイチョウ並木のイチョウの葉を一枚拾い「そうかなぁ…ボクは好きだよ…イチョウの葉っぱみたいできれいじゃない!」と褒めたためコンプレックスから救われることになる。
再会を願う葉書
フサエは引っ越しの前に阿笠の当時の実家(後に田舎へと引っ越す)のポストに葉書を直接投函しており、引っ越しをした11月24日から十年後、思い出のあの場所でまた会えることを希望する内容となっていた。
ただ阿笠は思い出の場所が分からず、40年の歳月を要してしまうこととなった。
しかし、たとえ会えなくてもおばあちゃんになっても待ってると葉書に書いてあった通りフサエは十年ごとに思い出の場所で待ち続けていた。
再会と予感
クイズ形式であったため、江戸川コナン達の協力でどうにか再会できたものの、コナン達を孫だと思い、阿笠は既に結婚し幸せな家庭を築いていると誤解する。
そしてフサエは自分に付き添ってきてくれた母の再婚相手の友人、ビリーを夫だと言って偽り車へと戻っていったのは、40年間も自分を待たせていたと知ったら阿笠が心を痛めると思い、あえて素性を明かさないようにするためだった。
今までビリーに無理を言って十年毎に思い出の場所に来ていたが、形はどうあれ今回で阿笠と再会できたので、今回で終わりにすると告げて車を出すように言ったフサエだったが、車が動き出した事に気づいた阿笠が「今でもイチョウは大好きですよーー!!!」と叫んだことから彼が自分の正体に気付いたことを知る。
阿笠の声が聞こえたフサエはつい目に涙を浮かべ、後ろを振り返って阿笠を見つめる。
そして照れた様子でビリーに「ま、また、10年後もお願いしようかしら…」伝えたものの、ビリーはバックミラーで手を振っている阿笠とコナンたちを見ながら「いや…たぶん次に会うのは…そんなに時間はかからないんじゃないかな……」と意味深な事を言うのだった。
少女との約束
10年前、フサエが引っ越しをしてから30年目の11月24日にもフサエは阿笠を待ち続けていた。
雨の中、イチョウの木の下で雨宿りをする小学1年生の毛利蘭と出会い、もう夕刻で阿笠が来ないことを分かっていたフサエは蘭に傘を譲った。
フサエが濡れてしまうと遠慮した蘭だったが、フサエは自分のブランドがいずれ有名になったらバッグかアクセサリーを買うようにと約束をすることで蘭は傘を受け取り、同じく雨に降られていた工藤新一と共に帰っていった。
そしてフサエブランドの来日となる現在、約束を果たすためにショッピングに訪れる蘭の姿があった。
余談
- 声優は峰不二子役で有名な増山江威子。運転手のビリーが次元大介役の小林清志という某大泥棒4人組の内の2人という粋なキャスティングである。
- フサエブランドは初恋の人との思い出のイチョウの葉をモチーフにしたデザインで、幅広い女性層から人気を得ている。高級品からリーズナブルな値段の物まで幅広く展開。ブランド好きの灰原哀が交換条件に新作モデルを要求するなど、フサエの登場以降は作中の人気ブランドとして度々名前が出るようになる。
- 日本におけるイチョウの花言葉は「荘厳」「長寿」「鎮魂」、海外ならば「永遠の愛」。
劇場版にて
劇場第26作『黒鉄の魚影』の冒頭にて、イチョウの葉の形にダイヤモンドがあしらわれたフサエブランドの限定アクセサリーが登場した。
灰原が限定のブローチを購入しようと最後の整理券を受け取るが、自分の後ろにいたおばあさんが落胆して去っていく姿を目にし、自分には高かったからと言って整理券を譲る。
その様子を見ていた鈴木園子が灰原へのご褒美として、八丈島にある鈴木財閥のホテルに一同を招待するところから物語が始まる。
エピローグで、実はこのおばあさんはベルモットの変装だったと判明する。
ベルモットが買いに来た、ラストに限定ブローチが強調された事から「フサエとベルモットに繋がりがあることを匂わせている」「ベルモットはブローチのお礼で灰原を助けた……というのはミスリード」「今後の本編に関わる伏線」「フサエとベルモットは親族」など様々な考察がネット上で散見されることに。
監督は「ベルモットがおばあちゃんに変装していて、ブローチを譲ってくれた灰原を助けたというエピソードは、先生が初期の頃に足してくれたアイデア」だと言及している。
ちなみに灰原はおばあさんに対して全く警戒心を抱いていなかったが、元々灰原の組織の匂い感知能力は精神状態に大きく左右される。
大好きな実姉からすらも匂いを感じていた程の高性能さだったが、平和ボケで鈍ってきていて、さらにベルツリー急行で組織の人間はシェリーは死んだと思っているとコナンから知らされているので気が緩んでいる。
現に原作においても妊婦に変装したベルモットが間近にいながら発動していない。
また今作ヒロインの灰原とゲストキャラクターの直美・アルジェントとは、子どもの頃に人種差別を受けていたといった共通点がある。
関連項目
峰不二子…上述の通り声優繋がり