CV:斎藤歩
概要
41歳。入り婿だった陣内徳衛の隠し子。幼い頃に陣内家に引き取られ、陣内栄の養子となる。
陣内家はガラケーだが、彼は公開当時に発売されたばかりのiPhoneを使用。
陣内家の中でも浮いた存在だったが、一族の資産を持ち逃げして10年間行方不明だったらしく、更に陣内家から疎まれるようになってしまった。ずっと音信不通だったものの、栄の90歳の誕生日が近付いた日に突然帰ってくる。
人物
その複雑な生い立ちから世間を斜に見ており、ニヒリストな言動が目立つ。
自分中心に考え、行動力はあるが功績に目が向き先のことを考える他者への配慮が苦手な、良く言えば純粋、悪く言えば大人になり切れない幼稚な性格。
「シシッ」と笑う癖がある。
実は劇中で世界規模のパニックを引き起こすことになったラブマシーンの開発者。
家出後にアメリカのカーネギー大学ロボティクス研究所でA.I.を研究し、知識欲を持つ人工A.I.ラブマシーンを生み出すと、アメリカ国防総省に売り渡した。
今回の大事件の原因を生み出した張本人だが、ラブマシーンを買い取った国防総省が、実験をするために侘助の知らないところで勝手にOZ内に解き放ったことが事件の発端であり、責任を負うべきは国防総省で間違いない。
この事実を明かしたのは侘助本人だが、当初は騒動の責任感などもなく、研究成果の素晴らしさを自負するほどの傍若無人ぶりを見せる。
その理由も、これでようやく一族に家族として認めてもらえる・お母さん(栄)が喜んでくれるはずという純粋な気持ちからだった。
だが彼自身には何の責任もないのにもかかわらず、栄から厳しく責め立てられ、「帰ってくるんじゃなかった」と陣内家を再び飛び出してしまい…。
ただ、自分が作ったものが悪用される事態と言った想像力に欠いており、単純な責任論で片付けられない結果を最も敬愛する相手を喪うことで痛感する羽目になる。
夏希から栄の死を知って大急ぎで帰った後は、健二や陣内家と共にラブマシーンを止めるために奔走する。
最後はアメリカ当局に出頭して一連の事件の原因を告発。CNNのキャスターは「しかし彼はあくまで開発者にすぎない。実験を一般の場で行った国防総省は責任を免れ得ないだろう」と事件を報じた。
余談
- モデルは伊丹十三
「伊丹十三を完璧にキャラクター化してほしい」という細田守の意向に沿い、貞本義行が若い頃の伊丹をモデルに描きあげたキャラクター。
- 夏希との関係
異母兄の孫・異母大姪の夏希は小さい頃から侘助を慕っており、周囲の発言によれば彼女の初恋の人でもある。
夏希が家族に健二を紹介する時に付けた無茶ぶり設定「東大生・旧家の出・アメリカ留学帰り」は侘助の経歴にちなんでいた(名門大学卒でアメリカ留学経験あり)。
だが、実際はかつて栄に「侘助を家族の中で孤立させないように」と彼のことを託されていたらしく、侘助に着いて回るうちに栄からの言いつけを忘れ、義務感を恋心と混同するようになってしまっていた模様。
後続作品への影響
2015年公開の『バケモノの子』に登場するキャラクター。侘助にとっての栄のように、人格者だった猪王山の元で育てられる。しかし、複雑な出生がコンプレックスとなって世界を危機に陥れる元凶となってしまった。
周囲の者たちの活躍によって改心した点も侘助と共通しており、一郎彦は侘助を焼き直したキャラクターだと言える。
関連イラスト
関連タグ
理侘…pixivでは同じく41歳、本家(栄の養子であるため一応"本家")つながりということで陣内理一との絡みが多い。侘助にとって理一は異母甥にあたる。