概要
暴走族の一種で、高速道路や山岳道路などの公道を自動車やオートバイに乗り、無謀な競争を行ったり、違法改造車で暴走する人や集団。90年代前後に流行した。主に本人らが用いる語であるため尊称に近い意味合いも含む。警察の分類では「違法競争型暴走族」とされる。
さらにそのスタイルで細分化すると都市高速道路の環状線で周回する速度を競いあう「ルーレット族」(「環状族」)や300km/h近い超高速で暴走する「湾岸族」、峠道を下る速度を競う「ローリング族」、峠道や埠頭で車体を横に滑らせてタイヤをスリップさせながら走るドリフト走行を楽しむ「ドリフト族」などに分けられる。
かつては走り屋をモチーフにした漫画・アニメも多数存在し、漫画に感化されて危険暴走に熱中するようになった青少年も多かった。
文化的には特攻服を着て周囲を威圧する「共同危険型暴走族」(世間一般で言う「暴走族」)とは大きく異なり、純粋に速さのみを競うことが主目的である。本人らは共同危険型暴走族と混同されるのを嫌い、「走り屋」の自称を好んで使う。
が、公道の路面を傷め、傍若無人に騒音をまき散らし、交通事故で無関係な人を巻き込んで死亡させることすらある走り屋は、ある意味共同危険型暴走族以上に反社会的で危険な集団でもある。
その一方で土屋圭市や谷口信輝のようにプロのレーシングドライバーに転向するなど、モータースポーツの足掛かりとする者もいる。
なお2000年代中盤以降、走り屋は警察の取締や若者の車離れ、ガソリン価格の高騰やベース車(低価格なスポーツカーやスポーツセダン)の激減でその数を急速に減らしている。が、それでも現在まで毎年走り屋行為で逮捕者が出ており、なかなか無くなっていないのも現状である。
違法競争型暴走族(走り屋)がテーマのフィクション
ナニワトモアレ -作者の自伝的作品