概要
簡単に言うと「クローズドコースとした公道を舞台に、内燃機関を搭載した車によって争われるカーレース」である。大会名は何かしらの略称であると思われるが、現在のところ由来は分かっていない。
西暦202X年、化石燃料を動力源とする所謂「ガソリンエンジン車」は世界中で生産中止となり、代わってEV(電気自動車)やFCV(燃料電池自動車)、それらに加えて自動運転システムを搭載した次世代のモビリティが普及した中にあって、絶滅危惧種とも言える内燃機関搭載のスポーツカーによって行われるMFGは、有料チャンネルの契約者数3,000万人を数える一大コンテンツとなっている。
エグゼクティブ・オーガナイザー(=大会主催者)は「リョウ・タカハシ」という人物。また、彼との関係性を指摘する声もある高橋涼介は、自身が赤城レッドサンズやプロジェクトDで構築してきた(現在も研究を続けている)『公道最速理論』の解答編としてMFGを位置付けている。
MFGの舞台となっているのは、主に神奈川県箱根地区及び静岡県東伊豆地区。
この地域では(作品の設定上)富士山が火山噴火を起こしたことによる大地震・大規模停電などの災害が発生した為、MFGはその復興支援イベントとしての側面も持ち合わせており、災害の記憶を風化させないように被害の爪痕を敢えてレースでのトラップとして残す工夫を施している。
レギュレーション
- 動力源
内燃機関を搭載した車両(所謂ICE車)のみ参加を認められ、電気自動車や燃料電池自動車はNG。
ただしハイブリッド車はモーターアシスト機能を封印するか、あるいは撤去すれば参加可能となる。
(前園和宏は第3回大会より、それに則って製作した2代目NSXを投入している)
- タイヤ
MFGの協賛企業から供給される専用のタイヤを履くことが義務付けられている。
ただし後述するグリップウェイトレシオを嫌い、密かに規定外のタイヤを装着する選手も少なからず存在する。
この場合は即座に失格となり、第4回大会からは最新鋭のタイヤテスターを導入することが決まり厳格化された。
MFG発足当初はブリヂストンのワンメイクだったが、第3回大会よりヨコハマタイヤも供給を行っている。
- グリップウエイトレシオの均一化
MFG最大にして最も難解なレギュレーション。
簡単に言うと『車両重量に応じて履けるタイヤのトレッド幅が決められている』というもので、軽量マシンは細いタイヤしか履けない一方で、重量級の車は太いタイヤが履ける。
つまり軽量化やエンジンのパワーアップ等で容易に戦闘力を上げることができなくなり、加えてトラクションの面で優位に立つ4WD(四輪駆動)やMR(ミッドシップ)のマシンには別途ハンデが課される。
現状では「無改造でもバランスが良く馬力もある」ヨーロッパの高級スポーツカーが上位を独占しており、一部では「リッチマンズレギュレーション」と揶揄されている。また、このレギュレーションを嫌って密かに規定外タイヤを装着する選手も少なからず存在する(当然それが発覚した場合には即座に失格となる)。
- 車両メーカー・ブランドの固定化
当年シーズン中に車両を変更する場合、開幕時に乗車したマシンのメーカーやブランドの範囲内でなければいけない。
遵守例:開幕時RX-7 → 乗り換え時RX-8 メーカーやブランドが一致(この場合はマツダ)しているため出場可能
違反例:開幕時スバル・インプレッサ → 乗り換え時三菱・ランエボ メーカーやブランドが一致していないため出場不可
競技進行
- 予選タイムアタック
1分間隔でスタートする単走
開催期間7日間 但し雨天時は中止
決勝に進出できなくても16位から30位以内にはドライバーズポイントが付与される。
- 決勝
予選上位15台によるレース形式。雨天決行。
決勝レースの結果によりドライバーズポイントが付与されると共に、最大1億円の賞金が与えられる。
年間総合優勝者には10億円の賞金が与えられる。
その他
- 専用ドローン
シグナル・レース旗・映像中継カメラを兼ねた専用ドローン。 胴体に装着されているランプによって【黄旗(イエローフラッグ)=減速の上で追い越し禁止】や【赤旗(レッドフラッグ)=重大事故発生によるレース中断】などをドライバーの視界に出て通知する。
最高時速180km/hも出せる高性能だが、直線の長い区間では車のスピードの方が速い為、バックアップとして定点カメラが設置されている。
- 車検テーブル
出場マシンを隅々まで調べる事ができるシステム。レース出場前・出場後に必ず受けなければならない。 ※運営によりタイヤのトレッドまでトレースできる新型が導入される。
- 注目フラグ
MFG本部の中央コンピュータに送信された走行データをAI(人工知能)が学習。そのAIが特に優れた技量を持つと判断したドライバーの車に立てられ、メインの配信画像に優先的に映されるシステム。
- 神15(かみフィフティーン)
予選15位以内に入り決勝に進出した者の総称。
車体にマークされるナンバーに金の縁取りが施される事を始め、タイヤ等パーツの割引・無償提供、セコンドブースの優先配備などの優遇制度が設けられている。
- デスエリア
事故が多発している、もっとも危険度が高いエリア。
主に災害の影響を利用したトラップに多い。
開催コース
- 開幕戦:小田原パイクスピーク
開催時期:5月上旬
全長:40.8km
コース:箱根ターンパイク・箱根小田原本線料金所→(箱根ターンパイク)→大観山スカイラウンジ→(神奈川県道75号)→芦ノ湖・箱根関所南交差点→(国道1号)→東風祭交差点→(一夜城下通り)→早川三丁目交差点(決勝ゴール地点)→箱根小田原本線料金所
決勝周回数:2周
開幕戦にして、MFG最長距離を誇るイベント。
箱根ターンパイクの超急勾配を駆け上り、スカイラウンジから芦ノ湖の麓まで下りた後、国道1号線に入る。芦ノ湖から先は東風祭まで箱根駅伝と同じルートを辿る為、駅伝ファンにとっては馴染みのあるコース。
難所は2か所。1か所目は小涌園前から大平台駅にかけて、火山の影響で靄が立ち込め視界がきわめて悪く、事故が多発しているデスエリア。
もう1か所は老舗蒲鉾店「鈴廣」までの全長1.9kmにも及ぶ通称「カマボコストレート」を含むコース終盤の区間。千歳橋で勾配が終わる為、特に86のようなパワーのないマシンは非常に不利。
(参考)国道1号を実際に箱根駅伝6区で走られた東海大学OBの解説
- 第2戦:芦ノ湖GT
開催時期:6月下旬
全長:25.3km
コース:芦ノ湖スカイライン箱根峠料金所→(芦ノ湖スカイライン本線・湖尻線)→湖尻料金所→(神奈川県道75号)→桃源台駅→大芝交差点→(国道1号)→箱根峠料金所
決勝周回数:3周
芦ノ湖スカイラインなど、芦ノ湖周辺を巡るコース。途中の大芝交差点から箱根関所南交差点(箱根駅伝ミュージアム付近)までは開幕戦のコースを逆走する。
途中、火山灰が降り積もり滑りやすくなっている区間があり、事故が多発している為、デスエリアに指定されている。
直線らしい直線は箱根関所跡から箱根関所南交差点の通称駅伝ストレートくらいしかなく、速度が出しにくい。
一方、箱根峠料金所前は2kmにも及ぶヒルクライム区間となっており、パワーの無い車にとっては泣き所となる。
- 第3戦:ザ・ペニンシュラ真鶴
開催時期:7月下旬全長:17.4km
真鶴料金所→(真鶴道路)→福浦IC→(国道135号)𠮷浜橋交差点(折返し地点)→(国道135号)→真鶴駅前交差点→(神奈川県道739号)→真鶴駅前→(国道135号)→真鶴料金所
決勝レース周回数:5周
真鶴半島の海沿いを走る超高速セクションと住宅街を走る超低速セクションの入り交じったコース。
富士山噴火による火山灰やガスの影響は見受けられないが、災害による大規模停電の影響を風化させないために、真鶴トンネルと新島トンネルの照明が意図的に落とされているといったトラップ「ブラック&ホワイト」が仕掛けられている。トンネルに入った時と出たときの明暗差、薄曇りの日でも発生する海面の反射光による目眩ましで視界が一時的に奪われ、さらに真鶴トンネルを抜けた先には超高速のS字コーナーが待ち構えており、スピードコントロールを間違えると事故の危険性が高い。なお、このS字コーナーはスパ・フランコルシャンの名物セクションである「オー・ルージュ」に似ていることから、同じ名前がつけられている。
前述のトンネル及び住宅街の低速セクションからMFGドライバーからは攻めにくいコースと称されており、予選で上位を獲得することが決勝での順位に直結しやすいとも言われている。
関連タグ
箱根駅伝 - 6区と5区の一部が本作品のコースの一部として登場する。