「別にフルチューンのエンジンでなくたって・・走り屋でいるかどうかは気持ちの問題だろ・・」
声優 | 中村大樹 |
---|---|
搭乗車種 | マツダ・ユーノス・ロードスター※(NA6CE) |
ボディカラー | クラシックレッド |
主な外装パーツ | マツダ純正エアロパーツ |
ナンバー | 栃木55 を 86-596 |
※アーケードゲーム『頭文字D_ARCADE_STAGE』シリーズでは、Ver.3までスポーツグレードのS Specialであった。
概要
結成して2年となる、栃木県旧塩原町(現那須塩原市)を拠点とする走り屋チーム「セブンスターリーフ」(S・S・R)のダウンヒルエース。
ロードスターの軽さを生かしてハイスピードのツッコミに賭ける荒っぽいドライビングスタイルを持ち味としている。
ありとあらゆるコーナーを慣性ドリフトで振り回すその走りから「カミカゼ・ダウンヒラー」と呼ばれ、対戦相手の藤原拓海すらも驚かせるほどのキレ味を見せる。
高橋涼介は、「藤原とよく似たタイプのドライバー」と分析した。
ただし資金や整備士などのバックアップに恵まれている拓海とは真逆で、秋山渉と同じく社会人ではあるが資金力の余裕がない。
愛車のチューニングや整備の度に、ボーナスなどでの返済をあてにして交際して6年目の恋人の奈保(CV:長沢美樹)に借金を申し込むこともしばしばである。
貯金もせずにクルマに金ばかり費やすが、それがほぼ唯一の趣味であると思われるトオルに彼女は頭を悩ませている。
また奈保からは、
「トオルのロードスター お金かければかけるほどヘンになっていくじゃない 乗り心地は悪くなるし・・うるさくてCD聞こえないし・・見た目だって前よりなんかボロっちい・・」
などと散々な言われようである。
劇中の活躍
以下ネタバレ注意
トオルはプロジェクトDとの決戦を前に奈保にタイヤ代を無心するが、「負けたら走り屋やめてもらう」という条件付きで貸してもらう。
原作ではこれを聞いた親友でヒルクライム担当の川井淳郎からは、「そんな約束させられてる事自体が問題だよー」、「もっと奈保ちゃんのこと大事にしてやらないとまずいぞー」と心配されている。
決戦前に1,600ccのB6-ZE型エンジンを1,800ccまで排気量アップ、4連スロットル化し、馬力を190psまで上げたが、「勝っても負けてもこのエンジンは手放す」と決心をしていた。
原作ではチームの後輩の慎一(CV:優希比呂)にこの事を打ち明けており、これは「一番大事なのはクルマの運転を楽しむこと」ということに気づき、バトルをしない走り屋として生きるという道を見つけたためであった。
迎えた日塩もみじラインでの拓海とのバトルでは先攻を選び、地元の利と身上であるキレたツッコミでリードしていく。
しかし技術の洗練度では父親の文太に仕込まれた拓海の方が一枚上手で、きっちり差を詰められた上に「(フタのない)側溝ショートカット※」という超人かつ常識外な荒技でカウンターアタックを決められて追い抜かれる。
トオルは「ハチロクにできるのならこの車だってできる」と果敢に同じことを試みるが、技量やホイールベースの違いなどもあって失敗。
右フロントタイヤが側溝に脱輪してコントロール不能となり、路肩の土手に乗り上げた勢いで飛んだロードスターは屋根から落ちて横に一回転した。
ギャラリーは肝を冷やして駆け寄り、拓海も慌ててバトルを中断して戻ってきたが、ロールケージと頑丈なシートベルトに守られたトオルは全く無事で自力で普通にドアから脱出。
しかしこれで試合続行が不可能となり、リタイアとして敗北となった。
この敗北で約束通りバトルからは引退するが、クルマとは別の形で好きなものとして関わっていくことを決意。
プロジェクトDと戦えたことに喜びを感じつつ、彼の物語は幕を下ろした。
ちなみに奈保は意外にも約束通り引退すると言ったトオルに驚いており、冗談半分の意地悪のつもりであったことを明かしている。
借金まみれでもひたむきに走り屋として取り組むトオルをどこかで理解していたようであった。
「最高の夜だったしな あんなに興奮したことなかったよ・・あいつらに出会えたことを つくづく よかったと思う・・」
※
荷重をアウトの側リアタイヤに全て乗せることでイン側のフロントタイヤを浮かせ、側溝をまたいで茂みを走行する荒技。
溝落としの応用。
余談
トオル役の中村氏は、アニメ版登場に先駆けて2003年発売のPS2用ソフト『頭文字D Special Stage』でキャスティングされ、約1年後に放送されたアニメ版『頭文字D Fourth Stage』でも引き継がれた。
ロードスターが横転したシーンでは原作が割とあっさりした描写であったのに対し、アニメ版では音響やスローモーション、車内のトオルの表情と奈保の回想などでより重厚な演出となっている。
テレビアニメ版では、ユーノス・ロードスターはトオルが登場する以前の第1期(First Stage)から一般車として頻度は少ないが登場していた。
トオルが登場した第4期(Fourth Stage)以降でも、彼のロードスターとほぼ同仕様でボディカラーの異なる個体が一般車両として頻繁に登場する。
ちなみに本作のTVアニメ4期と同じスタッフ陣が手がける、『湾岸ミッドナイト』のアニメ版でも同様の傾向が見られる。
アーケードゲーム頭文字D_ARCADE_STAGEシリーズでは、ストーリーの都合上拓海戦後もバトルを完全に引退しておらず、プレイヤーとバトルする前にプロジェクトDの事を回想している。
Ver.2の家庭用移植となる『頭文字D Special Stage』の「公道最速伝説」モードでは、Ver.2時点で登場する八方ヶ原の他に新たに追加されたもみじライン戦にも登場する。
作中でのもみじラインコースの特徴の影響も大きいが、アーケード版からの継続登場である八方ヶ原戦よりもライバルキャラクターとしてレベルが格段に上がっており、原作での扱いから一転して同モードの藤原文太に並ぶような手強い存在と評するファンも少なくない模様。
関連項目
原作第2部後半で登場する、二代目ロードスターに乗る走り屋。
アニメ版第5期(「Fifth Stage」)では、彼のロードスターのエンジン排気音はトオルの初代ロードスターの音源製作の為に収録された物を流用している。