概要
ターボエンジンは、特定の回転数で加給が始まると出力が増大する構造であり、逆に加給しない低回転域では出力とアクセルレスポンスが悪化する。この変化をターボラグと呼ぶ。
大容量のターボや高いブースト圧を設定したエンジンではターボラグが強く、加給前後で出力の変化が激しい。
このような特性や、それを有する車を「ドッカンターボ」と通称する。
ターボエンジンの制御技術が発展途上だった昭和時代には、市販状態でもドッカンターボな車が多く、現在の基準では扱いづらさが目立ったが、そのフィーリングを味わったり、強引に乗りこなす技術を磨くのも楽しみの一つと言われた。
ターボラグが死活問題となるモータースポーツでは、少しでもアクセルを離す時間を短縮する為に左足ブレーキを用いたり、強制的に加給を維持するミスファイアリングシステムが開発された。
平成後半になると、制御技術の向上と共に、より合理的で扱いやすいダウンサイジングターボが主流となったことから、ドッカンターボと呼ばれるような車はほぼ駆逐されている。
ただし、ターボエンジンを高出力化すると必然的にドッカンターボ特性となるため、チューニングやモータースポーツ界隈では今なお頻繁に見られる。
関連項目
秋山渉:『頭文字D』の登場人物。愛車のAE86のターボ化によりドッカンターボ特性となっており、その乗りにくさすら気に入っていた。