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概要編集

ターボエンジンの補器の一つで、ターボラグの解消を目的としたもの。

「アンチラグシステム」とも。


ターボエンジンは、排気圧でタービンを回転させることで高出力を得る構造である。

そのため、排気の少ないアクセルオフもしくは低回転では出力が急落してしまい、再加速時に再びタービンが回転するまでもたつくという弱点(ターボラグ)がある。


この解消のために開発されたのが、ミスファイアリングシステムである。

原理は、排気管に残留した未燃焼ガスを意図的に爆発させることで排気圧を生み、タービンの回転を維持するというもの。

名前は失火(ミスファイア)に由来する。


1980年代からF1WRCラリー)で普及し、現在でも日本のSUPERGTなどで使われているシステムである。

作動時には頻繁なアフターファイアが起こるため、見た目や音で判断しやすい。

特にラリーでは、派手なアフターファイアと共にドリフトする姿のインパクトが大きく、観客を魅了した。


欠点として、燃費の悪化や、熱害によるエンジンや排気管の寿命低下がある。

このため公道で使用するメリットは無く、完全なモータースポーツ向けの技術と言える。


余談編集

  • 三菱自動車ランサーエボリューションや、SUBARUインプレッサは、純正状態でミスファイアリングシステムを装備していた。これは当時のグループA規定でのWRCで、ミスファイアリングシステムの後付けができなかったのが理由である。ただし、純正状態では作動しないか、最小限の作動に留めるよう封印がされていた。
  • 漫画『頭文字D』で、須藤京一の駆るランサーエボリューションIIIがミスファイアリングシステムを使用している設定。

関連項目編集

ターボ WRC 頭文字D

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