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十字架のろくにん

じゅうじかのろくにん

『十字架のろくにん』とは、マガポケにて連載中の中武士竜によるサスペンス漫画である。
目次 [非表示]

概要

原作者は中武士竜。

絶望コンペ通過作として別冊少年マガジンにて2020年4月から11月まで連載、その後マガジンポケットに移籍した漫画作品。

現在単行本14巻まで発売。

凄惨ないじめの末に家族を奪われた主人公による復讐をテーマとしており、制裁の手段や内容はグロテスク気味な描写が多い。

また、『ミスミソウ』と共通する設定が少なからずあるため一部のユーザーから「令和版ミスミソウ」と評されている。

一方で、その過激な描写に話が展開していくため、無抵抗に悪事に晒され犠牲になる被害者も多く、ある意味では彼岸島の方が近いとも。


あらすじ

漆間俊は、小学6年生。最近の悩みは同級生の5人組にいじめられていること。でもお父さんとお母さんと弟、それにちょっと顔が怖いおじいちゃんがいるから大丈夫。心優しい少年に、底しれぬ悪意が迫る…!!絶望から始まる新感覚サスペンス!!


登場人物

キャラのCVは当記事最上段の公式PVの配役。


漆間俊

漆間俊

CV:内山昂輝

この作品の主人公。橋田小学6年→明関高校1年。

家族に父と母、弟、祖父、伯父、伯母がいる。

小学5年生になってから直ぐに「実験体A」として至極達から「体中に落書き」「集団リンチ」「改造エアガンで撃たれる」といった凄惨ないじめを受け続ける。

弟の翔を始めとした家族の為にそれ等を隠して振る舞ってきたが、六年生のある日翔からの慰めにより家族に全てを打ち明け転校するはずだった。至極達5人に家族を奪われるまでは……

両親は死に翔は変わり果てた姿で意識不明の寝たきりになり絶望する中、伯父と伯母の誘いを断り祖父のもとに身を寄せる。

そこで祖父の過去を知り、同じくして家族の死の真相を知った祖父によって鍛えられる。

元特殊部隊出身の祖父から鍛えられたのもあり高校生になる頃にはチンピラ数人を余裕で圧倒する高い身体能力に殺人技や特殊な技能も会得し、敵には徹底的に非情になれる精神を身につけた。

一方で家族は元より東千鶴や白川兄妹といった親しくなった相手にはリスクを無視してでも助けようとするなど、元来の優しさも残っている。

しかし復讐に手を染めながらも救いの無い結末や悲劇の連続、何よりも復讐対象達の欠落した人間性や暗黒面を目の当たりにしていく中で、憎しみを募らせていき、更に復讐は自分の手で果たしたいと言う思いだけはブレてないため、自身もまた人間性を失って目的のために暴走する一面を見せつつある。


漆間の家族

漆間翔

俊の弟。兄想いの優しい少年だったが、至極達の計画により家族で乗っていた車を崖から落とされて両親を殺され、何とか無事だった自身も至極により石で殴打された末に放火された事で意識不明の寝たきりの状態に陥ってしまった。

本編では長い間そのままの状態で過ごしており、65話のラストにて遂に目が覚めるが……。


おじいちゃん

おじちゃん

俊と翔の父方の祖父。

広大な山を私有地に持ち普段はそこで猟をしている。

過去には呉鎮守府第百特別陸戦隊、通称〝北山部隊〟という秘密部隊に所属し殺人や拷問の訓練を受けていたこともあってか、息子夫婦からは怖い人と見られている。

家族を失い(彼の持つ猟銃を目当てに)やって来た俊を引き取ったその夜、猟銃を持ち出し至極達を殺しにいこうとする俊を見つけ、そこで家族の死の真相を知ると同時に今の俊では人殺しの罪悪感に一生苛まれることを「つまらん」と切り捨て、確実に俊が復讐出来るように鍛え上げる。

一方で自分にとっても至極達が家族の仇なのもあり、俊の復讐や始末した相手の死体の処理等を手助けする共犯関係となる。


第170話にて本名が漆間昇ということがついに判明する。



復讐の対象

至極京

no title

橋田小学6年→帝星高校1年。〝悪意〟担当

5人の中の司令塔にして王である中性的な容姿の美少年。

『実験』と称して他の4人を率いて漆間をいじめ続け、そこから逃げようとした彼への制裁として家族を奪った諸悪の元凶。4人からは「京ちゃん(さん)」と呼ばれている。

公務員の父と専業主婦の母という平凡な家庭から生まれた突然変異とも言える悪。

久我曰く通っている柔道場では小学生の時点で大人よりも強く、県下一の進学校の帝星高校に満点で首席合格、高校においても人望も高く学年トップクラスに運動神経抜群、一年生にして東大模試一位と天衣無縫のハイスペックさをほこる。

しかしその一方で人が出来たら一番凄いことに誰も出来ないから「理由も目的も無しに人を殺すこと」という考えを持ち(漆間へのいじめもその為の実験でしかない)、他の4人のことを友と認める一方で復讐者と化した漆間により次々と仲間達が葬られても「面白くなってきた」と仲間の死を特に気に留めようとせずに放置するなど、その精神性はサイコパスそのもの。また、他者の中にある悪意を見出しそれをより増幅させて当人を悪の道に奔らせる人心掌握もお手の物であり、彼に目を付けられた人間は悲惨な目に遭うか悪人になると言っても過言ではない。


久我大地

橋田小学6年→明関高校1年。〝暴力〟担当

5人中最も体格が大きく2本角のような髪型をした男。

至極とは最も古い仲で柔道場も一緒に通っていた。

小学校時代は柔道の技の実験台として漆間に投げる締める殴るといった暴力をよく振るい血を流させていた。

小学生の頃から柔道の大会で賞を総なめし、中学では全国大会90kg超級優勝という箔を持つのもあって高校にも特待生として入学した(余談だが連載時は〝空手〟の特待生と記載されていたが、単行本で柔道に修正されている)。

そのパワーは桁外れで特に握力に至っては推定180kgという化物であり、ただ掴んで投げるというシンプルな動作で多くの柔道家達を下していった。

高校では一年生でありながら柔道部をその力と暴力性で支配下に置き、部員達を重傷レベルに痛めつける、目をつけた女を強姦する、金の代わりに指を賭ける指カジノを強制するといった恐怖政治を敷いている。

傍若無人の塊のような男であるが、至極にだけは従順。作中で至極に似た容姿の幼馴染の杏奈を前にした時は珍しく弁えた態度を取っている。

実は至極京に強い想いを抱いており、その満たせぬ劣情の憂さを暴虐に身を任す事で晴らしており、遂には杏奈すらも手にかけた際には漆間も今までの4人の中でこいつが一番のクズだと評している。

実は高校時の顔の右側にある大きな傷は京への気持ちを抑え切れずに押し倒してしまった際、京が隠し持っていたペンで反撃されてついたもの。


右代悠牙

右代くん

CV:今井文也

橋田小学6年→帝星高校1年。〝イケメン〟担当

母子家庭で育ち小学生の頃からヤリチンと呼ばれた金髪の眉目秀麗のプレイボーイ(ヤリチンとして札付きだったのは至極と出会う前からな模様)。

中学の頃には不良グループを率い、高校生になってからは学生生活の裏で麻薬売買に売春斡旋といった悪事を不良達と尽くす根っからの悪そのもので、当然女達に対しても売春か自分の渇きの無い性欲を満たすための道具位にしか思ってない卑劣漢。

しかし表の学生生活では好青年として過ごしているのもあり評判は良く、しかも桜葉花蓮という中3からの彼女もいたが、ある日からその花蓮が行方不明となりそれに深く落ち込んだ事で学校を休みがちになってた。

彼女の失踪によるショックで再び悪の道に戻り悪事を続けていたと漆間は考えているが、実は彼女が失踪したのは、アパートの一室に彼女を監禁したためだった。


千光寺克美

千光寺 克美

CV:今井文也

橋田小学6年→明関高校1年。〝おもちゃ〟担当

両親は健在で一人っ子、家庭も裕福で浮いた噂は無いものの女子からは人気がある、運動は苦手だが成績は優秀と一見絵にかいたような優等生だが、その本性は三度の飯より弱い者いじめが好きでその癖窮地に陥ると直ぐ泣く卑怯者。

改造エアガンを愛用しており、それで虫や小動物を殺したり漆間を嬲って遊んでいた。

小学4年生の頃に席が隣になったことをきっかけに漆間と友達になったものの、虫を殺す遊びを漆間が拒絶したことを切っ掛けに亀裂が産まれ、後に至極達を漆間と引き合わせた。

いわば漆間家の不幸の全ての元凶であり、その因縁により漆間の最初のターゲットに選ばれる。


円比呂

橋田小学6年→帝星高校1年。〝パシリ〟担当

口癖なのか「ケヒャ」という声をよく上げる。読者からも本名よりケヒャと呼ばれる事のこと方が多い。

点数稼ぎのためなら靴すらも舐めると漆間から評される程の至極の腰巾着。

上述の漆間の家族を死に至らしめる計画においては何と至極に崖の上から漆間家の車の前まで突き落とされたものの、未だに至極を信奉している狂信者。或いはDVされてでも捨てられたくないダメ女そのもの。

実質的に小物といってもいい人間性で、自分より上の者には弱く下の者には傲慢に接するため、高校生でありながら子供相手にガンつけて脅す、至極や久我に相手にされなかった腹いせに目を付けた中学生に洗剤を飲ませるといったことを平然とするなど、他の面子に負けず劣らずの外道である。また、小物である故に真正面から迎え撃ったり戦うメンタルは持ち合わせておらず、卑怯な行動が基本。しかし、軽く見られる事を嫌い、その時々で振る舞いが安定していない為にため偶々明るみに出なかっただけでいつ暴走するか、行動が読めないと言う危険性を孕んでおり、白川要も円に対して迂闊に接近した結果毒牙にかかってしまい、その凶行により漆間、並びに多くの読者から激しい怒りを買うことになった


革命倶楽部

至極京が設立・運営するコミュニティ。

表向きは至極主催の自己啓発セミナーとして多くの人間に講演をしているが……その実態は幹部である研究者達を使いターゲットや倶楽部参加者に洗脳・拷問・粛清などを行うカルト宗教同然の犯罪組織。

第2部ではオンラインサロンとしてメディアに取り上げられる程に規模も大きくなり、それに比例して倶楽部の悪辣さに犠牲者の数も肥大化しているだけでなく、会員が事件を起こそうが所有の島で大火災が起きようが公にならないようもみ消せる力を持っている。


研究者

安堂緑

右頬に大傷をもつ眼鏡をかけた中年男性。

刺激を求め傭兵として戦場に参加した過去があり、その後至極と出会い「弱い者を痛めつける」という自らの欲求を得た。

それ故か倶楽部においては主に拷問を担当し、武器としてチェーンソーを愛用している。

第二部では革命倶楽部の創成期メンバーとして倶楽部の合宿の監督をしており、中学以来の幼馴染でもある来栖を理解者として側近にしていることが明かされる。


百木早苗

研究者の紅一点。

黒い服を纏い不気味とも妖艶とも言える笑みを浮かべている。

翔の一大事を察して病院に駆けつけた漆間に猫の死骸を招待状として見せつけ、彼を至極達の元へ連れていく。

第二部では、研究者の中でも最古参メンバーの一人にして、人間の肉体も精神も弄りもて遊ぶマッドサイエンティスト、詳しい素性や出自などは一切謎に包まれているが、実は同性愛者であることが判明。


美外留(ミゲル)

外国人と思しき口元に髭を蓄えた大男。

普段は穏やかな性格をしているものの、革命に対して狂信的なこだわりを持っており、安易に革命を語る相手には豹変し暴力的になる。

巨体の通りのフィジカルの持ち主で、無理やり椅子に押し込められた漆間が不意討ちで目を潰しても揺るぐこともないほどである。


能義隆

研究者の中では一番の若者。至極に唯一「くん」呼びされていたため高校生くらいの年齢と思われる。

苛立ったら罵声を浴びせながら暴力を振るう短気、凶暴、軽薄の三拍子揃った男。

漆間と至極達の対決の間、翔を人質にしていた。


准研究者

来栖

第二部から登場する髭と長髪の男。

殺した女性の手を大量にコレクションにして興奮を覚える猟奇殺人鬼。

安堂とは中学時代からの幼馴染で革命倶楽部においても彼の側近を務めている。


会員

中村マサシ

会員番号78番。

会員であったものの倶楽部の資金を横領していたところを研究者達に捕まり、安堂による幾度の拷問の末に革命に至り革命戦士へと生まれ変わる。

第二部においては筋肉質なたくましい体つきへと変わっており、常ににこやかながらも完全に倶楽部の思想に染まった物騒かつ狂った言動を見せる。



学校の関係者

東千鶴

明関高校1年。漆間の同級生である少女。

変質者に襲われそうになったところを漆間に助けて貰ったのをきっかけに密かな好意を寄せるようになる。


白川要(右側の人物)

no title

漆間の同級生で、校内のマドンナ的存在の美少女。

漆間とは小学校時代の同級生だが、当時漆間よりも以前に至極たち5人からのいじめの標的にされていた被害者。しかし千光寺に目を付けられた漆間が新たないじめの標的となってしまう。漆間を助けようとするも、転校が決まったため間に合わず、そのまま疎遠になってしまう。そして高校で漆間と再会し、その時の件を謝罪するまで強い後悔と罪悪感に苛まれていた。


白川純

明関高校1年。要の双子の兄。漆間の小学校時代の同級生で、漆間の事は「ウルマン」と呼んでいる。

円の凶行で要が傷つけられた件をきっかけに次第に情緒不安になってしまい…。


杉崎杏奈

明関高校2年。バレーボール部に所属するポニーテールの少女。

明るく活発な性格で、ラーメンの大食いチャレンジを総ナメにするほどの大食い。

黒澤をはじめとする男子から人気を集めているが、周囲から恐れられている久我に毅然とした態度を取ることができる数少ない人物。

実は至極のいとこ(至極の母親が自身の母親の姉にあたる)で、顔立ちが至極とよく似ている。


黒澤

明関高校1年。

漆間の同級生で、柔道部に所属する男子生徒。

幼馴染みの杏奈に想いを寄せているが、久我を恐れている。



ジュージカ

第2部から登場する始末人グループ。

SNS上でジュージカというアカウントで様々な相談を受け付けており、巷では専ら恋愛相談を受け付けているとされているが本当は殺害による断罪依頼が専門。

雑居ビル5階の北見医院性病科を拠点としている。

北見と川奈、そして出所後とある事情で記憶を失った漆間の3人で活動している。


北見高梧

無題

ジュージカの総務担当の丸メガネの優男。

表の顔は北見医院の院長で医師としての腕も高い。

1人目の標的を断罪し死体を処理しようとしていた所、重症で彷徨っていた漆間と遭遇し、連れ帰り治療を施した際に彼の背負う十字架を感じ取る。そのまま漆間を仲間に引き入れ、彼の存在からチーム名をジュージカとした。

子供の頃からヒーローへの憧れが強く、いじめっ子相手に暴力沙汰を起こして親と教師から殴られ叱られたこともあり、理想のヒーロー像を考えた末に医者となる。が、ある日医師としての仕事と自身のヒーロー像の差に違和感を感じて心ここに在らずとなり、手術中の患者を死なせてしまう。責任を取るつもりで遺族に土下座するが、実は遺族は患者からのDV被害者であり死なせたことを逆に喜ばれることに。その結果、「人の命を奪ってもヒーロー足りえる」と解釈して始末人へと転向し、ジュージカの結成へと至る。そして記憶を取り戻した漆間から復讐の動機を聞いたことで、「順風満帆に生きてきた自分には悪を憎む理由がない」というヒーローたる根拠がないという違和感の正体に気づき、漆間を自身の完璧なヒーローとみなして改めて仲間にと引き留める。


川奈美々

ジュージカの窓口や後始末をはじめ様々な役目をこなすアシスタント。

表の顔は北見医院の看護師をしている。

普段は真面目なしっかり者だが、オフの際の実生活は汚部屋の中で寝転がるというズボラそのもの。

大成という兄がいる。

ジュージカの活動における縁の下の力持ちであるが、時に突拍子のない行動をする北見と我が身を顧みず生傷の絶えない漆間に振り回されたり心配したりツッコミを入れたりと気苦労が絶えない。



警察

安西全一

橋田警察署刑事課の巡査部長。

かつて漆間家の自動車事故の捜査に関わっており、漆間が至極達にいじめに遭っていたことも確信している。

千光寺が行方不明になった事件をきっかけに上記の経緯から漆間が関与しているのではと彼の周囲を探っている。

無感情で冷徹な物腰とは裏腹に、過去に自分も明るくない過去を過ごした経験から漆間の瞳の中の闇に気付き、気に掛けていたが……。


太田朝子

安西と同じ刑事課の巡査長。

明るく生真面目であり、本部に推薦して貰い昇進するという秘めた願望を持つが、変人の安西と組まされているのもあって彼のペースに振り回される苦労人

第2部では警部補に昇格している。


安西瑞紀

第2部から登場する女刑事で、安西の妻。

警視庁きっての敏腕刑事として周囲から一目置かれている。




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