概要
主に韓国の放送局やプロダクションで製作されたテレビドラマ作品。韓流ドラマとも呼ばれる。略称は韓ドラ。
2004年の『冬のソナタ』大ブームをきっかけに『韓流』の言葉と共に日本での放送作品数が急増、女性向けの恋愛要素を描いた現代劇や歴史ドラマなどが大量に翻訳されて放送された。
2020年代にはNETFLIX限定配信の『イカゲーム』の世界的人気によりK-カルチャーのひとつとなっている。
過熱的なブームが過ぎた後も海外ドラマの1ジャンルとして定着しており、中華圏の『華流』と共にアジアドラマ枠として扱われている。
特徴
全体的に暗いテーマを扱う事が多く『出生の秘密』や『異母兄弟』『下克上からの是正(復権・名誉回復・家名復興)』『復讐(仇討ち)』をテーマに据えた上に、複雑な関係や唐突な交通事故といったようなストーリー上で刺激的な内容をねじ込む設定を盛り込んだメロドラマの作風が多く、これらを備えた先の見えないストーリー性から「マクチャンドラマ」と呼ばれたりしている。
主要登場人物は極貧あるいは大富豪や社長、また本来は由緒ある正統の後継者だが冤罪や侵略などで別の者に立場を簒奪されている、世代を超えた因縁がある(本人に罪が無くとも親や祖先が過ちや罪を犯していれば、その子孫が罪を継承して罰を負うべき)という設定が数多く用いられ、派閥争いが多いのも特徴となっている。
そのせいか、現実の韓国で起きた事件(ナッツリターン事件など、財閥一家によるパワーハラスメントなど)に対し、「韓国ドラマの世界」と揶揄されることがあったりする。
もちろんそういった作品ばかりではなく、ドロドロとしていない恋愛ドラマやコメディドラマ、『秘密の森』といったような社会派ドラマもある。
一方、国内向けの文芸作品が今も存在しないせいか、日本や諸外国で定番となっている小説原作作品がほとんど存在しない。
近年では『ミセン -未生-』がドラマ化されたのをきっかけに、ウェブトゥーン原作の実写化作品も登場しているほか、日本で制作された原作付き作品をリメイクする例もある。
代表的な作品
応答せよシリーズ
SKYキャッスル (『スカイキャッスル』として日本でリメイク)
梨泰院クラス (『六本木クラス』として日本でリメイク)
OST
「Original Sound Track」と映像作品にて使用される音楽集と同じ意味だが、韓国ドラマにおいては少々意味が異なっている。
2000年代になってからはオープニング/エンディングとは別に、複数の歌手が劇中歌として歌うドラマが増え、それらの劇中歌を集めたオムニバス形式のアルバムをこう呼ぶようになり、K-POPとは別ジャンルで活躍する歌手の受け皿にもなっている。