概要
『イ・サン』(原題:이산 李祘)とは韓国の時代劇ドラマであり、同作品の主人公の名前でもある。
ストーリー
李氏朝鮮第22代国王である正祖(チョンジョ)ことイ・サンを主人公とした物語である。サンは11歳の頃、父思悼世子(サドセジャ)を謀反の無実の罪で捕えられたうえ、先代王の英祖(ヨンジョ)によって死罪にされてしまう。やがて成長し、王位継承者になったサンは、亡き父を救えなかった無念と、父が遺した「聖君になれ」という言葉を胸に、英祖から王になるべく哲学や手腕を学ぶ。
一方朝廷内では、サンを追放、亡き者にしようとする老論派(ノロン)が蔓延っていた。その中でもサンは、持ち前の洞察力と頭脳に加え、幼いころに親友の誓いを結んだソ・ソンヨンとパク・テス、そして周囲の人々に支えられながら、数多くの困難に立ち向かっていく・・・。
登場人物
イ・サン(正祖)
※左の人物
主人公。朝鮮王朝の世孫(セソン)であったが、英祖の崩御後、後に即位し王になった。刺客に命を狙われたのも1回や2回では無く、波乱の人生を送っている。11歳の頃、父親を老論派の陰謀によって米櫃に閉じ込められ餓死させられる。幼少の頃にテスやソンヨンに名前を訊かれた時に「ムドク(武徳)」と名乗って以来、お忍びの際には必ず「イ・ムドク(李武徳)」と言う偽名を名乗る。
老論派とその首領であった太妃(先代の正室)との水面下の戦いには心を痛めつつも忠臣の力と合わせて立ち向かった。
ソン・ソンヨン
ヒロイン。幼少の頃にサンやテスと友情を結ぶ。後にテスと共に都を追われる身となり、彼と彼のおじのパク・タルホとの3人暮らしである。図画署(トファソ:朝廷の行事を絵に描いて記録する部署)の茶母(タモ)として宮中で働いていたが、後にサンの周囲の反対も押し切って側室となり、イ・サンの妻になる。
パク・テス
もう一人の主人公。イ・サンに忠誠を尽くす宿衛所(スギソ)の護衛部隊の武官の一人。後に指揮官に昇任する。幼少の頃にソンヨンと共にサンと友情を結ぶ。後述のパク・タルホとは違い、宮中に居たが結局去勢はしていない。ソンヨンに想いを隠し持っていたが、ソンヨンの幸せの為にサンに側室として迎える事を進言した。
生涯をサン・その側室となったソンヨンには友情を超えた忠義を貫き、サンの死後に就いた幼き王を生前のサンの頼みによりその変わらぬ忠義心で守る立場となった。
カン・ソッキ
イ・サンの護衛官。当初はサンを快く思っていなかったが、サンの行動により、考えを改める。テスの先輩。
ソ・ジャンボ
イ・サンの護衛官。当初はサンを快く思っていなかったが、サンの行動により、考えを改める。ホン・グギョンに買収され、彼のサポートを行う。
気性は荒いが義に篤いところがあり、上記のイラストはそんな彼の名場面のひとつである。
ホン・グギョン
イ・サンの部下。テスの恩師でもあるが、サンの直属の部下になった。しかしとある事が原因で次第に自身の暴走を招いてしまい……。
チョン・ヤギョン
イ・サンの部下。聡明な若者で、その才能をサンに買われ、彼の部下になった。発明家で、華城の建設にも携わった。
パク・タルホ
※左の人物
テスのおじ。テスとソンヨンの親代わりになっている。宮中で宦官をしていた為か、既に去勢してしまっている。マクソンと言う居酒屋の女将と恋仲になるが、去勢が発覚し彼女とは一時冷めた関係になってしまう。後によりを戻している。その後結婚し、養子を儲けている。
チョン・フギョム
※右の人物
ホン・グギョンと対を成す存在。ファワンの養子。
英祖(ヨンジョ)
※右の人物
李氏朝鮮第21代国王。サンの祖父で、朝鮮王朝史上最も長生きし、52年間も王の座に就いた人物。他者に滅多に温かみを見せない絶対的な厳格さを見せるが、鋭い洞察力と明晰な頭脳を持つ。激しい派閥争いで自身の命の危機にさらされそうになったことから老論派を重用するが、これがサンの父を死に追いやったきっかけになる。後に「思悼」として追悼し、サンを次の王位継承者にした。サンに辛く当たることが多かったが、サンのことは同時に期待してもいた。晩年は認知症を患い、死の間際にソンヨンを密かに呼び出し、思悼世子の肖像画を描かせ、完成した絵を見て、自分の愚を詫びて亡くなった。