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第五共和国

だいごきょうわこく

1981年3月から1988年2月に現行の第六共和制へと移行するまでの韓国の政体、及びそれを題材にしたテレビドラマ
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曖昧さ回避編集

  1. 1981年3月から1988年2月まで存在した韓国の政体。
  2. 『1』を題材とした2005年放送の韓国ドラマ

この記事では『2』を取り扱う。


概要編集

2005年4月から9月まで、韓国のMBC(文化放送)で放送された韓国ドラマ。ドラマのタイトルとしては『第5共和国』。

朴正煕の暗殺後、国軍保安司令官の座から2度のクーデターを経て政権を掌握し、韓国大統領となった全斗煥の集権過程と大統領時代、そしてその失脚と裁判を中心として、1981年から1988年までの第五共和国時代の韓国政治を描いた作品。

1979年10月26日の朴正煕暗殺事件から、同年12月の粛軍クーデター(12.12クーデター)、翌1980年5月の5.17非常戒厳令拡大措置光州事件、国家保衛非常対策委員会の設立による全斗煥や盧泰愚などの軍部による政権掌握、同年9月の全斗煥の大統領就任と憲法改正による第五共和国体制の成立とその時代、1987年の6月民主抗争とそれを受けた盧泰愚6.29民主化宣言、同年に行われた大統領選挙による盧泰愚政権の発足、第六共和国成立後の金泳三政権による全斗煥・盧泰愚たちの逮捕と裁判、そして1997年の全斗煥・盧泰愚への特赦と、延べ18年に渡る激動の時代を全41話で描く。


このころの韓国は朴正煕政権下での「漢江の奇跡」の流れを受け継ぎ経済発展が続き、1988年にはオリンピック招致に成功するなどした時代であったが、政治的には軍事独裁政権が続き、またラングーン事件や大韓航空機爆破事件など北側の脅威を国内の引き締めに利用し、光州事件に代表される民主化運動への激しい弾圧や政治腐敗が起こり、作中のエピソードでもそれらが取り扱われている。

1980年代より韓国では李承晩時代を描いた「第一共和国」、その崩壊と5.16クーデターによる瓦解を描いた「第二共和国」と朴正煕政権の主に前半期を描いた「第三共和国」とシリーズ化されており、ちょうど10年前に朴正煕政権後半とその最期から光州事件に至るまでを描いた「第4共和国」というタイトルのドラマが放送されていた。本作はその共和国シリーズを久しぶりに復活させた作品であり、第4共和国と配役が同じキャストが存在する。


どちらかというと再現ドラマの趣が強い作品である一方、善悪をはっきりして描いている側面があり、特に光州事件などでは明らかに軍を悪として描いている(一方で事件鎮圧に当たった兵士も歴史の犠牲者として描かれている)。また、放映当時も多くの登場人物が健在であり、当事者から抗議が相次いだ。

例えば作中ではスージー・キム事件(1987年に香港でスージー・キムという韓国人女性が夫との言い争いの末に殺害されたのだが、夫の「彼女は北朝鮮のスパイで自分を拉致しようとした」という証言を、政府と情報機関が北朝鮮への攻撃材料として使えると踏んで真実の如く捏造した事件)が描かれるのだが、作中でこの事件に関与したように描いたとして登場人物の一人が製作側を名誉棄損で訴え、一部勝訴の判決を受けている(そのため、韓国での再放送時は当該シーンにモザイクや音声カットなどの処置がなされている他、ノーカットの日本語版でもその旨を断るクレジットが挿入されている)。


これらの理由も相まって俳優陣のキャスティングもかなり難航したようで、韓国ではこれまでの共和国シリーズと比べて「実在人物に似ていることよりも、役を演じられるかどうかを重んじている」という指摘がなされている。

実際、主人公の全斗煥からして、実際の彼とドラマで彼を演じたイ・ドックァはあまり似ていない。しかしイの独特の演技力によって、邪悪さとカリスマ性の双方を併せ持った本作における全斗煥の人物像を描き出すことに成功しており、イも自身の演技についてかなり満足しているという(余談ではあるが、全斗煥そっくりな役者が演じたのは『第3共和国』『第4共和国』のケースである)。一方で似ているキャスティングもなされ、特に張世東役を演じたホン・ハクピョは容貌・声とも実際の彼に非常によく似ており、高く評価されている(ホンによると、撮影が行われていた期間にゴルフに行ったところ、なんと全斗煥本人と会って話をしたという)。


ドラマそのものも光州事件を描いたエピソードでは実際の事件の映像を挿入するなどかなり気合を入れて製作された一方で、前半において軍人たちによる政治抗争を重厚感たっぷりに描いた割には後半はかなり駆け足で物語が展開するといった展開のまずさも相まって、韓国での評価はあまり高いものではない。加えて放映当時の韓国では反日感情が高まっていたため、その評価は同時期に放送されていた李舜臣を題材とする「不滅の李舜臣」とかなり差がついていたとも言われている。

いずれにせよ、全斗煥率いる新軍部の立身出世ドラマとして見る価値はあるかもしれない。


韓流ブームの最中に製作されたドラマということで、日本でも字幕付DVDがリリースされている。

ネット界隈では、ドラマの内容よりも日本語字幕の強烈さから字幕付きのキャプチャー画像がTwitterクソリプに対する返答代わりに使われたり、カルタになりそうな画像を特集したりと、一部で根強い人気を誇っている。

例のあの人観ていたとか


関連タグ編集

韓国 韓国ドラマ 政治 全斗煥 盧泰愚

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