2022年7月28日付けでプライバシーポリシーを改定しました

詳細

ピクシブ百科事典

光州事件

こうしゅうじけん

1980年5月18日から27日にかけて大韓民国(韓国)の全羅南道の道庁所在地だった光州市(現:光州広域市)を中心に起きた市民による軍事政権に対する民主化要求の蜂起である。
目次[非表示]

概要

第二次大戦後の1948年建国以降発生した「済州島四・三事件」や「保導連盟事件」と同様に、韓国軍が自国民を大量虐殺した事件の一つであり、軍による一斉射撃などで一般市民に多数の死者を出した。この光州事件では市民側の目的である民主化達成と軍事政権を倒すことはできなかったが、7年後、1987年に軍事政権側が「6・29民主化宣言」を出し、言論の自由と大統領の直接選挙を認めた。

1979年、朴正熙大統領暗殺後のクーデターにより軍事政権を率いた陸軍中将の全斗煥は大統領の座を目前に控えていたが、最大の敵である民主化運動リーダー金大中を排除すべく。

1980年5月17日に戒厳令を出し、金大中らを逮捕した。5月18日、光州市で大学を封鎖した陸軍空挺部隊とこれに抗議した学生が自然発生的に衝突した。軍部隊・機動隊の鎮圧活動は次第にエスカレートし、また翌19日にはデモの主体もそれまでの学生から激昂した市民に変わっていった。市民はバスやタクシーを倒してバリケードを築き、角材や鉄パイプ、火炎瓶などで応戦した。21日に群集に対する空挺部隊の一斉射撃が始まると、市民は郷土予備軍の武器庫を奪取して武装し、これに対抗した。戒厳軍は一時市外に後退して、光州市を封鎖(道路・通信を遮断)、包囲した。

韓国政府は抵抗する光州市民を「スパイに扇動された暴徒」であるとした。韓国メディアは光州で暴動が起きていることを報じた。海外メディアは、ニューヨーク・タイムズのヘンリー・スコット・ストークス東京支局長を始めとして、金大中は「処刑されるべきではない」との社説を掲げ「民主化運動の闘士」であるとの後押しを行った。また、ドイツ公共放送(ARD)東京在住特派員であった西ドイツ人記者ユルゲン・ヒンツペーターが事件を報道した。

地元の有力者などで構成された市民収拾対策委員会は戒厳軍側と交渉するも妥結に至らなかった。市民たちは武器を手に入れると韓国軍を相手に銃撃戦を行い、全羅南道道庁を占領した。指導部は闘争派と協商派に分かれて分裂した。5月26日、市民軍は記者会見でアメリカが介入すれば流血事態は阻止できると主張するとともに、同志は死ぬ準備が出来ていると発表した。

結果

一部闘争派を残して自主武装解除を行い、この情報から市民に占拠された全羅南道庁に対する鎮圧命令が下った。

5月27日、市民軍の先頭に立って武器倉庫を攻撃したユン・サンウォンを含む市民軍には射殺されるものもあり、韓国軍、警察隊にも死傷者を出しながら鎮圧作戦は終了した。光州市に投入された総兵力数は2万5千人に上った。1980年9月17日、金大中に死刑判決が下された。

当時、事件は「北朝鮮の扇動による暴動」とされたが、粘り強い真相究明の動きの結果、1997年に国の記念日となり、2001年には事件関係者を民主化有功者とする法律が制定。韓国の近代史でもっとも大きな事件の一つ、かつ韓国における民主主義の分岐点となった1987年6月の6月民主抗争の原動力となった。

2004年1月29日、内乱陰謀で死刑判決が下された金大中に対し無罪が宣告された。

後述

2010年代においても韓国では当時の韓国政府と同様に北朝鮮の関与があったとする複数の報道がなされ、それに対する非難の声も多く上がった(後述)。しかし、2017年1月に機密解除されたアメリカ中央情報局(CIA)の機密文書では北朝鮮の関与を否定するなど、事件の原因について対立する説がなされている。

2017年8月、ドイツ公共放送連盟東京特派員のユルゲン・ヒンツペーターらをモデルにして事件を描いた韓国映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』が公開。大ヒットを記録し、同年に最も多く観られた韓国映画となった。

2021年5月27日、朝日新聞は、同紙の大阪本社写真部員と社会部員の2名の記者が事件当時、光州で撮影したカラー写真を含む写真フィルムが大量に見つかったと報じた。

関連タグ

韓国 テロリズム

外部リンク

Wikipedia: 光州事件

関連記事

親記事

テロリズム てろりずむ

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 1222

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました