概要
貧しい身分でありながら、国王の側室になり、イ・サンの祖父で第21代朝鮮国王英祖(ヨンジョ)を産み育てたトンイの波乱万丈の人生を描いた作品。
トンイのモデルとなった淑嬪崔氏の出自と家族構成については、ドラマ制作時点で既に宮廷入りする前の資料は残存しておらず、このドラマ自体「トンイ」という名前を含めてほぼフィクションであり史実通りではない。
あらすじ
貧しい賤民の身分だが、父と兄と幸せに暮らしていたトンイは、ある日父と兄が宮廷の重臣殺害の冤罪を着せられたうえ、二人を亡くしてしまう。二人の無念を晴らすため、身分を隠し朝廷の掌楽院(チャンアゴン:宮廷の音楽を担当する部署)の茶母(タモ:下働き)として働き、明るい人柄と頭の良さ、まっすぐな性格から周囲の人々から愛されながらも、陰謀の真相を調べていく。
やがて、宮廷の女性達を取り締まる監察府(カムチャルブ)の女官になったトンイは、父と兄を死に追いやった一派の陰謀を暴いていくとともに、熾烈な朝廷の権力闘争に巻き込まれていく。
登場人物:カッコ内は吹き替え声優
主人公。本名チェ・ドンイ。賤民の子だが、賢く元気で、行動力のある子供たちのリーダー格。身分や性別で差別されることを不満に思っている。父ヒョウォンと兄トンジュの三人で暮らしていたが、ある日突然、父と兄が朝廷の重臣殺害の汚名を着せられ、死別してしまう。
二人の死の真相を暴くために、身分を隠し、チョン・ドンイという偽名を使って宮中に掌楽院の下働きとして入る。後に、監察府の女官になりその際、国王である粛宗と出会い、やがて身分を超えた信頼関係と愛情を持つようになる。
- チェ・ヒョウォン(樋浦勉)
トンイの父。剣契(コムゲ:賤民による秘密組織)の元首領。仵作人(オジャギン:検視官)として事件捜査に長けており、その能力はトンイにも受け継がれている。自分の組織が朝廷の重臣殺害の冤罪をかけられ、真犯人を探そうと息子のトンジュと動いていたが、敵の罠に嵌り、殺されてしまう。
- チェ・トンジュ(川本克彦)
トンイの兄。掌楽院で楽師として働いていたが、裏では剣契として活動していた。重臣殺しの真犯人を父ヒョウォンと一緒に探していたが、敵の罠に嵌り一緒に殺されてしまう。
- 粛宗(スクチョン)(井上倫宏)
第19代朝鮮国王。トンイとは偶然知り合い、この時自分のことを王と知らなかった彼女に、漢城府(ハンソンブ:都の行政と治安を担う官庁)の判官(パンガン:高位官職)だと偽る。トンイの行動力を高く評価し、身分も関係なく気楽に話が出来る相手として楽しんでいて、次第に愛情を持つようになる。
- 張禧嬪(チャン・ヒビン)(林真里花)
本名:チャン・オクチョン。粛宗の側室。賤民の出身で当初不正を嫌う性格だったが、ある道士に言われた一言で野心と権力欲に目覚め、自ら悪に手を染めるようになる。トンイについては、捜査能力を高く評価していたが、次第に自分の座を脅かす存在として敵対心を見せるようになる。朝鮮三大悪女の一人。
- 張希載(チャン・ヒジェ)(大塚芳忠)
オクチョンの兄。裏表の激しい性格で女好きである。特徴的なもみあげと髭を生やしている。オクチョンを王妃にし、自身も権力を手に入れるために様々な悪事を働くが、事あるごとにトンイに阻止されるために彼女に敵対心を持っている。
- 車天壽(チャ・チョンス)(佐久田脩)
トンイの幼馴染。トンイを家族のように慕い、彼女も親しみをこめて「チョンス兄さん」と呼んでいる。剣契の元メンバーで、剣契が嵌められたとき重傷を負い、トンイと離れ離れになる。ヒョウォンが亡くなる前に、新たな剣契の首領になって組織を立て直すように命じられていた。6年後に捕盗庁(ポドチョン:警察機関)の仵作人になり、後に内禁衛(ネグミ:王室の親衛隊)の武官になる。
- 徐龍基(ソ・ヨンギ)(東地宏樹)
捕盗庁隊長を経て、内禁衛隊長を務める。正義感が強く、公正な目で捜査を行い、部下からの尊敬も厚い。トンイの父ヒョウォンとは親友だったが、自分の父が一連の重臣殺しの犠牲になり、その犯人がヒョウォンが首領の剣契だと知り、裏切られたと誤解する一方、幼かったトンイが「父は無実だ」と発したことが気がかりになっていた。後にトンイの出自が分かった時には嫌悪していたが、チョンスから真相を聞き、以降彼女を守り、励まし、支えている。
- 仁顕王妃(イニョン)(小林さやか)
粛宗の正室で大変思慮深く、芯が強い人物。オクチョンらの陰謀により、粛宗の母である明聖(ミョンソン)大妃の毒殺を企てたとして、粛宗の王命により、王妃の身分を剥奪され、宮殿から追放。廃位ののち平民に降格され、質素な暮らしを送っていたが、トンイたちの尽力により復位し、宮殿に戻ることが出来た。