『無限ガチャ』でレベル9999
むげんがちゃでれべるきゅうせんきゅうひゃくきゅうじゅうきゅう
(原作のサイトから引用)
人種(ヒューマン種)・ライトは、信じていた仲間達『種族の集い』リーダーからダンジョン内部で追放宣告を受ける。
この世界では人種、獣人種、竜人種、エルフ種、ドワーフ種、魔人種の6種(※)が存在した。その中でも人種はレベルが上がり辛く一般的に他種族から見下され、差別を受けていた。
『種族の集い』はそんな差別を払拭するため各種族が集まったレギオンだったが――実際は裏の目的があった。
彼らは人種を除く国々の命令を受け『ますたー』という存在を探し、あわよくば自国に取り込むのが目的だったのだ。
ライトはギフト『無限ガチャ』という、『ますたー』が所持していそうなギフトを持っていたため目を付けられたのである。そしてライトは『種族の集い』や各国の調査から、『ますたー』ではないと判断をくだされる。しかし、今後何があるか分からないため、念のために殺しておこうとなったのだった。
ライトは『種族の集い』のメンバーに殺されそうになったが、誤ってダンジョン内部にランダムで飛ばされる『転移陣』を踏む。
結果、ダンジョン最下層に転移しメンバー達から殺されることは無くなったが、地下深くでLV1000の神話に登場しそうな魔物に襲われる。
ライトは破れかぶれで『無限ガチャ』を連打。運良くSURカード『レベル9999探求者メイドのメイ』を引き当てる。彼女によってライトは魔物を撃退し命を救われる。
危機を完全に脱したライトは、元仲間達『種族の集い』メンバーに復讐し、殺されかけた真実を知るため各国家に対しても戦うことを決意。
メイは元メンバーに復讐、国家から真実を得るために『無限ガチャ』で自分のような存在、本当に信じられる仲間カードを集めるよう忠言する。
ライトはその言葉に同意し、ダンジョン地下深くで復讐と各国家に対抗する力を蓄えることを選択したのだった。
――それから約3年後。
地上にある全戦力、国家と戦い滅ぼせるほどの力を蓄え、ダンジョン地下深くに最強国家を築き上げたライト。
元仲間達に復讐するため、自身が虫けらのごとく殺されそうになった真実を知るため、再び地下から地上へと逆侵攻をしかけようとする。
しかし、3年ぶりに地上に出た彼を待ち受けていたのは、生まれ育った村の全滅、両親の死、生死不明となった兄妹の苦境であった。
なぜだ! ぼくがここまでの仕打ちを受けるほどの、何をしたというんだ!
故郷の村の残骸を遺す荒野に、ライトの空をも裂き大地をも砕く慟哭がこだました。
自分のみならず、親兄妹までをも襲った惨い仕打ち。ライトの怒りは、この理不尽を自らに強いた世界の仕組みそのものに向く。
ライトは兄と妹を探し、かつての仲間たちに復讐し、そして何よりも両親をはじめとする故郷の人々の仇を討ち、ゆえにこそ「世界の真実を知り、その仕組みに復讐する」そのため、仲間たちと共に暗躍と進軍を開始する。
※書籍版では、他にダークエルフ種、鬼人種、ケンタウロス種の3種が追加される。
原作者は「明鏡シスイ」(いわゆる「軍オタ」の作者)氏。
同作者作品である『軍オタが魔法世界に転生したら、現代兵器で軍隊ハーレムを作っちゃいました!?』とは同じファンタジーでありながらも正反対の世界観(価値観)を持った世界を舞台にしている。
パーティ追放タイプの復讐もの。本作の主人公はソーシャルゲームでよくあるガチャの能力を持っており、追放後にその能力を最大限に引き出せる方法を見つけ、強力な仲間や武器を召喚して自分を追放したかつての仲間達の復讐に邁進し、生き別れた兄妹の探索を行い、そして世界を暗躍する謎の存在の正体(世界に隠された謎そのもの)を探る。
主人公勢が軒並み、いわゆる悪の敵(正義の味方ではない)である一方、対立勢が舞台世界の常識もろともに外道である事が大きな特徴。
2020年4月17日に「なろう」での連載を開始。2021年4月10日に、書籍化とコミカライズ化が発表された。
書籍版は5月19日発売され、既刊4巻。コミカライズ版は5月25日連載開始され、既刊7巻。
キャラクターデザインは『tef』が担当。
奈落の底の国
レベル9999
本作の主人公。恩恵(ギフト)は「無限ガチャ」。奈落で追放された後に引いたメイに出会い、彼女の助言で奈落の底で無限ガチャの力で王国を作り上げ、仲間や武器や魔法カードを集め、かつての仲間達に復讐し、行方不明になった兄妹を捜索する。
地上で活動する時はアイテム「道化師の仮面」をかぶって顔を隠し「冒険者パーティー『黒の道化師』のリーダー・冒険者ダーク」と名乗っている。
仮面を被っているのは「幼い頃に事故に巻き込まれて(あるいは呪いを受けて)火傷したため」であり、冒険者をしているのは「火傷を治す(呪いを解く)ために必要なポーション(のレシピ)を探すため」と吹聴している。実際にはライトの顔には火傷の跡は無いが、「道化師の仮面」には幻術効果が備わっており、外すと火傷の跡を実際に再現する事が可能。
裏切られた屈辱を忘れないために、ガチャアイテム「不老の腕輪」を用いて体の成長を12歳で止めている。実はかなりの美少年だったりする。
純朴で家族思いな性格のため、復讐を誓った現在でも多種族への無用な差別・迫害はしておらず、周囲には社交的に接する。統率力やカリスマ性も高く、人種・ドワーフ種・鬼人種のトップに人脈を持つまでに至った。
肩書きは「レベル9999探求者メイド」
奈落に追放されたライトが最初に引いて召喚された黒髪ポニーテールのメイド。怪物に襲われてやけくそになったライトが咄嗟に彼女を引き、1発でその化け物を倒し、無限ガチャの最大限能力の引き出し方や今後の活動をアドバイスする。戦闘能力が高いだけではなく、恩恵『鑑定』とメイド服から強度が高い糸を使って操る能力を持っている。
「魔力糸(マジックストリング)」を操る能力は応用性が広く、単純に敵を縛って拘束する…どころかレベル1000や2000程度のモンスターであれば締め付ける圧力だけで細切れにしてしまえるほどの力を持つ。他にも上下移動をするためのロープを作る、布状にして壁や地面にする、大きく広げて特殊な結界の下地にするなど。密度を高めてバスタブを作った事もある。
ある程度服装を変えればただの人種の女性に見える外見を利用し隠密や情報収集の活動を主に担当しているようで、初期から登場するが出番そのものは少なめ。
従者としての覚悟を「メイド道」として後述する部下たちに叩きこんでいるが、その部下たちの大半がHENTAIとなってしまっていることに頭を悩ませている。尚、その原因がメイ自身が「ライト様ハァハァ勢」なので説得力が無いためであるという自覚は無い。
肩書きは『レベル9999天才モンスターテイマー』
魔獣や神獣等を従える事ができるモンスターテイマー。メイの次に召喚された。ナズナとエリーより背が低く猫耳パーカーを被っている。猫のように『ニャー』とよく声を上げており、ケモ属性を持っている。
劇中ではネズミ等の小動物と感覚をリンクさせて情報活動を行っている。
テイマーではあるため配下のモンスターを率いて戦う時が最も強いが、本人は弱いのかと言うとそんなことはまるでなく、レベル7777のスズを含めてレベル7000台の者たちが立ち上がる事すらできなくなる100倍の重力下でも平気で歩き、あまつさえその状態で鎧を着た人間を蹴り飛ばしてボールにするほどの力を持つ。
上述のように、いつもは「ニャー」としか言わないが、実は普通に喋れる。ただ普段は「面倒くさい」のと「実はかなり言動が辛辣である」ために喋らない。しかし一旦、口を開けば壮絶な毒舌による口撃が炸裂する。
猫キャラだが、エリーの「ハァハァ」すら不敬と嫌悪する「忠犬勢の過激派」でもある。
- エリー
肩書きは『レベル9999禁忌の魔女』
様々な魔法や魔術等を極めた魔女。外見がライト曰く魔法少女。ライトを「ライト神様」と崇拝する、ライト神様至上主義最右翼の魔女。もちろん「ハァハァ勢」であり「いつかライト神様からお情けを貰って子どもを産みたい」とか普段から真顔で口走るため、メイからは「ライト様の教育に悪い」とされアオユキからは「我らはライト様のガチャから出た道具(キャラクター)に過ぎないのに、造物主であるライト様に対して不純で不敬だ」と苦言を呈されたりしている。
ライトが3番目に召喚したメンバー。エリー自身は、それを今でも悔しがっていて「メイさんよりも先に私が出ていたら」と愚痴る事、多々。もちろんライトの実質上の「腹心の部下」であるメイには対抗心バリバリである。が、もしもエリーがメイよりも先にガチャ排出されてたら、おそらく本作はノクターン直行であったろう。「禁忌の魔女」の二つ名は伊達ではないのだ。
『奈落』のダンジョンコアの解析・制御を担当した人物で、想像を遥かに超えて広大だった奈落を物理的な手段で脱出する事を断念したライト達が「転移」で外に出られるようになったのは、彼女がダンジョンコアを制御し転移阻害効果を解除する事に成功したからである。
また、単純な戦闘用魔術以外にも、他者の記憶を読む魔術、転移魔術を阻害する魔術など多数の高度な魔術を使いこなすため、ライトの重要な作戦の実働には彼女が関わっている事が多い。レベルの差が圧倒的なら、素手で相手の首を引きちぎることもできる。
ライトの「復讐」の舞台装置として地上に巨塔を出現させてからは『巨塔の魔女』と名乗って表舞台での活動も行っている。
- 四(フィーア)
エリーが持つ幻想級のマジックアイテム。
4冊の魔術写本からなるマジックアイテムであり、現状詳細は不明。カオスがライトに挑戦的な態度を取った際に、カオスを殺害するべくエリーに呼び出された。ライトの言葉からエリーが四(フィーア)を持ち出す時は彼女が本気であることがうかがえる。
- ナズナ
肩書きは『レベル9999真祖ヴァンパイア騎士(ナイト)』
銀髪赤目の背の低い吸血鬼少女。なのに胸がでかい。奈落最強火力の持ち主で重そうな甲冑をまとい、自分よりも大きい大剣を軽々振り回し、どんなモンスターにも立ち向かう。
他の3人のように戦闘以外の事に活かせる特技は持たないが、とにかく戦闘力はずば抜けて高く、その強さは同じレベル9999のエリーとアオユキが組んで2対1で戦ってやっと勝負になるレベルで、名実共に「奈落の最大戦力」とされている。
実は魔法に対する抵抗力が僅かに低く、いわゆる「フィジカルが高くて状態異常に弱いキャラ」に相当するのだがレベル差による単純なゴリ押しとプロメテウスによる何でもチートで案外なんとかなってたりする。
ただし単細胞で、少し頭が足りない。手加減がものすごく下手で、すぐに何か壊す。が、そんな所も可愛かったりする末っ子気質の持ち主で、奈落メンバーズからは思いっきり甘やかされている、いわゆるムードメーカー。
大剣以外でも大抵の武器を使いこなす武芸百般だが、ライトが彼女に武器術の教えを乞おうとしたところ、「ズバーッとバシーッと」等と感覚的で抽象的な教え方しかできないため教わるのを諦めた。
「ハァハァ」等の下ネタに関しても大変に疎く、ライトに対しては「忠犬勢」といったところ。
なお「ヴァンパイア」という肩書を持つが、日光は平気、血は飲むものではない、ニンニクは別に嫌いではないと、何一つヴァンパイア要素は無い。日光は苦手(研究者のインドア派的な意味で)、血は好き(研究材料的な意味で)、ニンニクが嫌い(匂いが強いので)というエリーの方がよっぽどヴァンパイアらしいとか。
- 大剣プロメテウス
ライトのガチャから出たカードの一つで、ナズナの元々の所有物ではなかったが、ナズナ以外に使いこなせる人物がいないということでナズナの専用武器になっている神話級武具。
その神話級たる所以の能力は「所有者の命令に応じて摂理を捻じ曲げて書き換える」能力。
ただし何でもありに見えるが本当に何でもありな訳ではなく、いくらかの制限はある。
まず1つは「所有者自分自身に対する行使が最も低リスクで高い効果を得られるが、それを離れるほど高リスクで小さな効果になる」こと。ナズナがよくやる分身や自分のダメージを無かったことにする治癒などは「ナズナ自身に影響すること」なので、反則級の効果を発揮しつつも大して反動は無い。一方で、敵対する相手の弱体化などはできなくはないが、大した効果が無いわりに多大な反動を受けるためにやる意味が無いほど。自分自身に対する効果>>自分の所持品に対する効果>>>周囲の環境に対する効果>>>敵に対する効果の順に効果が弱くなる。また、同じ効果でもやりすぎるとしょっぱくなる。ナズナが分身する際でも、オリジナルと同等の強さを持つ分身は4体まで(本人いれて5人)しか出せず、それ以上出すと人数に反比例して能力と装備品の質が下がっていく。
2つ目は「『摂理を捻じ曲げろ、プロメテウス』と声に出して言わないと発動しない」こと。何らかの理由でナズナが声を出せない場合、摂理を捻じ曲げる力も出せない。
護衛兼冒険者(黒の道化師)
- ゴールド
肩書きは『レベル5000黄金の騎士』
その名の通り頭から爪先まで黄金の鎧に包まれた騎士。攻撃能力こそ高くないが、防御力は特化している。
装備もさることながら戦闘技術も高く、盾で敵の攻撃の力が集中する一点を見抜いて受け流すばかりか逆に武器破壊を仕掛けるといった事も可能。さらにナズナと違って他者に教える事も十分上手い。
戦闘以外でもとてつもないコミュ力の持ち主であるという特徴があり、初対面の人間に話しかけて話題を引き出すなど当たり前、諍いを起こして険悪になったチンピラを纏めて朝まで盛り上がって飲み明かす事さえある。『巨塔の魔女』と魔女と関係を持つ『黒の道化師』一行を公式に敵視している魔人王国でさえ一日で知り合いを作っていたのを見た際は、ライトは「奈落一コミュ力のある存在」だと内心で思っている。
時に人種相手に追い剥ぎのようなマネをしていた外道たちを叩きのめして「黄金の騎士道精神」を注入し改心させている。またライトに対しては、敬意のゴリ押しは却って主君の負担になると考えて敢えてフランクに接している。
唯一の欠点としては装備が派手なこと。いつでもどこでも黄金の鎧を着ているためとにかく物理的に目立ち、隠密行動の類はまるで適さない。パーティのタンク役としては望ましいのだが。
趣味は食べ歩きで、地上でも自由時間の際は色々な買い食いをしていたり、奈落の仲間にお土産を買っていたりする。同じく食を趣味とする(が任務が無ければ滅多に地上に出ない)メラからは有料で地上の珍味の買い込みを依頼されていたりする。
一部の読者からネタキャラ扱いにされてるとの噂が?
- ネムム
肩書きは『レベル5000アサシンブレイド』
『黒の道化師』の斥候役。肩の上より長い銀髪で口元をマフラーで隠している(ライト談)17~18歳の少女。我々の世界で言うくノ一に近い。
奈落勢女性陣の例に漏れずかなりの美女で、頻繁にナンパされるのが悩み。ただ「ハァハァ勢」の中ではライトと一番長く行動できる立場なので、役得の代償と言えなくもない。
ちなみに「ハァハァ勢」がよく希望する「ライトの足への口づけ」は皆なんだかんだで牽制しあって誰もできていないのだが、彼女だけは少数行動の仲間の役得で唯一させて貰っている。
奈落の中の拠点がガチャのお陰で衣食住かなり高水準で揃っている(が、ゴールドほど自分の足で食べ歩いて探すほど熱心でない)ことや、ネムムに言い寄ろうとするばかりにライト(とゴールド)に危害を加えようとする輩まで定期的に出てくることから、地上の人間とはトラブルを起こさないまでも積極的に仲良くなろうとはしない。少なくとも男性にナンパされると100%塩対応で返す。
ただしゴールドが度々コミュ力を生かして功績を挙げてくるのを見て少しは改善した方が良いのかも、程度には思っている。
レベル7777
※ライトの「無限ガチャ」により召喚されたメンバーは成長(レベルアップ)できない。
- メラ
肩書きは『レベル7777 キメラ』
肩書きの通りキメラ(キマイラ)であり、自らの細胞を分割させ、自分に合成されている様々な動物に変じさせて使役する力を持つ。ある意味では変則的な分身能力の持ち主ともいえ、通常の分身もこなせる。変化させないままでも体の一部を分離する事もでき、相手の攻撃で腕をちぎられたと見せかけて取れた腕を食ってまた生やしたり、首を自分で引っこ抜いて見せることもできる。
また細胞の構成を組み換えて四肢だけを別の生物に変えたりロリ化する事も可能。
言動も言葉の頭に「ケケケケケ」という怪しい笑いをつける口癖があるため怖いイメージを持たれがちだが、面倒見が良く仲間思いの性格。適度に冷静で常識も持ち合わせ、遥かに格下の存在であっても理のある意見や自分に非がある状況は素直に認めて受け入れるなど、すごくまともな人。
奈落勢の中でもライトやメイ、エリーと並ぶ『何でもありキャラ』で出番もかなり多い。
- アイスヒート
肩書きは『レベル7777 炎熱氷結のグラップラー』
左半身が青色の髪、右半身が赤色の髪という、なかなかにサイケな見た目の少女。左半身で氷雪系魔術を、右半身で炎熱系魔術を同時に扱い、これらを己の拳に乗せたり敵に放ったりして戦う、というどっかの外道や大魔道士師弟に似た戦闘スタイルを持つ。
しかし性格は某外道とは異なり生真面目で思い詰めやすく、基本的には戦闘時手加減不可能勢のひとり。その事を気にしており「自分はライトさまのお役に立てていないのではないか」とくよくよ悩み、見かねたメラに慰められる、というのが日常のパターン。悩んだ末に開運グッズを収集するという努力の方向音痴な努力を重ねること多々。
しかし奈落ではメイの直属の部下であり、妖精メイドたちを束ねる副メイド長の任を拝命している。その関係で奈落内をライトが移動する際の側近としてライトに付き従っている事が多く、ある意味でネムムに次いで「役得」な立場ではあるのだが…。
メラが茶の席で口を滑らせて本人の知るところとなった奈落内での噂では、半分赤で半分青という目立つカラーリングをしているのに逆に個性が薄い、などと言われていたりするんだとか。
なお運の悪さに関してはよく愚痴を聞かされるメラは「たまたまだ、アイスヒートの持つ性質が極端なために適材適所で選ばれない事があるだけだ」と慰めているが、仲間たちにライトの無限ガチャのボタンを代わりに押させてみるという番外編では、ライト自身ですら奈落に来てから一度も出したことが無い最下レアリティの「E(エラー)」カードを奈落の最奥部で引き当てるという運の悪さを見せた。
- スズ&ロック
肩書きは『レベル7777 両性具有(ダブル)ガンナー』
ハンチング帽にインパネスコートを着たスナイパーの少女「スズ」と、彼女が操る『意思ある武器(インテリジェンスウェポン)』であるマスケット銃型ライフルの「ロック」によるコンビユニットのカード。
スズは恥ずかしがり屋で内気な少女。無口な筋金入りのコミュ障。メンタルは思いっきり乙女で料理や人形作り(裁縫)が趣味な家庭的な側面を持ち上にそこそこのものがついてるのだが、肩書きの通りに下にもしっかりついている(何がとは言わんが)。なお、下についている事を指摘されると(自身の性自認が女の子である事もあいまって)キレる事がある(もっとも奈落勢は読者と違って両性具有の形状について全く分かっていない者が多いという事情はある)。しかし、その内気や男女の美しさを併せ持ってしまった性質からか、不敏な事に本作を代表するヘンタイホイホイでもあり、物語が進むにつれ「そちら方面」でとても苦労している。ライトに自分の手料理を美味しく(できれば毎日)食べてもらう(ライトのために毎日料理を作りたい)のが(大それた)夢。
ロックはスズが持つインテリジェンスウェポンで、無口なスズの代弁者。スズによってロックから打ち出される弾は、いわゆる「魔力弾(魔法弾)」で毒にも薬にもなる様々な効果を持つ。スズの事を「相方」と呼ぶも、その相方に対しては、大事に思うがゆえに辛辣。時々やりすぎて「立派なモノがついてるのに」とまで言いきってしまいキレられ、あちこちの硬いモノにガンガン叩きつけられる。相方に一歩を踏み出すよう発破をかける事も多いが、内気なスズにはハードルが高く、いつもやきもきしていたりする。
遠距離狙撃を得意とするスナイパーである関係上索敵能力に優れ、かつ様々なバッドステータスを付与する魔弾を扱う性質上、隠れて潜む暗殺者を素早く無力化する、目撃させたくない非戦闘員を眠らせる等の裏方仕事に高い適正を持ち、索敵能力だけならアオユキに一歩譲るものの、色々な作戦において裏方役として割と引っ張りだこな子。
なお内気で恥ずかしがりのため表に出してはいないが、ライトに対するハァハァ度は仲間の中でもかなり高い方らしく、ライトの無限ガチャを代わりに押させてもらった際は、「押した本人の願望が反映されていると思わしきガチャ結果」が続いている流れでどぎつい勝負下着を出すという、顔から出火間違いなしのオチを見せた。
- ジャック
肩書きは『レベル7777 鉄血鉄壁』
奈落一の防御力を誇るアニキ。周囲(ライト含む)に自分を兄貴分呼ばわりさせようとする。ゴールドやライトなどはそのあたりを尊重して接しているが、奈落のハァハァ勢や忠犬勢からは「ライト様に対して不遜」として眉を顰められる事、多々。
肩書の鉄血鉄壁とは彼自身が持つ自らの血液を硬化させて鎧として纏う能力の事。腕や胸に刺青らしき文様を持っているが、実はこの文様は自らの血液の噴出孔である。
レベル8888
- カオス
肩書きは『レベル8888 混沌の申し子』
書籍版で追加されたキャラ。
ライトの影武者として顕現された銀髪の少年で、(色の違いはあるが)容姿が非常にライトと似ている。ぶっきらぼうな性格で、他者と積極的に交流することはほとんどない。奈落メンバーの中ではオルカと同様一番の新顔であり、当初はメラから新入り扱いされていた。「強者が弱者を守るべき」「弱者は無理をせず強者に守られるべき」という所謂「弱肉強食」の考えを持っており、他のメンバーと違い顕現された際は(無条件で)ライトの配下になることを拒んでいた。しかし後にライトの提案で行われた決闘にてその実力を目の当たりにし、ライトの配下となることを受け入れる。その後はオルカと共にエリー直属の配下となり、地上では主に『巨塔の魔女の配下』として活動している(尚、地上での活動時は『カオスはオルカの弟』という設定になっている)。
近接戦闘も魔法も高水準でこなせる万能前衛型であり、劇中では決闘にてライトに傷をつける程のダメージを与えていたことから、戦闘力の高さが窺える。武器として身の丈程もある大鎌『混沌の大鎌』を装備しており、他にも攻撃魔術を吸収し、そのエネルギーを放出する『創生の右手・混沌の左手(ジェネシス・オブ・ケイオス)』などのスキルも使用できる。
攻略法としては物理攻撃によるゴリ押しが有効だが、これを突けたのはカードでフィジカルを強化したライトとプロメテウスを持つナズナのみ。
- 混沌の大鎌
カオスが使用する身の丈程ある大鎌。武具ランクは不明だが、後述の能力からかなり高ランクであると考えられる。
一定レベルに満たない物理攻撃や魔術を無効化し、すり抜けることができる。また無数に増殖させ、増やした鎌全てを遠隔で操作することが可能であり、ライト曰く「並の相手ならこの大鎌だけで完封できる」とのこと。
- オルカ
肩書きは『レベル8888 幻楽師』
書籍版で追加されたキャラ。
『巨塔の魔女』ことエリーの配下として顕現された美青年で、三つ編みになった白と黒の長髪が特徴。非常に穏やかな性格で常ににこやかな笑みを浮かべており(一部例外あり)、腰に下げたヴァイオリンを弾いていることが多い。また他者の考えを読む能力に長けているらしく、ライトに挑戦的であったカオスの行動は、ライトがこれ以上傷つかないよう彼を前線から遠ざけるためのものだったという真意も見破っていた。
『幻楽師』の名の通り先述のヴァイオリンを弾くことで、奏でた曲に応じたバフ・デバフを敵・味方に与えることができる。その威力と効果範囲は凄まじく、恐慌状態に陥った2000人もの人種の集団をものの数秒で落ち着かせてみせた。一方で戦闘力に関しては本人も自覚している通り(カオスと比べると)かなり低めで、典型的な支援特化の完全後衛型と思われる(とは言えスズの魔弾の効果からも分かるように、デバフにはそれ自体がダメージになるものがあるため、一概に弱いと断ずるのは早計だろう)。
その他
おそらく世紀末漫画によく登場するザコ敵に似た人種の冒険者達。ご丁寧にあのセリフを発している場面まである。
が、格好と言動が不穏なダケで実は超善人。
「ヒャッハー! 奴隷の女の子を見つけたぜ! 商人に渡す際に傷だらけだと値が下がるから、超高級ポーション(王族でもおいそれとは使えない)で傷を直してやるぜ!」
「ヒャッハー! だったら俺はこれ以上足が傷つかないように靴を作ってやるぜ!」
「ヒャッハー! 連れてく時に疲れたら手間になるから杖を作ってやるぜ! 疲れて立ち止まったらモンスターに狙われやすくなるから、おんぶして連れてってやるぜ!」
と、まぁ良い事を悪ぶってやってるので誤解されやすいが、やってる事は超真っ当(どころか時にお人好しに片足突っ込んでる)である。
実はライトが召喚したガチャカード(リアリティはN、レベルは20~25、カード名はモヒカンズ)であり、地上の情報収集の為に商人と共に各地に散らばっている。勿論人助けもする。本作の癒し枠。
- 妖精メイド
奈落の王国で作業しているメイドの妖精。基本的にライトに対して愛想はいいが、彼の復讐相手や同額の小悪党に対しては養豚場の豚を見るような目的な態度をとる。
彼女らをピックアップした話では容姿が整いすぎて逆に特徴が全く無い量産型メイドA、ギャルメイド、訥弁地味ヲタメイド、優秀っぽく見えるが実はそうでもない詰めダダ甘の眼鏡っ娘メイドによる「メイド四人衆」によるドタバタが描かれる。
なお量産メイドとは言えそれぞれがレベル500程度はあるため、並の悪党や暴漢であれば容姿を目当てに襲おうにも全く歯が立たない…どころか一般人の2桁以下のレベルだと殺気で威圧しただけで失神しかねないレベルである。
なお上述のモヒカンズの一部にはこの妖精メイドの威圧を間近で見たせいで女性の好みに関してトラウマを抱えてしまった者もいる。
- 神獣・始祖フェンリル
無限ガチャから排出されたURカードで、レベル9000の美しい毛並みを持つ氷の狼。
ガルーに復讐する際、ガルーがレベル500の「魔獣フェンリル」を魔獣球で呼び出したのに対し、その場でカードから召喚して見せた。
ガルー曰く「豪邸数件分」のとっておきの切り札を、ため息の一つで消し飛ばして見せた。
『種族の集い』元関係者(ライトの復讐対象)
- ガルー
獣人ウルフ種。レベルは『種族の集い』当時は150程度で、人種よりは遥かに強いが、エルフ種や竜人種などにはへいこらしなければならない程度の実力。しかし、本能的直感が鋭く、「種族の集い」のメンバー達からも一目置いていた。
元々は孤児の捨て子であったが、ライト抹殺の功績により莫大な資産と獣人ウルフ種の次期トップ候補の地位を手に入れた。
ライトが最初に復讐を行った相手で、ライトが奈落で築き上げた軍勢が地上の国家に対して通用しうるかを試すための確認の目的も兼ねて、メイによって奈落に誘き出され、ライトと再会、そのまま戦闘になり切り札の獣魔球を使うも通用しないと分かると一転して命乞いするが、捕らえられ、奈落の最下層に連行された。
- サーシャ
エルフ種の女性。レベルは『種族の集い』当時は300(後にレベル500)。法服貴族の当主が庶民に手を出して出来た庶子であり、幼少期は腹違いの姉妹やその母親から酷い嫌がらせを受けていた。成人して屋敷から追い出された後、冒険者として身を立て、ほぼ最短でC級に昇格した。その実力を見込まれ、「ますたー」候補の調査を持ちかけられ、嫌がらせをした腹違いの姉妹とその母親、自分達を見捨てた父親を見返すために参加した。ライト抹殺の功績により伯爵家の養女となり、エルフ女王国最強の騎士団『白の騎士団』の副団長であり、王族の血を引くミカエルとの結婚(玉の輿)を成し遂げる。
しかし本格的な侵攻を開始したライトたちの『巨塔』がライトの仕業なのではないかと疑い、もしそうであればライト抹殺の功績による今の栄華が全て崩れてしまうと恐れたためにミカエルら白の騎士団と共に自らライトの待つ『巨塔』に向かってしまう。
ライトの狙い通りにおびき出された彼女はライトの待つ最上階へと誘導され、圧倒的な力の差の前にミカエルと命惜しさの醜い痴話喧嘩を繰り広げた挙句、服を脱いでライトに色仕掛けで媚びるも無視され、捕らえられて奈落へと連行された。
- シオン
ダークエルフ種の女マッドサイエンティスト。原作web小説版にはダークエルフ種そのものが未登場であるため登場していない。
人種の『ギフト』を引き剥がし別のダークエルフ等に与える研究を進めるための研究所と研究資金を得るため『種族の集い』に参加した。
ライト殺害の報酬で自身の研究所を持ち実験に勤しんでいたところ、偶然「ソウルドラゴン」と邂逅し、自身が存在の証明をするところから研究していた「魂」というものを可視化し意のままに操って見せるソウルドラゴンの力に魅せられる。
そのままソウルドラゴンと半ば一体化した状態で研究を続けていたが、そのせいで研究所内がダンジョン化し、中にいたシオンが(外部から見て)生死不明になったことから冒険者に捜索依頼が出されライト達に乗り込まれる事になる。最終的にはライトたちにソウルドラゴンを滅ぼされた上に研究の無価値さを煽られ、復讐として捕らえられた。
- ナーノ
ドワーフ種の鍛冶屋。レベルは『種族の集い』当時は300程度。『種族の集い』に所属していた頃にはライトに武器・防具の手入れの仕方を教えていた。
ドワーフ種全体の特徴に漏れず彼も鍛冶を学んでいる。幼少期はドワーフ王国の地方都市にある孤児院で過ごしており、英雄物語(特に伝説の剣や槍、弓などが登場するもの)を好んで読んでいた。その頃から自らの手で伝説の武具を作る事を夢見て、鍛冶屋に就職したが、一向に果たせず、自身の鍛冶場を得るための資金稼ぎと伝説の武器のサンプルとなる武器の入手を兼ねて鍛冶場で働きつつ、冒険者としても活動するようになった。そして「ますたー」に接触する事にその可能性を見出し『種族の集い』に参加する。結果としてライトは「ますたー」ではなかったため何の成果も得られなかったが、「ますたー」に感づかれる事を避けるために一度ますたー候補捜索に関わったものは二度は採用しないという国の方針によりその道も断たれ、やがて製法を所持しているだけでも重罪とされる呪いの武具に手を出し始める。
- オボロ
鬼人種の男性。書籍版で追加されたキャラ。レベル403(後にレベル500)。武器は「鬼島刀」という刀。身長は180cmほどで長い髪を首元で纏めている。過去の一件から「絶対的強さ」を手に入れることを目標にしている。趣味は強くなるための鍛錬と戦闘力を秀でた強者を探すこと、強者に関する情報収集である。『種族の集い』に所属していた頃には、ライトに近接武器の扱いや無手での戦い方を教えていた。
幼少期は鬼人国地方都市の兵士の次男として生まれ、その頃から武芸を学んでいた。ある日、早朝に近所の浜辺で一人で稽古していた時、本来迷い込むはずがないレベル1000を超える海中モンスターが現れ、その海中モンスターが突如現れた圧倒的な強さを持つ「黒い人種(『ますたー』の黒)」によって一撃で倒された様子を目撃した。この事を切っ掛けに「自身も『黒い人種』のように強くなりたい」と願うようになり、今まで以上に武芸の訓練に精を出すようになる。数年後、より強くなるために母国を出て、大陸に渡った。その後、冒険者として活動を始めた。
- ディアボロ
魔人種の青年。「ですねー」など語尾を伸ばす喋り方が特徴。貴族だからかテーブルマナーや女性のエスコートマナーなど礼儀作法にうるさく、『種族の集い』時代にはライトによく礼儀作法を教えていた。
レベルは『種族の集い』当時は400だったが3年後も400で変わっていない。
貴族だったが長男でなかったためスペアとしか見られておらず、長男である兄が子を授かって家督の相続が決定的になった時に家から追い出され冒険者に身をおいていた経緯を持つ。
そこで『種族の集い』に参加しライトを殺害する任務を受け、それに成功した報酬として兄から当主の座を奪い貴族に返り咲いたため、ライトが生きていた事の発覚による「報酬の取り消し」を事の他恐れている。
- サントル
ケンタウロス種の男性。書籍版で追加されたキャラ。レベル152。一人称は「オイラ」。パーティーの中でも大柄な体格をしている。ケンタウロス種のトップの孫でもある。獣人種のガルーとは仲が悪く、彼をライバル視していた。
- ドラゴ
竜人種の青年。各種能力に優れる竜人種である事に加え、レベルも500とメンバー中最も高かったため『種族の集い』のリーダーを務めていた。理知的でとても強く優しい人(裏切られる前のライト談)。
『種族の集い』の各メンバーがライトを殺害した報酬で自国での地位や財産を築いていたのに対し、ドラゴはその手のことよりも『P・A』なる計画の対象に選ばれるようにする工作に腐心しており、ライト殺害の報酬でそれを成し遂げていたようだ。
『ますたー』
『ますたー』は現状、竜人帝国と魔人国の2つの勢力がある。両陣営の関係は不明だが良好な関係ではないことがうかがえる。大きな違いとしては、竜人帝国側は謎の存在『C』および『Cの隷下』を警戒しているのに対し、魔人国側はむしろ『C』に肯定的なところが挙げられる。
竜人帝国
- ヒロ
竜人帝国の『ますたー』の1人
一人称は「ぼく」
すらりと背の高い金髪の美青年で、本人の趣味なのかどこかの国の王子のような衣装を纏っている。竜人帝国『ますたー』達のリーダーのような存在で、竜人帝国上層部との交渉や『P・A』なる計画の進行も基本彼が中心となって動いている。頭が良いらしく、ライトが生きていること、ライトと『巨塔の魔女』に何らかの関係があることに薄々感づいている。
一方で非常に冷酷な性格の持ち主でもあり、獣人連合国を利用した巨塔襲撃を立案した際、作戦に対しカイザーから苦言を呈されると、「(獣人種は)情報を得るための必要経費」「いつだって生贄は人か獣」と満面の笑みで言い放った。
また『ますたー』は戦闘力が非常に高いことが示唆されているが、彼の戦闘力は竜人帝国『ますたー』の中でも1~2を争う程高いという。
- ヒソミ
竜人帝国の『ますたー』の1人
一人称は「小生」
糸のような細目が特徴の青年で、主に商人として活動しながら情報収集を行っている。他の『ますたー』達が『P・A』に掛かり切りである都合上、情報収集以外の仕事も一手に引き受けているらしく、何かと苦労人な面がある。
恩恵(ギフト)は『眷属作成』。能力としては複数の人種の死体をバラして組み合わせることで、彼にそっくりな意思を持つ人形『フレッシュゾンビ(分身体)』を生み出せることが判明している(『分身体』は産みの親であるヒソミの忠実な僕となる)。ヒソミは既にこの『分身体』を幾多も生み出しており、それらを世界中に分散させることで情報網を広げているという。また『分身体』に彼自身のレベルを分け与えるという裏技もある。
- カヴァー
ヒソミによって生み出された『フレッシュゾンビ』の1体であり『疑似ますたー』。
一人称は「手前」
人種冒険者の中では高レベルの者達の死体から作られ、さらにヒソミからレベルを分け与えられたことで、レベルは5000に至っている。『アバター計画』なるものの失敗作であり、計画が頓挫した後は諜報員として利用されていた。
巨塔について調査するべくナーノに近づき、強大な力と引き換えに呪いを纏う『禁忌武具』の製造本を売り付ける。その後は禁忌武具の材料として人種奴隷をナーノに提供しながら様子を見守り、ライトがナーノを倒したタイミングでライトを捕らえるべく姿を表す。しかし、事前にカヴァーの存在を知っていたライト達によって逆に罠に嵌められ、戦闘になるも圧倒的な力の差で返り討ちにあい、その後巨塔経由で奈落最下層へ連行された。
普段はヒソミと瓜二つな姿をしているが、戦闘の際には全身の筋肉が膨れ上がり、筋骨隆々の大男へと変貌する。またフレッシュゾンビは既に死んでいるため呪いを受け付けないという特性を活かして全身に禁忌武具を仕込んでおり、複数の呪いを共鳴させることで彼自身が幻想級の呪術武具となることもできる。欠点として肉体維持のために定期的に人種を文字通り食わなければならないが、カヴァーにとって人種を食らうことは嗜好となっており、彼自身は不自由を感じていない。
- フェイ
ヒソミの『分身体』の1人
秘密裏に繋がる獣人ウルフ種と竜人帝国の橋渡しを担っている。
人質を利用した人種奴隷による巨塔への特効作戦を立案した張本人であり、その策と共に魔術耐性に優れた『聖邪のゴーレム』と、周囲の生物の血を吸って巨大化するスライムを生み出す『双血のマガタマ』をウルフ種族長のガムに与えた。しかし、巨塔襲撃の作戦はすべて失敗に終わり、その後のフェイの行方はわかっていない。
- カイザー
竜人帝国の『ますたー』の1人
一人称は「余」
上半身裸で作業ズボンをはき、黄金の装飾を身に付けた筋骨隆々の男性で、名前の通り態度は非常に尊大。魔人国の『ますたー』達への嫌悪の度合いは凄まじく、彼らを「頭のイカれた破滅主義者」呼びしている他、ヒソミが魔人国『ますたー』を崇拝派と呼んだ際には「高尚な呼び方をするな」と突っ掛かっていた。他者を基本あだ名で呼んでおり、ヒソミは「細目」、詳細不明の竜人帝国『ますたー』2人についても、それぞれ「爆弾小僧」「鮫野郎」と呼んでいる(ウェブ版では鮫野郎と書いて「カマボコ」と読む)。ただし常に側にいる黒(ヘイ)だけはそのまま名前で呼んでおり、ヒロについては不明である。
過去に1度何者かによって殺害されたらしく、転生者であることが判明している。またそれ以降、自身の護衛として黒(ヘイ)が常に付きまとってくることに関しては少々鬱陶しさを感じている。
現在は『P・A』進行の要として動いており、ヒソミからは「カイザー殿が抜けたら『P・A』が完全にストップする」とまで言われていることから、『P・A』の進行が彼に、もっといえば彼の能力に依存していることがうかがえる。
- 黒(ヘイ)
竜人帝国の『ますたー』の1人
「黒」と書いて「ヘイ」と読む。
一人称は「これ」
黒髪に黒い服、顔には黒い目隠しをつけ、背中に黒い上着を羽織り、腰に提げた刀も黒……と、名前の通り頭から爪先まで黒一色(肌は例外)で固められている。
何故かカイザーに執心しているらしく、彼が1度殺され転生した後は常にカイザーの背後に控えている。その意思は固く、「もう2度とカイザーは殺させない」と断言していた。ただ、それ以外については何もしない。というか彼はカイザーの守護にしか興味がないため、人手を欲しているヒソミに手を貸すこともなければ、『P・A』進行のためのカイザーの作業を手伝うこともない。
一方で護衛を自称するだけあり戦闘力は非常に高く竜人帝国の『ますたー』の中でヒロと1~2を争う程強いという。
- 爆弾小僧 (本名不明)
竜人帝国の『ますたー』の1人
あだ名のみの登場で現在は詳細不明だが、あだ名から爆発に関する能力を持つと考えられる。
- 鮫野郎 (本名不明)
竜人帝国の『ますたー』の1人
こちらもあだ名のみの登場で現在は詳細不明。『爆弾小僧』と共に『P・A』の進行に掛かりきりだという。
魔人国
- ゴウ
魔人国の『ますたー』の1人
一人称は『俺様』
ドレッドヘアーが特徴の筋肉質な男で、魔人国『ますたー』のリーダー格。竜人帝国の『ますたー』達が、獣人種を利用して巨塔に手を出した情報を他の魔人国『ますたー』のミキ、ダイゴと共有していた。その後、ミキかダイゴのどちらかが巨塔へ向かうよう指示し、結果ミキが調査のため巨塔へ向かう運びとなった。
- ミキ
魔人国の『ますたー』の1人
一人称は『ミキィ』
金髪のポニーテールに黄色中心の衣服を纏った少女で、現在わかっている限りでは全『ますたー』の中で紅一点となっている。
性愛の対象は見た目が可愛い少年少女のみ。ここまではいいのだが、ミキはサディストであるらしく「相手を自分に夢中にさせてから裏切って絶望させる」「相手の内臓をくちゅくちゆして悲鳴を上げさせる」などの行為で相手が苦しみ、絶望する姿を見るのが彼女の嗜好だという。巨塔の調査についても最初は面倒だと断ろうとしていたが、ゴウから「『巨塔の魔女』はとんでもない美少女で、巨塔のメイド(妖精メイド)も美少女揃い」との話を聞いた途端、あっさり手のひらを返し調査に乗り出すことを決めた。
- ダイゴ
魔人国の『ますたー』の1人
一人称は『己』
顔の大きな十字傷が特徴の筋肉質な男性で、鎖で繋がった二振りの剣を装備している。
理由は不明だがレベルアップに執着しているらしく、彼曰く「レベルアップは全てに勝る」とのこと。ダンジョンに潜ってモンスターを倒すだけでなく、自身のレベルアップのためなら女子供も殺しているらしい。ミキをかなり毛嫌いしており、彼女の趣味を聞かされた際にはかなりの嫌悪感を示していた。
- ギラ
魔人国の『ますたー』の1人
名前のみの登場で現在は詳細不明だが『シリアルキラー』『切り裂き魔』などの二つ名が付けられている。
- ドク
魔人国の『ますたー』の1人
こちらも名前のみの登場で現在は詳細不明だが、ゴウによると「人種の未来のためぇぇぇぇ」と叫びながら人種を使って人体実験をしているという。またその関係上、普段は部屋に引きこもっている。
地上の人々
人種
- ミヤ
ライトがダークとして冒険者活動を始めた際に知り合った駆け出し冒険者パーティーの後衛魔術師。
ダークが仮面をつけているのを「幼い頃に負った火傷の傷を隠すため」と聞き、手持ちの火傷の薬を渡した心優しい少女。
人種には珍しい魔術の才能を持つ娘だが、家は貧農であったため魔術の勉強ができる環境になく、兄たちの説得により魔術学校への入学資金(入試受験費や入学後の学費)を稼ぐため幼馴染でパーティーを組んでいた。
のち「冒険者狩り」騒動に巻き込まれた結果、パーティーは兄と自分を遺して全滅。冒険者を引退し、故郷の村で薬師見習いとして働く。
が、数奇な縁からライトたちの活動に知らず知らず事ある毎に関わっていく事になっていき、本人は望んでいないまま成り上がっていく。
- エリオ
ライトがダークとして冒険者活動を始めた際に知り合った駆け出し冒険者パーティーの剣士でリーダー。ミヤの兄。頼れるリーダーではあるが駆け出しパーティーでもあるため経験は乏しい。ミヤの学費を稼ぐため幼馴染のギムラとワーディと共に冒険者となった。
モンスターとの戦いの際、ダークパーティー(黒の道化師)から助力を受け、ゴールドから戦い方の指導を受けた。
「冒険者狩り」に遭遇した時には体を張ってミヤを逃がし、自らは死を覚悟して敵を足止めした。そしてゴールドからの教えを忠実に守り「冒険者狩り」に(ノーダメージだったが)一矢を報いる屈辱を与えてみせた。
パーティーの壊滅によりミヤと共に冒険者を引退し、故郷の村で冒険者経験とゴールドの教えを活かして村の自警団の団長となって村の若手を鍛えるようになる。また時折、村に出入りする商人の護衛をしている。
「妹を護る兄」という立場からライト(ダーク)からは、ものすごく親近感を持たれて気に入られており「もしもぼくが復讐の道を選んでいなかったら親友になれていたかもしれない」と評されている。そのためミヤともどもライトから常々、気にかけられている。
- シリカ
エルフ女王国に属するエルフ商人によって(鉱山のカナリア的な)モンスター避けの囮(消耗品)として「買(飼)われ」た人種の少女。巨塔の出現によりモンスターが徘徊するようになった街道筋にて囮に使われるが、それらのモンスターは全てアオユキが使役する「人種だけは襲わないモンスター」であったために雇い主だけが全滅し、直後モヒカンズによって保護された。
もともとは街から街を渡り歩く行商人の娘であり、その生い立ちから読み書きと計算が出来る。両親が行商の最中にモンスターに襲われて孤児となった事から奴隷にされていた。
その後、巨塔の魔女(エリー)による人種保護によって塔の麓に開拓された「巨塔街」に住む事となり、その経歴(読み書きと計算ができる商人の娘)から街の面倒を見ている妖精メイドより店舗を任され、成り行きとはいえ亡き親の夢を叶えた孝行娘となれた。
親の行商についていった過去により見識が広かった事から巨塔街の雇用創出に悩むエリーに目をつけられ、彼女の公共事業展開に知恵を貸す羽目になる(そしてエリーに評価されて目をかけられ、のちには直接エリーに謁見する権利も貰ってしまった)も、そのプレッシャーから胃痛持ちになってしまう。
- リリス
人種王国の第一王女。特に『恩恵』は無く、レベルで言えば7の非戦闘員。
国家の主権が建て前でしかなく、国家主席の後継者も関税も自主的に決める事を許されていない家畜同然の扱いを受ける人種王国だが、父である国王と兄の第一王子が「下手に逆らって余計に事態を悪化させる事はできない」と現状を受け入れているのに対し、現状を変えるために機会を狙う野心家。
ライトの実妹であるユメが行き倒れていたのを保護した事が切っ掛けでライト達と知り合い協力関係を結ぶ。現状打破・改革のためにライトに協力を仰ぐ事が一部の奈落メンバーに「いくらユメ様を保護していた恩があるとは言え図々しすぎではないか」と思われて反発を買うが、ライト自身は自身の復讐を優先させているものの人種の待遇を改善しようという思いはあり、それを確固たる意志で推進してくれる立場のある人間はライトにとっても代えがたい人材であることから、ライト自身は彼女への協力に積極的。
なおライトと初めて会った当初はレベル7の一般人だったが、後に暗殺対策の一環としてライト達に手伝ってもらってレベリングし、レベル100程度まで上昇。そこらの暴漢や兵士程度であれば蹴散らすくらいの強さにはなっている。
- ユメ
ライトの実妹。ライトが奈落の中にいる間に地上の故郷の村は滅ぼされてしまったが、死体が見つかった両親とは違い、「にーちゃん」とユメの2人だけは死体が見つからなかった事から、僅かに残る生きている可能性に賭け、復讐と並行して捜索していた。
後に人種王国で保護されているのが発見され、引き取られて奈落の最奥部の王国内でライトと共に暮らすようになる。奈落勢の中ではナズナと最も仲が良く、ナズナが「お姉ちゃん」呼びされて嬉しがること、ナズナが手加減が下手で作戦に頻繁には駆り出されないこと、ユメの護衛には最大戦力を付けたい兄の心配などから、ナズナと一緒にいる事が多い。
エルフ種
- カイト
エルフ種の男性。200歳程度で、レベルは1500。一人称は「僕様」。後ろに縛った蜂蜜色の金髪と緑色の瞳を持ち、女性と見間違うほどの端正な顔立ちであるが、自分と同じエルフ種も見下す傲慢な性格の持ち主であり、少しでも間違いを指摘するだけでも逆上する。その性格故に周囲からも嫌われていた。
最年少で「白の騎士団」に入団し次期団長を囁かれており、「女神に英雄の勇者と認められる存在」と自称していたが、レベルが1500で頭打ちになってしまったこと事から周囲に次第に失望され始め、焦りを覚えてエルフ女王国の幻想級の宝剣「グランディウス」を盗み出して脱走するという不祥事を起こした。
本来、カイトの200歳でレベル1500というのは破格の実力なのだが、そこで成長限界が来てしまったこと、「白の騎士団」にはレベル1500以上の猛者が多数いることから、これでも周囲には失望されることになった。
宝剣を盗み出し脱走した後はがむしゃらにダンジョンでモンスターを狩り続けていたが一向にレベルが上がらない事から焦りは強くなり、過去に聞いた「他の人間種族を殺害したら成長限界を突破した」という噂話から殺人に手を染め「冒険者狩り」を行っていた所、ライト(ダーク)達と敵対し、彼らと戦闘になり、「グランディウス」を持ってしても敵わないと知ると否やプライドを捨て情けなく命乞いをするもライトたちに無視され、「ますたー」に関する情報を引き出すために奈落の地下に連行される。ありとあらゆる拷問を受け魔術で記憶を引き出された後、数多くの人種を殺害した罪で処刑される。
劣等感から脱走し、非道な行為に手を染め、エリオやミヤには「負け犬」と断じられ、ライトの前では無様な姿を晒したせいであまりに小物感が強い彼だが、白の騎士団の精鋭と比較しなければエルフ種の中でも抜きんでた実力者である事は間違いなく、実際に彼も「さぶますたー」の一人であり、一般的なエルフ種の成長限界の1000は超えている。また少なくとも当初は曲がりなりにも戦闘経験を積むことで真っ当に限界突破を目指していたため、剣技および『グランディウス』を使いこなす技量はかなり高い。特に彼のグランディウスの刃の分身体の活用技術は、それに襲われたミヤ自身が魔術「アイスソード」の活用に置いて参考にしているほどで、その活用センスを認められてシックス公国魔術学園への入学が認められているほどである。
原作web小説版では単独行動しているが、コミカライズ版では同じく成長限界の突破について研究するダークエルフ種の科学者ヤナークと組んでおり、噂話ではなく彼の人体実験のために冒険者狩りをしていることになっている。ライトとの戦いでは、『グランディウス』の切り札である「巨剣 グランディウス」を使うも傷一つ付けられず敗北し、上述と同じ末路を辿る
- ハーディー
エルフ国女王の息子であり、「白の騎士団」団長。
レベルはエルフ種の成長限界と言われる1000を大きく超えたレベル3000の猛者で、「国をも滅ぼせる戦力」とさえ言われる白の騎士団の中でも戦力の中核を担う。
「静寂のハーディー(コミカライズ版では『静かなるハーディ―』)」の異名を持ち、レアスキル化するまで進化した魔術「サイレント」の使い手。通常のサイレントは外部に音を漏らさない遮音の結界を張る程度の魔術だが、彼のサイレントは領域内の一切の音が完全に聞こえなくなり、長く結界内にいると自身の鼓動の音すら聞こえない無音の空間が精神を蝕みやがて発狂するとされる。またサイレントの結界を剣の形に押し固め、自身以外には視認も感知も不可能な「見えざる剣」を作ることができる(「見えざる剣」の効果はコミカライズ版のみ登場)。
加えて、サイレントの領域内にいる「ハーディが敵と認識した者」のステータスにデバフをかけ続ける効果を持つ。「静寂」の異名は、サイレントで音を消す事だけではなく、このデバフ効果があまりにも静かに気づかれる事無く忍び寄る事に由来する。さらにハーディー本人とエルフ国女王の2人しか知らない隠れた効果として、これによって下げた相手のステータスを吸収してストックし、任意のタイミングで自身に還元しステータスの底上げをする力まで備える。
常に冷静で相手を分析する性格だが、巨塔で一騎打ちになったナズナの実力を見抜くことができず、ナズナの小手調べの一撃で即死…していたのをエリーが塔全体に施した魔術のお陰で強制的に生き残らされ、それを「油断していたが運が良かった」と勝手に解釈し立ち上がってサイレントの奥の手を全て発動し全力でぶつかるも、「もっと手加減した素手の一撃」で完全に戦闘不能に追い込まれて敗北、捕らえられた。ナズナが終始戸惑ったり追撃を躊躇うようなそぶりを見せていたのを「実戦経験が無いため」と解釈していたが実際は手加減の仕方を必死に考えていただけであり、最後までナズナとの実力差には気づかないままだった。後日、人種殺害・虐殺の罪によって白騎士団の面々と共に処刑された。
奈落でエリーに記憶を読まれた際、エルフ国で女王に最も近い立場であったために他の人員よりも情報を持っていた模様。「ますたー」の「文明を加速させすぎて滅ぼす」と言う情報は彼の脳から読み取られた情報である。
- ミカエル
眼鏡をかけたエルフ種の男性。レベル2500前後。白の騎士団の副団長。さぶますたー。王族の血を引き、サーシャの婚約者。丁寧に切り揃えた金髪に柔和な美形、それでいて鍛えられた体格をした文武両道。しかし、性格は利己的かつ打算的で腹黒く、上昇志向も強い。ハーディーをライバル視しており、武力で敵わないことを悟り、政治的地位と権力で彼を出し抜くために、同じくハーディーを目の敵にしているエルフ女王国の宰相と裏で手を結んでいる。サーシャとの結婚は彼女「ますたー」候補であったライトを始末した褒美として決められたものであるが、このことに本人は不満はなく、むしろハーディーを出し抜くための奇貨として捉えといた。
巨塔に出撃する際にはエルフ女王国の宰相から借り受けた幻想級の盾「祝福と天罰」を所持している。巨塔の最上階にある玉座の間で、サーシャと共にライトと戦闘し、最初はライトが手加減したことも知らずに、自分たち優勢だと思い込み、ライトをこき下ろした挙句、エリーやアオユキに手を出そうとした発言に苛立ったライトが『神葬グングニール』の封印を一部解放したことによって「天使のオカリナ」と「祝福と天罰」を破壊され、圧倒的な力の差の前に敗北した。その後、長距離転移アイテムでサーシャと共に逃走を図るものの、逃走防止用にエリーによって開発された転移阻害魔術が仕掛けられたにより失敗し、『奈落』メンバーに敗北した自分以外の「白の騎士団」のメンバーの姿を見せつけられて、全滅したことを知るや否やプライドをかなぐり捨て、手のひらを返し、婚約者のサーシャを裏切り、彼女に責任を押し付け、「白の騎士団」のメンバーさえも売り出し、「ますたー」「さぶますたー」に関する情報の提供、エルフ種絶滅にさえ協力を申し出るなど自分だけ助かろうと足掻いていた。後にライトがエリーに彼の処置を任せることになるが、彼女が忠誠を誓い敬愛するライトを目の前で散々こき下ろしことに憤慨したエリーに怯え、逃亡を図るも、彼女の魔術により拘束され、そのまま両手足をへし折られ、絶大的な苦痛を伴う記憶を読む禁術による拷問を受けることになった。記憶が読み終わった後、廃人同然になった。後日、人種殺害・虐殺の罪によって処刑された。
- シャープハット
エルフ種の男性。レベル2000前後。白の騎士団の団員で射手担当。弓を使うエルフ種の中でも最高峰の腕前を持つ遠距離職。さぶますたー。愛用の武具は、秘宝級の武具「不可視のクロスボウ」。外見は、一部を結んだ長髪で、身長は180cmを超える長身。女好きで軽薄な印象を与えるがエルフ種の中でもかなり整った顔立ちであるため、その軽薄な態度も様になっている。しかし実際は人種を使い潰す典型的なエルフ種であり、選んだ人種奴隷の女性をある程度可愛がり、飽きたら狩りの獲物に見立て撃ち殺すという悪趣味を持つ。
巨塔で同じ遠距離職であるスズと一騎打ちすることになる。当初はスズが「シャープハットの実力を確かめてほしい」というライトの指示に従い、回避に専念したこともあって、彼女を追い詰めていったが、途中でスズが敬愛する主であるライトを馬鹿にする発言を行ったことにより、スズの逆鱗に触れ、形勢が逆転。激情に駆られた彼女が放った数百の弾丸を浴び、最後は自慢の顔を踏み潰されて一方的に敗北した。後日、人種殺害・虐殺の罪によって処刑された。
- ニア&キア
エルフ種の男性の双子。二人ともレベル1800前後。白の騎士団の団員で遊撃担当。さぶますたー。武器はサーベルの二刀流で飛び道具にナイフを使うこともある。どちらも身長や筋肉はそれほどではないが、顔に幼さが残っている美少年である。性格は無邪気で明るい一方で嗜虐心が非常に高く、作中では購入した人種奴隷を木に縛り付けて、的当てゲームの的にしてナイフを投げ合っていた。巨塔でメラとアイスヒートと戦闘し、通用しないことが分かるや否や逃走を図るも、アイスヒートの範囲攻撃による炎を浴びて全身黒焦げにされて敗北した。後日、人種殺害・虐殺の罪によって処刑された。
- マスト
書籍版で追加されたキャラクター。エルフ種の男性。レベル2100。白の騎士団の団員。さぶますたー。実家は男爵家でエルフ女王国の宰相の寄子であるが、彼自身は宰相側に属していない。愛用の武具は、男爵家に代々伝わる秘宝級の武具「剛腕のハルバート」。見た目は顔に幼さが残る赤髪の美少年。性格は上司に自身の意見を堂々と主張する正義感が強い一方で融通が聞かない面がある。その正義感も独善的なものがあり、『人種は醜くか弱い存在であり、生きて苦しめるより絶滅するべきである』という過激かつ傲慢な思想を持つ。
巨塔でジャックと一騎打ちをすることになり、本気を出して、「剛腕のハルバード」の能力を寿命を削ってまで解放して挑むものの、「鉄血鉄壁」を持つジャックの一撃で「剛腕のハルバード」ごと破壊されて敗北した。後日、人種殺害・虐殺の罪によって処刑された。
ダークエルフ種
- ヤナーク
書籍版で追加されたキャラクター。ダークエルフ種の男性。一人称は「当方」。高身長で線が細く、金髪を長く伸ばし、右目を片眼鏡をかけており、「胡散臭い研究者」という表現にあう風貌をしている。
元々は孤島国の研究者であり、「種族による成長限界の突破」をテーマに研究をしていたが、その内容が他種またはモンスターなどの細胞を移植して人工的に成長限界を突破するというものであり、その研究テーマが禁忌扱いされると同時に身柄を拘束されて、最悪死刑にされる所を、「成長限界」に悩むカイトに連絡を取り、国から脱出した。カイトと組んでドワーフ国のダンジョンで人種の冒険者を捕えて、人種と魔物を掛け合わせた融合種を作るための実験材料にしていた。ダンジョンでゴールドとネムムに実験体を嗾けて戦闘するも実験体が倒され敗北し、カイトと同じく「ますたー」に関する情報を引き出すために奈落に転移された。カイトに責任を押し付け、命乞いをするも拒絶され、そのまま奈落の地下に連行される。記憶を引き出された後、数多くの人種を殺害した罪によってカイトと共々処刑された。
- ユド
ダークエルフ種のAランク冒険者。
マジックアイテムのコレクターでもあり、それらを駆使して戦う様から「アイテムマスター」の異名を持つ。ただし本人は「マジックアイテムが無ければ弱いと言われているようだ」という理由でこの呼び名を余り好んでいない。
人種を見下す生粋の「ダークエルフ至上主義者」であり、自身の目的のためなら人種の誘拐や虐殺を躊躇いなく行う。
シオンの研究所がダンジョン化した事件において捜索隊に加わる冒険者の一人としてライト(ダーク)と出会い、ダンジョン内にて『恩恵』持ちの人種を攫ってはシオンに実験材料として提供していた事が明らかになり、ライト(ダーク)一行と敵対する。
ゴールドとネムムをパーティーメンバーであるエイラ、ライエに任せて自身はライトと対峙するが、マジックアイテム全開の初手の奇襲を簡単に防がれ、奥の手の即死アイテムを使うも全く効果が無く、為す術なく敗北。「ますたー」に関する情報を抜き取るために奈落へと連行された。後日、人種の誘拐・殺害の罪で処刑された。
ライト達に捕らえられたことで他種族国へのスパイ行為を行っていた事が明らかになり(この手のスパイ行為はどの種族の国も他国に対して行っているが、明確な証拠つきで存在が明らかになっていないだけ)、ダークエルフ国への脅迫の材料として使われる。
原作web小説版ではシオンおよびダークエルフ種自体が登場していないため、ユドも登場していない。
- エイラ
ダークエルフ種の女性。書籍版で追加されたキャラ。ライエの姉。レベル1000程度。ユドの仲間。ダンジョン化したシオンの研究所でネムムと戦闘し敗北。
- ライエ
ダークエルフ種の女性。書籍版で追加されたキャラ。エイラの妹。レベル1000程度。ユドの仲間。武器は聖遺物級の斧。ダンジョン化したシオンの研究所でゴールドと戦闘し敗北。
- ますたー
ライトが騙され殺されかける要因となった謎の存在。人種の中から現れる稀有な恩恵とズバ抜けて高い魔力適性・レベル限界の持ち主で各国が血眼になって探し出して取り込もう(あるいは取り込めないなら力の弱いうちに抹殺しよう)としている存在。
各国が血眼になって「ますたー」を探すのは自陣営を強化するためだけではなく「ますたーを野放しにすれば世界が滅びる」ためで、なぜ世界が滅びるのかというと「ますたーの恩恵によって様々な技術や価値観が加速発展していくため(世界および文明の老化が加速して寿命が縮んでしまう)」ためであるという。
なお過去代において各国に取り込まれた「ますたー」は、各国(特にエルフ種)より伴侶をあてがわれ、血縁を残している。「ますたー」の血を受け継いだ子孫は、そうではない同族よりも高いレベル成長や魔術適正を示す事が多く、そうした存在を「さぶますたー」と称する。
だが、ますたーの血を受け継ぐ「さぶますたー」の中に人種はいない。(普通に考えれば取り込まれた種族の血が遺伝子的に強く取り込まれただけ、という考え方もできるが、この世界の価値観的にそもそも「ますたー(の血脈)を人種には渡さない」事もさる事ながら「産まれた「ますたー」の子がますたーの因子を強く継いだ人種だった時は産まれてすぐに殺す事が国家間の約束事として厳守されている」という可能性も十分に考えられる)
- 成長限界
どれだけ経験を積んでもそれ以上レベルが上がらなくなるとされる境界。
エルフ種、竜人種はレベル1000、魔人種は個体により300~1000、ドワーフ種は500、獣人種は300、人種は100程度とされるが、この成長限界を超えたレベルまで成長している者も少ないながら存在する。
なお召喚された時から様々な知識を持っていたメイがこの概念を知らなかった事、ライトは修行し始めてから割と短時間でレベル1000程度までは到達していた事から、メイの推測によれば「限界などは本当は無く、単にレベルが上がるまでの経験値が劇的に増えるラインがあるだけではないか」とのこと。
- 武具ランク
この世界に登場する武具にはランクがあり、下から
- 一般級(コモン・クラス)
- 希少級(レア・クラス)
- 遺物級(レリック・クラス)
- 秘宝級(アーティファクト・クラス)
- 叙事級(エピック・クラス)
- 幻想級(ファンタズマ・クラス)
- 神話級(ミトロジー・クラス)
- 創世級(ジェネシス・クラス)
がある。無限ガチャから排出される武具カードにもこれらのランクはある。
一般的には秘宝級まで来ればかなり値の張る業物、叙事級で個人所有の限度、幻想級ともなれば国家が秘宝として所有するレベルになるが、無限ガチャによって大量のレア武具を所有するライト達は世間一般とは感覚がズレている。創世級はたったの1つ、神話級でも3つ(書籍・コミカライズ版では9つ)しか排出されていないが、その下の幻想級までであれば主要なメンバーに支給しても余るほどに所有している。
- 魔術
体内を流れる魔力を用いて外部に現象を起こす技術。
「戦闘級(コンバット・クラス)」「戦術級(タクティクス・クラス)」「戦略級(ストラテジー・クラス)」の3段階があり、後者ほど高度で高威力・広範囲の魔術になる。
戦闘級は個人で行使する基本的な魔術、戦術級も個人魔術だがこれが行使できるかが一流の魔術師かどうかの壁になるほど高度な魔術、戦略級は複数人で発動する魔術。
基本的に魔術ごとに決められた詠唱を行って発動するが、ごく限られた実力者ならば詠唱を破棄して発動させる事が可能。ただそれでも、レベル限界が高く魔術にも適性の高いエルフ種の魔術師でも戦術級の詠唱破棄は難しい。
無限ガチャから排出されるカードには魔術カードもあり、それを「解放」すると魔術を使ったのと同じ効果が得られるが、カードの解放には当然詠唱が無いため、カードの魔術を使うライト(ダーク)は「戦術級の詠唱破棄を使いこなす魔術師」と一般的には見られている。
エリーは自力で戦術級程度なら詠唱破棄で軽々と使いこなす。
また一般的には知られていないさらに上の「極限級(アルティメット・クラス)」の魔術も存在するが、これはレベル9999であるエリーでも1日1回が限度という規格外の難度を誇る。
恩恵(ギフト)
- 恩恵(ギフト)
いわゆる特殊能力。人種にのみ10歳になると極稀に発現すると言われる。
ただし本当に極稀であるため、大半の人種はギフト無しで「劣等種」として迫害の対象になっている。また、発現しても奈落に落ちる前のライトが思われていたように有用でないハズレの効果である場合もある。
- 無限ガチャ
ライトの恩恵であり、最大の主力である。メイ曰く、魔術師などが魔術を使う際に使用する魔力は空気中にも漂っており、その魔力を吸収しカードを排出する。使用の際は「解放(リリース)」と宣言する事で発動・召喚が可能。その吸収した魔力の濃度が高いほど高ランクのレアカードの排出の確率が高くなる。
一見便利そうな恩恵だが、この魔力濃度に関する特性を知らなかった上、ライト自身がレベル10程度の弱い人種だったために魔力濃度の高い場所で試す機会が全く無く、当初はゴミカードしか出ないハズレ恩恵と思われていた。ライトは「種族の集い」に裏切られ奈落の最下層に落とされて初めて、この恩恵の特性を知ると共に高ランクレアを排出した。
排出されるカードはソーシャルゲーでお馴染みの人や武器にアイテムとモンスターの召喚やパンや水等の日常必需品、意外な物はプレハブまである。
レアリティは低い順から「E(エラー)→N(ノーマル)→R→SR→SSR→SSSR(スリーエスレア)→UR→SUR→EX」となっている。
現在はとある方法で『自身が無限ガチャを発動せずにカードを引き続けている』ようである。
メイを引き当て生き延びる事に成功した後でも引き続け、SURまでは複数枚引き当てているが、EXカードは作中でもたった1枚しか登場していない。
このガチャによって出たカードは「○○○○(カード名)、解放(リリース)」の掛け声でライト自身以外の人物でも使用可能。
人格のあるキャラクターが顕現する事もあるが、このカードにより生まれた存在は例外なく、(例えライト以外の第三者に向けて使われたコピーのようなカードであっても)ガチャの持ち主であるライトに対して忠誠心を持つ。その主であるライトが男性であるため、男性キャラは敬愛や純粋な忠誠に留まるが、女性キャラの場合は忠誠を超えて愛情のような感情を抱いている者も少なくない。
- 鑑定
恩恵の1つ。本人のレベルに応じて、人や物などを判定することができる。これを得たものは(人種にとって)一生仕事に困らない。メイは固有スキルとして使用でき、これによって無限ガチャの隠れた特性を知る事となる。
- 神葬(しんそう)グングニール
ライトの無限ガチャで唯一出たEXレアのカード。
武具のランクで例えるなら最上級の「創世(ジェネシス)級」であり、メイとエリーが2人がかりで鑑定しても断片的な一文が見えただけでほぼ全く何も分からなかった。
ただあまりにも禍々しいオーラから「危険」と判断され、ライト・メイ・エリー・アオユキの4人のレベル9999の魂を使って分担して受け持った封印術式により力を抑え込まれ封印されている。(ナズナが参加していない理由は不明。未召喚だったか、魔術が不得手すぎたからか)
ライト自身の奥の手の武器でもあり、復讐対象に絶望を与えるために使う事がある。封印のうちライトが受け持つ1/4を解除しただけでも「幻想級」の防具を紙のように引き裂く攻撃力を発揮すると共に、持っているだけでもレベル9999のライトの手を呪いで蝕んでいくリスクを持つ。
- UR「2つ目の影(ダブル・シャドー)」
使用した対象の完全なコピーを作成するカード。3年でたった3枚しか出ていないかなりの希少カードだが、3枚とも使用済みである。
使用した対象と寸分たがわぬクローンを生み出し、使用された時点での記憶・技能・癖などあらゆる点を完璧に模倣、『鑑定』でも見破る事はできない。コピー元が『恩恵』を持つ人種であった場合、多少劣化するものの恩恵すらコピーできる。
これによって作られたコピーは誰が使用して誰をコピーしたものかに関わらず、全てガチャの持ち主であるライトに対して忠誠心を持つ。
1枚目はライト自身に対して使われている。ライトが奈落を離れて活動することによって無限ガチャのカードの供給が停止しないように、奈落最奥部に残ってガチャのボタンを押し続ける役を担っている。
2枚目はライトの実妹・ユメに対して使用。リリスの下で保護されている事を知ったライトが、正式に引き取る手続きをするよりも先に奈落に保護するための影武者として使用。当初はただそれだけの理由で使われたものだったが、リリスと正式に協力関係を結んだ後も王女付きのメイドとして引き続き働いており、これが後に人種王国の間者を一掃する計画に役立つ事になる。
3枚目は人種王国王女、後に正式に女王になったリリスに対して使用。ライトや『巨塔の魔女』から援助を受ける関係で奈落に足を運んで非公式に会合を持つ事がある関係上、影武者として置いておくために作られた。
- 世界ヲ喰ラウ
ライトの無限ガチャから出たURカードの1つ
強大な力と引き換えに呪いを纏う『禁忌武具』の大剣で、武具ランクは神話級。
対象の『存在』そのものを切断する能力を持ち、例え相手が痛覚を持っていなかったとしても、存在自体を切ることで痛みを与えることができる。強力な呪いを纏っており、レベル9000以下の者が触れると問答無用で精神汚染を受けてしまう。
種族
- 人種(ヒューマン)
この世界において最弱の種族。自らを守る力を持たず、魔力適正は弱く、レベルの成長も遅い。ゆえに他の種族からは侮られて搾取される事が常である被差別種族とされており、常に種族もろとも理不尽に晒されている。
人種の国家は存在するが、自国民を奴隷として他国に売り渡すような真似を甘んじて受け入れなければならないほどの国勢であり、新しい国家元首を決める権利もない(他の人種の国の代表者からの承認が無いと認められない)。
しかし「『ますたー』や『恩恵(ギフト)持ち』は人種にのみ現れる」「人種を弾圧し過ぎた種族は魔王認定され勇者によって討滅される」「勇者も人種の中からしか現れない」など、実はかなり特殊でかつ謎の多い種族でもある。
人種への差別には人為的なものを感じる読者も多く、物語の謎を解くカギになると思われている。
- 獣人種(じゅうじん-)
魔力は低く、寿命も人種と変わらないが、彼らと比べて圧倒的に腕力、耐久力、速力が高い。同じレベル帯で比較すれば6種族の中で最も身体能力に優れるとされる。さらに集団戦に強く、感覚が鋭いため獲物を見つけやすいのもレベルを上げやすい要因とされる。しかし、一般的に他種からすれば、上述したように身体能力以外の能力、寿命、魔力等は低いので「人種よりも若干使える手駒」程度にしか見られていない。そのため、「ますたー」などの重要な情報も大して与えられていない。
外見は二足歩行した動物の姿をした種族。割合が少ないが、人種寄りの見た目をした獣人種も存在し、特に女性にその傾向が多い。
モンスター退治や狩りでレベル上げを行うために基本的に仲間を大切にするようにしており、仲間を裏切った場合、報復として苛烈な制裁が加えられる。
ウルフ種、タイガ種、翼人種、ウシ種、クマ種の5種族に大別され、それぞれの種族で族長を中心にした自治をしているものが寄り集まって連合国を形成している。ウルフ種、タイガ種など粗暴かつ好戦的で人種への差別意識が高い種族とそうでない種族がある。
ケンタウロス種とはライバル関係である。
竜人種(ドラゴンニュート、書籍版はドラゴニュート)
外見は二足歩行のドラゴン(龍人)のような姿をしている。
6種族(書籍版では9種族)の中で最も優れている種族とされ、腕力、魔力、耐久力、寿命の全てにおいて高水準で成長限界も高く、レベルの高い者達が多い。
- エルフ種
魔力に秀でて、寿命も長いため高レベルになりやすい。プライドが高い種である。
耳が尖って長いこと以外人種に最も外見が近く、(人種の基準で見ると)美男美女が多いため、「ますたー」の懐柔役を多く担ってきた過去があり、そのために「さぶますたー」の数も多い。しかしそれはエルフ種にとっては屈辱であるため、人種への差別意識が最も激しく、嫌悪よりも憎悪に近いものになっており、人種を「喋る家畜」と認識している。
- ドワーフ種
体格は小柄ながらも筋肉質かつ頑丈で手先が器用なため強力な武器、防具を製造するのでレベルが上がりやすい。
職人気質の者が多く、国政よりも自身の技術の追求を優先するものが多い。そのため、国家は君主制をとってはいるが世襲制でも選挙制でもなく、古参の親方同士で押し付け合って負けた者が就いている。
同じ理由で鉱山採掘などの危険な仕事も「素人に任せていられない」として奴隷に任せないため、結果的に人種奴隷の扱いは5か国の中で最もマシである。また、職人系の仕事に就いているドワーフ種は、激しい差別をする傾向が著しく減る
- 魔人種(まじん-)
腕力、魔力、耐久力も高く、寿命も長い。故にレベルの高い者達が多い。
外見は、基本的に悪魔のような角が生えて白目の部分が黒いが、個体によってツノがあったり無かったり、翼や尻尾があったり無かったりと個体差がある。
人種に対しては「手軽な労働力」、「家畜」と差別している。
種として竜人種をライバル視しており、「竜人種を超える種族になること」を悲願にしている。
- ダークエルフ種
書籍版で追加された種族。外見は褐色肌のエルフ種である。エルフ種同様に魔力に秀でていると同時にプライドが高い種である。
エルフ種をライバル視しており、彼らを種として出し抜くために魔術、薬学、冶金など技術方面の研究を盛んに行っている。また、「ますたー」に対する考え方として、エルフ種が「ますたー」の血を積極的取り込んでいるのに対し、「ますたー」を拒絶して自身を強化する真逆のスタンスを取っている。
人種への差別意識はエルフ種同様「喋る家畜」または「実験動物」という感覚で見下している。
- ケンタウロス種
書籍版で追加された種族。外見は上半身は人種で、下半身は獣の2本足である。
獣人種と同様に魔力は低く、寿命も人種と変わず、腕力、耐久力、速力が獣人種と同じくらい高い。
獣人種と同様に粗暴かつ好戦的な者が多く、人種への差別意識があり、とにかく下に見ている。
獣人種をライバル視している。
- 鬼人種(きじん-)
書籍版で追加された種族。肉体が頑強でレベルが上がりやすい。
外見は額から2本の角が伸びていること以外は人種とそれほど大差は無い。
基本的に自身や自国である鬼人国以外興味がなく、鬼島国に住んでいる鬼人種は、基本的に積極的に大陸に出ようとしないこともあって、人種を含め他種自体に対しても根本的に興味ない。それゆえに国の上層部や大陸に頻繁に通う者、移り住み者を除いて、人種に対する差別意識がない。
その他
- 女神教
「女神」を信奉する宗教。宗教故に特定の政治組織の介入を嫌い、シックス公国に総本山がある。
どの種族の国にも広がっているが、人種以外の種族の国にはいずれも「自分の種族が最も優れている」と言う自尊心があるためあまり信者はいない。人種王国が最も信者が多いとされる。
また、教えの下地となっているのが「女神に使命を受けた聖剣・聖槍・聖鎧・聖印の4人の勇者が魔王を討伐する」と言う伝説だが、この伝説が実際にあった出来事だとは到底思えないほど様々に脚色され世界各地で伝わっているおとぎ話レベルのものであるため、宗教そのものが各国であまり本気にされていないという面もある。
- 獣魔球(じゅうまきゅう)
遺跡やダンジョンで稀に発見されるマジックアイテムで高レベルの魔獣が封印されているピンポン玉サイズの球。これを割ることで、約1時間ほど封じられたモンスターを召喚し、配下に置くことができる。ピンチに陥った一流の冒険者が切り札として所持している事が多い。希少品かつ消耗品の為に値段が高く、日本円で例えるなら最低でも1億は軽く超えるらしい。
小説版では上記の名前だが、コミカライズ版では「魔獣球(まじゅうだま)」と書かれている。
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