軍オタ(いわゆる軍事オタク)については→ミリオタを参照
概要
正式なタイトルは
『軍オタが魔法世界に転生したら、現代兵器で軍隊ハーレムを作っちゃいました!?』
※正式名がタグに使える文字数をオーバーしており、直接タグとしては使えないので注意。
2013年11月、オンライン小説投稿サイト『小説家になろう』にて連載を開始。作者は明鏡シスイ氏。
2017年2月に完結し、その後は後日談が不定期に連載される。
後に富士見ファンタジア文庫から書籍化し、12巻で完結(しかし、内容はWEB版の中盤まで進んだあたりで最終巻で一気に話を省略してWEB版の最終話まで収めた、いわゆる打ち切りの形で終了する)。
イラストは硯氏が担当。
月刊ドラゴンエイジで漫画版が2023年3月9日発売の4月号まで連載され、コミックスも15巻まで発売された。止田卓史氏が作画を担当。
逆恨みで殺された軍オタの主人公が転生し、前世の軍事オタクだった前世の知識を生かして現代兵器を作り、軍隊と言う名のハーレムを築きながら問題を解決していく異世界ファンタジー物語。
なお世界観として、もともと一夫多妻が是認される価値観を有した世界を舞台としている。
あらすじ
27歳童貞、元いじめられっ子で元引きこもりの金属加工会社員だった堀田葉太は、現代兵器大好きな軍オタでもあった。ある日、かつて自身をいじめていた不良に自分勝手な逆恨みで襲われて殺されてしまう。
だが、目を覚ますと赤ん坊の姿で魔法・魔術が存在する異世界に転生していた。リュートとして生を受けた彼は、前世の軍オタの知識に魔法加工技術と魔術道具を駆使して現代兵器を創造し、軍事力で革命的とも言われる英雄となり、自分だけの軍隊(ハーレム)の力で世の中の人を救おうとした1人の男になるかもしれない少年の物語。
登場人物
リュート/堀田葉太
本作主人公の元・軍オタ。前世においていじめられっ子に落とされた親友を見捨て、みすみすいじめの餌食にして自殺へと追い込み、その後、因果応報の如く、いじめグループの新たなターゲットにされた挙げ句引きこもりとなった。その後家族によって家を追い出されて死に物狂いで金属加工の町工場に就職して腐らず3K仕事に励むが、のちにロクな人生を送れず人格が腐りきったいじめグループのリーダーによって逆恨みの末に殺され、孤児院に置き去りにされた子ども「リュート」へと転生した。
親友を守れなかった前世の負い目から「救いを求める人、理不尽にあえぐ人々を、余さず救う」という誓いを立て、持ち越したミリオタ知識を駆使し剣と魔法のこの世界で現代兵器を再現し、冒険者となってパーティーからの発展形である軍団(レギオン)として私設軍「PEACE MAKER」の結成へと至る。
のちに様々な実績から貴族(子爵)位を得てガンスミス家を創設。リュート・ガンスミスとなる。
リュートの幼馴染。リュートと同じ日に孤児院に置き去りにされた白狼族と呼ばれる獣人の少女。幼い頃は、いつも危なっかしいリュートのお目付け役だったがゴブリンに襲われた際、危ういところをリュートに助けられた事から、リュートに対する好意を自覚する。
優れた氷雪系魔術師の才能を持ち、のちには同系統魔術の使い手としては最高峰とされる「氷結の魔女」の弟子となり「氷雪の魔女」の名を得る。
一方でリュートと共にずっといた事から、リュートが開発した各種銃器の扱いに長けている。
リュートの最初の妻。のち第一夫人(夫人筆頭)としてリュートを支える。揺るぎなき匂いフェチでリュートの汗の匂いが一番のお気に入り。長期間リュートの匂いを嗅いでなかったら禁断症状が出るレベルで、魔術修行中もリュートの下着やタオル(もちろん使用済無洗濯)を魔術で保管して必要な時の非常食ならぬ「非常匂い」にしていたほど。
優秀な魔術師で本来は冷静な思考の持ち主だが、いろいろと思い詰めやすい悪癖があり、特にリュートが絡むと思い詰めた末にアホの子化してしまう事が多い。
クリス
フルネームはクリス・ゲート・ブラッド。
冒険者として孤児院を旅立ったリュートが騙されて奴隷に落とされた際、その身元を引き受けた吸血鬼の伯爵一族ブラッド家のお嬢様。
魔術の才能が人間的な価値に繋がってしまうこの世界で、それが無い事に苦しみ、いじめの標的にもされて引きこもりとなっていたが、リュートの献身によって立ち直る。
のちにブラッド家において父と叔父の間で御家騒動が巻き起こる事になるが、その際に優れた視力と夜目を持つ事が発覚しリュートによってスナイパーライフルを与えられ、ヴァンパイアスナイパーとして覚醒した。
のちにスノーと仲良くなりリュートの第二夫人となる。
メイヤ
フルネームはメイヤ・ドラグーン。
竜人族の魔術道具技術者。魔石の超効率的な人工抽出の技術を確立させ、また魔石を用いた魔術道具の属性転換すらも可能とした事から「魔石姫」と称えられる天才。
ふとしたきっかけでリュートが開発した銃を手に入れ、魔術を用いずに絶大な破壊力を示す、その威力に心酔し、それを生み出したリュートを「リュート神さま」と呼んで崇める事に。ぜひとも教えを請いたいとリュートを探す。
当初はリュートが死んでいるものと思っていたため、リュートの手がかりを求めるなかで同じく彼を探す(そしてリュートの生存を強く信じていた)スノーと険悪な関係となるが、リュートの生存を知ってからは和解した。そして念願の通りリュートの一番弟子となり現代兵器開発の最大のパートナーとなる。また冒険者レギオン「PEACE MAKER」最大の出資者でもある。
自らリュートの妻になる事を深く望むも、自身の問題が片付いていない(竜人国で王子の婚約者候補に本人の意思を無視して勝手に推挙されていた)事を理由にスノーからは「まずは自分のけじめをつけてから」として保留にされていた。
本作ネタキャラの一角のひとり。とにかく周囲がドン引きするほど、リュートに対する崇敬と敬愛が激しく、ぶっちゃけ愛が重い。そして愛が怖い。技術者としては一流だが、その才能ゆえ甘やかされて育てられたため、お調子者の一面があり、すぐに図に乗る。これらの一面(愛の重さとお調子者)はリュートが長らくメイヤを妻に迎えるか否かを迷った原因のひとつでもある。しかしリュートが長々と迷ってしまった結果として受付嬢さん(後述)と仲良くなってしまっていた。
のちに様々な騒動を経て自らの境遇にケジメをつけ、リュートから第五夫人として迎えられたが、この一件が受付嬢さんを壮絶に刺激する事となり、その結果として、ついに世界の危機を招いた。
リース
フルネームはリース・エノール・メメア。
ハイエルフの王国であるエノール王国の第二王女。予言された王国の危機に際し、これを回避するために「予言の勇者」と名指しされたリュートに接触、助力を請う。
「無限収納」(いわゆるアイテムボックス)という加護を持つがエノール王国では使い勝手が無く、母国では無能扱いされていた。しかしリュートによって「PEACE MAKER」の移動武器庫(個人武具のみならず対城用巨大兵装や大陸弾道兵装まで収納可能)として人材価値を見いだされる。
しっかり者のおねえさん……のように見えるが相当のドジっ娘。しっかり者に見えるのは、家出した姉の代わりに父王を支えねばという責任感が演じさせたもの(なのだが、その責任感のプレッシャーに押し潰されそうになっており周囲にはバレバレだった)。
エノール王国の危機を脱したのちにリュートの第三夫人となった。
ココノ
この世界の最大宗教である天神教の巫女見習いである人(人間)族。天神教上層部による政略結婚の思惑により「PEACE MAKER」に送られる。
さすがにリュートとしても当初は天神教サイドと事を構えたくはなく、政略結婚の事は置いといて臨時雇用の見習い秘書として側に置き、その生活の中でスノーたちと家族のように仲良くなった。
しかし、ふとしたきっかけから天神教上層部の政略結婚による世界掌握計画を知り、自らもそのコマである事実に絶望。自分を愛してくれていたのは天神教の組織ではなく「PEACE MAKER」である事を悟り、大好きな「PEACE MAKER」を守るために自決(自殺)を図るも事情を察知した「PEACE MAKER」によって間一髪で救われた。
そしてココノを自殺へと追い詰めた天神教の在り方は、リュートをはじめ「PEACE MAKER」全員の堪忍袋の緒を完全にブチ切ってしまい、彼らはココノを守るため天神教との全面抗争に踏み切った。
最終的には天神教に世界掌握計画を破棄させてココノの身の安全を保障させたのち、自分達を守るために自決までしたその覚悟を認められ、リュートの第四夫人として迎えられる。
のち「PEACE MAKER」の生活の中で乗り物類の操作に適性がある事がわかり、リースとともにポーター役として大活躍する。
なお天神教の組織からは離れたが「あくまで組織が悪い」としており、個人としては教義そのものを捨てているわけではない。そのため信心深い側面がある。
受付嬢さん
リュートが冒険者になった際、最初に世話になった冒険者ギルドの受付嬢さん。魔人種族。本作屈指かつ最大のネタキャラにして明鏡マルチバース最強かつ最狂なる最凶キャラ。きっとどっかのLv9999集団でも、このヒトの全盛期には勝てない。
ギルドの上層部に親類がおり、多くの一族(しかもみんなよく似てる)がギルドで働いている。そのため各地のギルド支部に親類がおり、時に地の文においては区別のため、彼女の親類に関しては「受付嬢さん(血縁関係ないしは役職)」と書かれたりする。
当初は年齢を気にして婚活に励むフツーのおねーさんだったのだが、リュートの結婚やハーレム化が進む(そして従妹など年下の親戚が次々にギルドを寿退職していく)たびに羨望からの闇落ちを重ねた挙句、努力の方向音痴を来して冒険者ギルドの不正を暴いたり、自ら冒険者となって婚活のために魔の洞窟を探検して修行を重ねたりしてるうちにリュートはじめ関係者全員が怖れる理不尽キャラの筆頭と化した。
最終的には「独身絶望オーラ」などという初見殺しの謎スキル(周囲を恐慌状態に陥れる上、対男性特効として「即気絶」の効果がつく。そして、このスキルを喰らった男性は数年に渡って女性に対して深いトラウマを負い女性とのお付き合いができなくなってしまう)を引っ提げ、世界破滅を容易く招ける規模の力を持つ超絶魔神の「まーちゃん」をペットに引き連れ「PEACE MAKER」最大の脅威としてリュートたちの前に立ちふさがった。
ある意味では本作の裏主人公にしてギャグパートのラスボス(物語全体における裏ボス)。
出てくる敵サイド軒並み人間のクズな某作の感想にて時々「受付嬢さんに突き出せ」という感想が書かれたりするが、そこで言及される「受付嬢さん」は、このヒトのこと。
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