概要
国王から実力を認められた魔導士達。魔導士長のサーバ・モランラを筆頭に、リプリー、シア、カレブ、アティカス、エスメラルダ、ザンクの7人で構成されている。国王直属の武装組織である為、軍内部の複雑な権力構造とは一切関係なく自由に活動ができる。因みにラウルの義兄バーナード曰、7人共同じ魔導士でラウルの嘗ての仲間だったヴェンデルよりも実力は上とのこと。
ラウルが勇者として活躍していた時には直接的にも間接的にも彼に関わった事がなく、当初は彼の復讐対象ではなかったのだが、ラウルが復讐者として蘇った後に彼の怨みを買う行動をとった為に復讐対象となる。
活躍
王都でラウル教と国王派との内戦が繰り広げられる中、国王の命令でラウル討伐の為に招集される(但し、アティカスは王都に着いた途端、国王を見捨てる発言をしたが為に国王の狂信者であるカレブによってその場で惨殺された)。
ラウルの闇魔法に対抗するべく数百年間禁じられてきた黒魔術を使用する為の儀式を行う為、ラウルに怨みを持つ彼の義兄バーナードの協力を得て生贄となる人間を集めてきた。
ラウルの大切な者達である母や姉、少年補給兵達の遺体を掘り起こし、生贄の人間の身体を利用して遺体を再構築し、生きる屍として蘇らせる。
ラウルが王都の市民達に対しての復讐を終えた後、生きる屍達を使った幻惑魔法でラウルを惑わせ、彼を足止めさせる。
幻の中に閉じ込められて飲まず食わずで過ごし酷くやつれた状態のラウルにエスメラルダが炎の魔法を彼に仕掛けるが、予め結界が張られていた為に防がれる。そこで作戦を切り替え、幻を観させ続けてラウルが衰弱死するのを待つが、何日経ってもラウルが弱っていく様子が見られなかった。国家魔導士達が訝しんでいたその時、突如として幻惑魔法にかかっている筈のラウルが声を上げて笑い出す。
実はラウルはとっくに国家魔導士達の幻惑を破っていた為に全くやつれておらず、やつれていたように見えていたのは国家魔導士達が彼の幻惑魔法にかかっていた為であった。
始めから計画がとん挫していた事を知り、国家魔導士達は再び作戦を切り替え、屍達を利用してラウルの身体を拘束する。大切な者達の身体を壊せないと踏んだ国家魔導士達は、ラウルの姉であるクレアの屍を操って剣でラウルの身体を突き刺す。が、剣で刺さされたくらいでは死なないラウルは姉の身体を貫いて動きを止める。そして、先程からラウルの大切な者達の安らかな眠りを奪い、良い様に操ってきた国家魔導士達へラウルからの反撃が始まる。
末路
まずエスメラルダが持っていた杖を爆破されて火だるまとなり、ザンクが自身が他者にしてきたように魔法でパンにされてしまう。大切な人達との幻を見せてくれたお礼としてリプリー、カレブ、シアが立て続けにラウルの幻惑魔法にかかってしまい完全に無力化してしまう。
一人取り残された魔導士長のサーバは杖を捨ててラウルに投降する。と、見せかけて無力化した5人の魔導士達の魂を生贄にして密かに黒魔術を発動させ、ラウルを葬る腹積もりであった。
が、その前にラウルが魔法で5人の魔導士達を串刺しにし、身体と魂を分離させる。「人の命を何だと思っているんだ」と怒りを露にするサーバもラウルによって容赦なく魔法で串刺しされて魂と身体を分離される。
そして全員ラウルによって身体を腐乱させられ、腐乱した身体に魂を縛り付けられて今度は自分達が生きる屍にされるのであった。
事実上、国家魔導士は壊滅した。
メンバー
- サーバ・モランラ
国家魔導士長である小柄な老婆。
王命によりラウル討伐の為の強力な魔法を発動させる為、生贄となる人間を集めていた。
補佐のリプリーと共にバーナードの元を訪れる。
本人はラウル討伐よりも、ずっと使用を禁じられていた黒魔術の使用に関心がある。
- リプリー
国家魔導士長補佐である男性。眼鏡をかけ、眉と下唇にピアスを付けている。
魔導士長と共に生贄となる人間を集めていたが、横柄な態度をとっていた為か悉く断れ続けており(因みに彼等を怒鳴りつけた相手は処分したらしい)、その様な中でバーナードの元を訪れる。
ラウルの母や姉達の遺体を操ってラウルに幻惑を見せたり、彼を拘束して殺そうとするも悉く失敗し、今度は自身がラウルの幻惑魔法にかかる。
幻惑の中ではどこかの部屋に引き籠っている様であり、他の国家魔導士達に対する不平不満を垂れながら何故か身体に生えたキノコを貪り食っている。
- シア
国家魔導士の1人。青髪のツインテールをした少女。
一般人(性根が腐った外道とはいえ)を平気で殺害するなど冷酷な部分を持つ。
また、多くの人間を顎で使い、ひれ伏せるために、国家魔導士という地位を悪用している。
自身らの抹殺相手であるラウルに関しては、魔導士長からの召喚状に記された「彼が復讐者であることを逆手にとった方法で追い詰め、命を奪う手段を考えてある」事で余裕をこいている。(ただし、当のラウルはあの世で神すら殺す力を持ち生前よりも遥かに強力になっているが…)
黒魔術でラウルを倒す作戦が失敗して他の魔導士達がラウルによって返り討ちにされる中、雷となってその場から逃げ出そうとするもラウルにあっさりと捕まり、幻惑魔法をかけられる。
幻惑の中では村からはみ出た男達を魔法でいたぶって優越感に浸っていた。
- カレブ
国家魔導士の1人。黒髪で褐色肌の男性。身体に刺青を施している。
一般人(性根が腐った外道とはいえ)を平気で殺害するなど冷酷な部分を持つ。
国王の狂信者であり、王城に向かう途中で国王を見捨てる様な発言をした同僚のアティカスを跡形も無くなる程切り刻んで殺した。
ラウルを黒魔術で殺す作戦が失敗したと知ると、魔導士長が止めるのも聞かずにアティカスと同様にラウルを魔法で切り刻もうとする。が、全て避けられてしまい、ラウルによって幻惑魔法をかけられる。
幻惑の中では敬愛する国王に犬として飼われている様であり、モノを大きくさせながら幻の中の国王にじゃれついている(ラウルによるとそれが彼の願望らしい)。
- アティカス
国家魔導士の1人。けだるそうな雰囲気の男性。年齢は23歳。
一般人(性根が腐った外道とはいえ)を平気で殺害するなど冷酷な部分を持つ。
また、同僚のシアから「おじさん」と呼ばれている。
魔導士長による招集に基づき王城へと向かう途中、国王を見捨てる様な発言をした為、国王の狂信者であるカレブの魔法によって跡形も無くなる程切り刻まれて殺される。
即退場したことで空気扱いされているが、シアから歳だから国家魔導士の地位を返還することを勧められた際、「そんなことをしたら、人殺しが出来なくなる」と言ってた事から、殺人を好んでいた人物と思われる。
- エスメラルダ
国家魔導士の1人。インド風な容姿の女性。
非常に勝気で好戦的な性格で、同僚のザンクをデブと言ってからかっていた。
廃墟となった都市で自身らが行った幻惑魔法にかかった(?)ラウルを嘲笑い、炎の魔術で瞬殺しようとするが、あっさり防がれてしまう。実はラウルは幻惑魔法にかかった振りをしていただけだった。そして、まんまと騙された挙句にコケにされた事で、怒り狂い本気の魔術で生み出した炎の玉で殺そうとするが、ラウルにあっさり跳ね返された挙句逆に自分が食らってしまう。結果、髪が解けてチリチリなりパンティーを残して服がすべて燃えて無くなってしまう。(この際、手で胸を隠して恥ずかしがっている)
今度はクレア達の遺体を操ってラウルを殺害しようとするも失敗し、ラウルからの反撃により杖を爆破され、全身を燃やされる。更に死ねない呪いをかけられて生きながら焼かれる感覚を味わい続けている。
- ザンク
国家魔導士の1人。肥満体の男性。
大食漢で、常に何か(作中ではメロンパンのような物)食べている。
実は食べているパンの基は人間であり、魔法で人間をパンにして食い殺す外道である。
ラウルを黒魔術で倒す作戦が悉く失敗し、実力行使でラウルを倒そうとしたところ、ラウルに操られて人をパンにする魔法を自分自身にかけられる。