「Miiverse」とはゲームプレイヤー同士のソーシャルネットワーク展開であり、ゲームを軸とした新しい交流の場である。
任天堂と株式会社はてなの共同開発。2012年6月4日に「Nintendo Direct Pre E3」で発表された。
2017年8月29日、同年11月8日に約五年に渡るサービスが終了する旨が告知され、その後は投稿したイラスト等をダウンロードできるサービスを期間限定で行った。
2017年11月8日午後3時にサービス終了。
どんなことができたのか?
発売されたソフトのコミュニティにおいて、そのソフトの話題・プレイ自慢・質問・ネタ・その他色々…と、書き込みがさかんであり、一部対応ソフトでは『Splatoon』などMiiverseの書き込みを反映した形の表示が可能なものや、『ゼルダの伝説 風のタクトHD』などソフトからMiiverseにスクリーンショット投稿する機能を持ったものもある。
ソフトからの投稿に限り、様々な絵のスタンプが用意されて手描き投稿機能で使う事ができるタイトルのものがたくさんあった(『マリオカート8』など)。
また、WiiUやニンテンドー3DS以外からの閲覧やコメント(手描き投稿には非対応)もできたが、ニンテンドーネットワークのアカウントが必須になっていた。
コミュニティには基本的にスクリーンショットの投稿ができたが、一部ソフトのコミュニティではNewニンテンドー3DS専用(旧3DS/2DS非対応)だったり、そもそも最初から投稿できない設定にされているコミュニティも存在した。
一部のコミュニティではWii Uと3DSの両方からの投稿がされているタイトルのものも存在していた。
投稿にはネタバレ防止のためのワンクッションを置くことも可能であり、ゲームソフトからだとスタンプ機能などの特殊な機能が使えたり、専用コミュニティでの手描きのイラストがソフトで反映されるものもあった。
ニンテンドー3DSのみオフラインモード(機器の側面の電波送受信をオフにするモード)で3つまで書き込みの保存も可能になっており、オンライン時に保存リストから呼び出して投稿することが可能であった。
早い段階でNintendo Switchに何故かMiiverseが実装されていない事が判明したが、しばらくしてからMiiverseが終了した為に当初からSwitchには搭載する予定がなかった可能性が高い。
リニューアル
2015年7月29日午後にMiiverseの仕様が大きく変更。本格的にゲームの話題のみを扱うソーシャルネットワークサービスを強調したものとなった。
まず、書き込み方法や分類が変更された。それが、WiiUや3DS以外でコメント以外は送信できなくなったのだ。
また、コミュニティへの一部の投稿は該当ソフトを起動した状態でMiiverseを立ち上げないとできなくなるなどの措置も執られた(コメントは除く)。
- プレイ日記
基本的にはこれまでとは変わらないが、ここでは手描き投稿が使えない。また、アルバムとしてMiiverseにスクリーンショットを記録できる機能を追加された。
これに関してはコミュニティに該当するソフトを起動している状態、もしくは3DSならばオフライン時に保存していたものも含むものでないと投稿はできなかった。
- 手描き投稿
こちらはスクリーンショットを添付できるが、手描き投稿専用となる。コメント欄では従来通りに文字か手描き投稿が選べる。こちらはソフトを起動していなくても可能であった。
- トピック
こちらも内容に合わせて別個に分割。
なお、解決した場合は質問終了に表示を切り替えて一切のコメントを制限することも出来た。
- 書き込み回数の制限
これまでは無制限(次に書き込むまで2分待つ制限はあった)であったが、運営による変更後は一日30回までと書き込みに制限がされた(他者へのコメントも含む)。
いわゆる長々と「雑談」をする事がやりにくくなっている。ただし、ゲームソフトからのMiiverse起動での書き込みには回数制限はなかった。
- 自分の活動の廃止
特定のコミュニティではない書き込み(通称:自活)が廃止されプレイ日記と統合された。おそらくチャット感覚でゲームとは関係ないことで使う利用者がいたからと思われる。
- Web版リニューアル
2015年10月にはWeb版がレイアウト等をリニューアルしており、広告表示がされるようになった。
まさかのスマブラ!?
『大乱闘スマッシュブラザーズ_for_Wii_U』ではなんと「Miiverse」がステージとして登場。
専用の応援コミュニティから投稿したお絵描きが表示される。コミュニティは各ファイター達に個別に用意されており、応援メッセージを送ることができた。
選択したファイターのメッセージがステージ中央付近に表示されるが、Miiverseのルールの範囲でスマブラのプレイヤー達の腹筋崩壊させるネタ投稿も可能であった。
なお、『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』に「Miiverse」ステージは収録されなかったが、きれいなファルコなどのネタは、ステージエディットや動画に使われていたりする。
注意点
Miiverseは他のソーシャルネットワークサービスに比べてルールが厳しくなっていた。
公序良俗に反する書き込みや出会い系など書き込みにはこれより無いくらい厳しく、アカウントが凍結される可能性が非常に高かった。
中でもフレンドコードは任天堂のゲーム機でのユーザー間のネットワーク通信においては必須ではあるが、Miiverse上での公開は(譬え自分のであれども)固く禁じられており通報対象としても最優先で対処されていた。
そのため、フレンド機能が搭載されていない3DSではフレンドコードを直に書き込む者が相次いだため、コメント書き込み欄でそれらの禁止が薄く表示されていた。また、外部(SNS等)への誘導も固く禁じられていた。
もちろん、ゲームのスクリーンショットにフレンドコードを書き込んでの公開も通報対象になっていたが、『とびだせどうぶつの森』の夢の村にいける夢番地のコードはその仕様上公開は問題にならなかった。
一方、何がいけないのか不明なまま書き込みが削除された例があり、基準としては不明瞭な部分もあった。
ここまで厳しいのは過去に『いつの間に交換日記』や『うごくメモ帳3D』で起きた問題が根底にあるようだ。
また、コミュニティとは無関係な雑談目的の書き込みは他のユーザーからは嫌われる傾向にあった。
まあ当たり前ではあるが、直接的な性表現や卑猥な表現のある作品は削除対象となっていた。
…ただ、この辺りは線引きがはっきりしていないため、ギリギリのラインで踏ん張って残っている作品も存在していた(公式発表はないが、ユーザーの自己申告の形で判明した例として淫夢ネタが速攻で削除されたケースがある)。
2015年7月にはアカウントに関しては悪質利用(主に荒らし)と判断され、それが発覚した場合は最終的なペナルティであるアクセス禁止が適用されると発表。
これはWiiUが複数アカウントが利用できる事を悪用した輩が現れた事による処置とみられる。
なお、無差別な通報には決して応じてはおらず、きちんと審査した上で削除・アカウント凍結を行っていると運営側は発表している。
2015年10月には運営からのお知らせにて犯罪予告のみならず『自殺をほのめかすような書き込み』に対しても警察に通報すると公表した。これは生命の危機に繋がりかねないゆえの処置であるという。
無論、これに対しても本心・一時の感情・冗談でもペナルティの対象となった。
また、あまりにもコミュニティとは関係ない利用が多いと判断されるとコミュニティの投稿作品のコメント機能の廃止処置がされることがある。一例としてYouTubeコミュニティが10月14日頃にコメント機能が廃止された。
要するに、マナーを守って利用すればいい。
ニンテンドー3DSではNewニンテンドー3DS/Newニンテンドー3DSLLでないとMiiverseを起動できないタイトルもある。
2016年12月までに発売された作品では(少なくとも)以下の作品が該当する。
- ゼノブレイド(New3DS専用)
- モンスターハンター4
- 大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS
- モンスターハンター4G
- モンスターハンタークロス
- モンスターハンターストーリーズ
- ポケットモンスター サン・ムーン
- スーパーマリオメーカー for ニンテンドー3DS
- めがみめぐり
これらが何故旧3DS/LL・2DSでソフト起動中にMiiverseが起動できないのかというと、本体のブラウザに使われるメモリ領域までソフト側が使っているため。
例外なのが『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS』でありソフト内に投稿のみの機能が存在する。スクリーンショットは一度スクリーンショット機能で撮影後に添付する形となっていた。
連携
PCやスマートフォン等からでは、自分の投稿を他のSNS・ブログ等でリンクするアドレスを埋め込むなどのMiiverseと連携する事もでき、またスクリーンショットやイラストも画像として抽出可能であった。
ただし、3DSはスクリーンショットが解像度の関係でWiiUのものと比べてWebでは小さく表示されていた。
終焉
先述通り、2017年8月29日、同年11月8日の15時にMiiverseのサービスを終了する旨が任天堂から発表された。
サービス終了に伴い今後は投稿、閲覧やフレンドとのメッセージなどMiiverseに関係する全ての機能が使用不可能になった。
因みに、終了日より以前からお知らせが公開され、最後までMiiverseを利用したユーザーへのささやかな贈り物として自分が投稿したWebの完全データという形でパソコン・スマホのブラウザからダウンロードで無料のバックアップサービスを期間限定で提供していた。
具体的には登録したアカウントで申請後に送られて来たメールに記載されたURLにアクセスすると自分の投稿データをアーカイブし、圧縮したZIPファイルをダウンロードすることができた。
その後、任天堂のゲーム機ではスクリーンショットをTwitterやFacebookに投稿できる方へシフトしていった。
なお、終了の理由は明かされていないが、憶測されるのは先のSNSの発達があげられる。つまり独自のSNSを作成しなくても、提携による開放的な感想共有の方があらゆる意味で効率的だということである。
また、先述したように厳しいルールの下において運営をするのは任天堂的にも負担になっていたことが覗える。