概要
広義的にはサービスが打ち切られることを意味し、これは「ポイントカードの終了」など「商品券の配布停止」など複数の意味が存在する。
インターネット上でも同様の意味として用いられ、ブログ、ホームページ等のレンタルサービスの提供終了、SNS等コミュニティの閉鎖などに用いられる。
だが現在では、特にネットゲームおよびソーシャルゲームの運営の終了の意味で使われることがあるため、この項目ではその点を中心に説明を行う。
略称は「サ終」。
初めに
あなたが今プレイしている作品がいつか、下手したら明日にはサービス終了が発表され、歴史から消え始めるかもしれない。本当に愛しているなら、忘れ去られてもいいと思うだろうか?
終了する理由
運営終了には複数の理由が存在する
- 経営上の理由
- ゲーム側の問題
「打ち切り」と「予定終了」
一昔前のPBM等ではサービス期間を区切り提供(6か月から1年)されており、こちらの場合は上記の打ち切りと言うよりも無事に終了したと言えるかもしれない(ただし、人気のあったものはインターバルを置いて同様のゲームが行われる場合がある)。
しかし近年のソーシャルゲーム等においては、そのようなことはほぼ発生せず、終了の気配がしだしたら、そのうち「重要なお知らせ」が運営から発表される、ということがほとんどである。
中には最初から『〇〇周年記念』という事で期間を区切っているケースもあり、電脳天使ジブリールは打ち切りよりもこちらに近いといえるかもしれない。
サービス終了と思ったら
運営を変更しての別所でサービスを続けるケース(DMMGAMESに運営変更したCLOSERSや光速軌道アバタードライブ)、続編や仕切り直しとしてのケース(プリンセスコネクト!Re:Dive、キルドヤ、リジャッジメントなど)も散見されるが、こうしたケースはレアケース。
DMMGAMESの作品で一般版とR-18版が同時存在するものでは、片方をサービス終了してもう片方を運営続行もあるかもしれない。
中には盛大的に生前葬というイベントを行う作品なども存在するかもしれないが、こうしたケースは例外中の例外と考えておこう。
場合によってはサービス終了しても、天華百剣-斬-のように別媒体で完結を試みるようなケース、ゲームのプレイはできないがゲーム中のCGなどが閲覧可能なアーカイブとして残す、ときめきアイドルなどのようなオフライン化というケースもある。
サービス終了しても元原作は続行されたりするので、あくまでもソシャゲ版などはサービス終了し、元原作は継続のケースもある。
(有名IP作品のソシャゲ化は、大体がこのケース。流星ワールドアクターは若干のレアケースだが)
終了後の影響
かつての家庭用ゲームや携帯ゲームといったコンシューマーゲーム(以下"従来の作品")の場合、多くは販売が終了しようが、開発元が倒産しようがゲームから撤退しようが、実物が存在するならばゲームそのものにはあまり影響がない場合が多かった。
が、クライアントのダウンロードおよびサーバでのプログラム動作が必要となるソーシャルゲームは終了により様々な方面に影響が及ぶ。アーケードゲームにおいてもオンラインサービス終了後もオフラインモードで遊べるタイトルもあれば、サービス終了後ゲーム自体が遊べなくなるものもある。
二度と遊べなくなる
従来の作品は販売終了後や開発元の倒産、あるいは業界からの撤退などの後もハードウェア(ゲーム機)および環境、そしてソフトウェアが存在すればいつでも遊べるし、ハードウェアや動作環境が入手できなくても近年は名作であれば移植の機会に恵まれたり、有名なシステムではエミュレータ等の各種手法も充実しているため、本来の対応機種に対するこだわりが無ければそれらを利用することでやはり遊べる。
だがソーシャルゲーム等はサービス終了後、主たるプログラムおよび処理を行うサーバーが閉鎖されるため、オフラインモードのあるゲームでもない限り一切遊べなくなってしまう。仮にそうしたモードがあったとしても、オンラインでのみ入手できるアイテムや、オンラインのみで解除できる実績が取得不能になる等、プレイに多かれ少なかれ支障を来す場合が多い。
アーケードゲームに至ってはサービス終了後、オフラインモードがないもしくはオフライン専用版のリリースがない場合新作ゲームまたは別のゲームへ改造されるケースがある(主なケースはソウルリバース→クロノレガリア)。
通信とゲーム
また近年のゲーム機用のゲームにおいても同様の状況が発生しており、例えば古いサービスではあるがサテラビューなどは現状プレイ不能であるし、現在においてはダウンロード販売が主となり、フルバージョンのソフトウェアをパッケージソフトとして発売、あるいは移植する事は比較的少なくなっている。
DLCなどが必要となる場合、同様の事例が発生し、例えば2015年9月10日までサービスが行われていた『プレイステーションモバイル』で配信されていたゲームは、サービス終了後も最後に機器認証を行った機器でのみプレイが継続できるものの、機器認証の手続きが終了しているので再認証は出来ないため、何らかの形でその機器が使用不能になってしまった場合は今度こそ本当に二度とプレイ不可能となる。
パッケージ版と併売しているソフトの場合はパッケージ版を買い直す事である程度解決出来る場合もあるが、セーブデータの保存先次第によっては引き継ぎが出来なかったり、更新データの提供を受けられなくなる事もあり得る。
また、逆にサービスが終了しているにもかかわらずアプリストアにアプリが残ったままというケースもまれに存在する。
セガのAimeではサービス終了に際しそのゲームをプレイしていたICカードで別のゲームまたは次回作でプレイした際プレイ特典がもらえるケースもある。(主なケースは戦国大戦→三国志大戦(2代目)、頭文字D ARCADE STAGE Zero及びSEGA World Drivers Championship→頭文字D THE ARCADE(※頭文字D ARCADE STAGE Zeroの場合は引き継ぎ特典もある))
購入した商品の効力がなくなる
従来の作品ではアイテム課金に近い要素としてDLCが存在するが、これは基本的に「販売終了前に購入しておけば絶版後も購入した商品の恩恵は引き続き利用できる」場合が殆どである(購入したかどうかを確認する為の認証サーバーが閉じてしまった場合は無効になる事がある)。
しかしソーシャルゲームの場合、前述の性質により課金要素に使用した金も無意味になってしまい、つぎ込んだ額が多ければ後悔や喪失感もそれだけ大きくなる。
オフラインモードがある場合を除き、誰もが羨むような名刀も、苦労して広げた農園も、時間をかけて関係を築いた異性も、作品がサービス終了を迎えれば無に帰ってしまうのだ。
オフラインでもセーブデータが使えなくなる場合がある
アーケードゲームに多いケース。オンラインサービス終了後、オンラインが必要なモードが遊べなくなるのはもちろん、一部のゲーム(特にタイトーのバトルギアや近年リリースされているICカードを使うゲーム)ではセーブデータ自体使えなくなってしまい、連動サイトも終了してしまえば連動コンテンツも使えなくなるため、上記同様に一部の例外(頭文字D ARCADE STAGE8インフィニティなど)を除きせっかく手塩をかけてチューニングしたマイカーも作品がオンラインサービス終了を迎えれば無に帰ってしまうのだ。(※SEGA World Drivers Championshipの場合オフライン版ではセーブデータが使えない代わりに最初からGT500クラスも含めたすべてのチームがフルチューン状態で使用可能になっている)
ソーシャルゲームにおいてもソードアート・オンラインメモリー・デフラグがサービス終了に際しオフラインモードが配信されたがプレイヤーのデータは引き継げず使えるキャラクターが限られてしまった。
場合によっては人々の記憶からも消え、歴史に残らない
従来の作品は前述の必要なものさえ揃えれば遊べることや移植版の多さから、有名な作品は勿論、無名な作品でも動作環境やその歴史が残る場合がある(むしろ「現存物が無い」、「開発された経緯が不明」といった作品の方が稀である)。
一方ソーシャルゲームは注目されていた、あるいは著名シリーズ作品ならニュースサイトや攻略wikiなど、記録が残る場合が多いためどのようなゲームだったか知ることが出来るかもしれないが、無名、かつユーザーも少なかった作品の場合紹介も攻略も行われず、情報が殆ど残らない場合も存在する。更にそれらが存在したとしても、サイトのリニューアルやサービス終了により、それらが削除される場合もあるため保存状態は不安定である。
そして前述のように終了後に遊べない以上、遠い未来でレトロゲームとして久しぶりに遊んでみるといったことすら出来ない。
その上、それまでには「動作させる環境」や「動かすべきプログラム」などが「存在しない」、あるいは「失われた」という事態も否定できず、こうなるとゲームの存在を覚えているのは「開発あるいは運営に関わった者」だけになり、彼らが忘れたり死んだりすれば完全に歴史から消えてしまうことになりかねない。これは、アーカイブ(文化の後世への保存・継承)の観点からも非常に危惧される事柄である。
作品保存
けものフレンズや星宝転生ジュエルセイバーのようなコンテンツの一部をフリー化するケースがある。またブログにてストーリー更新がなおも続くケースもあるが、こちらはかなりレアな例である。
更に、これまでのプレイデータの閲覧ができるケースもあるにはある。
海外ではサービス終了後も合法的に独自のサーバーを立ち上げてプレイできるようにしようとしている団体も存在している。
その他
その他のサービス終了も大きい場合が存在する。
コミュニティ
コミュニティの閉鎖の場合、避難所と呼ばれる「ユーザーが集まる場所」が作られたり、アーカイブが作成される場合が存在し、Miiverseの場合、避難所としてMiiverseNEOというサイトが作成されたりしている。
レンタルサービス
ウェブサイト、wiki、ブログ、電子掲示板等をユーザーにレンタルさせるサービスが存在しているが、この提供終了により、各種情報や絆等が失われる場合も多く、例えばinfoseekのiswebやYahoo!のジオシティーズ提供終了の際には大量の情報喪失が発生し、サービス利用者の難民が発生している。
動画サービス
youtubeにて運営及びメーカー公式からゲームのストーリーが配信されているケースもある
(特にセガのアンジュ・ヴィエルジュ ガールズバトルの場合はアーカイブアプリの開発が困難であることを理由にメインシナリオをf4samuraiのチャンネルから配信している。)。
pixivでは
長寿だった作品では終了後も熱烈なファンが作品を投稿し続ける場合が多い。
左:スカッとゴルフパンヤ 右:トリックスター
それぞれ13年、11年続いた。
一方短命だった作品は無名である、絵を描く程思い入れが無いなどの理由で、作品が投稿されていないか、投稿数が少ない場合が殆どである。また、評判の悪かった作品では完成度の低さを揶揄した絵が投稿されることもある。
左:ロックマンXover
ギャグマンガ日和のエピソード、『ソードマスターヤマト』のパロディ漫画の形でストーリーの終わらせ方や運営の杜撰さを批判している。
右:テガキモンスター
ゲームが終わった後の荒廃した世界を描き、世界観の完成度の低さを皮肉っている。
また2枚目の差分では背景の壁に"10 yen per second"(1秒10円)と書かれているのが確認でき、仮想通貨の価格設定への批判も見受けられる。
関連タグ
コミュニティ ネットゲーム ブラウザゲーム ソーシャルゲーム
閉鎖 終了 リニューアル 倒産
打ち切り
外部リンク
togetter:ソシャゲ、ネトゲ等のサービス終了後のゲームの保存について考える
同上:「ケータイ・WEB漫画や小説、ソシャゲ…等の多くは記録・保存されず消え、文化研究に大きな穴が空くかも」識者が懸念。アーカイブ化の必要性も。