概要
特定の範囲(地域など)に人や物などが著しく少なくなっていくことをいう。それが進行している状況、又は進行した結果の状態は「過疎化」と呼ばれる。
一般には「過疎地」など、地域や社会面での話題で出てくることの多い言葉であるが、インターネット世界では上記の意味から転じて電子掲示板やオンラインゲームに接続する人が少なくなることを「過疎化」と評する。またそのような状態を指して「過疎ってる」という表現もある。
対となる言葉は「過密」。
過疎が進んでいる地域は総務省が「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」(過疎法)に基づき指定する。神奈川県は全国で唯一過疎自治体が存在しなかったが、現在は真鶴町のみ過疎地域指定されている。逆に過疎化が深刻な県は島根県と鹿児島県であり、前者は全市町村過疎地域指定、後者は鹿児島市以外全ての市町村が過疎地域指定されている(鹿児島市も一部地域が過疎地域指定されていたが、2022年に指定解除された)。
解説
よく誤解されるが、人口密度が希薄なのが即ち「過疎」というわけではない。過疎化とは「元はそれなりの人口が存在したものが、減少したことにより元の行政サービス水準を保つのが困難になる」ことを言い、「過疎」の自治体は周辺地域より相対的に人口密度が高い場合もある。例えば、北海道函館市(人口約26万人)は人口減少が著しく2014年から全域が過疎地域に指定されているが、これに隣接する北斗市、七飯町、鹿部町はいずれも過疎地域ではない(鹿部町に至っては人口4000人しかいないのだが)。
したがって、人口を指して「過疎」と言う場合、「過密」(都市機能の過度の集中)は対義語ではない。ドーナツ化現象で人口が減少していた1980年代の千代田区、中央区(東京23区)のように「過疎」と「過密」が同一地域で同時進行する場合もある。