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概要編集

主に民放系列局が4局以下の県は大半が過疎地。100万都市有する広島県宮城県も含まれる一方、逆に山梨県徳島県など人口が少ないが遠距離受信やCATVによる再送信の恩恵が受けられる地域もある。


ノイタミナ等のアニメ枠が広まったり、キー局が全国ネットの深夜アニメ枠を設定したことで若干放送局が増加しているが、根本的には過疎地状態は変わっておらず、この地方の住民は衛星放送やネット配信を頼るほかない。


経緯編集

安定成長期には地方の民放系列局は増加傾向にあり(ANNネットワーク拡大運動も参照)、アニメ格差は縮小の傾向にあった。ところが、1990年代後半以降、地上波におけるアニメの放送本数の地方格差が急拡大傾向になった。


理由の一つにアニメ放送が従来型の「ファミリー向け」「夕方もしくはゴールデンタイム(午後7~8時頃)」から、少子化と諸々の規制の関係で深夜アニメにシフトし、その結果、地方では地上波で見られなくなったアニメが続発したためである。


特に深夜帯のアニメは関東圏(TOKYOMX日本テレビTBSテレビ東京)、関西圏(MBSABC読売テレビサンテレビKBS京都)ではほとんどの場合確実に放送されるが、関東圏や関西圏以外では、地上波放送されることは原作者の出身地、という理由などを除けば稀である。

中京圏では2010年代前半までは殆どの深夜帯のアニメが放送されていたが、2010年代半ば頃からは放送されないケースが増加している。そのことは名古屋飛ばしも参照。


またフジテレビの「ノイタミナ」枠も系列局によっては参加していない局があり、不参加局は番販扱いでノースポンサー・遅れ放送な上にローカル番組が最優先される編成だと飛ばされることも少なくない。


深夜帯のアニメでなくても、テレビ東京系の土日の午前中のアニメや夕方の時間帯のアニメ系列局のある都道府県以外は遅れ放送もしくは放送自体がない県もある。さらには系列局がキー局を含め28局もあるフジテレビ系の日曜朝のアニメは地方によって同時放送でない県もあり、中には放送すらしない系列局もある。


社会現象となった『新世紀エヴァンゲリオン』や『推しの子』すらも放送されなかった地域も複数存在する。


深夜帯のアニメが三大都市圏+αにとどまる原因編集

それまでのアニメは玩具メーカーやゲームソフトメーカーがスポンサーになっていることが多く、関連する玩具やゲームソフト、原作が掲載されている漫画雑誌のCMによる収入があった。


ところが深夜帯のアニメは、玩具メーカーからアニメ制作会社や声優のCDを出しているレコード会社などに取って代わられ、DVD、ブルーレイ(俗に言う「円盤」)の売上で製作費を回収するというビジネスモデルが確立し、人口比の割合の高い三大都市圏+αのみでいわば「30分のCM」として金を払って放送している状況にある。


テレビ局としても少子高齢化の時代には高齢者を狙ったほうが(世帯)視聴率が高まるため、アニメはやりたくないという本音もあると思われる。


三大都市圏以外で深夜アニメが流されるパターン編集


独立局が存在しない北海道岡山香川福岡はテレビ東京系の系列放送局があっても、三大都市圏には遠く及ばないほど深夜帯のアニメ放送は少ない(テレビ東京系の土日の朝や平日の夕方・夜のアニメは同時ネットなので本数的には多いといえば多いのだが……)。ただこれでも北海道と福岡は三大都市圏には及ばないものの日本屈指の大都市圏に分類されるので恵まれてる方ではある。


かつては福岡が三大都市圏以外では最も多く放送されている地域だったが、2019年頃を境に減少し始め、2020年代前半現在では北海道がアニメの放送に力を入れ始めた結果三大都市圏以外では最も多く放送されている地域となった。一方福岡は日本有数の大都市圏でありながら、長崎静岡などですら抜かれることもあるほどまで転落している。


変化編集

かつて地方民の手段はCS有料放送加入、円盤を買う、レンタルビデオ、オタク仲間から録画したのを融通してもらうなど限られた方法しかなく、漫画雑誌で「アニメ化決定!」と書いてあっても全然喜べず、(ネット情報もないので)アニメをやっていることを知らない人が大半、という東西ベルリン並の激しい情報格差が起きていた。修学旅行の楽しみのひとつが深夜アニメだったという人も。


衛星放送の影響編集

まず最初の変化は2000年、BSデジタル放送が開始したことである。特にBS-TBS(旧BS-i)は深夜アニメ放送に熱心であったため、TBS-MBS-CBCでしか見られないアニメもTBS関連のBS放送であるBS-TBS(旧BS-i)で視聴できるようになった。


2002年、CS放送・スカイパーフェクTVの110°CSデジタル放送「スカイパーフェクTV!2」(従前のSD受像機向けサービスは廃止、現在のスカパー!のサービスは後者の系譜)にアニメシアターX(AT-X)の放送が開始。BSアンテナとBS/CSデジタルチューナー内蔵機器があれば、¥2,000/月未満でテレビ東京系の深夜帯アニメが全国で見ることができるようになった。しかもSD受像機向けサービスと異なり、Web上からB-CASカードを登録するだけで契約が可能になった。


その後、AT-Xは事業を拡大、他のCSアニメチャンネルとの差別化として、深夜帯アニメを最新週から放映するようになる(これにより、一部のアニメ作品は番組編成の都合で地上局よりAT-Xが先行する物も出始めた)。AT-Xは当初、事業収益の柱を受信契約とプロモーション映像の送信に頼っており、テレビ放送としては珍しくCMが入らなかった(ライバル的立ち位置で、どちらかというと小児向けアニメが多いANIMAXは、月額受信料を低廉にする代わりに、地上局同様CMが入る)。現在は少数CMを入れているが、他局と異なりアニメ本編は毎時00分/30分開始のシームレスで放映した後、毎時25分/55分から番宣と合わせて入れる形態にしている。

また、最新作以外の「一挙放送」では、光ディスク頒布版のムフフなバージョンが放映されることがある。


2007年、BS11(日本BS放送株式会社)が正式にBS放送を開始し、夜11時以降の「ANIME+」で三大都市圏でしか見られないアニメも他地域で遅れ放送ではあるが視聴可能になった。BS加入が必要だがそれでも「深夜アニメ過疎地」に住む道県民には救済という感じである。

ただし同時ネット番組以外はTwitterなどで関東民と一緒に「アニメ実況」に参加することはできないが……


転機編集

しかしながらこれらの衛星放送は主に財布面でライト層の取り込みに難点があった。

  • BSデジタル普及の遅れ。BSデジタルも事実上の有料放送加入である。開始が不況期で各家庭とも出費を抑えている時期であったこともあり、BSデジタルの普及はなかなか進まず。
  • AT-Xは値段もさることながら、専門チャンネルという特性上たとえ資金に余裕がある家庭でも未成年者が「アニメみたいから契約して」と切り出す精神的ハードルが高い。

そんな中、インターネットの世界では着々と高速回線化が進行。2000年代後半になると動画サイトが流行し、動画サイトは海賊版で溢れた。というよりも海賊版で溢れたことが深夜アニメブームの要因になったという本末転倒な事態が起きていたのである。ビジネススタイルの問題に目を背け削除一本槍で対応したため、なんら解決に至らず海賊版はますます増加していった。


ようやく2010年代からはアニメ業界のネットシフトが本格化。ニコニコ動画Youtubeでの配信放送や安価な動画配信サービスが一般的になった。


さらに無料配信サービスのTVerの登場やリアルタイム配信の開始によって状況は大きく変化。これまでの状況は過去のものとなり、地方においては、テレビアニメをよく見る人ほどテレビ(チューナー)が不要という矛盾した現象が起きている。


深夜アニメを流さない道県で深夜に流されている地上波番組編集

全てとは言わないが概ねこの通り。地方に泊まったときはホテルのテレビで思う存分絶望してほしい。

  • キー局やテレ東及び関東独立局、もしくは他地方局の深夜バラエティ番組(遅れネットが殆ど)
  • ローカル番組(再放送の場合も)
  • テレショップインフォマーシャル
  • 24時間ニュース(主に終夜放送を行ってる局)
  • 番宣
  • フィラー映像
  • 翌朝の放送開始まで停波もしくはカラーバー(概ね26時台から27時台で放送終了の場合が多い)

昔は映画とか海外ドラマも流れていたが、経営難なのか減少している。


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地方ではよくあること 格差 地方

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