「死ンダラ崇ルゾ、夏油!!」
「ノラリクラリ遊ビマショ」
CV:山寺宏一
概要
本作の世界では非常に珍しいとされる海外の呪術師である(理由は後述)。
夏油傑が海外に呪霊操術の手駒にする為の呪霊を探しに行った際に偶然出会い、そのまま彼にスカウトされたという経緯を持つ。夏油個人のカリスマ性に惹かれていたらしく、ラルゥ同様に非術師への敵意や術師主導の世界変革ではなく、夏油を王とする事を重視して一派に参加した。
百鬼夜行失敗後は故郷に逃れたと思われるが、後に五条悟に見つかってしまい、おそらくは百鬼夜行参加の件を巡って五条から取引(という名の脅迫)を持ちかけられ、乙骨憂太を押し付けられた模様。
乙骨は、五条からミゲルの案内で下記する黒縄の残りを探すように指示されていたらしく、現在はアフリカで乙骨と共に行動をしている。小説によると乙骨自身の事は「素直」であるとして気に入っているようであり、夏油の件でも特に確執は無い模様(乙骨がミゲルが元夏油一派だと知っているのかは不明だが)。一方で、新宿での戦闘でトラウマ級の体験をさせられた事や、脅迫された件などもあって五条の事は嫌っており、五条が乙骨に会いに行った際も五条の前には姿を現そうとはしなかった。
劇場版『呪術廻戦0』のラストでは、前述した五条が乙骨に会いに来た際の経緯が描かれており、乙骨に故郷の料理を説明しながらレストランでの食事中に、五条と遭遇したという流れになっている。
その際にも、食事をしながら乙骨には五条は帰ったのかと念押しして確認しており、にも拘わらず五条が現れた際には「どうしてお前がここにいる」と露骨に嫌そうな反応をしていた。
元の0巻で五条から「ボビー・オロゴンみたいな喋り方」と称された為に、ファンからの愛称は「ボビー」。
現状本編での出番は殆どないにもかかわらず、五条の実力や呪術界の情勢など様々な新情報が明らかになる度に自動的に株が上がり続ける男であり、特に劇場版以降は出番が無いのに人気が高まっている。
戦闘能力
その実力は最強の呪術師である五条をして一目見ただけで、「一人面倒臭そうな奴がいる」と評し、自分が直接対処しなければならないという判断をさせた程(しかもその場には、夜蛾正道を初めとした歴戦の1級呪術師達もいたにもかかわらずである)。
黒縄と呼ばれる呪具(後述)を駆使して、六眼と無下限呪術を惜しみなく解禁した本気の五条を相手に、10分以上も一人で足止めしつつ、かすり傷程度だがダメージを負わせるなど実際に非常に高い実力を有している。
五条のパンチは高専でも指折りの実力者である乙骨と秤金次が「吐く」と称する威力を持ち、それを受け続けているミゲルの耐久力は作中でもトップクラスといえる。
(小説版では五条悟が術式を使っていなかったことになっているが、それでも宿儺に近い出力の五条悟の打撃を数十発受けたあとに10分生き延びた事実には変わりがないから恐ろしい。)
劇場版では、五条の攻撃に反応できる程の速度と黒縄をワイヤーの様に使った機動力に加えて、他の呪霊を壁にする等の戦法を駆使し、五条の体術による連続攻撃を受け続けてもなお、それに耐えて時間稼ぎを継続できるなど身体能力や耐久力も非常に高い。
ちなみに劇場版のおまけ冊子の0.5巻によると、身体能力や基礎体術に関しては後に乙骨にも一定の影響を及ぼした模様(乙骨の戦闘スタイルや基礎体術に最も影響を及ぼしたのは禪院真希だが)。
後に本編で明かされた設定によると、『呪術廻戦』の世界は日本以外の国での呪術師や呪霊の発生率は極端に低いらしく、作中世界では日本が真の呪術大国と呼ばれるに相当する国である。故にミゲルの戦闘力は単に強いというだけではなく、最早異常とも言うべきレベルである。
予想以上の大立ち回りだったせいか、視聴者からは「五条よりミゲルを応援してた」という声すらも多かった。作者からも百鬼夜行におけるMVPはミゲルであると明言されており、加えてファンブックで公開されたミゲルの新情報は『強い』だった(作中の活躍を見れば十分分かる情報だが、裏を返せば作者も認める程の猛者であると見て間違いないと思われる)。
使用呪具
黒縄(こくじょう)
名前の通り黒い縄のような呪具。ファンブックによると特級呪具相当の物で神具とも呼べる代物だそうだ。
一本を編み込むのにミゲルの母国の術師が数十年を掛けるという、非常に希少な逸品。
あらゆる生得術式の効果を乱して相殺する能力を持ち、その威力は五条の無下限呪術を貫通して傷を負わせる程であり、後に天元からはかつて伏黒甚爾が持っていた天逆鉾と並べて挙げられている。
0巻での対五条戦でミゲルが所持していた黒縄は全て消滅しており、乙骨と共にミゲルがアフリカに行って残りを探したが、既に残りは無い事が判明し、乙骨の海外任務は空振りで終わった。
※この先は「呪術廻戦」最新28巻と未収録のネタバレを含むため注意! |
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12月24日に開戦した人外魔境新宿決戦。
高専側は現代最強や雷神、才能の原石、更には現代の異能や鬼人、虎杖悠仁含む1級相当の術師多数といった呪術界でも指折りの強者を総動員して呪いの王に挑むが、健闘虚しくそれぞれが死亡、または戦闘不能に。
最後に残された日下部篤也も敗れ去り、高専勢力に絶望が訪れる。
敗れた日下部をなんとか復帰させるべく、憂憂が救出に向かうが──────
「そろそろ鬱陶しくなってきたな」
そんな行動を宿儺が見逃すはずも無く、即座に斬撃を浴びせる……だがそこに憂憂の姿は無く、宿儺の頭上に憂憂を抱える1人の男の姿が見えた。
「知らん顔だな」
「俺を知らないとはモグリだネ」
「これだから島国の人間は アンテナが低くて困るヨ」
初登場の0巻から長い月日を経て、遂にミゲルは本編への本格参戦を果たした。
あくまで時間稼ぎとはいえ、五条悟から五体満足で生き残った男が、五条を討ち取った呪いの王・宿儺に挑む。
唯一生き残った家族、ラルゥと共に。
術式
「祈祷の歌(ハクナ・ラーナ)」
スワヒリ語でhakunaは「~は存在しない」、laanaは「祟り、呪い」の意味。
肉体でビートを鳴らす事で文字通り呪いを退け、かつ自らの身体能力を強化向上させる。自分のステータスを上昇させるバフと、相手の術式の効力や攻撃力を下げるデバフを付与する能力と表現すれば分かりやすいだろうか。
作中で五条が言っている通り、領域の展開なしで自分と相手のバフ・デバフを引き出している。
そのため、対峙した者からしてみれば、自分の攻撃力は下がっているのに向こう(ミゲル)の攻撃力は上がっている、という少々理不尽な条件での勝負を強制される事になる。
詳細は明かされていないが、呪いを退けるとも解説されている事から、おそらくこの特性を利用して黒縄の効果を打ち消し、さらには五条の猛攻を耐え切ったのだと思われる。
なお五条は「術式は便利だけどそこまで怖くない。怖いのはミゲル自身の肉体」「外国人特有の骨格や筋肉に、呪力強化まで備えられたらそれだけで脅威」と、ミゲルの術師としてのスペックやポテンシャルを評価した。
さらには「もしも術式なし・呪力強化ありの身体能力で競った場合、線の動きなら勝てるけど、点の動きなら多分負ける」とまで言わしめた。
線の動きと点の動きってなんだよ!と言われることが多く
行動を繋げる連続的な動作、一つの行動を始める瞬発力
と言う意見や、柔術と空手の違い、HUNTER×HUNTERの「点じゃなくて線で見るのよ!」(線がおそらく飛び回ることで点が細かく逃げ回ること)を読み直して使いたくなっただけでは?などとさまざまな考察がされている。
また五条に勝利してるのはあくまで点の身体能力であり格闘戦や殴り合いと言うわけではない。(それも多分負けるである)
余談
- キャスティングが難しい役どころである為に、ミゲルの声優には注目が集まっており、大御所の国民的声優である山寺氏が声優を務めると発表があった際には、Twitter上で大きな話題となった。
- 山寺氏はハリウッド俳優のウィル・スミスの吹替を持ち役としている事でも知られている為、「それってもう、ウィル・スミスでは!?」「もはやミゲル・スミス」といったツイートも多く見かけられた。
- また、アニメ化するにあたってミゲルの愛称・パロディがボビー・オロゴンに因んだものではなく、ウィル・スミスやエディ・マーフィーなどの山寺の持ち役俳優に由来する物に変更になるのでは?とも囁かれていたが、台詞回しや演技はまんまボビー・オロゴンを再現したものになった。
- ただし、黒人差別への配慮なのか、原作において用いられた上記の台詞は「僕の1秒が勝ってる それだけだろ」に変更された(その為、アニメ勢にはボビーという愛称やネタはあまり通じない)。
- 本編参戦にあたりフルネームと帽子の下が禿頭(スキンヘッド?)である事が判明した。そして0巻の頃よりも(ラルゥ曰く)日本語が上手くなったらしい。