黄色人種
おうしょくじんしゅ
ユーラシア東部(東アジア・東南アジア・北アジア)にルーツを持ち、主に居住する人種。モンゴロイドとも(モンゴルに由来する名称。これは強大なモンゴル帝国と接していたユーラシア西方のヨーロッパ諸国がモンゴルを東ユーラシアやそこに住む人々の代名詞として認識するようになったため)。白人(コーカソイド)より比較的肌が黄色いということからこの名前で呼ばれるが、実際には、肌の色がオリーブ色の地中海系の白人(ギリシャ人、アラブ人など)より色が白い人も多い。また、やや色が黒い褐色肌も多く含む。
アフリカにおけるホモ・サピエンス発生後、数万年前にアフリカを出た集団のうち東方へ向かって主に内陸地を移動する形でユーラシア東部に拡散した集団(これに対し沿岸部を移動してユーラシア南東方面に拡散したのがオーストラロイドである)。シベリア高原、中央アジア乾燥帯やヒマラヤ山脈・アラカン山脈(広義のヒマラヤ山脈系でインドと東南アジアを隔てる山脈)といった障壁で西方に向かった集団・コーカソイドと遮断された人類がモンゴロイドになったと言われる。シベリアから氷河期は陸橋があったアラスカを経てアメリカ大陸に、更に東南アジアから船(カヌー)で太平洋の諸島へと拡散していった(最終的にニュージーランド、イースター島、ハワイにまで到達)。更に一部はインド洋の諸島に広がりアフリカに近いマダガスカル島にまで達している。又、東南アジアにおいては先に拡散していたオーストラロイドの多くを吸収してしまっている。
主にアジア(極東・東南)からアメリカ大陸にいたる環太平洋地域で分布している。
南方系、北方系、アメリカ系(インディアン)などに大別される。韓国人・モンゴル人・エスキモーなどは北方系モンゴロイド。東南アジアの人々は南方系に属する。日本人と中国人は基本的に北方系だが、南方系の特徴も若干混ざる。
太平洋に住むポリネシア人も南方系モンゴロイドであるが、大型の体格と、彫りの深い顔立ちという人種的特徴が他のモンゴロイドとはかなり異なり、白人(コーカソイド)に似ている(太平洋に南下する前に現生人類とは異なる旧人類であるデニソワ人と混血したためという説がある)。アイヌも白人的に見える形質を持っているため、かつては白人の系統であるという説があった(アイヌも遺伝的には全くのモンゴロイドであり、白人に似た形質はコーカソイドと分岐した直後の祖先形質を残している結果である)。
「アジア人」と言う場合は地域的・文化的なアジアの人々の分け方であって、様々な人種を含んでいる。ただ、東アジアに古くから住んでいた人々は全てモンゴロイドと言えるため、(東アジア人という意味での)東洋人=モンゴロイドと言うのは間違いではない。
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