CV:中尾隆聖
「人は運命には逆らえませんから」
概要
自由惑星同盟に所属する兵士の一人。登場時の階級は准尉、後に少尉に昇進する。長身で筋肉質の黒人の青年で、原作では「黒い巨人」、「心優しい雄牛」と表現される。
ワルター・フォン・シェーンコップにヤン・ウェンリーの護衛官に推薦されるが、薔薇の騎士連隊に所属していたかは不明。
あまり語ることがなく地味ながらも、ヤン・ウェンリーやユリアン・ミンツの護衛官として終盤まで活躍した。
戦歴
ヤンがヨブ・トリューニヒト一派の策謀で惑星ハイネセンへ査問会に呼ばれることになり、その際護衛官としてシェーンコップ少将が推薦したのが最初。
「知勇兼備の私ならいかが」と自薦するシェーンコップを「要塞防御指揮官までいなくなってはキャゼルヌ先輩が困る」と押しとどめられ、代わりに推薦されたのがマシュンゴである。
シェーンコップ曰く「首都に居残っているヤワな連中なら、片手で一個小隊は片づけられるでしょう」との事。なお後でヤンから「君より強いのかい?」との問いには「私なら一個中隊ですな」と付け加えている。
しかし、実際にハイネセンに到着すると、ヤンは国防委員長が用意した出迎え役に半ば拉致当然のように乗せられてしまい、ともに到着したマシュンゴとフレデリカは取り残されてしまった。その後、ヤンが延々と続く査問会でうんざりする間に、フレデリカ達はヤンと面会するためあらゆる手を尽くすが徒労に終わり、最終的に宇宙艦隊司令長官ビュコック大将にたよることになった。
その間はマシュンゴもフレデリカとともにビュコックの自宅に滞在するが、電子新聞にヤンとフレデリカに対する悪意のある記事が掲載されたさいには「嘘だらけの、けしからん記事です!」と憤慨していた(なおフレデリカは「怒る気にもなれないわ」と流していた)。
ただ、その間はマシュンゴはあまりその腕力を見せることはなかった(旧アニメ版では軍部内の策謀でフレデリカが憂国騎士団に襲撃された際、ただ一人立ち向かってそれなりに活躍したが)。
ユリアンがヨブ・トリューニヒトの推薦によりフェザーン自治領の駐在弁務官事務所付武官に派遣された際、マシュンゴも武官補として就く事に。ヤンとフレデリカが合意したもので、ほかの駐在武官がトリューニヒト派が占めるなか、ユリアンにとって唯一と言っていい味方となった。
その後、フェザーンが帝国の侵攻を受け、殆どの駐在武官が逃げだすなか、ユリアンとマシュンゴは取り残されたヘンスロー弁務官を連れて事務所を脱出。交易商人のマリネスクの協力でフェザーンからの脱出を図り、そのさい地球教のデグスビィ主教と同乗、ユリアンは主教の最期を看取ることとなる。イゼルローン要塞帰還後少尉に昇進する。
バーミリオン会戦の後、地球へ旅立つユリアンとともにマシュンゴも同行することに。特に従うよう命令されたわけではなかったのだが、その際に彼が言ったのが冒頭のセリフである。以後OVA版では最後まで彼の口癖となっている。
その後、地球~惑星オーディン~エル・ファシルとユリアンとポプラン中佐とともに渡り歩き、イゼルローン要塞再奪取作戦でも帝国兵を相手にその腕力を生かした。
ヤンが地球教のテロにより殺害されたさい、救出に駆けつけたユリアンが逆上してテロリストたちを殺害した時に、マシュンゴはすぐにユリアンを取り押さえ落ち着かせた。その後マシュンゴはヤンの遺体を抱きかかえ、後ろでユリアンが泣き崩れる姿を見て「こういう時は、早く泣いたほうが勝ちだな…」とつぶやいた。
最期の戦いとなったシヴァ星域での戦艦ブリュンヒルトへの突入作戦でも、白兵戦でユリアンとポプランとともに皇帝ラインハルトの元に向かうが、後方からの速射を全身に浴びて死亡。最後まで2人を庇って、微笑みながらの最期だった。