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概要編集

おもしろ黒人枠とは、主にハリウッド映画などのアメリカが舞台となる作品にしばしば登場するキャラクターの一種。


分かりやすく説明するとよく山寺宏一高木渉江原正士などがハイテンションなマシンガントークで吹替を担当する三枚目の黒人である。


人種差別が著しかった20世紀前半頃まで、大物ハリウッドスターはおしなべて白人であった。

作劇の都合で黒人役が必要になった場合でも、白人俳優が顔を黒く塗って黒人に扮する「ブラックフェイス」によって演じる場合すらあった。


黒人は端役か小悪党程度にしか演じることができなかった。許されなかったのである。


戦後公民権運動などを通じ人種間の平等、特に黒人に対する差別の撤廃が唱えられるようになり、ハリウッドも黒人の扱いを変える必要に迫られた。

しかし、当時の観客にとって主人公やヒロインが黒人というのは受け入れ難いものであり、マーケティング上主役級は白人とせざるを得なかった(単純に長く続いた差別の結果として実力ある黒人俳優が少なかったのもある)。


そこで便利な役どころが、明るいコメディリリーフ役…つまり面白黒人である。

善玉であり、それなりに目立つ役であり、白人を当てなくても受け入れられやすい。

アメリカ映画やドラマで、この手のキャラがテンプレと認識されるほど多用されてきたのには、そのような事情があると言われている。


そのため、面白黒人枠は黒人差別の過程から産まれた『悲劇を背負う俳優』だと言える。


しかし、この面白黒人枠から黒人の映画進出が始まりによって間違いなく、悲しい背景を思わせない俳優たちのユーモア溢れる明るさは、黒人たちのイメージアップに繋がった。

21世紀現在では徐々に人種間の軋轢も解消されつつあり、主役、ヒロインであっても黒人が出演するようになった。


橋渡しを終えた面白黒人枠は今や一昔前のものとなり、一部を除いてその役目を終えつつある。


しかし今でもこういった枠には需要があり、復活を望む声も少なくない。また上述のとおり黒人の地位向上に貢献した役どころとも言えるため、「コンプライアンス重視の現代の価値観にそぐわない!」と一括りで批判は出来ないハリウッド映画において大事なポジションである(ただデンゼル・ワシントンのようにその様な役どころを嫌い、オファーを多数断り、シリアスな演技派としてのポジションを確立し別の形で地位向上に貢献した人物も居る通り、こうした枠の取り扱いは難しい問題であることも事実である)。


悲しみを背負い、それでも観客に笑顔を届けたおもしろ黒人枠の俳優たち、

ポリコレが叫ばれる昨今だか、できる事なら、今度は心の底からの笑顔も引っくるめて演じる、新しいおもしろ黒人枠というのも見てみたいものである。


おもしろ黒人役の吹き替えに定評のある声優編集


またデビュー初期の神谷明大塚芳忠安原義人堀内賢雄大塚明夫小山力也藤原啓治森川智之山路和弘などがおもしろ黒人枠を担当しているレアケースも存在する。


また太っているおもしろ黒人は白人同様に塩屋浩三桜井敏治茶風林も担当する。


関連タグ編集

エディ・マーフィー ウィル・スミス クリス・タッカー ウーピー・ゴールドバーグ

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