概要
『ウォッチドッグス2』(Watch Dogs 2) は、ユービーアイソフトモントリオールが開発したクライム系オープンワールド型アクションゲーム。対応機種はPC、PS4、XboxOne。
海外版は2016年11月15日、日本版は12月1日に発売された。
『ウォッチドッグス』の続編。 舞台は前作のシカゴからサンフランシスコへと移り、前回のハードボイルドな雰囲気から西海岸らしく開放的な街並みの構成となっている。
サンフランシスコ・ベイエリアやマリン、オークランドなどの地域を詳細に再現しており、ゴールデンゲートブリッジやコイトタワー、ツインピークスにアルカトラズ島などサンフランシスコを語る上で避けては通れないランドマークも再現されている。
ミッション遂行も一通りではなく、時にはドローンを使って隠密に、時には正面から銃火器を構えて突撃し、時には他の敵対勢力をけしかけて騒ぎに乗じて忍び込みなど、プレイヤーそれぞれのスタイルで遂行することが可能。
また、主人公はスタンガンやスタングレネードなど非致死性武器を所有しており、これらを駆使することで最高難易度でも"敵を誰も殺さなくても全クリすることが可能な"オープンワールドゲームとしても有名である。
ストーリー
前作から3年後のctOS2.0が支配するサンフランシスコ。今作の主人公であるマーカス・ホロウェイはこのOSの機能の一つである犯罪予知機能に誤認識されてしまった。これをきっかけにハッカー集団"デッドセック”のメンバーとしてctOS2.0に立ち向かうことになる。
登場人物
デッドセック関連
マーカス・ホロウェイ
CV:内田夕夜
今作の主人公。カリフォルニア州オークランド出身の黒人男性、年齢は24歳。
"Retr0(レトロ)"のコードネームで知られている凄腕のハッカー。前作の主人公エイデンほどの瞬発集中力(フォーカス)はないが、代わりにパルクールのキレはさらに良く、どこぞのアサシンにも劣らぬ身のこなしで現場からフィジカルハッキングを行う。(とあるミッションで元陸上部という発言がある)
使用武器は「サンダーボール」と言うビリヤードの的球(色的に8)とパラコードを繋げた振り子状の自作の武器。
前作のエイデンから打って変わり、基本的に敵対勢力に対して「明確な殺意」は抱いていないため、ゲーム全体での雰囲気も柔らかさを演出している。
リーダー気質で、ゲーム内に登場するサンフランシスコ・デッドセックメンバーの中ではTボーンの次に新入りだがストーリー中盤以降はチームの先頭に立ってまとめあげる立ち位置をよく取る。
レンチ
CV:杉山紀彰
デッドセックの戦略担当。自称「貴方の将来の旦那さん」
誰が採用したか不明、突然ハッカースペースに現れて何もかもぶっ壊すプログラムを作成し始めたとか。
常にデジタルスクリーンマスクをかぶって素性を隠しており、目を絵文字のようにして表情を表現する。(めっちゃ可愛い)ボイチェンで甲高い声を出す。(そこがとても良い)
映画オタクであり、マーカスとよく馬鹿騒ぎをしている。
ストーリー上ではとある映画の予告編をマーカスと共にハッカースペースで見ていたり、街中でのグループ通話にてマーカスやジョッシュらと「エイリアン対プレデター」の考察を行ったりしている。
とあるミッションで強奪したロボットを自分好みにペイントして、「レンチJr.」と名付け可愛がっている、また同型ロボットへのハッキングプログラムも作成しており、歌を歌わせて周りの人間の気を引いたり、「愛情を込めてハグさせる(そのロボットには腕がないので事実上タックル、これがヒットすると気絶する)」ことも出来る様になる。
一見一般人を寄せ付けないビジュアルをしている一方、ドーナツ屋の女性店員に恋をしたりと可愛らしいギャップも持っているが、基本的には破壊衝動に忠実に行動する。
ストーリー終盤で1度だけ操作する機会があるが、その際の所有武器の火力・殺意の高さはシリーズ随一である。
シターラ・ダーワン
CV:浅川悠
デッドセックの広報・情報担当で、サンフランシスコ出身の女性メンバー。メインメンバーがよく屯しているハッカースペースは彼女が家賃を払っている。(不正や汚職、横領によって行き来している金を横から掠め取って使用している為、彼女自身の収入からはビタ一文払っていない)
マーカスにケータイで指示を出したり情報を送ったりしている。彼女のストリートアートはハッキングを風刺した内容のものが多数あり、メインストーリーの各話導入や、オチ等で挿入されるデッドセックの動画(特定人物の犯罪、違法行為の暴露や、なんらかの事象への徹底抗戦表明、特定施設への犯行予告など)も彼女が作成しているらしい。
またプレイリストの作成も行っており、ミッション中に流れるBGMは彼女の選曲という設定になっている。
ジョッシュ・ソーチャック
CV:橋本雅史
デッドセックのハッキング担当。内気を通り越して自閉症のコミュ障(様々な発達障害を抱えているとか)だが、どんなシステムも暗号も破れる凄腕ハッカーとしてマーカスやレイモンドにも認められており、「Hawt Sauce」のコードネームで有名。
ホレイショ・カーリン
CV:柏野昌俊
デッドセックの作戦立案担当でサンフランシスコ・デッドセックの創設者。
Google(グーグル)ならぬNoodle(ヌードル)社社員という表の顔を持つ。
マーカスと仲が良く、ストーリー上で登場する度にハンドシェイクを交わすほどである。
シターラ曰く女好き。
ストーリー中盤でとある事件に巻き込まれ…
レイモンド・"T・ボーン"ケニー
CV:山路和弘
前作から引き続き登場。かつてctOSの開発に関わった天才ハッカーで、自称「ブルームの天敵」。
中盤、「スウェルター・スケルター」というお祭りで出会い、より醜悪な姿となったブルームをぶっ潰すべくマーカスに協力を持ちかける。
ハッキングやctOSに関する能力・知恵でサンフランシスコ・デッドセックに協力している。
終盤、彼の過去の過ちと同じ行いを断行した彼等に自分と同じ傷を負わない様祈る場面も。
その他
ミランダ・コメイ
CV:咲野俊介
トランスジェンダーのオークランド市会議員。マーカスの知人。
ドゥシャン・ネメック
CV:藤原啓治
ブルームの現CTOでデッドセックの敵。本作の黒幕であり、あらゆる企業だけでなくFBIにすら圧力をかけて、この世の全てを支配するような勢いでデッドセック弾圧を目論む。
初登場時にはランニングをしていたり、その後も何度かヨガを楽しむシーンがあったりなどかなりアクティブな人物だが、基本的には上院議員などによく脅しをかけるなど冷徹で残酷な性格。
レニ
CV:橘U子
デッドセックと敵対するハッカーグループ"プライム8"のメンバー。
腕にデータコンソールを埋め込んでいる狂人。とあるミッション以降ジョッシュを気に入っている
用語
ctOS2.0
「You are now less valuable than the data you produce(今や、人々は自分が生み出す情報より価値がない)」
よりセキュリティが強固になったと謳われているが、デッドセックの者に掛かれば紙同然。それどころかOPムービーでは野良ハッカーや一般企業にすら数百行のコードで都市の全機能が停止させられ(プログラム的には少なすぎもいいとこ、人間で言うなら「その辺のA4用紙に適当に図面を引いた日曜大工工具でシステムダウンする街」といえばわかりやすい)、民衆の各データが盗まれ、売られ、買われている事が示唆されている。
この腐敗しきったネットワークを端的に表したのがストーリー冒頭におけるマーカス達の「おめでとうございます、貴方はクレジットカードの審査すら出来ません(経済状況を完全に把握されているので審査書類を出すまでもなく許可されないし、審査が通る人には宣伝がバンバンくるという意味)」「家や保険もだ(同様に維持できない危険性の高い人は内見すらさせてもらえず、生活習慣に問題があれば生活習慣病のリスク高しとして保険金を支払いたくないあまり保険を掛けない)」というやりとり
DEDSEC San Francisco
「デジタル社会の住民達よ、ようこそ」
デッドセック。ctOSを危険視し、専用のハッキングツールを仲間内で共有してctOSを攻撃し続けているハッカー集団。
前作のシカゴチームは謎のハッカー集団という印象は超えない上に内ゲバも見られるなど悲惨な状況にあったが、
今作のベイエリアチームは割とアットホームな集まりであることが判明。とはいえ実のところこの2団体は本部支部などですらなく同名なだけで、シカゴデッドセックをリスペクトして作られたあくまで無関係の別組織。
しかし今作での大活躍により、世界中に広まってしまったctOSに対抗する為、ベイエリアデッドセックを母体とした同名の下部組織が世界各地に出来る事となった。これら全ては本部は存在せず全てが支部、また協力はしているが上下関係がない。
前作ではたまに共闘する程度の仲だったが、今作以降は主人公が所属する組織として物語の主役となる。
その行いは違法ではあるものの、企業の不正のリークや犯罪の阻止、不当に脅される民間人の救援など確かな正義…いうなれば実在する活動主義「ハクティビズム」に根ざしている(社会風刺イラストの無差別公開や、昔ながらのストリートペインティング等、毒にも薬にもならない悪戯を行う事もあるが)
今作ではDEDSECアプリを公開している。これのダウンロードを承諾するとすなわちデッドセックの活動報告や、定期的にアップされる動画を視聴できるようになるかわり、ダウンロードした端末の余剰リソースを構成員に提供するという取引が交わされる(ダウンロード時に許可を取っているため、不正利用ではない)。謂わばデッドセック簡易入団のコンパニオンアプリ。
そのためフォロワーが増えれば増えるだけ情報処理能力が増し、企業への攻撃及び行動の幅が広がるため、デッドセックは支持を受ければ受けるだけ、使えるリソースが増え、より民意に即した正義を執行できるようになる。(具体的に言えばフォロワー数=経験値、一定数毎にスキルポイント)
「いつもの場所」とやらに、後ろ暗い企業から掠め取ったデータを無償公開していたりする模様。
………最近「DEDSEX」なるパロAVが公開された模様、当然マーカス達に半笑い半ギレで会社に凸られしっちゃかめっちゃかにされた。
「デッドセックは真実を告げた、行動を起こせ」
プライム8
デッドセックと敵対しているハッカー集団。
ATMの解析、それによる信号の偽造による不正な残高の捻出や、マルウェアの拡散等、私利私欲の為にハッキングを使用する悪党の集まり。レニがドゥシャンに大金を積まれたことで敵対行動を起こす。
デッドセックに企みを阻止されたり、或いはデッドセックの活動を邪魔したり、日夜攻防を繰り広げている。極稀に共闘することもあるが、大抵お互いがお互いを出し抜こうとしている。
オンライン対戦ミッションである「ハッキングイベント」では、互いにとって相手プレイヤーはこのプライム8所属のハッカーとして見えている。
テズカス、サンズ•オブ•ラグナロク、アンティ•スー•ボーイズ、580s、ブラトワ
本作の舞台であるサンフランシスコの各地に縄張りを持つギャング達。
お互いがお互いを敵視している為、縄張りが近い場所で、ハッキングスキルの一つである「キルリスト偽造(ギャングの内、適当な一勢力をけしかけ銃撃させる、CIAのオフィスだろうがアルカトラズだろうが何処にでも侵入して場を引っ掻き回してくれる今作屈指のぶっ壊れスキル)」を複数使用するとお互いに増援を呼びまくり、銃撃爆撃の乱れ飛ぶ阿鼻叫喚の地獄絵図になることも、「指名手配偽造(こちらは警察を呼び逮捕させる、偽造された対象が逃亡しようとしたり、騒ぎに気付くと発砲しはじめる、これもマフィア呼びと同じく何処にでも突入していくぶっ壊れスキルの一つ、コチラは1人しか連れて行かせられない上、警察相手には使用できないが、公権力なので場が混乱しにくい)」で警察を呼びつけると・・・
ブルーム社
システムの開発・運営を行っている大手IT企業。PCや携帯端末のOS、ネットワーク管理等にctOS2.0を導入している。
他人の個人情報を無許可で監視しては高値で売っ払う等、プライバシーという言葉はブルーム社の文書には記載されていない模様、くたばれブルーム!!
ヌードル社
どう見てもGoogleです、本当にありがとうございました。
メインミッションでは本社内部に侵入することが可能であり、サイドミッションでもちょいちょいハッキングされている。
ウォッチドッグスシリーズに登場するネーミング企業としては比較的真っ当な会社、なのだがやはり一部ブルームと共謀している部署があるせいで検索システムがまるごとctOSの片棒を担がされている。
ホーム・エレクトロニクス社
スマートホームの技術展や商品・サービスを提供している大手企業、そのセキュリティの高さや利便性から人気が高い。
が、その実態はテレビからは「どんな番組、CMを見ているか」、冷蔵庫から「どんな食品をどんな頻度で買っているか」、それらを統合した情報から「生活習慣病のリスク」等ありとあらゆる入居者の情報を盗み取り、「最高落札者」に売っぱらう悪徳企業。
ニュードーン
サンフランシスコに本部を置く「新たなる夜明け」を意味する宗教団体。お布施で地位が決まり、疑惑のある信者を隔離・再教育するとかこいつら汚い、汚すぎるぞ。つまりはどうしようもないクズ共。
発泡スチロール製の隕石(彼等曰く世界最古のタブレット端末)を有難がるバカどもの巣窟でもある。
タイディス社
精密機械、とりわけインフォメーションロボット等を製作している会社、ホーム社とも提携している模様。
その実態は裏でキルオートマトン、要するに人殺し専門の無人機械を違法製造しているとんでもない秘密結社。
さらに、その兵器を軍や警察(!?)に売りつけることを画策している、というか既にブルームとグルである。
これが看過されればポイ捨てした瞬間、捨てたゴミと頭がワンショットキルされる社会のはじまりである。
機械の性能は非常に高く、特にあるメインミッションでコントロールするスパイダーボットやオンラインPvEで対戦可能なロボットは驚異的な耐久力・戦闘能力を有している。
これが通常配備された暁には、人間の警備員は数割減るのではと言えるくらい。
Ubisoft
カリフォルニアが舞台ということで、実在するUBIのカリフォルニア支社がマップのどこかにある。
例によって導入されてたctOS越しにデッドセックが失敬をすることになる。みんなは真似しちゃ駄目だぜ!
関連イラスト
関連タグ
ウォッチドッグス……前作
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ウォッチドッグスレギオン……次回作