概要
主人公・上杉風太郎とヒロインである五つ子の一人・中野四葉のカップリング。
同級生であるが、家庭教師(風太郎)と生徒(四葉及び中野家の五つ子全員)という関係でもある。
風太郎から見た四葉は「しつこい単純バカ」「やる気はあって頼りになるが一番の悩みの種」。
四葉から見た風太郎は「根暗」「友達いなさそう」「天才」「すごい人」。
四葉は風太郎に対しては敬語を使うが、行動では友達のような距離感で接して、林間学校・修学旅行・学園祭を楽しむように風太郎に言っている。これ以外でも大体声かけが多い。
一方、家庭教師としての支えは他の姉妹と比べると少なめ。むしろ足を引っ張っている部分もある。
四葉の風太郎に対しての行動の中には抱き着いたり、頬についたクリームをなめとったりするものもある。
風太郎は四葉に優しく接する部分は比較的少なく、怒る部分も少なくない。
理由は不明だが四葉を頼れる存在と見ているようで学園祭の際に「頼りにしてるぞ」とも言っている。
風太郎を変えた部分で、「勉強・友情・仕事・娯楽・恋愛も捨てる必要はなかった」で挙げられた中では四葉の他人への助っ人的な意味では「仕事」、風太郎に楽しもうと言う意味では「娯楽」が四葉から受けた影響だろう。
この先、『五等分の花嫁』の物語全体のネタバレになるため要注意。
出会いと再会
二人の出会いは小学生の頃まで遡る。京都での修学旅行の際、単独行動中に盗撮を疑われた風太郎を助けたのが、姉妹とはぐれた四葉である。
その後、二人は一緒に京都を観光し、出会いの記念にツーショットの写真を撮った。この写真は風太郎にとっての宝物であり、高校の学生証に挟んでいる。
そして、一生懸命勉強し高給取りになって、大事な家族を幸せにしようと二人は約束する。
風太郎は約束を守るべく、金髪から黒髪にし家族以外の人間関係をほぼ捨てて勉強に取り組むようになった。
一方の四葉は、幸せにしたかった家族(母親の零奈)を失い、その後五つ子を引き取ってくれた義父のマルオの無関心そうな態度(彼なりに愛情を持って接してはいるが…)と五つ子へのコンプレックスから、勉強を離れスポーツの方にのめり込んでいく。その結果、進学した黒薔薇女子では中等部から徐々に成績を落としていき、高等部進学こそできたものの、姉妹揃って受けた追々試で一人だけ赤点を取ってしまい、落第回避のため転校を余儀なくされた。
しかし、彼女を放っておけない姉妹たちは「カンニングで追試を突破した」と自ら罪を捏造し、全員で転校する事になった。
この出来事によって、四葉は姉妹愛を再認識すると同時に、「姉妹の幸せこそが自分の幸せ」という考え、悪く言えば自己犠牲がちな性格になった。この部分は普段は表に出ないが、物語終盤の修学旅行や学園祭でこの部分が見える。
そして転校先の旭高校にて、風太郎と運命の再会を果たす。しかし、風太郎が落とした「100点満点の答案」を見たことで「風太郎は京都で交わした約束を守ったのに、自分は何一つ守れないどころか、姉妹まで不幸にしてしまった」(尤も、黒薔薇女子と比べて旭高校の食堂のレベルの高さやテストの緩さを評価しており、転校してよかったとのことなので禍根は残していない様である)という後ろめたさに苛まれる。
そのため、親の伝手で風太郎が自分たちの家庭教師を務めることになった際には、真っ先に生徒として勉強を見てもらう(四葉の部活の助っ人でそれができない場合あり)一方で「自分には名乗り出る資格などないから、風太郎と姉妹のためにできることをしよう」という思いに縛られていった。
そのため、林間学校直後に風太郎から京都のエピソードを聞いていた五月にだけ事情を明かし、亡き母の名前「零奈」(CV:京花優希)を名乗る「京都で会った少女」として風太郎に接触させ、「過去に囚われずこれからを生きてほしい」という願いから彼が思い出の品として大事にしていたツーショット写真を回収してもらった。なお、五月に頼んだ理由は「風太郎には嘘をつけないため、自分がやればすぐバレてしまうから」。
姉妹の絆か初恋か
やがて、家庭教師と教え子として接していくうちに、姉3人が風太郎に恋心を抱いていく様子を間近で見ていた(三玖に至っては最序盤で言い当てた)四葉は、3年への進級後のある日、風太郎とデートをすることになる(アニメ版での設定で、原作では2年生の2学期期末試験を前にした勤労感謝の日)。
だが、彼女の行く先は姉妹に縁ある場所ばかりで、四葉自身の望みではないことを風太郎に指摘される。
(元々原作中盤あたりのエピソードであるため、オシャレを意識するようなキャラでもない三玖が会員のスパ、M・A・Yがレビューしてるのは下町グルメがメインなのに五月御用達レストラン等、後から見ると若干の設定の齟齬はある。)
そして、最後に訪れた公園のブランコで遊び、童心に帰ったように笑う風太郎を見て、彼女は微笑みながら告げる。
「欲しいものは、もう貰いました」
これが何を指しているかは不明だが、「風太郎の笑顔」という推測もある。
なお、122+1話でショッピングした場所が「記念すべき初デートの地」となっている模様だが原作だとわかりにくい。
アニメでは映画に行く際にユナイテッド・シネマ(モデルは阿久比店。アピタも併設されている)の背景が差し込まれ、『*』でも踏襲された。
これにより、ユナイテッド・シネマ(+アピタ)が初デート地であると直感的に理解しやすくなった。
学園祭での出来事と告白の後
運営から出し物の助っ人など、たくさんの仕事を引き受けてこなしていく四葉だったが、疲労蓄積によって2日目途中でダウンし病院に担ぎ込まれる。目が覚めたときには既に夜になっていたが、自分があけてしまった穴はこれまで関わってきた人たちが埋めてくれたことを知り、最終日は謝罪とお礼のため校内を行脚する。
その途中、学園祭最終日に外階段の一番下で座ってウトウトしている風太郎を見つけ、過去との決別の意味も込めてキスをし、風太郎の意識が覚醒する前にその場から去る。
これで今度こそ風太郎への恋心を諦める。柱の陰でそう誓いつつも、四葉は人目を忍んで泣きじゃくっていた。
そして後夜祭が終わり姉妹と別れた四葉、武田と前田と別れた風太郎。
「五人のうち一人を選んでほしい」と告げられていた風太郎は、当初「誰も選ばない」ことで問題を解決しようとしたものの、考え直した末に決断を下す。
場面は変わり保健室へ。四葉は保健室で待機していたものの、自分が選ばれるわけにはいかないという思いから逃げ出していた。しかしスマホを忘れていたため取りに戻ると、そこには風太郎がいた。彼の告白を遮り逃走するが、風太郎はこの結末を察していた五月のアシストを受け、林間学校・修学旅行・そして学園祭で四葉が言っていたことを思い出しつつ四葉を追いかける。
そしてついに追いつくが転倒してしまい、風太郎は四葉の足をつかみながら想いを告げる。
自分は姉妹より幸せになってはいけない。風太郎にも迷惑が掛かってしまう。だからこの告白を受けてはいけない。
そう自分に言い聞かせて「嫌い」と答えようとする四葉だったが、口から出た言葉は
「好きです」
「私...上杉さんには嘘をつけません...」
過去の過ちから他人を第一に考え、自分自身を二の次にしていた彼女が、長い間秘めていた本心だった。
その後、姉妹(特に二乃と三玖)と風太郎に告白されたと伝えた事により衝突や微妙な気まずさがあったが無事に乗り越え、ついに二人は恋人となりデートをする事に(途中まで姉妹に見られながら)。
そして姉妹の夢が判明していた中でついに四葉の夢(ただし幼い頃の)が判明。
小さいころの夢… 思い出しました
皆が憧れてたベタなやつ…
お嫁さん です
アニメ版やゲーム版なだのメディアミックスでは回想やシーン補完があるものの、一連の流れに変更はない。
そして…
高校での再会から約5年後、ついに二人は結婚。呼び方が「上杉さん」から「風太郎」に変化し、ようやく他姉妹から認められる仲になった(『君と過ごした五つの思い出』で名前呼びに関する追加台詞あり)。式の直前には風太郎の愛を問うため、姉妹全員が揃いのウエディングドレス姿になり、高難易度の「五つ子ゲーム」を仕掛けたが、三度目の正直を見せた風太郎は難なくクリアし、見事に愛を証明した。
なお、一番大事なこととして、風太郎は京都で約束した少女が四葉であることを知らないまま彼女を選んだ。過去のたった1日の思い出に執着するのではなく、これまでの1年を重んじ、「どんなに自分が辛いときでも、支えになってくれたのは誰か」自問自答した結果、「困ったときに助け船を出したり相談相手になってくれた一花」「父親の試練を乗り越えるのに不可欠だった二乃」「困ったときに寄り添ってくれた三玖」「学校イベントがある度に「後悔しない○○にしましょう」と声をかけてくれた四葉」「悩んだときに言葉をかけて道を示してくれた五月」の中から四葉を選んだのである。
実際、京都の件は結婚式の後に四葉がトレードマークのリボンを手放した際の言葉「私の事に気づいてくれる人がいるから」でやっと気づいたほどだった。
余談
風太郎は「四葉がいないととっくにつまづいていた」、「四葉相手だと安心出来る」と言っているが、これは「他の姉妹にも当てはまるのでは?」と異を唱える読者も存在している。
上記の通り、他の姉妹と違って四葉はどちらかというと普段の高校生活を楽しませる方向にウェイトが置かれている(現に原作・映画・『君と過ごした五つの思い出』共通で林間学校・修学旅行・学園祭で言ったセリフを思い出している)ため、それを指しているのであれば「支えてくれた」よりも「楽しませてくれた」が実情に合っている面もある。
「安心」は作中描写での裏付けが難しく、正反対の属性を持つ四葉にはふさわしくないという見方もある。
また、四葉が終盤で風太郎に好意を持っていたことを明らかにするが、好きになった理由は述べられていない。
風太郎と四葉の2人きりでいるシーンは少なくはないが他の姉妹と比べると相対的に少なめで、そのやりとりも絆の強さや好意等を特別アピールするものではないため、2人きりでいる印象が他の姉妹(特に三玖や五月)と比べて弱く感じてしまう部分があるのは否めないところではある。
原作だけでなく他メディアのオリジナルストーリーでも友達っぽさのあるやりとりが多いのも特徴である。
ゲーム『君と過ごした五つの思い出』『彼女と交わす五つの約束』では他の姉妹からの不満が燻っているが、相変わらず友達らしい振る舞いをしている面や、一緒にいられるだけで幸せという面も見られるようになっている。
風太郎に対する口調、上述した名前呼びの変化の過程も描かれている点にも注目。
『*』で描かれた2人で住んでる家はそれなりに整った家である模様。
上記の通り、風四エンドが公式ルートではあるが、読者の中には他の姉妹の風太郎への感情・支え・努力等の描写から「他の姉妹とのルート」を望む声も多く、pixivにおいても他の姉妹を選んだ二次創作のイラスト・小説が掲載されている(四葉を含む「五つ子との間に子供が生まれた場合」の未来捏造もそこに含まれる)。
公式カップリングとなった風四だが、中の人たちはいずれも三玖推しである。
JR東海とのコラボでは風太郎と行きたい場所として「フルーツ大福弁才天(覚王山本店)(2023年10月に閉店)」「ナゴヤセントラルガーデン」「東山動植物園」を挙げている。
フルーツ大福弁才天が存在するのはすぐ近くに結婚式場の「覚王山ル・アンジェ教会」があるためその関係での選定と思われる。
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上杉四葉:改姓後
上杉夫婦…明言はされていないが、風四はこの夫婦をモデルにした可能性が高い。