中野三玖
なかのみく
「フータローよりいい点取ったら、どんな顔するかな」
セミロングで右側が隠れるような前髪になっている。髪の色は他の姉妹より濃くなっており、媒体によってバラつきが多いがどれも茶色系の色(原作は赤茶色、アニメ1期はえんじ色、アニメ2期とTVSP『*』は樺色、TVSP『∽』はマルーン色)となっている。
睡眠不足なのか不明だが常に眠そうな目をしている。
作中では五月が母親似とされているが、実は五つ子の中では、髪型や顔立ちが最も亡き母の零奈に近い。
首元に青いヘッドホンを髪を挟むように掛けている。モデルは、四葉役の佐倉綾音が三玖の格好をして受けたインタビューで着用していた様子から、オーディオテクニカのATH-AR3BTの青だと思われる。50話で故障してからは黒い物(アニメでは青色の2代目を使用)へと変更。モデルは、作者春場ねぎのツイートから、オーディオテクニカのATH-WS990BTの黒である。作者によると、五つ子それぞれの数字に因んだアイテムを設定するに当たり、三玖は同社の"A"字をモチーフにしたロゴマークに似せた三角形のマークが入ったヘッドホンにした、とのこと。
彼女がヘッドホンをまともに使ったところは誰も見てはいないらしい。ただ、彼女自身の回想ではゲームをしている時に使っている描写がある為、普通に使っているらしい。
制服の着方は季節に限らず水色のセーターを着用。スカートは一花と同じくらいの長さで、ストッキングを履いている。このストッキング、寒がりなのか私服でも着ている事が多いため彼女の生足は非常に稀な事であり、入浴などを除くと最初期の風太郎との追いかけっこ後くらいでしか見れない。
社交的でイマドキ女子な一花や二乃に続く彼女は、内気で不器用な優女。
物語の進捗によって変化していく所はあれど基本的にとにかく無表情で、口数が少なく会話も端的で抑揚が無いため、出会った当初は風太郎も「何考えてるのかわかんねぇ」とお手上げ気味だった。しかしそれは自分に自信を持てずにいるのが理由らしく、「自分にできることは他の4人にできて当たり前、他の4人にできることは自分にはできない」と思い込んでいるが故だったようで、最初期に解決して風太郎に好意を持ってからは辛気臭い雰囲気が一掃された。
なお、無表情ではあるが、怒った時は割と表情に出ており、姉妹の仲で一番頬を膨らませる事が多い。
そんな自信不足な彼女の得意技の一つが変装。作中で唯一他の4姉妹全員に変装している。素の性格こそ内気だが、真逆の性格の四葉にまで成り切っているので、極めて高い演技力と観察力を持っている実態が窺える(単行本13巻になると、現役女優である一花以上に、演技への執念とプライドを見せる場面もあり、もし三玖も女優志望だったら危うかった可能性も……)。
基本的に不器用なのが特徴。
普段やらないこともあって、料理は苦手で、作った料理は焦げていたり味付けがおかしかったりする。貧乏舌の風太郎は問題なく食べられるが、風太郎が「料理が得意な人が好き」と四葉が「あんまりおいしくない!」(四葉が意外とグルメなことや四葉の嘘が三玖に気づかれることもある)と評した等もあってからは「料理をうまくなりたい」と願っている。風太郎の『好みの女性像(妹のらいはの特徴)』が自分と反対なのを気にしている。
運動も苦手で、風太郎と同じように体力が無く、走るとすぐにへばってしまう。
実は、四葉から借りたゲーム(単行本のキャラ紹介で「ゲームはそのまま借りパクしている」とされているが、四葉の方はあげたつもりになっている模様)で興味を持った事がきっかけで歴女な趣味を持っている。これに関連してか抹茶ソーダなる謎の炭酸飲料をよく飲んだり、風太郎に2度ほど和服を着せたりと和の物が好きなところがある(彼女自身も作中で着物姿を披露した他、メガミマガジンのピンナップでは十二単を着用した事も)。
特に武田信玄を好んでいる事から、武田菱をアイコンに使い、風林火山も度々引用している。ちなみに信玄の娘・菊姫は甲越同盟に伴って(上杉風太郎と同姓である)上杉景勝と結婚して、彼の正室になっている。さらに、その縁によって信玄の七男・武田信清及び彼の子孫は上杉家に仕えた。
歴史の話になると風太郎も知らないマニアックな知識等も話し出し、マシンガントークをする場面も。ただし「自分の趣味は変わったもの」だと考えている為、姉妹にも秘密にしていた。
余談だが、本作の人物達の苗字は戦国武将から取られている。
林間学校で一花が風太郎に好意を寄せているのを知った時、自身の「自分たち五つ子は平等でありたい」思いで自分に素直になれないところがあったが、風太郎の「平等じゃなくて公平に行こうぜ」発言で吹っ切れて、一花に宣戦布告をして以降は自身の気持ちに正直になっていった。
コミュ障の気がある上、風太郎が絡まないと率先して喋らない事情もあってか、姉妹の中では序盤から中盤は一花と、中盤以降は二乃との絡みが多い。
プロフィールにある通り『嫌いな食べ物』にチョコレートを挙げているが、バレンタインチョコを作っていた際に「私は甘い苦手だから」と一花に語ったり、四葉が選んだドリンクを「このジュースは私には甘すぎる」と評している事等を考えるとそもそも甘味全般が苦手なようである。
Lovely music ~三週間前までは白かった~
アニメ1期の時期に作られた三玖のキャラソン。
好きな対象が歴史上の人物から風太郎へと変わっていくところや、嫉妬心や独占欲を描いた一曲。
君が好き~Three Feelings~
アニメ2期の時期に作られた三玖のキャラソン。
風太郎への尊敬と感謝の気持ちが込められた一曲。
Theme for MIKU
ゲーム作品で三玖のイベントで使われるBGM。初出は『夏の思い出も五等分』。
不思議な娘のような曲調。
『君と過ごした五つの思い出』『彼女と交わす五つの約束』でも引き続き使われており、アレンジバージョンも新たに作られている。
JR東海コラボのボイスドラマでも使用されている。
この町には まともな家庭教師は
ごとぱずの三玖のイベントで使われるBGM。哀愁漂う曲調。
題名は原作の台詞から引用しているが三玖ではなく五月の台詞だったりする。
公式ツイッター画像は毎週水曜日に発表される。歴史に関するメッセージが多い。
作者に一番人気がないと思われていたが、3話の後はファンが急増したとキャラクターブックで書かれている。
第1回人気投票では1位。
これ以外の講談社が関与しない五等分の人気投票(ねとらぼ等)でも軒並み1位であり、五等分のランキング1位は事実上三玖の特等席である。
グッズもよく売り切れているためか、中古市場では店舗にもよるが、三玖のグッズの買い取り値段は(ついでに売り値も)姉妹の中では最も高めになる傾向が目立つ。
商業的な意味で「三玖がいなければとっくにつまづいていた」と評価できる部分もある。
アイコンは武田菱とヘッドホンが使われる。
中の人の名前が同じ美来(ミク)。
「三玖の中の人がみっく」という狙いすぎなキャスティングなので度々ネタにされる。
『らいはの部屋』第5回でも「みっくと三玖」と呼んでいた面も。
五姉妹を演じる5人の中では伊藤が最年少、つまり末っ子である。
上杉風太郎役の声優である松岡禎丞は『五つ子の中で嫁にしたいキャラ』に「三玖」を挙げている。
読み切り版では五つ子の中で連載版とデザインが大きく変わっており、こちらは髪型は前髪が両目共に隠れ気味且つ短めの2つ結びで、連載版でのトレードマークのヘッドホンも掛けていない。
属性のある作品出演時は水属性になっている。
好意を抱くのは早かったものの奥手な性格もあってあまり進展せずにいたが、一念発起して「3学期の期末テストで一番を取ったら告白する」と一花に宣言。
結果赤点回避には成功するも、僅差でトップになったのは一花だった。
『風太郎の一番の生徒』であるのに自分に自信を得て勇気を出そうとしたが失敗した為に、「このままだと結局風太郎とは教師と生徒の関係のままでずっと変わらない」と思った三玖は、今のままの関係性を壊すべく、家族旅行中に偶然会った風太郎に五月の変装をして「家庭教師はもう結構、この関係に終止符を打ちましょう」と告げる。
風太郎はその言葉の真意を知るべく、偽五月の正体を暴こうと情報を集めた結果、最終的に一花と三玖の二択にまで迫るが、そこからの決め手が見つからず、苦肉の策で姉妹の呼び方の違いでひっかけようとする。
それを見破った三玖は敢えて一花のフリをし、風太郎も一時騙されるが、去っていく背中に何かを感じた風太郎は「三玖か?」と正解を導く。
自分と風太郎が『教師と生徒』なのは変わらないが、それだけじゃない絆がある。
それを確かめられた三玖は家庭教師拒否を撤回。
勉強だけでなく、風太郎に自分を好きになってもらうべく努力を始める。
3年になってアルバイト先に風太郎と同じケーキ屋を志望するも、上記の料理の腕前から二乃に敗北。
だが、今の三玖にとって大事なのは「風太郎に好きになってもらう自分になる」であり、風太郎と一緒にいる状況に拘らず、料理の練習も兼ねて向かいのパン屋に採用される。
当初は石のように硬いパンや、何故か粘液を纏ったパンしか作れなかったが、数ヶ月で普通のコゲパンレベルにまで上達。
修学旅行の自由昼食の時間で風太郎に自分の作ったパンを渡そうと画策。一花との衝突等の紆余曲折はあったが、最後にはパンを食べてもらうのに成功する。
こうした事情や幼い頃に交わした二乃との約束もあってか、卒業後の進路には料理学校に決め、風太郎も複雑な心境ではあったが「応援する」と認めてもらった。
その後は専門学校を卒業し、二乃と2人で「なかの」をオープンした。
この頃にはヘッドホンを掛けなくなり、髪型も分け目を中学までのものに戻している。
(ゲーム『彼女と交わす五つの約束』でヘッドホンを掛けなくなる経緯が描かれたが、三玖と風太郎との間で行うため、それぞれのルートで経緯が異なる可能性もある)。
『*』ではお客さんとのコミュニケーションを大切にしていて、新作メニューを試作中とのこと。
疑問
原作序盤にて前の学校に嫌悪感を示していた三玖。(アニメでは言わない)
単行本第11巻にて、旭高校に転校する以前の五つ子達の過去が描かれ、これによって一部の読者から「三玖のコンプレックスの原因が判明する」と期待された。
だが、実際に蓋を開けてみると、特筆すべき失敗談や問題行動は三玖に見当たらず、むしろ上記のゲームによって歴史に興味を持って、社会のテストでは(姉妹の中で見れば)高得点を叩き出すと、実際は落ちこぼれどころか優秀だったりするエピソードが散見された為、三玖のコンプレックスの原因が判明するのを期待していた層からは「矛盾を生んだだけでは?」と残念がられているとか。
伏線など
上述したように、序盤から風太郎には三玖をわかろうとする描写が多々見られ、三玖には風太郎をわかろうとする描写が多々見られた。
アニメ版では一部の演出や台詞、伏線の変更が行われ、三玖については伏線が増えた部分がある。
増えた部分は結婚式場の青い花、履歴書の39、風太郎が買った抹茶入り緑茶の存在、などが挙げられる。
特に青い花は14.5巻カバーにも青い花をあしらっている。
ごとぱずでも青いバラに関するイベント「五つ子魔女と青いバラの迷宮 ~吾輩は黒猫である!?」が存在しており、青いバラの花言葉は「不可能」「夢叶う」と説明されていた。
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