ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

上杉夫婦

うえすぎふうふ

戦国時代に実在した、上杉景勝(上杉謙信の後継者)と菊姫(武田信玄の娘)の夫婦のこと。
目次 [非表示]

概要編集

かつて、武田信玄上杉謙信川中島の戦いにて5回争った。しかし信玄の死後、後継者・武田勝頼(信玄の嫡男にして四男)は織田信長の脅威に対抗するために謙信と和睦(甲越和与)する。謙信の死後、上杉家を継いだ上杉景勝(謙信の養子にして甥)と勝頼は同盟(甲越同盟)を締結する。そして、その同盟の証として天正7(1579)年に勝頼の異母妹・菊姫(信玄の五女。六女説もある)が景勝と結婚し、彼の正室になった。


要するに、武田信玄と上杉謙信の子供たちが結婚したのである。


菊姫が景勝に嫁いだ甲斐もあって、甲越同盟は良く機能した。その証拠として、信長が武田家に大攻勢を仕掛けた際、武田信玄の娘婿で最後まで武田家の味方だった人物は上杉景勝だけであった。


その後、武田家は滅亡。信長はその勢いで上杉家に対して大攻勢を仕掛ける。だがその最中に信長が横死したことにより織田軍は撤退し、景勝と菊姫は助かった。


その後、景勝が豊臣秀吉に臣従すると、菊姫は豊臣氏の人質となる。関ヶ原の戦い後、景勝は徳川家康に降伏し、菊姫は徳川家の人質となる。


菊姫は、慶長8年(1603年)冬より病床に伏す。豊臣秀頼千姫の祝言に出向いていた景勝は、以降伏見(菊姫はそこで人質となっていた)に滞在し、神社仏閣への祈願を行ったり、名医を招いたりなどして菊姫の快復を望んだ。しかしその翌年、菊姫は他界。彼女の訃報に景勝や上杉家の家臣たちはかなり悲嘆し、『上杉家御年譜』には「悲歎カキリナシ」とある。


良好な夫婦仲編集

政略結婚だったにもかかわらず、景勝と菊姫の仲は良かったと言われている。

その証拠として、

  • 武田家が滅亡しても景勝は菊姫を正室のままにしていた(当時は、実家が滅亡したときに実子がいない場合は正室は側室に格下げされるのが常識だったが、景勝はそれをしなかった)。
  • 菊姫と景勝の間に実子は生まれなかったものの、(当時は一夫多妻制だったにもかかわらず)景勝は長い間側室を持たなかった。菊姫が病床に伏すと、景勝は(後継者を作るために)桂岩院を側室にしたが、彼女が景勝との間に玉丸(のちの上杉定勝)を生んで以降は子供を作らなかった(また、景勝が生涯にわたって結婚した人物は菊姫と桂岩院だけである)。
  • 前述した通り、景勝は病床に伏した菊姫を助けようと頑張った。その甲斐もむなしく菊姫が亡くなると、景勝は彼女の死を深く悲しんだ。

では、何故二人の間に子供ができなかったのか編集

前述した通り、景勝と菊姫の夫婦仲は友好だったが子供は出来なかった。これには以下のような事情が関連していると考えられる。

  • 菊姫が景勝に嫁いだ時、景勝は勢力の鎮圧で忙しかった。
  • 景勝が前述の反乱を鎮圧しても、織田軍の脅威や新発田重家による反乱への対処で忙しかった。
  • 織田信長の死によって織田軍の脅威が弱体化した後も、景勝は柴田勝家佐々成政の脅威、さらには徳川軍や北条軍の脅威に晒されており、前述した新発田の乱が続いていてさらには最上義光への対処もすることで大忙しだった。
  • 景勝は、豊臣秀吉に臣従して前述した脅威を対処することに成功するが、秀吉に臣従する証として菊姫を豊臣氏の人質に差し出すことを義務付けられた(そのため、前述した通り強制的に二人は隔離させられた)。ちなみに、景勝は(菊姫が人質になっている)京に赴く機会は多かったものの、そこにおける菊姫の仕事に負担をかけないように、彼女を気遣ってあえて子供を作らなかったという可能性が高い。
  • 秀吉の死後に勃発した関ヶ原の戦い後、景勝は徳川家康に降伏した。その際、菊姫は徳川家の人質になった。そして、彼女が豊臣氏の人質になっていた時と同じ理由で(さらにこの時期に、菊姫は病床に伏したためなおさら)あえて子供を作らなかったという可能性が高い。

このように、二人の間に子供ができなかったのには事情があったのだ。当時の資料を見れば分かるとおり景勝と菊姫の夫婦仲は良好だった


後世の創作による誤解編集

しかし、こういった事情を知らずに(菊姫の没後90年以上経過した時期に執筆された)奥羽永慶軍記という軍記物語には景勝が女性を苦手としていたという信憑性に乏しい主張(景勝の女性嫌悪を記述した一次資料は存在しない)を二人の間に子供ができなかった理由にしているが、軍記物語というものはフィクションを多く含むため、それに書いてあることを理由に二人の間に子供ができなかったと主張することはできない。


登場作品編集

おんな風林火山

上杉景勝役:森一馬

菊姫役:伊藤かずえ/岡崎由喜枝


天地人

この顔にやられた。

上杉景勝役:北村一輝(画像左)

菊姫役:比嘉愛未(画像右)


影響を与えた作品編集

本朝廿四孝

(画像は、本作の主人公にして菊姫をモデルにした「八重垣姫」。)

江戸時代に初演された浄瑠璃及び歌舞伎


五等分の花嫁

漫画及びそれを原作としたアニメ。2022年11月現在は、映画も上映されている。物語序盤で姉妹のうちの一人が風太郎と結婚することが語られるが、終盤までそれが誰かはわからない(注:ネタバレ防止のため、風太郎の結婚相手が誰かは記述しないでください)。


この作品が上杉夫婦の影響を受けていると推察される理由は、

  • この作品の主人公の名前は、(上杉景勝と同姓である)上杉風太郎(画像右から4番目の青年)である。
  • 本作におけるヒロインは5人の姉妹(史実において、武田信玄の6人の娘たちのうち結婚もしくは婚約しているのは菊姫を含む5人)であり、前述した通りそのうちの一人が最終的に風太郎と結婚することが語られている。
  • その姉妹のうちの一人・中野三玖(画像右から2番目の女子)が一番好きな戦国武将は、(菊姫の実父である)武田信玄である。

関連イラスト編集

景勝と菊姫

【漫画】菊姫の奇妙な祝言

(画像中心の人物が上杉景勝。画像左から前に2番目が菊姫。)


関連タグ編集

夫婦 甲越同盟 上杉家 武田家

上杉景勝 菊姫

武田信清…菊姫の異母弟(信玄の七男)。その縁により、義兄・上杉景勝に仕えて上杉御一門衆筆頭となり、子孫も上杉家に仕え続けた。

上杉謙信 武田信玄

本朝廿四孝 五等分の花嫁

関連記事

親記事

上杉景勝 うえすぎかげかつ

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 266

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました