「きさまに総帥の資格はない…」
「レッドリボン軍は、このオレさまが総帥となって新しくたてなおす」
「世界の支配者はこのブラックだ」
概要
CV:佐藤正治
世界征服を狙う悪の軍団「レッドリボン軍」の実質的なナンバー2であり、レッド総帥の補佐役を務める黒人らしき黒スーツの禿頭の男。レッドリボン軍編における事実上のラスボス。
背の低いレッド総帥とは対照的に高身長で、部下に対してはこれまたレッド総帥とは対照的に一定の思いやりも持っている様子(ただし最終決戦時には強力なミサイルで基地もろとも悟空を爆破しようとするなど、必要とあらば目的のためには味方の犠牲を出す事に躊躇はしない)。
補佐役に選ばれている点から見て能力や忠誠心、戦闘力といった面で信頼はされているのだろうが、彼は長身なため、身長コンプレックスを持つレッドは「自分が余計にチビに見える」という理由から側に立たれることは嫌がっている。
アニメ版ではブラック参謀と呼ばれている。
レッドリボン軍による世界征服の実現を純粋に強く望んでおり、その近道と考えドラゴンボールの情報を入手した。しかし後にレッド総帥がドラゴンボールを集めようとした目的が自分の身長を伸ばすことで世界征服は軍の力でするつもりだったと知らされ驚愕。
私欲の為に大勢の部下を死地に追いやった事を責められても開き直るレッド総帥の傲慢な態度に怒り、レッドの眉間を拳銃で撃ち抜き射殺。記事冒頭の台詞を言い、下克上を果たし自らが総帥となる。
直後にドラゴンボールを手に入れる為に基地を襲撃した孫悟空と遭遇。ドラゴンボールでウパの父親を生き返らせてから一緒に世界征服をしないかと取引を持ちかけた結果断られ、やむなく格闘戦を挑むが、この時の悟空に手も足もでるわけもなく圧倒されてしまう。
悟空から警察に自首するよう勧告を受けるも、切り札のバトルジャケットで抹殺を図る。攻撃が悉く通じないため戦いの末に逃走しようとするも、追撃して体当たりを仕掛けてきた悟空にバトルジャケットを貫く形で破壊され、愕然としながら脱出の間も無く爆死した。
余談だが自分が総帥になったにもかかわらずブラックリボン軍という名前に改名することはなかった。彼のレッドリボン軍に対する忠誠心は本物のようだ。
レッド総帥を殺害した拳銃を持っていて、なおかつ悟空の圧倒的な強さを既に十分認識していたにもかかわらず、それでもなお「これまでのやつらとは違うぞ」とそれなりの自信をもって素手で悟空に挑んだことからすると、(悟空があまりにも強いため感じにくいが)格闘戦の腕前に関しては相当な覚えがあったようだ。(メタ的な事を言えば、悟空と直に対峙すると、まずは自信満々に格闘戦を挑むも敢え無く頓挫というのはシルバー、ホワイトなどの他の幹部も全く同じ事をやっているため、レッドリボン軍編の一種の様式美とも見做せるが)
悟空があまりにも強いため分かりにくいが、少なくともブルー将軍でさえ歯が立たないくらいには強かったと思われる。そうでなければ、ブルー将軍をベロだけで瞬殺した殺し屋の襲撃を何とかしのぎ、ピンピンして生還して本部を襲ってくる凄いやつにブルー将軍と同じ格闘で挑む筈はない。
たとえ悟空が桃白白より強くなったわけではなく、たまたままぐれで勝った、仲間と協力して倒した、落とし穴などの罠にはめた、なんらかの手段で封印した、仲間に足止めさせたなどの認識でいたとしても、仮に悟空の戦闘力が以前と全く変わっていなかったとしても、桃白白を何とかしたというだけでブルー将軍以上に厄介な相手として警戒するのが自然である。
桃白白と直接会った際にブラックは桃白白を恐れており、その力を目の当たりにして唖然としたり驚愕していたため、到底かなわないという自覚がある程度の実力である(それでもブルー将軍が桃白白を完全に舐め切っていたのを見れば、かなりマシとはいえよう)。
また、それだけの腕前を持ち、かつ悟空がいかに強くとも切り札のバトルジャケットには敵わないだろうと踏んでいたにもかかわらず、それでもなお万が一の事態を考慮しての避難や大切なドラゴンボールを捨てての撤退をレッドに進言した点から見て、かなりの慎重派であることもうかがえる。
アニメ版での差異
アニメ版では総帥を射殺する前に悟空と一度戦っている。椅子やテーブルを吹っ飛ばすなど海外アクション映画のような戦いぶりを見せて悟空を一瞬怯ませたが「えらそうなことを言ってた割りにはその程度か」と完全に下に見られていた。
勝負の最中、劣勢のブラックを見限ったレッド総帥が吊り天井を落下させる罠を発動。悟空は潰されたが、ブラックは悟空の攻撃で窓の外まで吹っ飛ばされていたため間一髪のところで助かった(この際「レッド総帥め……オレまで殺そうとしたな!」と強い憎悪を見せている)。
悟空を始末したと思ったレッドはもう少しで身長が伸ばせると独白し、それを後ろで聞いていたブラックは「どういうことだ!? そんなことのためにオレは殺されそうになったのか!?」と難詰する。レッドは「貴様にチビの気持ちがわかるか!」「総帥が貴様(部下)をどう扱おうと勝手だ!」と逆ギレ。見限ったブラックが射殺するという結末となった。
直後に床を突き破ってきた悟空と遭遇。誘いをかけるも拒否されたためいきなり銃撃する。しかしレッドの時のようには行かず悟空から反撃を受け、このままではまずいとしてバトルジャケットに搭乗した。
一度はビーム光線で悟空を消し飛ばしたと思って歓喜。隠れていた大勢の部下たちもブラックの勝利を讃えた。しかし悟空が生きていたと分かり、動揺したブラックはミサイルで基地諸共悟空を吹っ飛ばそうとする。察知した部下たちは悲鳴を上げながら逃げ出した。
目的のためには部下の命も厭わないなどブラックの所業もレッド総帥と大差ないことが示唆されている。
派生作品
『ドラゴンボールGT』では地獄から蘇り、どこから調達してきたのかバトルジャケットでミスターサタンを追い回していたが、パンに倒されてしまう。その後地獄に送りかえされ、閻魔宮で天国に行けないかねだるブルー将軍に向け、「おめえが天国に行けるんなら今頃俺は神にでもなってるさ」と悪態をついていた。
リメイク映画『最強への道』ではラスボスとして登場。
頭髪は短く刈っているが髪の毛を生やしている。バトルジャケットの代わりに巨大なモビルスーツに搭乗して悟空を迎え撃つ。タフさに定評があり、初撃のかめはめ波を受けても無傷だった。加勢に来た人造人間8号を破壊して「出来損ない」とあざ笑うが、それに激怒した悟空の渾身のかめはめ波でモビルスーツに風穴を開けられ、爆死した。
この映画のブラック補佐は全体的に狂気を感じさせ、レッド総帥を射殺した直後には脱力したような動きをしつつ大声で笑っていたり、組織名をブラックリボン軍に改名することを宣言し、「古いレッドリボン軍などもはや要らない」と悟空を基地もろとも破壊しようとするなど全体的に悪役度が増している。