概要
CV:杉山佳寿子
レッドリボン軍バイオレット隊隊長。レッドリボン軍の幹部格の中では唯一の女性。
短く刈り込んだ紫髪で、タンクトップにアーミーパンツというラフなスタイル。
孫悟空の妨害がなかったとはいえ、今まで他の幹部たちが捜索に難航していたドラゴンボールを入手してくるなど、女性ながら高い実力を備えている……と思われる。
活躍……?
世界一の殺し屋桃白白を激闘の末に下した悟空は、彼に殺されたボラを蘇らせるため、残りのドラゴンボールを求めて、レッドリボン軍の総本部へと出発する。
一方その頃、RR軍の本部にてバイオレット大佐が初登場。
ブルー将軍が強奪したドラゴンレーダーを頼りに五星球を発見し基地へと帰還。
「ただ今戻りました! 発見が遅れてしまい申し訳ありません!」
と報告と謝罪を行い、その次のコマで、ドラゴンレーダーを、
「このドラゴンレーダーというものはさすがです」
「すぐに発見できました」
と評した。
…………出番は以上である。
そう、なんとこのバイオレット大佐、最終決戦に向けた緊迫感の中で初登場し、ドラゴンボールを発見・回収するという有能さを見せておきながら、出番はたったの2コマしかないのである。
悟空はこの後総本部に乗り込み、RR軍と大激戦を繰り広げるのだが、バイオレット大佐は本当にただの1コマも登場しない。
何をしているのか完全に不明のまま本部は壊滅し、RR軍編は終わりを迎えてしまう。
せっかく登場した魅力的な女幹部キャラだというのに、あまりにも寂しすぎる出番であった。
アニメ
アニメでは女っ気が少ないからか出番が増えている。悟空のRR軍本部襲撃の際にはアッサリRR軍を見限り、爆弾で金庫を吹っ飛ばして金品を強奪し、ホイポイカプセルに積んだ飛行機に乗ってまんまと脱走してしまった。アニメオリジナルシーンでは船に乗っていた部下を保身のために川に投げ込んで逃げるなどの非情さも目立つが、木から落ちてきた猿を抱きかかえて助けたりと憎めない一面も追加されている。
また、幹部である彼女が我先に逃げたのもあって、兵士がどんどん脱走する結果となり、最終的にRR軍の解散を招いている。まあ、どのみちこの時点での悟空に何百人兵士ぶつけても勝てるとは思えないが。
基地から逃げた際にヤムチャが駆る飛行船と遭遇。ヤムチャ側は武装などしていない普通の飛行船であり、バイオレット大佐の方も「基地を目指して飛んでいる。あの化け物小僧の仲間だったら戦うのは危険」としてお互いに姿を隠そうとする。
双方共に雲の中に身を隠した結果、激突事故を引き起こしそうになる。辛くも大破は逃れたが機体同士がぶつかってしまい、バイオレット大佐の方はダメージが大きかったようでふらつきながらも逃げていった。ヤムチャに痛い目に遭わされたが、墜落した描写はないのでそのまま逃げ去った可能性が高い。
これらのことからRR軍に忠誠心はまったくなく仲間意識もなかったことが窺える。劇中の行動からしても金品目当てに仕えていたのだろう。
序盤の数少ない女性キャラだけあって地味に人気はある。
パラレルである映画「最強への道」では戦闘機で出撃するも、いきなり悟空の攻撃でフロントガラスを破られて撃墜されている。仮にこれで死亡した場合、悟空が女性を手に掛けた貴重なシーンとなる。
ドラゴンボールDS2 突撃!レッドリボン軍
なんとifストーリーでブルマとの対決が描かれた。
悟空によって壊滅させられたレッドリボン軍の基地から逃げ出さずに潜伏していたという設定であり、金庫の中身を狙ってやって来たブルマに銃を突き付けて人質にとる。
そのままブルマを利用することで「悟空への復讐」「カプセルコーポレーションから身代金をせしめる」という野望を語る。しかし怒ったブルマから銃を向けられ、互いに銃撃戦を展開。ブルマに敗北する。
しかしブルマが金庫に目を向けた一瞬の隙を突いて逃亡。ブルマは警察に突き出すつもりはなかったと独白し、金庫を開けようとする。
実はバイオレット大佐も金庫を狙っていたようで、既に爆弾を仕掛けていた。ブルマを黒焦げにして逆襲に成功すると「今回は引き分けということにして上げる」と勝ち誇り立ち去って行った。
組織への忠誠心が窺えたり、自分を見逃すつもりだったブルマを逆に見逃すなど、原作以上に綺麗なバイオレット大佐だった。
余談
劇場版第21作目『スーパーヒーロー』ではマゼンタの机にレッド総帥の写真と共にバイオレット大佐の写真が置かれている。監督の児玉徹郎によると、マゼンタにとっての「過去の英雄たちへの憧れ」であり、スポーツ選手の写真を飾っているようなものだという(4K ULTRA HD Blu-ray & Blu-ray & DVD『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』封入特典 豪華60Pブックレット、東映、5頁より)。