語義
「淘」は水洗いしえり分ける事を意味し、余計な「汰」は水ですすぐ事を意味し、よって要らないものを取り除き、良い物、必要な物を残す事。
自然界における淘汰
生物学の進化論においては、生物の個体数やそれぞれの形質が減少する現象を指す。
自然界において起こる淘汰を自然淘汰ともいう。生物は個体数が増えると、それだけ形質のバリエーションも増える。
これを「選択」という。自然環境の変化や同種の他個体(異性やライバルとなる同性)との関係性などにより、
形質を持つそれぞれの生物は、死んだり、子孫を残しにくくなる。こうして後の世代に受け継がれる形質も減少する。生物にふりかかるこれを「淘汰圧」という。
淘汰は人間の手でも起こる。品種改良はその代表例である。
アメリカ合衆国のある地域ではガラガラヘビを狩りまくった所、人間に見つかりやすい形質、つまり「接近した敵に警戒音を立てる」という特徴を持った個体だけが偏って取り除かれ、
敵が接近しても警戒音を立てない個体が優先して子孫を残せるようになった。
これにより蛇狩りが行われる地域では、人間が近づいてもなかなか警戒音を立てない個体が多数を占めることになり、毒蛇としての危険度が増してしまった。