概要
毒蛇の毒は大まかに分類して、動物の神経・筋接合部の神経伝達を攪乱する「神経毒」、血液中の凝固因子を消費し、血管系の細胞を破壊する事で出血させる、血圧降下・体内出血・腎機能障害等を齎す「出血毒」、筋肉の細胞を破壊して壊死を引き起こす「筋肉毒」等がある。他に「溶血毒」「心臓毒」と呼ばれるものもある。複数の効果を持つ毒を有する蛇も珍しくない。
一般に神経毒を持つものがコブラ類(アマガサヘビやコブラの仲間)で、出血毒を持つものがクサリヘビ類(マムシやハブの仲間)だと言われるが、その表現は必ずしも正確ではない。 実際にはどちらも、神経毒と出血毒の両方を含んでおり、その中で特に神経毒の割合が高い種類がコブラ類で、出血毒の割合が高い種類がクサリヘビ類、と判断するのが正しい。
また、本来なら無毒の蛇が多いナミヘビ類(アオダイショウやシマヘビの仲間)の一部にも毒蛇の存在が知られている。これらは主に出血毒を持っているが、より出血性が強く、効果もクサリヘビ類の持つ出血毒とは異なる。
毒蛇に噛まれた際の治療法は噛まれた蛇によって全く異なるので、専門的な知識が必要になる。