概要
赤楝蛇。それは爬虫綱有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科の毒蛇。大きさ60cm~1.2mくらい。
日本(北海道と小笠原諸島以外)と朝鮮半島・中国・台湾に分布し、水田の周辺に多く、カエルや小魚などを食べる。泳ぐことも可能。
ちなみにヤマカガシとは山のヘビという意味(カガシ→ヘビを指す古語)
体色には変異が多いが、緑色を帯びた褐色ないし暗褐色で、黒・黄褐・赤色のまだら模様があるのが一般的。関東地方の個体では斑紋がはっきりしているのに対し、関西地方の個体ではややぼんやりとしており、中国・四国地方の個体では濃紫色の個体が多い。
埋もれていた毒蛇
ヤマカガシの毒は結構強く、古来有名な毒蛇であったハブやマムシを上回る日本最強の毒蛇とされる。
にも拘らず、有毒種であると報告されたのは昭和も半ばを過ぎた1970年代前半の事であった。
誤解されていた理由
ハブやマムシと同様に毒牙は2本あるが、ヤマカガシの場合は前歯ではなく奥歯が毒牙になっており、大きく口を開け、深く咬まなければ毒を注入できない構造になっている。
なので咬まれ方では毒を受けなかった事があったようだ。
それを補うためか、頸の辺りにも毒液を分泌する腺があり、危険が迫ると鎌首をもたげ、この腺から毒液を飛ばす。毒液は捕食したヒキガエルの持つ有毒物質を蓄積したもので、目に入ると失明の危険性がある非常に有害なものである。
関連タグ
ヤマタノオロチ:洪水の脅威を怪物として描いたものとされるが、ヤマカガシも伝承の元となったという説がある。
しかしヤマカガシは臆病で大人しく、こちらから手を出さなければ危害を加えてくることはないし、むしろ驚いて逃げていく(とはいえ身を守ろうと攻撃してくる個体もいるため、どのみち近づかない方がよい)。