概要
肌の色が一般的な黄色人種(東アジア人)と比較して濃い、黒っぽい、暗い色の人物のこと。
日焼けで一時的に黒くなった状態ではなく、基本的には生まれつき(地黒)の人のことを指す。褐色肌。
色白の対義語にあたる。
日本、中国、韓国などの東アジア圏では「肌の白いことは美形の象徴」という考え方が、他人種との交流が盛んになるより遥か昔からあり、色黒を好まない人は歴史的に多い(※例えば日本の場合、平民の多くが農民であることから日に焼けた肌が当たり前で、肌が白い=日焼けしていないことは農作業をしない貴族階級の象徴である、という考え方もあったと見られる)。
しかしながら、外によく出て日焼けしているような印象を与えることからスポーティで健康的というイメージや、日差しの強い南国では褐色肌の人が多いことから、暖かい国の開放的、のんびりとしたムードなどを感じられるとして、黒い肌を好意的に思う人も少なくない。
実際に、1930年代には世界的に「バカンスでリゾートに出かけて日焼けするセレブ、活動的な人物」というイメージから日焼け肌が流行しており、日本でもブームになっていた。
その後、日本では1960年代〜1970年代にかけて欧米流のメイク術が広まったことで再び日焼け肌ブームとなり、当時の芸能人、とくにグラビアアイドルやキャンペーンガールは、健康的な肌色で水着を着こなすスタイルが好まれていた。1980年代になるとバブル時代ということでよりその傾向が強くなり、小麦色の肌でブランドファッションを着こなすのが「リッチさ」の象徴の一つとなっていた。
また1990年代〜2000年代のサーファーブームやギャルブームの頃にも日焼け肌が流行したが、ギャルブームの祖先である安室奈美恵が沖縄県出身で、いわゆる地黒であったことから、彼女に憧れて日焼け肌を演出する人も多かった。
ほかにも暗い色は引き締まった印象を与える(収縮色、後退色)ことから、同じような体つき・顔立ちでも色白の人より色黒の人の方が引き締まって(痩せて)見えると言われており、加齢によるたるみなども目立ちにくい(※ただし、強い紫外線は肌のシミやシワの原因となるため、意図的に焼きすぎるのもよくない)という。→参考
このように、色黒も決して悪いことばかりではなく、現代においてはあくまでファッションとしての流行や、個人の好みの範疇と言える。
色黒の人の肌の色は「茶色」「小麦色」「褐色」「オリーブ色」などさまざまに形容される。
なお、「小麦色の肌」や「オリーブ色の肌」といえば、屋外のスポーツで日焼けしたイメージや、日差しの強い地域の出身のイメージなど好意的な表現として使われることが多いが、「土色(土気色)」というと長年の喫煙や肝臓の病気で肌の色がくすんで黒っぽく見えたり、疲れや精神的なショックで生気を失っていたりする顔色のことを指す。
※該当キャラクターについては「褐色肌」あるいは「黒肌」を参照。