CV:村中知
人物
キラキラ☆プリキュアアラモードの登場人物。ライオンアイスのプリキュア・キュアジェラートに変身する。口癖は「燃えてきたー!」。
自由奔放で情熱的な中学2年生。いちかやひまりと同じ中学校に通う。2年4組所属で2人とは別クラス。
歌が好きで、ロックバンド「ワイルドアジュール」のボーカルを担当している。
誕生日は8月27日(公式サイトより)で、『ジェラートの日』(立神あおい生誕祭も参照)。ライオンモチーフで8月生まれだが、しし座では無くおとめ座である(余談だが、中の人の誕生日は、トワと同じ)。
身長はプリアラ6人の中で、上から3番目。(ひまり<シエル<いちか<あおい<ゆかり<あきら)
活発で威勢のいい振る舞いからはわからないが、実は日本を代表する大企業の令嬢でもある。但し中学生になった頃からはお嬢様扱いされることに苦手意識を持つようになっている。
知性派や大人びた雰囲気が多い青キュア枠だが、あおいは従来の青キュアとは異なり、方向性は赤キュア寄り。(知性派は黄キュアのひまりが、大人びた雰囲気は逆に赤キュアのあきらが踏襲している。)それも年上にもズバズバ切り込むツッコミ役なので、同じワイルド系青キュアでも、コミカルなムードメーカー的存在だった来海えりかや白雪ひめとはまた違ったタイプ。
実際、第3話では行列に割り込んでおいて居直る男子高校生達に対し、物怖じする事無く啖呵を切って見せる等、男勝りで度胸のある部分を見せている。
但し青キュア要素が全く無い訳ではなく、ロックと出会う以前はお嬢様然とした雰囲気で、バイオリンやバレエを習っていた(その為なのか変身バンクでは、バレエを思わせるスピンをするカットがある)。
外見
背中まで届く長い青髪のウェーブヘアを広がったアップ髪にしており、頭には黄色のリボンを付けている。今までいそうでいなかった八重歯持ちである事も特徴的。
ちなみに学校用の鞄はスクールバッグではなくリュックである。
小学生の頃は今のワイルドな容姿ではなく、頭のリボンをお嬢様結びにする形で髪を下ろし白いワンピースを着用していた。
髪を下ろした姿は14話で披露しているが、プリキュアへの変身中のバンクシーンでも見ることができる。
服装
- 私服(春・秋服)
白いシャツの上に青いレザージャケットを羽織り、水色のスカートを穿いている。
ジャケットの右襟には王冠型の飾りが付いている。
足には青色のサイハイソックスと黒と白のスニーカー。
- 私服(夏服)
王冠と白いラインがデザインされたシアン色の肩出しシャツにグレーのホットパンツ、素足に青いサンダル。
- 私服(冬服)
シアン色のフード付きセーターと黒いスカート、春服と同じ青色のサイハイソックスと黒いショートブーツ。
外では春服時の青いレザージャケットを羽織り、青い手袋をしている。
- 制服(冬服)
タイは付けておらず上に水色の上着を着ている。
- パティシエ服
性格
正義感が強く曲がった事が大嫌い、それでいて脳筋・顔芸も連発…と、かなり活発で豪快な性格。文句を言うときは相手を煽りこそするが、自らが粗相をした時は周囲への気配りは忘れず、コミュニケーション能力はかなり高い。これまでの先輩で言えば緑川なおに近いのかもしれない(余談だが、形状は違えど黄色いリボンを付けている所も共通点だったりする)。
自他ともに認めるお調子者のいちかを筆頭に、仲間たちがボケをかますと、ツッコミ役にも必然的に回る。
作曲に取り組む姿勢は真摯そのものであり、妥協しないストイックな面を持つ。
昔は本人の意思とは無関係に様々な習い事をさせられていたようだが、ある日青空の下で野外ライブをしていた岬あやねのロックを偶然目にし、惚れ込んでしまった。それから自分もロックバンドの活動を始めるようになる。
現在のあおいの表面的な性格はバンド活動によって培われたところも感じられるが、実際は昔からあれこれ縛られる日常に疑問を内心抱く程に自由奔放だった。
このように、あおいはこれまでプリキュアシリーズに登場したお嬢様キャラクターたちとは対照的なじゃじゃ馬娘の部類に入る。そのカジュアルな私服・しぐさ・中性口調(むしろ荒っぽい男言葉を使う時もある)からは「お嬢様らしさ」が全く感じられない上に、第3話での本人の回想シーンを除けば彼女の口から家庭について語られる場面が一切無く、お嬢様キャラクターにありがちな傲慢さや世間知らずな点も全く見られなかった為、第14話であおいの実家を訪れるまでは、いちか達はあおいが大企業の御令嬢であることを全く知らなかった。そういう点では意外と常識人とも言える。
スペック
かなりの力自慢であり、運動神経が良い。
体育会系プリキュアでは珍しく成績も大変優秀で、テストでは学年5位以内を常にキープしており、本人は簡単と豪語している。ワイルド系キャラなあおいだが、「青キュアは知的」の伝統は引き継いでいたようだ。
あおいとスイーツ
「食べると元気になるから」という理由でスイーツ、特にアイスを好み、行き詰まった時はよく食べている模様。
とはいえ、スイーツに対して特別な思い出はなく、作った事もほぼ皆無。プリキュアメンバーの中では最もスイーツに対して「普通」の感覚で接している。
あおいがいちかたちと一緒にスイーツ作りをやることにしたきっかけは、「いちかたちと一緒に大騒ぎするのが楽しかった」ということであり、本音を言えばその対象がスイーツでなくてもいちかやひまりと大騒ぎできるならば参加したとも思われる。
あおいにとって自分の夢や価値観の根底にあるのは音楽であり、キラパティに参加した当初はスイーツ作りの活動は息抜きに近いものだった、
しかし話が進むにつれ、あおいはキラパティを「大切な場所」と愛着を持つように思うようになっていく。14話時点ではキラパティの活動はバンド活動は同じくらいの重要性を持つものになっていることが描かれている。
そしてキラパティという空間に愛着を強く持つようになってからは、ここでやるべきスイーツ作りという活動に対して手を抜かないようにしているようで、35話ではひまりの口を通じてだが、あおいがキラパティでのスイーツ作りを遊び半分で適当にやっているわけではないことが表明されている。あおいの活動に対する真剣さは保護者代理の水嶌をも動かし、35話の町内会対抗の大運動会において、水嶌を主将とする立神家チームが新たに参加するという形で結実することとなった。
家族構成
父:立神雷桜
母:立神藍子
執事:水嶌みつよし
父親は日本有数の大企業「立神コンツェルン」の会長。第14話の水嶌の回想シーンにて後ろ姿のみで登場し、第42話にて両親揃って登場した。父親の風貌はライオンに似ている。
お城のような豪邸に住んでおり、多くの執事やメイドが働いている。
執事の水嶌みつよしは幼いころあおいの父親に引き取られ、あおいとともに過ごした日も多く、いわば家族のような存在である。両親はほとんど家に帰ってきていないようで、あおいの教育や生活の指導については水嶌が「保護者代理」として一任されているようだ。第42話において水嶌が会長の後継者候補であることが会長から本人に告げられた。
厳格な教育方針が取られているらしく、ロックバンドやパティスリーでの活動は執事の水嶌からは認められていなかったが、水嶌の目を盗んでかなり綱渡りで続けていた。14話では帰国した水嶌によってバンドもパティスリーも辞めさせられそうになったが、紆余曲折を経て「成績5位以内をキープすること」を条件に続けることを許可してもらっている。
14話の描写からするとメイドや使用人からはあおいの活動は黙認されていたようで、見て見ぬふりをして水嶌に報告することもしていなかったことが示唆されている。両親があおいの活動を知っているかは不明だったが、42話ではあおいのライブ会場に訪れ、彼女の熱意を認める姿を見せた。
水嶌が事実上の立神家長男であおいの義兄という扱いになったことを反映してか、彼のクレジットの並び順が会長夫妻の下になっている。
ワイルドアジュール
あおいがボーカルを務めるロックバンド。詳細は該当記事を参照。
余談
声優について
担当声優の村中知氏は、2年前の『Go!プリンセスプリキュア』劇場版の一編『パンプキン王国のたからもの』でゲストキャラの妖精、キンを担当しており、前作の堀江由衣氏に続き映画ゲストからのプリキュア役起用となった。
全体を含めると村中氏で通算4人目。
TVシリーズには本作が初登場となる。
村中氏があおい役に起用されたポイントは、「強さもありながら、ニシシと笑うキュアジェラートの楽しい雰囲気を上手く表現してくれ、歌の方もお力添えをいただけるのではと思った」との事。(BuzzFeedでのインタビューより)
各話ネタ
TV本編
■第1話
- 歌っているとき、いちご山のクリーム爆発から発生したアイス型の雲を見つける。
■第2話
- 出番なし。
■第3話
- アイスクリームの屋台の列に並んでいたいちかとひまりが男子高校生に横入りされて困っていたところを見かねて、皮肉交じりの挑発で彼らを追い払う。これが二人との出会いとなった。
- 学校の図書室でいちかと再会。あおいは自身がファンである岬あやねが審査員を務めるコンテストに出場するため、新曲の作詞で頭が一杯になっており、仲良くなろうとあれこれ絡んでくるいちかにも素っ気ない。空に浮かぶ雲を「スイーツみたい」といういちかにも少々呆れ気味だったが、ふと子供の頃に見上げた空の記憶が頭をよぎった。
- 結局、コンテスト当日までいい歌詞が思い浮かばず、バンドのメンバーもその苦悩する姿を見かねて「あおいが満足した歌詞が作れないのならステージに立つ意味はない」と出場辞退を仄めかす。
- だが悔しくて諦めきれないあおいに、いちかがライオンアイスの差し入れを持ってくる。そのアイスを見た時何かが心の中を響かせ、一口食べて見る。澄み渡る青空を思わせるその味に、あおいは自分の原点がどこにあったのかを思い出す。「そうだ… あの時、青い空に響くあの歌を聞いてアタシも歌い始めたんだ。思い出した、アタシの歌を!」
- この時回想シーンで、幼い頃のあおいが登場。バイオリンケースらしき物を片手に、あやねの野外ライブを偶然見かけた時の様子が描かれるが、現在とはまるっきり異なる、まるでお嬢様のような佇まいだった(その時母親らしき人物も後姿のみ登場)。この後の変身バンクでもバレエのような回転をしており、良いお家柄である事を窺わせるが真相は…?
- モチベイションが復活したあおいは、なんと今からステージで歌いながら歌詞を作るからコンテストに出ようと言い出す。無茶苦茶だがバンドメンバーはあおいの情熱にほだされ快諾してくれた。アイスは残りを後で食べるから一旦いちかに預け、再びクーラーボックスの中へ。
- コンテスト中に、ライオンアイスを狙うホットーが襲い掛かり、会場は大パニックに。バンドメンバーも避難するが、あおいだけは思わずマイクを手に取って叫ぶ。
「おい おまえ!ステージを邪魔したうえにアイスまでとるつもりかよ!この空みたいなアイスは!アタシの大切なアイスなんだよーー!!」
- その咆哮が青空にまで届いた時、ライオンアイスは変身用アニマルスイーツへと姿を変える。3人目のプリキュア・キュアジェラートが誕生した。
- 突然な出来事にも物怖じせず、あおいは体にみなぎるパワーに身を任せ、魂が求めるまま新曲を歌いながら怪物へと向かっていき、いきなりパンチの連打をかました。
- 肉弾戦封印はどこ行ったと突っ込みはあるだろうが、前話のキュアホイップの飛び蹴り同様まったくダメージを与えられなかった。
- そこでクリームエネルギーを拳に纏って攻撃することに。敵の口中にパンチを叩き込み、そこで氷を破裂させアイスクリーム頭痛を起こさせるという本作ならではのトリッキーな戦法を見せた。最後はホットーを氷漬けにし、氷塊ごと思いきり殴って空の彼方へ。
- この騒ぎでコンテストは中止になったが、歌い足りないということであおいはバンド仲間を呼び戻し誰もいなくなった野外ステージで勝手に演奏しだす。お客は最初はいちかとひまりだけだったが、青空に響くその歌声に避難していた客もみんな戻ってきてくれ、結果的にあおいのワイルドアジュールの単独ライブの様相に。その聴衆に紛れた中から、あやねが興味深そうに見つめていたことに、あおいは気づいていなかった。
■第4話
- プリキュアになったからと言ってバンド中心の生活スタイルを変えるつもりもなく、まだいちか達とは若干距離感があるあおい。しかし、自分の知り合いである日向まりこが働くスイーツショップ『Sugar』の常連客だったのがいちかとひまりで、その縁からいちか達と一緒にバレエの発表会の差し入れのシュークリームを作ることに。
- 本編中では年齢が離れているあおいとまりこがどのような関係性の知り合い同士なのかは具体的には描写されなかったが、設定上では「あおいはまりこからバレエのレッスンを受けていた」ということらしい。
- 可愛らしいピンクのエプロン姿に着替えた時、かなり微妙な顔をする。自分にはこう言う格好は似合わないと思っているようだ。
- しかし失敗続きでやる気を失い、元々付き合いでしかなかったあおいはひまりの塾の時間に合わせてバンドの練習に行ってしまうが、作っている最中のいちかとひまりとのドタバタに妙な心地よさを感じていた自分もいて、バンドの練習を早めに切り上げてキラパティに戻ってスイーツづくりを再開することに。
- 戦闘では初めての3人チーム戦となる。ジェラートはクリームエネルギーをドリル状にして腕に装着して敵を抉っており、やはり他の2人より明らかにパワー系。
- いちかから「あおちゃん」というニックネームをつけてもらう。
■第5話
- 琴爪ゆかりに対し、「きれいだなって思った」と言ういちか。それに対し、「ええ、よく言われるわ」というゆかりの返答。その返答に「それ、自分で言う?」とごく自然にツッコミを入れる。
- マカロンづくりでメレンゲをかき混ぜるが、単に力任せにかき混ぜるだけで効果なし。「手首のスナップを効かせて」というひまりのアドバイスを実践できないあたり、細かいことは苦手らしい。
- ゆかりがメレンゲを作り焼き上げたマカロンを食べ、「美味しくない」とはっきりした一言を放つ。
■第6話
- いちかが一目惚れしたという剣城あきらを見るべく仲間と共に宇佐美家へ。たまたま外に出てたあきら本人が買い物に付き合ってほしいといちかに頼むや、気を利かせてひまりとゆかりに帰宅を促す。
- 工房にてチョコレート作りをする中、ひまりに「あきらは女性ではないか」と耳打ちされ「え! でも言われてみれば……」と半信半疑ながら真相に気づく。
■第7話
- 失敗したドーナツを無謀にもペコリン共々試食。固すぎて噛むことすらできず絶句した。
■第8話
- いちかの失敗でオーブンが爆発し、煤だらけになった店内の掃除にも「ウォー!燃えてきたー!」と大ハッスル。その際、一人だけこっそり避難していたゆかりにイヤミを言うも、ゆかりは「髪に匂いがつくのが好きじゃないの」とサラリ。お姉さんにはかないません。
- キラパティ開店に向けてテーブル作りを担当するが、その過程でキラパティの壁に大きな穴をあけてしまった。
- 机の脚の長さがそろわないということで、あきらと机を引っ張りあったらあきらが手を離してしまいこうなった…らしいが、あおいの動作を見る限り明らかにハンマー投げのようにわざわざ回転と勢いをつけてぶん投げていた。それはともかく、今回はかなりの力自慢であることが明らかになった。
- しかし、器用なゆかりがオブジェを制作し、あおいがカウンターの上にぶん投げて乗せるなどの作業分担により内装が整い、キラキラパティスリーは無事開店に漕ぎつけた。
◼︎第9話
- 辰巳だいすけの恋愛話に仲間と同じく興味津々。やっぱり年頃の娘である。
- だいすけが所望するクッキーを作ろうとするいちかに手がかりが無さ過ぎると指摘した。
◼︎第10話
- タルトの土台作り中、ふと「大人っぽい高校生で学園のカリスマであるゆかりとあきらが、自分たちみたいな平凡な中学生とつるんでて本当に楽しいんだろうか」と疑問を口にする。
- 本心ではさすがに2人が嫌々やってるわけではないとは思っていたのだが、そこに現れた彼女らのファンクラブに「この店は2人に相応しくない」と断言され、いちかたちと共にショック顔。
■第11話
- スイーツフェスティバル当日。さっそく大声で宣伝、やはりライブで鍛えた声量は伊達ではない。
- 悪い妖精の中ではホットーとタイマン。祭りへの想いと共に氷の塊をぶつける。
■第12話
- プリキュアの正体をバラそうとするいちかの口を慌てて塞ぐ。その辺は常識をわきまえている。
- 噂の転校生黒樹リオの来店に動揺して本人を前に『イケメン転校生』と口走り、今度はひまり共々自分の口を塞ぐ。幸い向こうは気にしなかった。
■第13話
- いちご坂商店街のPR動画作成にカメラマンとして参加する。ひまりから「レポーター役代わってください!」と頼まれるが、「動画に顔が映るのはちょっと……」といって断る。あおいの性格上、恥ずかしくて断ったわけではなさそうなので、いちかは多少怪しんでいた。
■第14話
- 今日はあおいの「ワイルドアジュール」の野外ライブ。だがノリノリで歌うあおいのステージに、執事服の男が乱入してきた。水嶌というその男は「あおいの保護者代理」を名乗り、あおいをお姫様だっこして会場から連れ去ってしまう。
- あおいは学校を休み、キラパティにも姿を現わさない。気もそぞろないちか達だったが、ゆかりの発案であおいの家を訪ねてみると、そこはすごい大邸宅だった。
- インターホンを鳴らすとあおいの悲鳴が聞こえてきたため、いちか達が屋敷に駆け入ると、階段からお姫様のようなドレスを着た女の子が転がり落ちてきた。
- 「みんな、来てくれたんだ!」というその子の顔をよくよく見ると、なんとあおい。日頃のワイルドなファッションとはまるで別人のような姿に一同びっくり(うち1名は「よく似合ってるわよ」と失笑していたが)。
- ここで改めて水嶌が自己紹介とあおいの家について説明。あおいは歴史ある名門・立神家が作った日本有数の大企業である立神コンツェルンの娘だったのだ。執事である水嶌がしばらく休暇をもらっている間にあおいはロックバンドを始めていたのだが、「ロックをやって何が悪い」「立神家の跡継ぎに必要なのは社交界のマナー」と両者の言い分は平行線のまま。「アタシの気持ちはどうなるんだ!」というあおいの必死の訴えにも「我慢してください」と水嶌はにべもない。
- しかし水嶌にも、幼い頃身寄りがなかった自分をあおいの両親に拾ってもらったという事情があった。あおいと兄妹のように過ごした時期もあった彼は、立神家への恩義とあおいを大事に思うがゆえに、「パティスリーから身を引いていただくつもり」と宣告する。
- 水嶌の監視下でレッスン尽くしの1日を終え、「みんなの所にもう戻れないのか……」と一人淋しくつぶやくあおい。キラパティでもいちか達が悄然とする中、立ち寄ったリオまでが「自分の気持ちを人に分かってもらおうなんて、はなから無理なんだから」と口にする。だがそこでキラッと閃いたいちかは逆に、「あおちゃんの気持ちは水嶌さんにもきっと伝わるはず」と言い出して、同調したみんなとスイーツを作り始める。
- 立神家でのパーティーに忍び込んだ一同は、キラパティをオープン。デザートのイルカゼリーを配り始めて来客を喜ばせるが、庭に突如現れた謎の建造物に水嶌だけが「何だあれは!?」と普通にツッコミを入れる。
- パーティーの喧騒から逃れてぐったりしているあおいに、いちかがイルカゼリーを差し入れる。大喜びで食べるあおいは、マナーや決まり事に縛られてうんざりしていた頃、岬あやねの歌を聞いて自由な気持ちになれて憧れるようになったと打ち明ける。そんなあおいにいちかは、水嶌に想いを伝えるための一計を授けた。
- キラパティの面々を詰問する水嶌の耳に、バルコニーを即席ステージにしたあおいの歌が聞こえてきた。ワイルドアジュールの面々も揃っており、屋敷の使用人達もゆかりが話をつけていて「あおいの歌を聞いてみたい」と賛同してくれていたのだ(キラパティがゲリラ開店できたのも使用人たちに話をつけていたからのようだ)。
- 唖然となる水嶌に、いちかがイルカゼリーを差し出す。あおいのアイデアから生まれたゼリーを口にした彼は微笑んで「そんなに叫ぶな…分かっている」と呟く。妹を愛おしげに眺める兄のような優しい笑顔だった。だが、あおいに「どう水嶌!アタシの歌は」と問われると一転して執事の顔に戻り、「ロックはレディーのたしなみではありませんので」と冷たく言い放つ。
- そこへ、あおいの音楽を聞いたことでゼリーを食べた来客者たちの心のキラキラルが活性化することに目を付けたジュリオが出現、キラキラルを奪われた人々は昏倒してゆく。怒ったあおい達はプリキュアに変身して戦闘開始。
- 大勢の人々から奪った大量のキラキラルを闇の氷柱に変えて弾幕のごとく降り注がせるジュリオは、その力に酔いしれる。土煙が立ち込める中、他よりパワフルなキラキラルが誰かの心の中にまだ残っているのを感知し、さらなる力を求めてそれを奪おうとするが、ジェラートの一撃に阻まれる。そのキラキラルの主は水嶌だった。彼の心から、あおいの歌声をこだまさせて響くキラキラルを見て、ジェラートは瞳を潤ませる。「なんだよ、アタシの歌思いっきり届いているじゃんか、しっかりとさ!」
- 水嶌があおいを縛り付けていたことを知るジュリオは「そんな分からず屋のキラキラルなんか必要ないだろ」と言い放つが、「これ以上手出しはさせない、アタシの大切な家族に!」と叫ぶジェラートは、水嶌のキラキラルの力を借りてジェラート・シェイクで反撃、ジュリオを退けた。
- あおいがキラパティに帰ってきた。パーティーを滅茶苦茶にしたと怒られはしたものの、水嶌もあおいもお互いの本当の気持ちを理解し、バンドもキラパティも続けてよいと許しが出たのである。「でもテストは学年5位以内をキープしろってさ」「しょんな~!?」「簡単じゃん、今までできたし」「なんですとー!?勉強苦手仲間だと思ったのにー!」と、いちかとにぎやかにやり取りするあおいには、いつもの元気な笑顔が戻っていた。
■第15話
- あきらの妹、剣城みくと初対面。みくから「歌の上手いあおいちゃん」と聞いて上機嫌となり、今回の出番ではほとんどの場面でマイクを握って隙あらば歌い、その都度ひまりからツッコまれていた。
■第16話
- ゆかりが勝手に帰った理由を自分がミスばかりするからと考えるいちか。それを面白がって「それで遂に見限られちゃったのか」とからかった為、真に受けたいちかは「ゆかりさんと一緒にみんなで何か面白いことやりたいぞ計画」なる謎の計画で、ゆかりのフォローに必死に走る羽目に。
- お茶会にリオが招かれたことに驚く。また、互いを呼び捨てするくらいには親しくなっていた模様。
- 前々回判明したお嬢様キャラがお茶会でどう生きるか一部視聴者から期待されていた。実際のところ正座はそれなりに耐えられる模様(まあ、いちか以外全員が平然としていたが)。また、いちか・ひまりが着物が着られると聞いてはしゃいだ時も、おそらく慣れているせいなのかノーリアクション。着た後も嬉しそうな2人を尻目に、着慣れた窮屈さからなのか「やれやれ」と言いたそうな顔をしていた。
■第17話
- ひまりと一緒に「話があるから集まってほしい」というゆかりの伝言をペコリンから聞かされる。伝書鳩か!と言いたくなるが、おそらく本作の中高生は携帯電話禁止と思われるので、やむを得ない通信手段なのかも。
- 「いちかのキラキラル返せ!」と真っ先に突っ込んでいくも、闇のキラキラルの力の前に弾き返され、ジェラート・シェイクもそれ以上の力で反撃されてしまう。
- しかしその間にホイップが復活。「いちか印のキラキラルに賞味期限はないのだー!」という叫びに、「めちゃくちゃ言っているな、アイツ」と笑顔でツッコむ。
■第18話
- キラパティにお客さんが来なくなってしまい、客足を取り戻すためにキラキラルで宣伝用の巨大フェイクスイーツを製作。今回はパーツがおかしくなったりせず、以前ゆかりが大量に作った模型並のクオリティで作れていた。
- 本人曰く「久しぶりに使った」とのこと。実際、店の改造や制服デザインはいちかが主導と思われるので当然だろう。
■第19話
- 天才パティシエ・キラ星シエルに「弟子にしてください!」と言いだすいちかを、「何言ってんだ!正気か?」と、ひまりと一緒になって必死で引き止める。が、その程度では暴走機関車いちかは止められなかった。
- いちかがシエルの入門テストを受ける日、心配する一同に「よし!行くか、野次馬!」と声をかける。
■第20話
- いちご坂商店街PR動画でシエルを撮影。途中イチゴンこといちかに指示を出すが、既に時遅し。当のいちかは再度弟子入りすべく土下座をしていた。
- シエルが養蜂場を訪ねると聞きついていくことに。が、山の向こうとはいえ地元だからと油断しひまりと喋っている隙に置いてけぼりをくらう(結局別ルートで先に到着)
■第21話
- いちご山の妖精が戻ってきたお祝いの準備としてアイス型のライトを設営。すっかり土木業が板についている。
■第22話
- パワーアップしたジュリオをみて「いつものジュリオじゃない。」と驚く。ジュリオが襲いかかり、キュアカスタードのあとに攻撃するも、カスタード共々やられてしまう。カスタードとジェラートのコンビはジュリオとの相性が悪くて、まとめてやられる描写が目立った。
■第23話
- 休業していたシエルのパティスリーに5人で乗り込み、ピカリオを抱えていた。「関係ないので帰る」と言ったピカリオに対しキラリンと和解をさせるために「おーっと逃げたらだめだからね」と離さななかった。しかし、ピカリオは笑って力ずくであおいから逃げてしまった。
その後、ピカリオの作ったスイーツが灰色になるのをみて驚いていた。
- シエルにたちはだかったノワールをみて「で・・でかい」と言った。
- ノワールが作った闇に4人で戦った。ピカリオを抱きかかえていたせいなのか、ピカリオへの愛着が感じたようだ。その後巨大ビブリーが攻撃をし、やられてしまう。ビブリーが持っている人形(イル)と合体しているのに驚く。そのビブリーはあまりにも手強く「強い」存在を知ってしまう。
- 巨大ビブリーが街中を破壊しまくり、プリキュア4人も太刀打ちできなかった。その中で「あたしたちだけじゃダメなのか?」と嘆く。
■第24話
- 昼休みに変身が解けて逃げ回るキラリンを見つける。事態を理解していちか、ひまりと一緒に翻弄することに。
- スカーフで作ったキラリン人形を利用し、自分は「あっ、不思議な動物が飛んでる!」と叫んで一般生徒の目を引きつける役割を担った。
- 戦闘ではジェラート・シェイク以外だと久々に氷属性の攻撃を披露。地面を凍らせネンドモンスターの足元を悪くし、キュアマカロンがくすぐることで転ばせている。
■第25話
- あきらとナタ王子によるゆかり争奪戦を仕切るが、100M走に馬を使ったり瓦割に家来を使ったり、挙句に「キラパティをどう華やかに飾り付けるか」という勝負で建物自体を取り壊して城を新築しようとするなど、かなりズレたナタ王子に「それダメ~!」とダメ出しとツッコミを連発で、ほとほと疲れ切った顔をしていた。ちなみに社交ダンス対決でいきなり王子がリフトを実行した際は「リフトはパートナーとの信頼関係がなければ出来ない」と、何気に上流階級っぽい本格的ダメ出しをしていたあたりは、さすがはお嬢様。
- エリシオが作った鉄柵の檻を足で蹴って軽々と破壊。さすがは怪力お嬢様。
- カードモンスターとの戦いで、ホイップ・カスタードとともに連係プレーにクリームエネルギーで動けなくした。
■第26話
- 冒頭で水着を披露。いちかやシエルと同様に布面積の薄いセパレート型水着を着用しつつも、セクシーというよりワイルドな魅力をアピール。
- 無人島を探索中、木の蔦をヘビと見間違え、いちか・ひまり・キラリンと一緒になって、あきらの背中に隠れてガタガタ震えるという意外な一面を披露。
- 洞窟で発見した氷柱を、かき氷屋のおっさんよろしくノコギリで切って手頃なサイズに揃える作業を担当。この氷柱、結構大きかったが、力仕事担当として一人で担いで持ち帰ってきたのだろうか?
■第27話
- 夏の一大野外フェス「BLUE ROCK FES」へワイルドアジュールが参加できることになり、あおいもメンバーも大喜び。急に解散したバンドの代役ということらしいが、憧れの岬あやねと同じステージに立てると、あおいのテンションは上がる一方。
- 現地で岬と挨拶した時に、なんとワイルドアジュールを推薦したのが岬だと判明。第3話でのコンテストでの姿を見て、昔の自分を重ね合わせて注目していたのだという。そして「今日はお互い頑張りましょう」と励ますが……
- 大興奮のあおいは感謝感激。「いや〜もう、岬さんと同じ舞台に立てるなんて……あ〜!もう!夢が叶っちゃったよ!」と浮かれる言葉に、一転して岬の表情が険しくなる。さらにサインを求めるあおいに「これがあなたの夢……期待外れだったかな」と独り言を呟くが、あおいもメンバーも気づかない。お目付け役で同行していた水嶌に「随分と余裕ですね、これから『勝負』だというのに」と言われても、まだあおい達は事態の重大さがわかっていなかった。
- だが楽屋に入った後、あおいは驚愕の事実を知らされる。なんと本来2日目のトリで演奏するはずだった岬のバンド「ガナッシュ」が1日目の昼にも特別に演奏することになったのだ。それはあおいのワイルドアジュールの出演時間と丸かぶり。そしてステージは隣同士で演奏中は観客はいつでも移動できる。つまりはバンド対決の形になっていた。
- それでも「自分達の歌は岬さんも認めてくれたから」と空元気を出してステージに上がったあおいだったが、その目に飛び込んで来たのは、数えられる程度のまばらな観客。それもキラパティメンバーやほとんど身内ばかり。あおいは必死で動揺する心を押さえつけ、何とか歌い出す。
- その耳に、隣のステージからの岬のシャウトと大歓声が響いてくる。心の中に生まれたモヤモヤで集中力を欠いてしまったあおいに見切りをつけるがごとく、歌の最中に数人の一般客までもが岬のステージへと移動してしまい、最後に残っていたのはあおいを応援しに来てくれたいちかたちと商店街の知り合いだけという悲惨な結果に。「勝負」は、ワイルドアジュールのこの上なく惨めな敗北に終わった。
- 演奏が終わって気まずい空気の中、水嶌に「落ち込むことはないでしょう。ド新人があこがれの人と同じイベントに出られたんですよ、この夏最高の思い出じゃないですか」と痛烈に皮肉られてもあおいは返す言葉もない。「自分らしく精一杯演奏したのだから後悔することはない、音楽は勝ち負けじゃない」と、あおいとメンバー達は無理やり自分を納得させるしかなかった。
- コテージ代わりに持って来ていたキラパティ内ではいちかたちがあおいを元気付けようとグミ作りの準備をしていたが、間の悪いことにそこにあおいが現れる。あおいは自分に気を使われている空気を打ち消そうとして、「何か作ってるの?あたしも一緒に作ろっかな」とわざとらしく言いつつグミ作りに参加。
- あおいが作ったグミは異様に固く嚙み切れるものではなかった。いちかは「ハードであおちゃんらしい」と素直な感想を述べるが、その一言はあおいの押さえていた感情を爆発させてしまう。
- 「これが、あたしらしい…………? あたしらしいってどういうことだよ!こんなの、ただの失敗だろ!」涙が止まらなくなりそのままキラパティから逃げ出すあおい。夜も賑わうフェス会場を見下ろせる、人気のない丘の上で一人うずくまる。「なんで、こんなに苦しいんだよ……」
- 「教えてあげましょう、それを嫉妬というのです」と声をかけたのはエリシオだった。彼はあおいを動けないように闇の檻で拘束。「あなたの苦しみを生み出すものを、消し去ってしまいなさい」エリシオはあおいの心からキラキラルを抜き取りながら、彼女の心に自分の言葉を植え付ける……
- あおいを心配してかけつけたいちか達が見たものは、エリシオの洗脳で心を操られたキュアジェラートの姿だった。そしてジェラートはエリシオの言葉に導かれるまま、「自分の苦しみを生み出すもの」を消し去るべく、夜の部で賑わうフェス会場を襲撃し無差別に破壊しだす。吠えながら暴れ回るその姿はまさに野生のライオン。
- プリキュアたちはジェラートの暴走を止めるべく奮戦する。しかしジェラート自らの手で自分の夢を壊させようとするエリシオはカードモンスターを繰り出し援護をさせる。ジェラートは、昼間に岬が歌っていた側のステージにキャンディロッドの照準を合わせ、破壊しようとするが……
- しかしその耳にホイップの叫びが届く。「ステージ壊したって意味ないよ……だってわたし達知ってるもん、その場所が一番大好きな場所だって! それを壊すなんて、そんなの…… あおちゃんらしくないよ!」
- それは、あおいが怒りとともにぶつけた「あたしらしいってどういうことだ」に対するいちかからの答え。その言葉にジェラートは涙を流し、瞳には輝きが戻った。我を取り戻したジェラートは自ら変身を解き、ホイップ達に礼を言う。「サンキュー、おかげで気づけた。あたし、やっぱり音楽が大好きだ!好きも嫉妬もこの熱い気持ちは全部、音楽にぶつけるしかないんだよ!」
- 再びプリキュアに変身し、今度はカードモンスターからステージを守るために仲間達と奮戦。チームワークでエリシオを撤退させた。そして前話のシエルと同様、いにしえのプリキュアから授けられた球体がライオンをかたどったアイテムに変化していた。
- 翌日、ガナッシュのトリのライブが終わった後、あおいは改めて皆で作ったクジラグミを岬に差し入れする。相変わらずの硬さに岬も目を丸くするが、あおいは「それが目指すあたしです、次は負けませんから」とニカッとライバル宣言。吹っ切れ、決意を新たにしたあおいの姿に「楽しみにしてるわ」と岬は握手をして意気に答えた。
■第28話
- 強靱な敵であるネンドモンスターには普通にクリームエネルギーを射出してもほとんどダメージを与えられない。万策つきたジェラートはガチで顔面を殴りにかかったが、それでも微動だにしなかった。
- ネット上では肉弾戦封印はどこいったというツッコミが一斉に入ったが、画面をよーく見てみると殴った瞬間に氷が飛び散ったエフェクトがあるので、氷を纏った拳でぶん殴ってるので肉弾戦じゃないよといういつもの理論が働いている様子。
- 「クリームは冷やすとホイップしやすくなる」という原理を応用し、カスタードの指示でジェラートとホイップのクリームエネルギーを合体させることで強靱化させ、それをドリル状でぶつけることで大ダメージを与えた。やはり今年は力より知恵か。
■第29話
- 画面の右下で、いちか・シエルと共に泡立て器でボウルをかき混ぜつつ、ハイテンションでゆかりについて語りまくるひまりを見物。
※画像はイメージです。
- この回はゆかりがメインだったためそれほど目立ってはいなかったが、放送日の8月27日は誕生日という事で、エンドカードが特別仕様に。Pixivでもバースデーイラストが多数寄せられた。
■第30話
- いちご野高校の文化祭に連れ立って参加。今回のテーマである『不思議の国のアリス』の仮装をしてなりきろうという事でそのままライオンに(ライオンが出るのは『鏡の国のアリス』であると野暮なことを言ってはいけない)。
■第31話
- いちかの母・さとみがキラパティに来店。明日の昼までしかいられないと聞き、複雑な思いもあって「じゃあ、お店が終わってから…」ともじもじするいちかを「のんびりしすぎ!ほれ!」と叱咤して送り出す。こういう時に元気づけたり、尻を叩くのはやっぱりあおいのお役目。
■第32話
- ルミエルが活動していた時代のいちご坂にて、カップケーキ作りを手伝うことに。あおいはパワーが必要な大量の小麦粉運びを担当。
■第33話
- 前回からの流れでキラパティに居座りカップケーキを食べまくり、更に30個(後に40個に訂正)おかわりを要求したビブリーに「どんだけ食べたら気がすむんだよ!」とツッコミを入れる。
- シエルの案でビブリーもスイーツ作りに参加。「レッツ・ラ・クッキング!」をポーズ付きでキメた彼女を見て「絶対まんざらでもない」と感想をつぶやくのだった。
- ディアブルの出撃に伴い、否が応でもみんなを笑顔にするはずのスイーツがキラキラルを奪う存在のパワーになり得る、突き詰めると笑顔を守るためにはスイーツなど必要ないのかもしれない現実を突きつけられる一同。そんな中ひまりに「なんでこんなにスイーツの店があるんだろう」「なんでみんな、スイーツをあんなに嬉しそうに食べるんだろう」とさり気なく自分なりの回答を示した。
■第35話
- キラパティの厨房でいつものようにみんなでスイーツ作りをしていると、あおいが大きなため息をつく。何事かと聞かれて答えたのは、世界的に有名な高級菓子メーカー・シックロッシュの新作スイーツ発表会に父親の代わりに出席しないといけなくなったというのだ。社交界の付き合いとかがあんまり好きではないあおいは憂鬱気味だったが、ひまりがシックロッシュの新作スイーツを堪能できるなんて羨ましいと目を輝かせながら食いついてくる。若干呆れながらもそんなに興味があるなら付き添いとしてパーティーに連れていってあげると答えた。
- 立神家の招待客としてついてくるなら最低限のマナーは必要と水嶌がひまりにスイーツマナーの特訓。庶民のひまりはかなり辟易していたが、普段はがさつなあおいは優雅なマナーをお手本として披露した。8話でバンドやキラパティの活動を認めてもらったがゆえに、あおいは前よりかは自分の出自へのコンプレックスは薄くなっており、「立神財閥の一員としての責務」を自覚するようになったというのだ。バンドやキラパティの活動で忙しい中でも、こういうお嬢様としてのレッスンも欠かさず続けるということ。
- だけどそれであおいの本質が変わるわけではない。素直に感心していたひまりに対して「スイーツは美味しく食べるのが一番のマナーだよ」と、ひまりにあーんさせておすそ分けする。ごく自然で前触れもない動作だったがゆえに、不意をつかれたあおひま民に衝撃走る。今話はただ事ではない…!
- 発表会は立神家の庭園を提供したガーデンパーティーの形式で、やってきた様々なセレブなお客さんに対してあおいは丁寧な挨拶をする。その姿はまさに生粋の上流階級のお嬢様で、ひまりは次第に不安になってくる。だが、あおいはそんなひまりの様子に気づき、彼女が萎縮しないように一緒に手を繋ぎながら会場のスイーツを一緒に堪能。ひまりも一時は落ち着いたが…
- その後にシックロッシュの社長と発表ステージの打ち合わせでひまりと少しだけ離れた間に、ひまりが傷つく出来事があり(詳細はひまりの35話解説)、会場からいなくなってしまう。クリスタルアニマルを呼び出してひまりを探すあおい。そして会場から出たところの階段でポツンとうずくまっていたひまりを見つけるが、あおいはその時のひまりの独り言を聞いてしまった。「わたしたち、どうして友達なんだろう…」
- ひまりとあおいが対面したとき、この言葉を聞かれてしまったことはひまりも気づいたが、あおいは何も答えることはできない。
- かつて、宇佐美いちかという女の子があおいを気に入り友達になろうと強引に近づいてきた。あおいは最初は鬱陶しいと思っていたが、いちかのことを知るうちに彼女を気にいるようになり一緒にスイーツ作りをするようになった。そして、そのいちかにいつもくっついていた子がひまりだった。だから、あおいはひまりとはいちかを通じて「自動的に」友達になった。友達になるのに理由なんていらないというのはよく言われることだが、あおいとひまりはまさにそういう関係。あおいがいちかと友達になったきっかけは印象的な出来事(第3〜4話)として答えられるが、ひまりに対しては別にそういう大きな出来事は何もないのである。だからこそ友達である理由を問われても答えられなかったのだ。微妙な空気のまま、ただ見つめ合う2人だったが……
- ひまりが愛用のスイーツノートをどこかで落としたことに気づきパニックに。そのノートがキラパティでの今までの経験と思い出がつまったものであることを知るあおいはスイッチを切り替えて真剣な表情になり、ひまりに「探しに行こう」と行って彼女の手を引いて会場に戻った。ドレス姿で四つん這いになりながらテーブルの下に潜ってノートを探すあおいの姿に客たちは困惑するが、あおいは気にもとめない。今はお嬢様としての時間よりも優先するべきことがある。
- どうにかノートを見つけるが、ひまりがそれを回収しようとスイーツ発表会のステージの人ごみをかき分けて前に出た時に、後ろの客から邪魔だと突き飛ばされ、そのことがきっかけでピタゴラスイッチ的にステージのセットが倒れる大惨事が起きてしまった。周りの大人達はその原因をひまりに押し付け、口々に罵りだす。あおいはひまりをかばうため、自分の責任ですと皆の前で丁寧な謝罪をする。もちろん、あおいの責任などではない。しかしひまりは「立神家のお嬢様の友人」ということで参加した人間だ。シックロッシュ社から招待をうけたわけじゃない。だからあおいが責任をかぶるのは大人の社会では当然である。大人達は文句を言ううちに次第に目の色が変わってどんどん攻撃的になっていき、次第にあおいへの人格攻撃を始め出した。ひまりはそんなあおいの姿に心を痛めるが、自分のために頭を下げるあおいの立場を考えてこそ何もできない。
- だが、「バンドやスイーツ作りに耽るなんてお嬢様らしくない。どうせただの道楽なんだろ」と言われた時に、ひまりはどうしても黙っていられなくなった。だって、あおいはバンドもスイーツも全力で本気でやっていることをひまりは知っているから。そう、バンドやスイーツ作りなんてお嬢様らしくないと言われるのなんてあおいにとっては侮辱でもないんでもない。でも片手間にやっているなんてことを認めてはいけないのだ。
- あおいが自分にとって「憧れるべきかっこいい女の子」であるかを大人達の前で堂々と宣言し、だからあおいを侮辱するなと怒りの表情を見せたひまりの姿に、何も言えずに我慢していたあおいの心にこみ上げるものがあった。これは、ひまりがあおいを友達として大好きであるとしてくれる理由。論理を重視するひまりは「好き」の気持ちを他人に伝わるように言葉にする大切さを知っている。ならば自分も、ひまりに答えなくちゃいけない・・・!
- そこにディアブルが姿を現し、大人達がおかしくなっていたのはこいつのせいだということが判明。いちか達が観客達を避難している間に先行してあおいとひまりはキュアジェラートとキュアカスタードに変身して戦闘するが、ひまりがディアブルに捕まってしまう。そしてディアブルはジェラートに「自分の身を傷つけてまでこいつに助ける価値があるのか?」と煽ってくる。
- だがジェラートは不敵な笑みを浮かべ、「価値? そんなの、あるに決まってんだろ!」と叫ぶ。
「いいか? ひまりはな。大人しそうに見えるけど、自分の好きなことにはすっごく頑固なんだぞ! スイーツのこといっぱい調べてて、たまにちょっとずれたりすることあるけど…… そんな一生懸命なところが好きなんだ!」
- プリキュアシリーズでは「変身後に、変身前の名前で相手を呼ぶ」は非常に限られたスペシャルな場面でしか出てこない演出である。この言葉はディアブルに対する回答という体裁をとっているが、実際はプリキュアでもなんでもない有栖川ひまりに聞かせるための言葉だ。たとえ自分たちにプリキュアという絆がなくても、あおいはひまりと友達でいられるという宣言なのである。
- その言葉に勇気を取り戻したカスタードと、合流してきた4人とのコンビネーションによってディアブルを撃退。正気を取り戻した大人達から謝罪を受けるあおい達だったが、あおいは平然と「いいえ、厳しいことをおっしゃってくださってありがとうございました」とむしろここちらが大人の対応。
- ・・・と思いきや、「それに、厳しい方があたしの中のロック魂が燃えますんで!」とサムズアップでニカッと笑う。やっぱりあおいはおとなしいお嬢様の枠組みでおさまるつもりなんてない。だって、ロックもパティシエもできるお嬢様こそがひまりが憧れてくれた「かっこいい女の子」なんだから。
「大好きだから友達やってるんだ。友達でいる理由なんてそれだけでいいんだよ…… なぁ、ひまり。」
■第36話
- 町内会対抗大運動会、立神家はさすがに町内会には入っていないので応援だけ……かと思ったら、水嶌筆頭に社員や執事、メイドを引き連れてチーム立神コンツェルンとして参戦することに。ひまり曰く町1つ分ある立神家、さすがの規模である。
- ハードル走に出場するもさすがのあきらに負けるあおい。ただ高校生に互角の勝負をする中学生はかなりの実力者だろう。
- 応援合戦では学ラン姿で先頭に立って盛り上げにかかる。
■第37話
- ハロウィンイベントと言う事で、ひまりが天使なのに対し、あおいはといえば悪魔の角と翼をつけている。
- シエルのパリ時代の店のオーナー、ソレーヌがやってきてあれこれダメ出し。「スタッフはまだ教育が足りない」とビブリーに指摘、「はあ~っ?なんですって~!」とブチギレてしまい、ビブリーをあきらと共に「まぁまぁ」と宥める。いちご坂の街の小ささを徹底的にディスられて「喧嘩売ってんのか」とブチギレ、そこにひまりが「まぁまぁ」と宥める。この点はやはり街の名士故か。
- シリーズ恒例となった持ち上げ芸、巨大カボチャを4人で押し返した上で真下から氷のパンチをぶち当て一気に跳ね飛ばし、モンスター本体にぶち当てる。
■第38話
- 人間になったペコリンはじめてのおつかい。流石に心配なので尾行するが、早速すれ違った女子高生に挨拶する姿を見て感心するいちかに「挨拶くらいするって」とツッコミを入れる。
- 買い物自体は順調に進んだがポシェットを失くしてしまい、パニックのペコリン。尾行しながら「いつの間に?」と驚きながらもなんとか「あたしたちも一緒に探そうか?」といちかたちに提案する。まあ、変身解除してしまった際赤ちゃん連れの荷物に紛れてしまったとすぐ判明するが。
- 後はキラパティに戻り何食わぬ顔で出迎えるだけ。無事帰ってきたペコリンを見るなり涙するいちかに「過保護すぎ」とこれまたツッコミを入れる。
■第39話
- よその妖精も集まって妖精大会議。改めてノワールの脅威を説明され、妖精と一緒になって怖気付くパルフェに呆れる。
- いちご坂の住人がグレイブの手によりネンド戦士化してしまった。衝撃で壊れたお面の下、いちかのクラスメイト・ひろきの顔を見て動揺する。違うクラスで会話の場面こそないがキラパティのイベントに招待される同い年の常連客ということで名前呼びだった。隣ではひまりが同じくクラスメイトのりさの顔を見てあおいと同様の反応をしていた。
■第40話
- いちご坂を再び光のキラキラルで満たすため街中の店を借りてスイーツ作りをすることになる。ジェラートの担当は商店街にある車型のアイス屋さん。
- グレイブをカードに封印したエリシオを怒りに満ちた表情で見つめていた。
■第41話
- エリシオの妨害に屈しかけてもなお「いちご坂でパティシエ修行を続け高みを目指す」「今度こそピカリオと一緒にいる」二つの夢を諦めなかったシエル。そんな姿があおいのロック魂を刺激するが……
■第42話
- ワイルドアジュールのライブは今日も大盛り上がり。夏フェスの敗北から立ち直り、岬のバンドとの共演も決まってあおいやメンバーがノリノリの中、突如園部けいがバンドを抜けると言い出す。親の病院を継ぐために受験に専念したいというのだが、あおいも皆も愕然となる。
※そんな事で夢を諦めるなんてと、某先輩キュアが怒っているとかいないとか。
- 岬を呼び出し、弱音を吐くあおい。路上で歌っていた自分の歌に惚れ込み「一緒にバンドをやろう」と誘ってくれて、ワイルドアジュール結成後もリーダーとして曲も作っている園部がいなくなったらバンドは存続できないと愚痴をこぼすが、岬は冷たく「自分の夢が消えたみたいに言うのね、対バン来なくていいわ」と言い捨てて去ってしまう。
- 二重に打ちひしがれ、学校でも落ち込み、悩み続けるあおいを見かねたいちかは一計を案じる。そしてその日の夕方、下校するあおいをゆかりとあきらが待ち受けていた。「いいところ」と2人があおいを連れて行ったのは……いつものキラパティだった。
- 「キラパティじゃん!」と呆れるあおいの前にいちか達が全員集合。あおいを励まそうとみんなでお泊りのパジャマパーティーを企画したのだ。水嶌の許可も下り、早速パーティというか枕投げ大会開始。
- 小腹が空いたところで、皆がアイスを制作しあおいに勧めてくれた。その心遣いに感謝しつつ、ふとあおいは皆に「もし大好きなスイーツがなくなったらどうする?」と問い掛ける。様々な答えが返る中、「私なら作る。無理なんかじゃない、スイーツが大好きって気持ち、消せないもん!」」といういちかの返事を聞いて、あおいははっとなる。あおいは園部がバンドを辞めることで自分の夢自体が消えてしまうかのように思い込んでいたが、彼がいなくなったとしても、自分が歌を好きであるのなら、己の力で夢を作り出していけばいいのだと。
- ふっ切れたあおいは皆に礼を言い、全員寝静まった後も徹夜で曲を作った。未完成ながらも、思いの丈を込めたその曲をワイルドアジュールのメンバーに見せ、「あたし、夢見ることをやめない。園部が、みんながもっと大好きにさせてくれた音楽を続けていきたいんだ!」と決意したあおい。皆も笑顔になり、全員で曲を完成させた。
- そして本番の日、「来ないかと思ったわ」と言う岬に「勝ちに来ました」と毅然と答えるあおい。だがいよいよ出番という時、ステージにエリシオが現れる。マジシャン姿に変身した彼は、観客を粘土人形に変えてしまったばかりか、メンバーや駆け付けたプリキュア達もマジックで消し去ってしまう。
- 「どうです?夢も仲間も全て失った気分は」と冷笑するエリシオに怒るあおいは、キュアジェラートに変身。しかし彼女もまたガラスの檻に閉じ込められ、さらにエリシオによって声すらも奪われてしまった。必死で脱出しようとするも、全てを失った絶望で暴れる気力もなくなったジェラートは涙を流す。「ここで終わり?そんなのってありかよ……」
- だがジェラートは諦めなかった。声の出ない口を動かすと、エリシオの耳に歌声が響いてきた。声が出なくても彼女は心で歌い続けていたのだ。その歌は異空間に閉じ込められていたワイルドアジュールの面々やプリキュア達の心にも届く。「自分の信じるままに歌っていくんだ!」という園部の檄に応え、遂にジェラートの歌はガラスの檻を破壊し、異空間の封印から皆を助け出した。「あたしの夢は奪わせない!」そして勢ぞろいしたプリキュア達は、ファンタスティックアニマーレでエリシオを撃退する。
- ライブは無事再開。あおいはおまじないのように「キラキラキラルン、キラキラル…思いよ、届け!」と呟くと、皆で作り上げた新曲「Aile」を歌いだす。園部の旅立ちを応援するとともに、自分の夢を諦めない決意を込めた曲だった。その姿を見ていたあおいの両親も、立神コンツェルンは水嶌に託し、娘が歌の世界で生きていくことを認める。「みんな、ありがとう!」と叫ぶあおいの顔も晴れ晴れと輝いていた。
■第43話
- ひまりがオーディションを受けるので他の面々と共に付き添いに。
- エリシオとの戦闘が終わったはいいものの、別のオーディション参加者と間違えられたカスタードのままスタッフに連れて行かれるひまりを見て、戸惑ういちかとは対照的に「面白そうじゃん」と連れだって様子を見に行く。
■第44話
- キラパティの応接室に置かれたこたつに入って皆と冬の新作の案を話し合うのだが、その時「雪の日に暖炉の前で食べるアイスもまた格別」とお嬢様的な発言。ただちに「暖炉のある家はあまりないかと」とひまりからツッコミ。
- 後日作られたかまくら型のキラパティ内にしっかり暖炉が設置されてるあたり、完全な無駄発言ではなかった模様。
◾︎第45話
- クリスマスパーティーの準備中、手に箒を乗せながらふと自分を含めた各々が別の道を歩みつつあることに気づきキラパティの今後を憂う。もちろん夢を持つことは喜ばしいが……。
- パーティー当日になんとゆかりが留学を宣言。その場では驚くしかなかったが、打ち上げで泣き出すいちかを見て「甘いんだかしょっぱいんだか」と言いながらもらい泣きしてしまう。
◾︎第46話
- ある日の帰りのバスにてゆかりとお互いのことを話す。あおいは夕方遅くだがこれからバンド練習、ゆかりは春から実質無期限の留学。相変わらずの気まぐれさを発揮するゆかりに苦笑していると突然「カッコいい」と称賛され真っ赤っか。
■第47話
- 感情が失われた『空っぽの世界』ではあおいのロック魂も消えうせてしまっていた。通学カバンが皆と同じショルダータイプになり、更にペコリンが歌ってみせてもほぼ無反応。
■第49話
- あれから1年、ワイルドアジュールもすっかり人気になったらしく夢に一直線のあおい。当然ながらキラパティともお別れの時を迎える。
- 数年後。どこかの会場でステージにあおいの姿があった。画面端に横川りゅうたが映っており、少なくとも彼らとの関係性は今も続いてる模様。すっかり大人っぽくカッコいい女性に成長したあおいの自由と情熱はまだまだ続く。
HUGっと!プリキュア第36話・37話
- 他のプリアラメンバーと共にはなチームの一員としてプリキュアの探索に出る。
- 初期のプリアラメンバーは第37話で夢原のぞみ(キュアドリーム)(「Yes!プリキュア5」/「Yes!プリキュア5GoGo!」)以外の「ハピネスチャージプリキュア!」以前の36人のプリキュア戦士と初共演をした。
映画
- いちかに花見を誘われバンドの練習を理由に断るものの、和風の少女(サクラ)に呼び止められてホイップに加勢。サクラやいちかとともに他のプリキュアを探索することになる。
- ウソバーッカの襲来で仲間とともに変身して立ち向かうが、彼のウソ攻撃で変身が解除されいちか以外の仲間とともにウソバーッカに取り込まれる。
- 仲間たちやHUGっと!プリキュア・スター☆トゥインクルプリキュアのメンバーたちとともに宇宙を旅することに。予告映像ではいちか達プリアラ中学生組やスタプリの羽衣ララとともにスイーツをふるまうシーンや彼女たちとともに宇宙警備隊に取り囲まれるシーンが登場している。
- 『スター☆トゥインクルプリキュア』のユニ(キュアコスモ)以降の19人(ユニから『ひろがるスカイ!プリキュア』のプリンセス・エルちゃん(キュアマジェスティ)までの19人。)19人と初共演。
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