概要
妊婦が産道から膣を経ての出産が困難と判断された場合に行われる、腹を切り開いて胎児を取り出す形の出産。
一般的な「長時間の陣痛に耐えての出産」ではないため、一見楽に産めそうと勘違いされることも多い。しかし実際は麻酔が切れた後、主に切開した箇所の痛みがとんでもないレベルになる。なので全体的に見た場合は全く楽ではないのである。
語源
フランス語の「opération césarienne」から、ラテン語の「sectio caesarea」を経由して、ドイツ語の「Kaiserschnitt」を直訳したものである。
「Kaiserschnitt」は「Kaiser(皇帝」)」「Schnitt(切開)」の合成語であるが、ここでのKaiserは分離という意味であるのに、ここを「帝王」と誤訳した為、こう呼ばれる。
ちなみにKaiserはカエサル、つまりローマ皇帝のドイツ語でもある。
ラテン語のCaesar(切り取る)が語源で、カエサル=皇帝の由来になったガイウス・ユリウス・カエサルをプリニウスが自身の著書『博物誌』において「母親の胎内を切り裂いて生まれた者」と書き記してしまったため、誤解が広まった原因になっている。
ただ、事実として古代ローマでも妊婦が死亡した際に切開して胎児を取り出す手術が行われ、そうして生き残った子も「カエサル(切り取られた者)」と呼ばれていたようではある。
近年ではコロナ禍による「感染症対策をお題目とした帝王切開の強要」が日本で横行しており、妊婦の意思を無視するような帝王切開を扇動した一部の医師達(いわゆる医クラ)が後々になって「自分達は強要していない」という旨のコメントをしていた。こちらを参照。