概要
陣痛とは、胎児をお腹の外へと生み出すための子宮の筋肉の収縮運動の事。その際に人生最大レベルの激痛が母親に襲い掛かる。
どれぐらい痛いかというと、あらゆる痛みを経験してきた元プロレスラーの北斗晶ですら出産は人生でトップクラスに痛かったと述べていたほど。
出産の準備が整うと、身体が胎児を外に出す為に子宮の筋肉を収縮させ、胎児を身体の外に出そうとする。主に前陣痛、本陣痛、後陣痛の3つに分かれる。
前陣痛は出産準備段階に起こる痛みである。痛みはまだ耐えられるレベルであり、痛みの間隔が不規則なのが特徴的。その後破水やおしるしが来ると本陣痛になっていく。
本陣痛になると最初は不規則だが、徐々に10分に一度といった間隔で規則正しく痛みが発生する。最初は生理痛のような痛みが腹の方に感じるが、徐々に胎児と共に腰から尻の方へと移動していく。それに伴い痛みの間隔が2分に一度くらいになり、痛みも叫び声を上げるレベルの激痛に変化していく。
しかし子宮口が10cmに達していなかったり、胎児が下に降りきって来ないとまだ分娩できない。この時下手にいきんでしまうと産道がむくんだり傷ついてしまったり、頑張って狭い産道を通っている胎児に余計なストレスを与えてしまう危険性がある為、母親は「いきみ逃し」をしてひたすら間隔的に来る激痛に耐えていく。
そして子宮口が10cmになると分娩台に移動し、助産師の指示の下で陣痛の激痛に合わせていきみ、胎児を更に下に移動させ子宮口から出して出産する。
胎児が出てくる出産も激痛だが、人によっては陣痛の方が辛いという人も少なくない。それほどの痛みである。これを緩和する為のものが無痛分娩であるが、身体が陣痛を全く感じなくなると陣痛自体がなくなる=出産にいきつかないため、全ての行程が全く痛くないわけではないので名前で勘違いしないように。
帝王切開も陣痛の痛みがある程度緩和される出産方法だが、こちらは麻酔が切れた後の縫合部の痛みが非常に強い。様々な事情で帝王切開による出産になる妊婦も非常に多いが、腹を切開するという行為自体が様々な病気のリスクのきっかけになりかねない行為であるため、なるべくなら産道からの分娩の方が望ましいとされている。
後陣痛は出産後、大きくなった子宮が元の大きさに収縮するための痛みである。後陣痛は個人差がかなりあり、生理痛程度の人もいれば、本陣痛並みの痛さを感じる人がいる。
辛いのはお互い様
母親に尋常じゃない痛みをもたらす陣痛だが、胎児にとっても出産は辛くて苦しい命懸けの一大イベント。
本陣痛が起きてる時は一時的に胎児に酸素が行き渡る量が減り、胎児は息苦しくなる。いきみ逃しをしている時に深呼吸をするよう言われるのは、胎児に少しでも酸素を届けるためである。
そして陣痛は胎児を押し出す子宮の筋肉の収縮運動であり、当然胎児にも陣痛の圧迫感が全身に襲い掛かかる。そんな圧迫感の中で、本来はトイレットペーパーの芯程度しかない狭い産道を、頭でこじ開けながら進まなくてはならないのである。
つまり出産が辛いのは赤ちゃんも同じなのである。