CV:久川綾
概要
私立明堂学園高等部2年生。17歳。
来海えりかの姉・ももかのクラスメイトで友人。そしてキュアブロッサム達の先代プリキュアを務めたキュアムーンライトその人。
後述のスピンオフ作品「小説ハートキャッチプリキュア!」では真主人公に昇格する。
パートナーの妖精については長らく言及されていなかったが、第31話にてコロンの存在が明かされた。しかし、コロンは物語が始まる直前にサバーク博士の攻撃からゆりを庇って消滅しており、彼女もまた第1話冒頭でダークプリキュアに敗れた際に変身アイテムであるプリキュアの種が割れた上に、その片割れをダークプリキュアに奪われてしまっていため、第33話まで変身能力を失った状態だった。
物語の時系列を考えれば史上初となる高校生プリキュア(ただし、プリキュアに選ばれたのは中学2年生の時)。
生身でもスナッキーを軽くあしらったり、ダークプリキュアのパンチを一発受け止めても膝をつく程度で済むほど高い戦闘能力を持つ。劇場版公式サイトにおいては「変身前でも戦闘能力は強大」と言及される程。
小説版では、プリキュアになる以前は陸上部の短距離選手として活躍していた事が明かされている。その実力は全国レベルで、将来はオリンピックも目指せる程だったが、プリキュアになる決意を固めた時に退部し、その後空手の手解きを花咲薫子から受けた(砂漠の使徒の襲来が遅ければ、薫子は明堂院流合気柔術も習わせるつもりだったらしい)。また、変身せずとも割れたプリキュアの種からバリアを展開して身を守る事も可能。
第8話で登場してからはムーンライトやダークプリキュア絡みの話、花咲つぼみ達のプリキュアとしての成長に関わる話など、物語の要所要所において登場していた。
第30話からはゆりに関わる話が続き、第33話において復活。以降は主人公組の一人として、物語に毎回登場している。
「名は体を表す」ように、こころの花は名前と同じ百合。
容姿
紫色の淡いロングヘアに青いヘアピンを付けている。常に眼鏡を掛けており、つぼみに続く眼鏡キュア(ゆりの方が先にプリキュアとして活動していたため、作中時系列ではゆりが先)。外すことが多くなったつぼみと比べ、作中で外したシーンは就寝時・変身中や変身解除時を除けばファッションショー時のみと非常に少ない。
私服は紫を基準としたシンプルかつ大人っぽいもの。
非常にスレンダーな体つきであり、ファッションモデルのももかとほぼ同じ体型。
変身後の姿の印象が強いせいなのか、よく貧乳扱いされているが、変身前ではももかとなんら変わらない体型なので実は安易に決めつけられないサイズだったりする。
ただしファンアートでは高校生なのに控えめなバストをしばしばネタにされてしまうことも多い。
高校生ということもあって歴代プリキュアの中でも長身の分類に入り、17歳女子の平均身長を超えている。というのか、歴代プリキュアの中では長身の部類。
更に本作は歴代シリーズでもかなりデフォルメされたキャラクターデザインのため、チームの中では小柄なつぼみやえりかとの身長差が一層目立っており、後期EDを見ると4人の身長差がよくわかる。
心身ともに非常に大人びており、その凛とした佇まいから、つぼみ達に憧れられている。
またかなり肌が白く、色白と言うよりは血色が悪く見える色合い。
コロンが存命中の回想シーンでは血色が良かったため、彼女の肌色にはダークプリキュアとの戦いで負った心の傷が影響していた可能性がある。
性格
冷静沈着かつ聡明で、自他ともに厳しい性格。
復活前までは無口でそっけなく厳しかったため、その容姿、家庭環境、雰囲気から一部の視聴者に辛気臭いと言われることもあった。
しかし、コロン曰く「本当はとても優しい性格」らしい。
現に、コロンが生きていた時のキュアムーンライトは自信と優しさを持つ表情をしていた。
日常でも母親や友人のももかの前では笑顔や気遣いを見せ、子供や妖精には基本的に優しい。
また、本人は無自覚だが、その優しさ故に無関係の人を砂漠の使徒との厳しい戦いに巻き込むことを良しとせず、シプレとコフレが現れた際も「自分と同じ重責を他人に背負わせたくない」という思いから新たなプリキュアを探そうとしなかった。 でもコロンの前では泣き虫になる。だって女の子だもの、仕方ないわよ。
なお小説版によると、つぼみ達の戦いが(彼女の目から見て)危なっかし過ぎる上にプリキュアの力に頼りがちだっためにプリキュアとして認め切れず、厳しく接していたことが本人の視点で語られている。
復活後は普段の物腰は柔らかくなったものの、その厳しさは全く変わらない。悩みを抱える人の気持ちに共感し、肯定して励ますつぼみと比べ、ゆりは相手が悩みを自分で乗り越えるように毅然とした態度で相手をたしなめる。たとえ自分より年上が相手でもその姿勢は全く変わらない。
プリキュアとしての覚悟が強く、悲しみの連鎖を断つため自分が悲しみを背負いながらみんなの心に幸せをもたらそうと決意している。
砂漠の使徒への警戒を普段から怠らず、話の流れ等でつぼみ達と別行動していても現場にすぐに駆けつける。
努力家であり、こころの花が枯れていた頃でも成績は常に学年トップをキープしていた。
基本的に何でも出来るようで、子供達の相手や花屋の店番なども器用にこなした。
ただし、gooのプリキュア診断によると単独行動が得意で集団行動が苦手らしい。
植物好きでもあり、昔から花咲薫子の植物園に通っていたようだ。コッペ様をモフるためだけにももかの誘いを蹴ってまで植物園に来たりもする。
小説版では、父親の勤務先がこの植物園だった影響も大きいことが明かされた。
だが他人からの好意には意外に鈍感で、幼馴染である年下の少年・ハヤトからの好意も本人からハッキリと告げられるまで全く気付かなかった。
つぼみの父・花咲陽一のダジャレに吹き出すなどギャグセンスは無いらしい。ただし、陽一が滑っているくせに自信満々に披露していた状況に吹き出したともとれるため、この辺りは不明なところ。
各話での行動
TV版
■第1話
- 物語冒頭、ダークプリキュアとの戦いに敗北。衣装のみ変身解除され、プリキュアの種でバリアを展開させ持ちこたえる。キュアムーンライトが敗北してもこころの大樹は枯れなかったことに驚くサバーク博士に向かって、「たとえわたしが倒れても、こころの大樹を守るプリキュアは必ずおまえ達の前に現れる」と言い放った。
- 直後ダークプリキュアの攻撃でプリキュアの種が限界を迎え、種が割れ変身が完全に解除される寸前、自身のココロパフューム、そして自身の代わりを見つけることをシプレとコフレに託す。
- …ここまでの光景が、つぼみの繰り返し見ていた夢として登場。つぼみは夢の中の人と認識していたが、後のシプレ・コフレとの遭遇、プリキュアへの覚醒を経て、現実であったことを薫子から知らされることになる。
■第8話
- 月影ゆりとして初登場。モデルの仕事で学校に遅れた来海ももかに、午前の授業のノートを貸し出す。「いつもありがとう」とのももかの台詞からして、ももかが授業を休んだ際はいつも貸し出している模様。
- この回でももかはデザトリアンにされるのだが、この際「モデルという夢を叶えたせいで失ったものも沢山ある」として挙げたものが「普通の生活、普通の友達」。…ゆりの心境やいかに。(親友という意味なのかもしれないが)
■第10話
- ダークプリキュアが希望ヶ花市に出現。この際彼女が「プリキュア」と名乗ったため、プリキュアが出現したと上島さやかの口からつぼみとえりかに伝わった。この際つぼみからムーンライトが生きていた可能性が考えられたため、つぼみやえりかからは戦死したと思われていた様である。
- 薫子の植物園にて、悩んでいたつぼみとえりかに「静かにして」と一言。この時2人は、ダークプリキュアにこころの種を差し出すよう要求され、取引の材料としてシプレとコフレを連れ去られていた状況だった。
- ゼラニウムの花言葉「真の友情」を引き合いに出し、自分達のようだと言うえりかに「本当の意味は解っていないみたいだけど」と発言。真意を問う2人に「それぐらい自分で考えなさい」と言い残して去っていく。真の友情を「信じ合う心」と解釈したつぼみとえりかに、こころの大樹を蘇らせるだけではなく妖精達の信じる心を守ることも大切だと決断させる切っ掛けを作った。
- その後、ダークタクトで枯らされた花畑の中で枯らされた花弁を見やり給水塔に目を移す。
- つぼみとえりかは謎の青年の介入により変身できたが、ダークプリキュアとの段違いの実力の前に変身解除される。そんな中姿を現し、無言でダークプリキュアを睨むように見つめる。事を面白いと判断したダークプリキュアを結果的に退散させるも、疲弊していたつぼみとえりかにこの状況が知られることはなかった。
- ラストシーン、ゆりは掌の上でとある物を見つめていた。そこにはチェーンの通された、三日月状のとある紫の欠片が…
■第13話
- 第1話冒頭の「キュアムーンライトが敗北する夢」を見て目覚める。目覚めた状況からして、うなされていた模様。
- 朝食の際、母の春菜が父の分まで一人分常に多く食事を作り続けることにやんわりと苦言を呈する。
- この回で彼女の家庭環境が明かされ、3年前こころの大樹を探しに行ったきり行方不明になっていること、春菜は気丈に振る舞いつつも精神的に無理をしていることが描写される。ゆりも春菜の本心にあえて気づかぬ振りをしており、春菜が仕事に向かった後の「強がり言っちゃって…」という台詞がそれを如実に表している。
- 仕事がオフになったももかに電話でショッピングに誘われるも断った。この際ももかの方には同行する予定だったつぼみとえりかも居合わせていたが、電話の相手がゆりとは知る由もない。
- 向かった植物園でコッペ様をモフり、暫し安らぎの表情を見せた直後薫子と遭遇。プリキュアとなったつぼみとえりかに、(プリキュアの先輩として)アドバイスできないかと話を持ちかけられるも拒否。なお薫子とのやり取りからして、これが敗北後初めての会話だったと思われる。
- そこに薫子に電話で呼び出されたつぼみが訪れた。第10話の件に礼を言われ、アドバイスをしていたことを薫子に喜ばれるも、そんなつもりは無かったので「花言葉を教えただけ」とそのまま立ち去ろうとするも、リュウゼツランが咲いたという情報に反応。
- 始めて見たリュウゼツランに「凄い…」と感想を漏らし、幼い頃は植物園に毎日訪れていたことが薫子の口から語られる。
- その直後、春菜の勤務する駅方面に砂漠の使徒が訪れたという情報がつぼみの携帯に入ったことで現場に急行。大量のスナッキーがいる中春菜に避難を促して、生身ながらスナッキーを軽くあしらう。その光景は独断で訪れていたダークプリキュアに見られており、ダークプリキュアが降り立ったことで両者は対峙する。
- ダークプリキュアの狙いはゆりで、スナッキーを使役したのもこのため。ダークプリキュアの拳を受け止め、膝をつくだけのダメージで済ませる。スナッキーの件といい、ゆりの卓越した身体能力がわかる一幕。
- 戦いの最中ゆりは聞いた。何故自分にこだわり続けるのか。その答えは「おまえはわたしだからだ。キュアムーンライト」。これまで提示されていた情報から大方の視聴者には察しがついていたが、ゆり=キュアムーンライトであると明言された瞬間である。
- 謎の青年に攻撃を庇われ、薫子の介入によってブロッサム・マリン共々植物園まで避難するが、ダークプリキュアの手に渡ったプリキュアの種の欠片により居場所を突き止められかけていた。拠点が割れないようにブロッサム・マリンがダークプリキュアに立ちはだかるも、フォルティシモ同士の戦いに敗北。
- 戦闘終了後、つぼみとえりかに共闘を頼まれるも「一緒には戦えない」と断り、春菜の身を案じて去っていく。薫子曰く、敗北で負った心の傷がまだ癒えておらず、プリキュアの種も失っている。精神的にも現実的にも今のゆりは変身できないのだ。
- 春菜と合流し帰宅するゆりだが、つぼみ達にはそれを遠目で見られていた。もう本当に変身できないのか。それは解らないが、確かなことは、キュアムーンライトは一生懸命こころの大樹を守ろうとしていたこと、そして、つぼみとえりかがその思いを今受け継いでいることであった…
■第17話
- 植物園にてつぼみ達に遭遇。つぼみ達はオトメユリが咲いたということで薫子に招待されたのだが、ゆりもその1人であった。
- 切れたお茶菓子(大福)を成り行き上つぼみとえりかを含めた3人で買いに向かうことになり、アドバイスをせがまれるもプリキュアではないからと相変わらずの拒絶。なおもえりかが食い下がる中、ゆりは冷徹に言い放つ。
「わたしは一人で戦い続けてきた。どんなに辛くても、苦しくても、この世界を守るために。あなた達にはその覚悟があるの? わたしにはそうは見えない」
- ここで話は和菓子屋の三代目・原野正広に移るため目立った行動には出なかったが、その日の夜、薫子の口からつぼみにプリキュアと砂漠の使徒の歴史が教えられる。この時薫子がつぼみに語ったムーンライトの強さは、まるで太鼓判を押しているようなニュアンスであった。
- 翌日、橋の上でプリキュアの種の欠片を見つめていると正弘を素体としたデザトリアンの出現に気づく。現場に急行するもブロッサムとマリンに庇われ、彼女達の戦いを初めて間近に目撃する。
- そしてブロッサムがデザトリアンに向けた「本当に大切なのは誰かに認めてもらうことではない」「頑張っても認めてもらえないこともある。けれど頑張ることは無駄にはならず、きっと無限の力を生み出す元になる」との言葉に、彼女達の成長を感じたのか…
- 種が欠片でありながら、バリアを展開させて助太刀。バリアが不完全なため劣勢で、サソリーナには「負け犬のプリキュア」呼ばわりされるも、ゆりは押されながら言い放つ。「…あなたはそのプリキュアに負けるのよ」
- 直後バリアを転用してデザトリアンを吹き飛ばし、反動があったのかゆり自身もよろけてしまうがデザトリアンに大きな隙を作り、心配するブロッサムとマリンを急かして浄化させた。
- 戦闘終了後、去ろうとする中ブロッサムとマリンに礼を言われるも「何もしてない」と一言。正広がこころの花を戻された姿を見届けて去っていった。
- 今回の話のポイントは「先代に認めてもらうこと自体ではなく、本来の理由が目的であることを思い出す」ことだったのだが、今回ゆりがブロッサム達の助太刀に回ったことは特筆に値するだろう。これまでの厳しい姿勢は変わらずだったが、ゆりの心が、つぼみ達を認める方向に少しずつ傾いていることを窺わせた。
■第21話
- 終盤にて、植物園に姿を現す。明堂学園中等部では「3人目のプリキュアを探して校内を彷徨う謎の人物」のことが大騒ぎになっていたが、ゆり曰く高等部でも同じような騒ぎが起きていたとのこと。謎の人物は妖精達の変装だったのだが、その首謀者=ポプリと初対面を果たし、何かを感じた様子のポプリに一瞬ハッとした表情を見せる。
- 3人目のプリキュアとしてポプリに勧誘され、つぼみやえりかも賛成するも「あなたのパートナーにはなれない」とお断り。妖精相手なのでこの時の態度は比較的優しかった。
- 「パートナーはスカウトではなく、互いが信頼で結ばれた時に第3のプリキュアが生まれる」との薫子の言葉に穏やかな笑顔を見せて同意する。ゆりの経緯を踏まえると、彼女自身にも思うところがあったのだろう。
■第30話
- 雨の中相合い傘でももかと下校。来海家の前まで送ってもらったことに礼を言われるが、曰く「あなたが風邪を引くと沢山の人が困るでしょ」。厳しい印象の強いゆりだが、友人への優しい面がよく現れているワンシーン。
- 自分も帰宅するが、公園方面へ向かう道中給水塔を目にする。そこは嘗て(第10話終盤)、変身能力喪失後初めてダークプリキュアと会った場所。そのことを思い返していると、2つの声が聞こえてきた。足を向けた土管の中にいたのは、片や両親、片やパートナーへの不満を爆発させ、家出してきたはるかとポプリであった。
- それぞれの事情を聞いた後、ポプリには単独で動き一般人であるはるかに見つかったことを諌め、はるかには両親は忙しくてもはるかをどうでもいいとは思っていないだろうと述べる。「自分なんて相手にとってはどうでもいい」とはるか共々思い込んでいたポプリはゆりに何がわかるのかと言い返すが、ゆりの返答は「あなた達がいなくなると、すごく悲しむ人達がいる」。この言葉を受けたはるかとポプリは、その後帰宅を促された際に刃向かうことはしなかった。
- 共に河川敷を歩いていると、それぞれ相手が心配で探し回っていた、はるかの母親、シプレ、コフレがいた。しかしその眼前ではるかの母親がコブラージャによりデザトリアン化し、ゆりははるかを抱きかかえ妖精3匹も含めて避難。襲いかかってくるデザトリアンの打撃をはるかを抱えた状態で避け、間一髪のところで難を逃れる。土手を滑り落ちた際には、場に駆けつけてポプリを庇ったいつきも一緒だった。
- ポプリの無事を喜ぶいつきの姿に、いつき=3人目のプリキュアであることを彼女に確認。シプレとコフレの口を通じてゆりがキュアムーンライトであると知らされたいつきは驚くも、ゆりは毅然とした態度で言葉を向ける。
「あなたは今、一歩間違っていればパートナーの妖精を失うところだったのよ。それを忘れないで」
- その後いつきは変身、ブロッサムとマリンも合流し戦闘を繰り広げるが、ゆりは母の身を案じるはるかに対し「プリキュアが必ず助けてくれるわ」と言葉をかける。それははるかに向けた言葉だったが、ゆりの心がプリキュア達を受け入れかけていることを窺わせるものだった。プリキュア3人は奮起して、押されつつも戦闘を勝利に収める。
- その後、はるかの母親の意識が戻り母娘は再会を果たす。ポプリもいつきと和解し、それらの光景を橋の上から見つめて去っていった。
■第31話
- 冒頭、学校の花壇にて彼岸花を眺めているとつぼみとシプレが訪れる。コフレやポプリも合流するが、胸に飛び込もうとするポプリを避けて去っていく。コフレからの感想は「どこか寂しそう」。
- いつものようにももかにノートを貸していると、えりかを筆頭につぼみ達が現れた。ももかと揃って学園祭で行うファッション部主催のファッションショーでモデルをしてほしい、という依頼だったが、つぼみがゆり用にデザインしたい服のテーマが「新しい自分」と知ったことで表情を一変。自分にはできないと返答し、そのまま場を去っていく(過去に囚われ続けている自分にはできないと判断したと思われる)。なお、会話の途中に割り込んできた自身をライバル視する才谷秀雄のことはほぼスルーだった。
- 放課後、モデルの話を植物園にて薫子に相談していた。その場には陰ながらつぼみが居合わせていたが、会話で触れられたのは、ゆりのこころの花が万全でないということ、そしてパートナーの妖精を失っていたという事実だった。薫子曰く、ゆりが自分の口で話せるようになったら詳しいことは解るというが…
- そんな状態でありながらテストの結果は学年1位をキープ。才谷はデザトリアン化され、駆けつけたプリキュア3人にデザトリアンを校舎から遠ざけるように指図。誘導の過程で戦闘の場に居合わせる。
- プリキュアが拘束されてピンチになり、シプレ達が立ち向かおうとするが自分の二の舞を避けたいゆりは必死でシプレ達を止める。しかし、ゆりの言うことでも聞けないというのがシプレの返答。ゆりは驚きを隠せなかった。
- その妖精達の姿勢に心を打たれプリキュア達は拘束から脱却し、特訓の末編み出された新技「シャイニング・フォルティシモ」で浄化に至る。
- 嘗て自身の妖精が辿った道に思うところがあったのか、自身のプリキュアの種の欠片を見ていたが、つぼみに声をかけられ種を隠す。つぼみからは改めてモデルの話を持ちかけられ、ゆりのこころの花がもう一度咲く服をデザインしたい、ゆりのこころの花を感じるという思いにゆりは返事を返す。
- 「また、わたしのこころの花が咲くのなら…」。そう言って去っていくゆりの、承諾ではないが、完全な拒否ではない返事に「咲きます! きっと咲きます!!」とつぼみは言葉をかけるのだった。
- この回にて冒頭と最後に描かれた赤い彼岸花。赤い彼岸花の花言葉は、『情熱』『独立』『あきらめ』、そして『悲しい思い出』『再会』である。
■第32話
- つぼみ達が薫子からハートキャッチミラージュの話を聞いていた最中、プリキュアパレスの存在を告げる形で会話に介入。ハートキャッチミラージュ入手に消極的な薫子に対し、砂漠の使徒が強力になっている事を根拠にミラージュ入手に賛成する姿勢を見せる。
- このゆりの姿勢及びつぼみ達の熱意で薫子は折れ、つぼみの意向でゆりもプリキュアパレス行きに同行。
- 試練を見守りにプリキュアパレスまで訪れたこころの大樹に反応し、第1話冒頭の背景を端的に明かす。嘗て自身もミラージュを授かろうとパレスに訪れ、同じように現れたこころの大樹にダークプリキュアがいた為戦闘になったと。このためゆりはミラージュの試練に挑戦できなかったのである。
- あくまで事実を述べ、妖精のことには触れず話も即座に切り上げているが、ゆりの方から敗北時の背景を語ったのはこれが初めて。この一連の流れは、ゆりの心情に変化の兆しが訪れたことを表しているのかもしれない。
- 「先代のプリキュアを倒す」というミラージュ入手の試練で、薫子の代理に立てられた謎の青年がプリキュアと戦闘。無言で試練を傍観、その表情から心情は窺えなかったが、プリキュア達がチームワークで逆転した際には驚きの表情を見せた。
- プリキュア達に倒されたことにより青年の正体が発覚、何故薫子の亡き夫である花咲空の姿を取っていたのかという疑問に「薫子の最愛の人の姿でそばにいてあげたいから」という見解を示した。
- ポプリが所持していた「謎のプリキュアの種」をスーパープリキュアの種に変化させるためプリキュア3人が手を重ねた際、薫子に促され驚くも手を重ねる側に加わった。
- そしてハートキャッチミラージュが現れるも、ブロッサムはゆりもまたプリキュアに変身できるかもしれないと発言。ブロッサム達は、可能性を無限に高めるミラージュを手に入れればそれが可能なのではと考えていた。思いもしなかった可能性にゆりは反応し、一同に笑顔で目を向けられるも…
■第33話
- ゆりが回想する形で、前回ラストの続き。ハートキャッチミラージュ入手に力添えしてくれたことにブロッサム達から礼を言われたが、半ば自虐的に「大した事してない」と返答。ゆり曰く、ブロッサム達が試練を乗り越えたのは仲間という固い絆によるもの。1人で戦っていた自分とは違う。
- そして、肝心のミラージュでプリキュアになれるかという件だが、薫子が言い淀む中「なれるわけないわ!」とゆりは鋭く声を荒げる。ミラージュを通じてブロッサム達に見せた、こころの花は枯れきった百合。「これで分かったでしょ? わたしはもうプリキュアにはなれないのよ」
- その光景を思い起こして現在のゆりは涙を流し、「コロン…ごめんなさい!」とプリキュアの種に呼び掛ける。もう自分はプリキュアには戻れない。そのコロン――嘗てのゆりの妖精が、ゆりに語りかけているとは知らずに。
- つぼみ達を見かねた薫子は、遂にゆりの事情を話し出す。ゆりがムーンライトになったのは、植物学者であった父がこころの大樹を探しにフランスへ向かった後行方不明になってすぐ(=本編開始3年前)。ゆりはこころの大樹に選ばれ、コロンに励まされたことで父が居なくなった悲しみを乗り越え、砂漠の使徒に立ち向かった。シプレ曰く、コロンが生きていればムーンライトも負けることはなかったという。
- 第32話でゆりから話された通り、こころの大樹にダークプリキュアが待ち受けていたことでムーンライトとダークプリキュアは戦闘になった。その戦いを見守っていたコロンは、サバーク博士が乱入してきた事を警告するも、1人で戦えるとムーンライトは協力を拒む。しかしその隙にムーンライトはダークプリキュアのエネルギー攻撃を腹部に受け、サバーク博士の追い打ちが迫り生命の危機に立たされた。その時コロンがムーンライトを身を挺して庇い、サバーク博士の攻撃をまともに受けてしまったことでコロンは消滅。コロンの名を呼ぶムーンライトの悲痛な叫びが響き渡り、ここから第1話冒頭の戦いに繋がったのだった。これがゆりが悲しみに包まれ、自分を卑下し責めるようになった最大の理由である。
- この際のコロンの消滅は、光となって消えるなどという綺麗なものではなく、サバーク博士の光弾直撃後一瞬で全身が真っ黒と化し、ムーンライトの手の中で灰のように体を散らして消えるというかなりショッキングな描写がされている。本作はプリキュアが相手を倒すときは優しく癒す描写が一貫されているため、その対比もあってムーンライトの衝撃、及び「敵に殺された」という描写がメインターゲットの幼児層でも解る演出。
- ゆりが自宅付近と思しき場所まで下校していると、突如えりかを筆頭につぼみ達が駆けつけてきた。えりかには「あたしの胸で泣いてください」と飛びつかれ(しかし身長差のせいで逆にしか見えない)、状況に狼狽していると事情を聞いたことをつぼみに説明される。話を聞いた3人はいてもたまらなくなって駆けつけてきた所だった。ゆりのこころの花をもう一度蘇らせたい、力にならせてくれという言葉に、ゆりは呆れ気味な笑顔を見せて「あなた達ってホントお節介ね」。ゆりにつぼみ達の気持ちが届いたのであった。
- 翌日、つぼみ達からはゆり用に描き上げたデザイン画の数々を見せられたが、シプレ達を通じて薫子からの召集がかかる。こころの大樹にコロンの魂が出現したのだ。薫子曰くただ1度だけの奇跡。ゆりの思いを伝えるべきと進言される。ミラージュを通じてこころの大樹にワープしようとする寸前、ゆりのプリキュアの種の欠片を通じて異変を悟ったダークプリキュアが急襲。自身も向かおうとするも、ブロッサム達にコロンとの再会を後押しされこころの大樹へワープした。
- 敗北後初めて訪れたこころの大樹に一瞬俯くも、すぐさまコロンを探し回る。現れたコロンの姿に再会を喜ぶも、触れようとした身体は透けてしまう。コロンの肉体は滅びてしまい、この邂逅はプリキュア達が集めたこころの種の力によるもの。謝り、涙を流すゆりに、コロンの魂が語りかける。コロンは滅びた後も、ゆりのことをずっと見守っていた。「君は1人で頑張り過ぎたんだよ」
- ゆりはかつて、シプレとコフレの誕生を受け、コロンに仲間のプリキュアを増やすことを打診された。しかしキュアフラワーがデューンを1人で倒したことを引き合いに出し、フラワーの時代にはいなかったサバーク博士とダークプリキュアがいることを言われても1人で戦うと断った。ゆりの脳裏に蘇るのは、「大丈夫よ。わたしは誰にも負けないわ」と優しい笑顔で話すムーンライトとしての自分。
- かつての自分を「愚かだった」「自分の力を過信した」とゆりは責めるも、コロンからは慰められる。ゆりが1人で戦ったのは、プリキュアの任務の重さゆえ、自分以外誰にも傷ついて欲しくなかったからだと。コロンからは更に言葉がかかる。「自分を認めるんだよ、ムーンライト。自分の優しさを、仲間への思いやりを。今の君はブロッサム達と触れ合って仲間の大切さ、ありがたさが解った筈だろう。それなら、君はもう一度砂漠の使徒と戦う事ができるよ」
- 欠けたゆりのプリキュアの種は、コロンを失いダークプリキュアに敗れた今のゆりの心の形。ゆりが皆と共に戦いたい、世界を護りたいと願えばゆりはまたキュアムーンライトになれる。ここでココロポッドが出現し、またプリキュアになりたいとココロの大樹に願いを伝えるように言われるゆり。ココロの大樹を見上げた後、ゆりの決意は固まった。
- そんな中ダークプリキュアに押されているブロッサム達の映像が映し出され、ゆりは何時も自分達を守ってくれた、今度は自分達がゆりを守る番だと立ち向かうも、シャイニング・フォルティシモはダークパワー・フォルティシモの前に敗北。こうなれば急ぐしかない。
「お願いこころの大樹! わたしをプリキュアに! もう一度、わたしを!!」
- こころの大樹に従って、ゆりはプリキュアの種をかざす。プリキュアになりたいという想いを込めて。ゆりは藤色の霧の中に包み込まれ、変身時の衣服へと変化した。プリキュアの種の欠片は光を放つ。
- 同じ頃、ブロッサム達やダークプリキュアのいる地上でも、木々にこころの大樹の光が宿っていた。そして霧と共にゆりが、ダークプリキュアの前に現れた。
「勇気、愛、友情、優しさ、悲しみ、喜び。たくさんの気持ち、みんなの心。わたしは戦う、みんなの心のために!」
「月光に冴える一輪の花! キュアムーンライト!」
■第34話
- 満を持しての変身。驚くダークプリキュアに修復された種を見せる。第1話の戦いの後、ムーンライトはコッペ様に救い出されて一命を取り留めていたため、彼女を生かしていたことをダークプリキュアは激しく後悔。
- ダークプリキュアの攻撃をいなし続け、エネルギー波を込めた拳の一撃も、砂煙が舞う中耐え抜いた。「全ての心が満ちるまで、わたしは戦い続ける!」
- ここから、約半年のブランクをものともしないムーンライトの戦いが始まる。重い攻撃を炸裂させてダークプリキュアにダメージを与え、1対1の勝負では他プリキュアと別レベルの戦いを繰り広げる。そしてフォルテウェーブ同士の激突で、ムーンライトはかつてダークプリキュアが言った「おまえはわたし」の真意を問うが、ダークプリキュアの答えは「おまえが月の光だとすればわたしは影」「影が光を飲み込んだ時、月はひとつになる」。
- ダークプリキュアに競り負け倒れこむも、ムーンライトの意識にはムーンライトの名を呼ぶコロンの声。立ち上がり、ムーンライトは宣言する。「わたしはもう1人ではない。わたしはもう1人では戦っていない。コロンが見ている限り、わたしは負けるわけにはいかない!」
- ムーンライトのフローラルパワーフォルティシモに、ダークプリキュアもダークパワーフォルティシモで対抗。上空で激突した2人は渾身の叫びを頂点にまで行き渡らせ、空中で爆発が発生する。
- 爆発の後、ムーンライトが先に倒れこむも、ダークプリキュアの敗北で辛勝。とどめのために近づこうとするも、サバーク博士が突如現れダークプリキュアも共に帰還。「あなたは、ダークプリキュアの…」というムーンライトの言葉に返される答えは無かった。
- しかしブロッサムの悲鳴を聞きつけプリキュア達の救援に回る。ダークブレスレットで強化され、それぞれプリキュア相手に優勢だった砂漠の使徒3人を順々に圧倒して噴水にまで突き飛ばし、彼らを退却させる糸口を作った。
- こうして遂に4人のプリキュアが揃い、ムーンライトはこころの大樹へと向かい再びコロンと向かい合う。長い間枯れていたこころの花も、今はもう咲き誇っていた。
- コロンに抱擁をするかのように手を伸ばし、コロンの方も手を広げるも、その前にコロンの魂は光となって消えてしまった。奇跡は終わり、魂は元いた場所へ還っていったのである。コロンの名を呼んでも返事はない。ムーンライトは涙を堪えようとするも、その頬にはやはり一筋の涙が伝う。その光景をミラージュ越しに見ていたブロッサム達やシプレ達も涙を流す。そして再びムーンライトが映されたとき、その顔はまだ泣きつつも笑顔が戻っていたのだった。
- 帰路につく中、ファッション部の部員がつぼみ達を見つけて合流。ゆりからファッションショー出演の返事を貰っていないと焦るえりかだったが、つぼみ・いつきを含めた3人からの頼みを無言ながらも頷き承諾。えりかの意外な特技に驚かされるも、服を至急作るためファッション部員共々フェアリードロップへ連行される。つぼみとえりかに片腕ずつ引かれていくその姿は、過去に囚われていた彼女が日常に溶け込むことを予感させたのだった。
- ちなみに、承諾のシーンからラストまでは作中初めてデフォルメ風に眼鏡を曇らせ、冷や汗までかくというこれまでのゆりからは見られなかったコメディ風の反応を見せている。
■第35話
- 学園祭が迫りファッションショーの日も迫るが、ゆりは連日早々と帰宅していた。つぼみはゆりが着る予定の服を完成させるも、ゆりが下校したことをももかによって知らされる。
- その後は話の関係上しばらく登場しなかったが、校内に杉山ごうを素体としたデザトリアンが出現した際に、いつきが生徒会の職務として避難放送、つぼみとえりかが同級生の面々に共にいるようにと言われ実質的な足止め状態、とそれぞれ変身できなかった中校舎裏で変身。現場に駆けつけた。
- ダークブレスレットで強化されたデザトリアンにも圧倒的なパワーと強さを発揮し、攻撃も片手で受け止める。悩む気持ちにも「本当にやりたいことは何なのか自分で考えなさい」といつもながらの毅然とした態度で突き放す。励まし寄り添っていたブロッサム達とは一線を画しているものの、相手の本音を理解した上での優しさの裏返しなのである。浄化もフォルティシモの下位互換にあたるシルバー・フォルテウェーブで。やはりムーンライトは強かった。
- 今回の戦闘は終始ムーンライト単独であり、シリーズ初の他のプリキュア変身者が傍観する中単独で戦闘を完遂、かつメイン主人公が変身しなかった回となった。その後続いたプリキュアシリーズでも、どちらかの条件を満たしたり一部のメンバーだけ変身した回はいくつか登場しているが、チームの一員でありながらメイン主人公以外で戦闘を単独で終えたプリキュアは、2018年現在ムーンライトのみ。
- つぼみ達が部室に戻ると、そこではゆりがデザインされた服を着用していた。ここ数日早く下校していたのは、服のデザインに合う靴を探していたからだったのだ。
■第36話
- 学園祭当日。ファッションショーの衣装合わせのため衣装を着用。
- 池田彩と工藤真由がデザトリアン化したところに瞬間移動のごとく制服姿でつぼみ達と合流。警戒を怠らない姿勢が窺える。
- 軽音楽部との合同となったファッションショー本番では、いつきと共に無事ランウェイを闊歩。ショーの大成功には、テンションの上がっていた中学生組程ではないものの、優しげな笑顔を見せていた。
■第37話
- 植物園にて開かれたお茶会に参加。学園祭も終わったからという理由に、たまにはそういうのも良いかと納得。つぼみ達と積極的に関われるようになってきた。
- しかし、砂漠の使徒が汚い手を使おうが自分達が力を合わせれば大丈夫と言い切るえりかや同意するつぼみといつきには「本当にそうかしら」と一言。水を差すような言葉ではあったが、本当に大丈夫そうではなかった。隕石が墜落し、怪物デザートデビルが襲撃してきたのだ。
- 戦闘時にブロッサムに質問される形でフォルテウェーブを一同に指示。討伐後デューンから受けた宣戦布告に、薫子から聞いたという惑星城の存在を思い出す。デザートデビルを地球に向けて送り込んだという宣言に、限られた時間で更なるパワーアップを果たすしかないと見解を示す。
- 薫子の言葉により最後の試練を受けるため再度プリキュアパレスに向かい、それぞれの空間に飛ばされる。ムーンライトが飛ばされた空間は、皆既日食の浮かぶ紫や城の薔薇が咲いた花畑。
- 己の心の負の部分であるミラージュムーンライトとの戦闘に突入、かつてコロンを失った悲しみを指摘されるも、それを受けた上で悲しみのあまりブロッサム達やみんなの心を見失っていたと返す。もう自分を責めるばかりの彼女ではなかった。「悲しみの連鎖は…、悲しみの連鎖は、誰かが歯を食いしばって断ち切らなくてはいけないの…」
- 一人ではなくみんなの力で困難を乗り越えていく、という言葉に半分に欠けたままの心でできるのかと問いかけられるも、難しいかもしれないとした上で全ての心が幸せになるように戦い続ける決意を話す。そして自分は必要ないという影の自分を背中から抱きしめ、試練を乗り越えた。
「わたしは悲しみを背負って生きてゆく。そして、いつかその悲しみを愛で包んでみせる」
■第38話
- ブロッサムが試練を乗り越えられず手間取る中、プリキュアパレスにデザートデビルが襲来。目的をハートキャッチミラージュの破壊と察する。
- ブロッサムが来るまでマリン・サンシャイン共々持ちこたえ、ブロッサムが到着した際には嬉しそうな顔をしつつも「遅いわよ」と背中を向けて一言。
- サンシャインと放ったフォルティシモをマリンに羨ましがられた(すぐさまブロッサムが誘っている)。
- 攻撃後はハートキャッチミラージュで他のメンバー共々スーパーシルエットに初変身した。
■第39話
- コフレとえりかが主役のため出番は控えめ。植物園でココロポッドを見ていたところに、物音が聞こえ警戒すると土で汚れたコフレと遭遇。ゆりは知るよしもなかったが、コフレはえりかに怒りを爆発させ家出してきたところだった。
- 丁寧にコフレの汚れを払った後、ココロポッドを見ていた理由を聞かれ、コロンとの思い出の品だからつい見てしまうと解答。コロン亡き今も、ゆりはコロンのことが大好きなのであった。
■第40話
- 冒頭、デザトリアンとサソリーナにフォルテウェーブを放ちサソリーナをぽわわわわーんとさせかける。サソリーナは自ら退却したが、これが一度は取り戻した戦意を無くさせる切っ掛けとなる。
■第41話
- 向かった保育園にて、つぼみ達が人形劇の代役を行う中子供達の相手役を担当。器用なまとめぶりを発揮する。
- ノリコ先生がデザトリアン化し、戦闘をブロッサム達に任せお昼寝中の園児達を起こさないために行動。久々にプリキュアの種でバリアを展開するなどして援助に回る。しかし振動で園児達が起きてしまい、衝撃波で捲れたカーテンからデザトリアンが見えてしまう。
- ノリコ先生に助けを求める園児達の声を耳にし、先生らしくないと嘆くデザトリアンに対し思いきってカーテンを全開に。「目覚めた子供達が真っ先に叫ぶのは、大好きなノリコ先生の名前なの。あなたの代わりはどこにも居ない。それなのに自分を見失ってどうするの?」「子供達の声を信じて! 皆、ノリコ先生が大好きなのよ」その言葉に水晶内のノリコは涙を流すのだった。
- その後自身も変身して合流、デザトリアンに隙ができるタイミングを即座に分析して逆転に繋げた。
- なお今回、ノリコ先生がデザトリアン化された原因にはゆりの手腕に自分が自信を無くしたこともあるのだが、ゆりの方は最後までそれに気づくことはなかった。人は気づかないうちに、自分の行動で人を落ち込ませていることもあるのである。
■第42話
- 植物園で水やりする姿をつぼみ達に真似される。本人は無自覚だったが、繊細で優雅な動作はつぼみ達に憧れられていた。
- その後植物園でラブレターが発見され、色めき立つ中学生組に反し興味無し。ゆり宛の可能性が浮上するも夕飯作りを理由に涼しい顔で帰ってしまう。ゆりは知るよしも無かった。差出人は同団地の少年・ハヤトであり、手紙も自分宛ということを…
- ハヤトは最近ゆりが昔のように明るくなったことに喜ぶと同時に、ゆりの父親が行方不明となった当時は幼さ故に何もできなかったことを悔いていた。今度こそゆりの笑顔を守りたいのだという。
- プリキュアとしての作戦会議という体で放課後呼び出されハヤトと対面。近況を聞かれるもプリキュア絡みなので濁す他なく、ハヤトからは自分が子供だからかと言われてしまう。更に間の悪いことに、ハヤトが思い切ってラブレターを渡そうとした瞬間思い出話を始めてしまう。
- 「わたし、兄弟がいないでしょ?ハヤト君のおかげで弟が出来たみたいで…」その言葉にハヤトはひどく傷つき走り去ってしまい、後にコブラージャによってデザトリアン化されるが、「俺はゆり姉ちゃんの弟なんて嫌なんだ!」という言葉にも、自分が嫌われたのではと考えてしまう様子。才色兼備のゆりではあるが、他人からの好意にはかなり鈍感なことが明るみに出た。
- 戦闘終了後襲来したダークプリキュアに、無言ながら警戒の様子を見せる。
- ハヤトが目覚めた後、尚もまだ彼が自分を嫌がっていると誤解していたが、ラブレターを渡されたことでようやく真意に気づき動揺。礼を述べた上で返答には困ったものの、ハヤトは落ち着きを取り戻し、ラブレターに対する返事を急かすことはなかった。ゆりは返事こそ明確にしなかったものの、満更でもなさそうな様子。時が経ってから、2人の関係が進展する日が訪れるかも…?
■第43話
- 花咲陽一のダジャレにえりかといつきが呆れる中、大ウケするつぼみ程ではないが吹き出す。ギャグセンスの無さを覗かせたが、自信満々に披露していた状況に吹き出したともとれるため実際のところは不明。
- みずきが懐妊して実家に滞在することとなり、陽一は花の仕入れ、薫子も用事があって出掛けたことにより他のプリキュアメンバー共々フラワーショップ花咲の手伝いに駆けつける。新築祝いの花にプリザーブドフラワーを勧める等、店番をそつなくこなしていた。
■第44話
- クモジャキーとコブラージャに襲われていたサンシャインを助けに向かい、驚かれた隙に2人を攻撃。だがその後のデザトリアンとの戦闘ではその氷結攻撃で動きを封じられるとなすすべがなく、他の3人のプリキュア共々氷漬けにされてしまい初めてデザトリアンに敗北する。(後に全員キュアフラワーにより助けられている)
■第45話
- 遂に現れたデューンに真っ先に突撃。しかしムーンライトでも歯が立たず、逆にデューンに一瞬で懐に入られ攻撃を受け、最初に変身解除され敗北する。
- 翌日、砂漠化した地球の殆どの人間がクリスタルに閉じ込められていたが、これまでデザトリアン化された人々は無事。それぞれプリキュアメンバーに縁のある面々が駆けつける中、ゆりの元にはハヤトの姿。「ゆり姉ちゃんには俺がついてるから!」との彼の言葉に礼を述べた。
■第46話
- 前回ラストから引き続き、惑星城にてスナッキーを蹴散らしていき、クモジャキーとコブラージャをマリンとサンシャインに任せる形でブロッサムと共に薫子の元へ向かう。
- 道中ダークプリキュアと相対し、ブロッサムに先を急かし彼女との戦いを決意する。「わたしは決着をつけないといけないの。ダークプリキュアと…そしてかつての自分と。仲間というものを信じられず、妖精を喪い、ダークプリキュアに敗れたわたし。ダークプリキュアに勝つ事は、そのわたし自身に打ち勝つことなのよ」
- ムーンライトとダークプリキュアは対峙し、場にサバークも現れる。薫子を解放したブロッサムが画面越しに目撃して向かおうとする中、薫子からは言葉がかかった。「サバークとムーンライトを戦わせないで」
■第47話
- 対ダークプリキュア戦。駆けつけたブロッサムを制し宿敵との戦いに臨む。
- 強化されたダークプリキュアと互角の接近戦を繰り広げ、肉弾戦から光弾の応酬の後、横からサバーク博士の光弾が介入してきた。
- サバーク博士がダークプリキュアの援護に回ったことで劣勢となりダメージを受ける。しかし1対1の戦いを邪魔したくないブロッサムがサバーク博士を引き受けて、ダークプリキュアと改めて交戦。ブロッサムが主張した「人の思い、みんなを守る気持ちは負けない」に応えるようにダークプリキュアを追い込んでいくが…
- ダークプリキュアに向けて放った光弾をサバーク博士が庇ったことで、サバーク博士の仮面が破損。彼の素顔を目の当たりにして、ムーンライトは叫ぶ。「お父さん!」サバーク博士の正体は、行方不明だったゆりの実父・月影博士だったのだ。
- 「お父さん! 忘れたのですか? ゆりです。あなたの娘のゆりです!!」変身解除して呼び掛けるゆりに、我に返った月影博士も娘に気づく。名を呼ばれたことで駆け寄ろうとするも、ダークプリキュアが行く手を阻む。
- 衝撃波で吹き飛ばされた後にダークプリキュアが告げたのは、月影博士は自分…ダークプリキュアの父であること、ダークプリキュアはムーンライトであるゆりを倒すために生み出されたこと。実の父が自分を倒すために敵を差し向けていた事実、そしてそれを弁解しようともしない父にゆりは戦意を喪失する。「お父さん、何かの間違いですよね? お母さんとわたしを置いてこんな事になるなんて……お父さん!?」
- そんな中向けられたダークプリキュアの攻撃をブロッサムが庇い、ゆりに語りかける。月影博士が今に至ったのはきっと何か深い訳がある、その月影博士を守る為にもここで負ける訳にはいかない。そして、ダークプリキュアに打ち勝つ事が、かつての自分に打ち勝つ事だとゆりは言った。ブロッサムの憧れる強くて優しいゆりは、決して自分に負けるような人ではない。父を…自分の本当の気持ちを信じること。尚も踏ん切りがつかないゆりだが、「私達、プリキュアの思いはゆりさんと共にあります!」とのブロッサムの言葉に決意を固める。
- プリキュアの種でバリアを展開させてダークプリキュアの攻撃をブロッサムと共に防ぎ切り、ゆりは再び立ち上がる。「キュアブロッサム。あなたのお陰でわたしはもう一度戦う勇気を取り戻したわ。ありがとう。ここからは、わたしがあなたやみんなの思いを胸に」
- 再度ムーンライトへ変身し、ダークプリキュアとの決着へ向かう。ムーンライトはダークプリキュアに宣言する。
「これで終わりにしましょう」
「いいだろう、わたし達はどちらかが消えるまで戦う定め」
「たとえわたしが消えたとしても、ブロッサムがいる、マリンがいる、サンシャインがいるわ」
「そいつらも全て倒すだけのこと」
「簡単には倒されない。それがプリキュアの絆!」
- 互角の接近戦を繰り広げ、この一撃で決着をつけるべく互いにフォルティシモを繰り出す。両者は空高く昇り激突し、ムーンライトの纏う光には緑、ピンク、青、黄の光の花弁が交わり、ダークプリキュアより大きな光に変わっていく。
「勇気、愛、友情、優しさ、悲しみ、喜び、たくさんの気持ち…。みんなの心、仲間との絆、命と心に満ち溢れたこの世界を…わたしは守る!!」
- プリキュア達、薫子達、地球の仲間達が見守る中、光はダークプリキュアを凌駕しダークプリキュアは押し負ける。掛け声で爆発が発生した後、ダークプリキュアは落下していき…
■第48話
- 苦しみながら崩れ落ちていくダークプリキュア。見つめるムーンライトの表情には完全勝利の喜びはなく、哀れむような思いが浮かんでいた。遂にダークプリキュアが倒れた後、涙ながらに月影博士に抱きつくも、父からは抱きしめる資格は無いと返答。
- 月影博士が事情と自身の過ちを語った後(詳細はサバーク博士の項を参照)、ダークプリキュアがムーンライトを引き剥がそうと最後の力で立ち上がる。月影博士はしがみつくムーンライトを制し、ダークプリキュアを心のない人形と告げた上で、もういいんだと抱き支えた。
- そしてムーンライトに告げられた事実は、ダークプリキュアはこころの大樹の研究で手に入れた技術と、ゆりの体の一部を使って作られたいわばゆりの妹。月影博士は娘同士を戦わせてしまったことを詫び、姉妹という形で娘として認められたダークプリキュアは、「お父さん…」と満足気に呟き、穏やかな笑顔を見せ、光の粒子となり消えていった。ダークプリキュアは完全に消え、彼女がずっと持っていたプリキュアの種の欠片が落ちる。宿敵同士の結末は救われないものとなったが、最期にダークプリキュアがムーンライトに向けた笑顔は、嘗てのような敵同士ではなく妹としてのものだったのかもしれない…
- そんな中響く拍手、勿論デューンの。デューンはとんだお涙頂戴だと評して月影博士がサバークの仮面を自ら着けた事実を話し、ムーンライト達に向かって突撃。やはり歯が立たず、彼が放つ光の球の前にブロッサム共々変身解除されてしまう。とどめとばかりにデューンが放とうとするエネルギー弾の凝縮形。喰らってはひとたまりもないことは目に見えているが…
- そんな中月影博士がデューンの光弾を自ら受け、その身と自らのバリアーをもって庇う。博士は妻のことをゆりに託し、爆発を直に受け跡形もなく消えてしまう。漂うのは黒い破片ばかり。ゆりは抱き締められることなく、父を眼前で喪ったのだ。
- 立ち上がるゆりの目には涙と憎しみの色が滲み、憎しみの感情に飲み込まれたままデューンに立ち向かおうとする。しかしそこを止めたのはつぼみ。放すように言っても拒まれて、自分の怒りや憎しみを晴らす為に戦うことを止められる。
- 「でも、わたしは…あいつが憎いのよ! あいつのせいでわたしはコロンやお父さんを失ってしまった。憎しみが力になるのなら…わたしはそれでも構わないわ!」そう言うゆりに掛かった言葉は「情けないこと言わないでください! わたしが好きなゆりさんはそんなこと言いません」「お願いです、憎しみのまま戦えばきっと負けてしまいます。悲しみや憎しみは誰かが歯を食いしばって断ち切らなくちゃダメなんです」その言葉は、偶然にも嘗て自分が影の自分にかけた言葉。自分達が頑張ってプリキュアをしてきたのは何のためなのか。コロンや父がゆりに託したものは何なのか。尚も続くつぼみの言葉に泣きそうになって言葉に詰まるも…
「月影ゆり! わたしが憧れたキュアムーンライト。あなたが何をしたいのか、何をするべきなのか。そして、何の為に戦うのか…自分で考えてください!!」
- その言葉は、今この場でつぼみが言うことではないかもしれない。肉親を目の前で殺された者にかける言葉ではないかもしれない。しかしゆりは呼吸を整え、デューンとの戦闘合流直前ブロッサムが拾った、ダークプリキュアが所持していたプリキュアの種の欠片ごとつぼみの手を取った。プリキュアの種の欠片同士は融合し、遂に元の形を取り戻す。「わたしたちは憎しみでなく、愛で戦いましょう。つぼみ…変身よ!」
- 憎しみではなく愛をもってデューンに最後の戦いを挑み、ブロッサムと2人で立ち向かう。マリンとサンシャインも合流し、4人で攻撃を続けた後マリンとサンシャインのフォルティシモが発動、ムーンライトもブロッサムとのフォルティシモを放つ。最後にハートキャッチオーケストラで決め、決着は着いたと思われたが…
■第49話(最終話)
- デューンは自力で脱出。自身の憎しみを爆発させ、地球並みの大きさをした巨人へと変貌する。戦闘に向かう直前、つぼみが呼び捨てにしたことを含めて謝罪。「さっきは生意気な事言ってすみませんでした。ムーンライトが一番悲しい思いをしているのに」との言葉に、「あなたの優しい気持ちと思いやりの心がわたしに大切な物をくれたのよ」と返す。その表情に怒りの気持ちは無かった。
- デューンを浄化してから半年程経ったエピローグでは、地球を救ってしまった衝撃からまだ戻れないえりかに「いつまでも終わったことに拘っていてもしょうがないわよ」と言葉を掛けると共に妖精達を連れて現れた。物語開始前と異なり、そう言えるだけの余裕を心に持てている模様。
- なお、最終決戦直後~春までの時系列(えりか曰く「ちょっと前」)の回想にてつぼみ・えりか・いつきが「すごいことをしてしまった」となる中、ゆりは画面端に髪先が映るだけでそれ以降は見切れている。
劇場版
■DX2
- モブの一人としていつきとともにミラクルライトを振る。
- つぼみたちとともにパリに渡る。
■DX3
- プリキュアとしては初参加。イエローチームのリーダー格としてチームを引っ張る。勉強対決では初めてメガネを着用した。
■NS1
- 冒頭でのフュージョンとの戦いでは仲間や歴代プリキュアとともに力を合わせて戦った。
- 後半での戦いではえりかが遅刻したせいで到着が遅れたが、変身してフュージョンを引き付ける。
■NS2
- 妖精学校で開かれるプリキュアパーティーに参加するため、仲間やフレッシュプリキュア、スイートプリキュアとともに妖精学校に向かう。そのとき調辺アコの手を引いていた。
- しかしプリキュアパーティーはグレルと影が仕組んだ罠で、仲間たちともに変身アイテムを奪われ水晶に封じられる。
- だがキュアハート達ドキドキプリキュア達や妖精たちの活躍で復活、キュアサンシャインとともに影たちの戦いの影響で沈みゆく太陽をフォルテッシモで元に戻す。
■NS3
- マアムにより夢の世界に引きずり込まれるが、夢の内容は明らかになっていない。
- 復活後の悪夢獣との戦いではキュアエースとともに不意打ちしようとしたメカ悪夢を迎撃した。
- エンディングの集合シーンで「ドキドキ!プリキュア」のアイちゃん(ドキドキ!プリキュア)を抱いている。日野あかね(キュアサニー)(スマイルプリキュア)と共にアイちゃんが「ドキドキ!プリキュア」以外での初めて絡んだプリキュア戦士である。
- マリン・サンシャインとともに魔女ソルシエールに囚われる。幽閉先の牢屋で歴代プリキュアとともにトラウーマによる尋問を受けるがそれに対する描写はなかった。
- キュアミラクル&キュアマジカル&妖精たちがミラクルライトを振って開放された後の戦いではビルから飛び降りてくるスマイルプリキュアメンバーを受け止めていた。
- 戦いの後で開かれたお花見では、春野はるかの一言で朝日奈みらい&リコが魔法使いと知り、歴代プリキュアとともに彼女たちを取り囲む。
■映画トロピカル〜ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!
- 客演として登場。
- 声なしで登場。
- トロピカル〜ジュ!プリキュア以外のスター☆トゥインクルプリキュアのユニ(キュアコスモ)以降の14人と初共演。
- 序盤で78人のプリキュアで地球外生命体シュプリームを迎え撃つも歴代の強者であるミルキィローズ、シャイニールミナス、キュアエース、キュアコスモと共にやられ倒れているシーン絶望した視聴者が多かった。
声優について
演じる久川綾氏はプリキュアシリーズ初出演。
出演自体は第1話からであるものの、当初は変身者が不明であったキュアムーンライト役であった為、同話のEDでは「キュアムーンライト:?」表記で声優名が伏せられており、第8話にて月影ゆり役として久川氏の名が初めてEDで表記され氏の出演が明らかとなった。
ハトプリ終了から丁度10年が経過したトロピカル〜ジュ!プリキュア33話でスペシャルゲストとして10年ぶりのシリーズ出演を果たした。(ハピネスチャージプリキュア!のプリキュア10周年おめでとうメッセージの出演も含めると7年ぶり)。
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