CV:大久保瑠美
概要
南野奏の弟・南野奏太の同級生で、市立加音小学校に通う小学3年生。
人物
中学生である北条響達すら閉口する程の毒舌家で、少々生意気でませている。だが動物相手には基本的に優しい。教室ではいつも一人でいるらしく時々寂しげな表情をしている。
そんな彼女を気にして奏太はいつも声をかけており、学校への登下校はいつも一緒。
休日は朝から2人でお出かけ、夏休みにはサンドアートの大会に2人で参加。さらにお祭りには浴衣を着て遊びにいき、ハイキングにも誘われる。
アコはバレンタインで奏太に何もあげなかったようだが、特別な関係として見ている様子。
意外にも運動は得意で、サッカーボールを目標にしっかり当てたり、至近距離から撃たれた水鉄砲を簡単に避けたり、木から降りられなくなった猫を竹馬で助けたこともある。
奏太曰く歌はあまりうまくないらしいが、ちゃんと歌えばうまい。奏太からうまくないと評された理由は不明だが、音楽の授業等で歌わざるを得なかった際、気が乗らないまま歌った結果下手に映ったものと思われる。
容姿
響より明るめの茶髪で、髪型はボブカット。
赤いアンダーリム眼鏡をかけている。
服装はピンク色の長袖Tシャツの上に青いショートサロペットを着用しており、サロペットの裾はバルーンパンツ状になっている。
回想シーンに登場した過去の姿は、ロングヘアーで黄色いドレスを着用し、頭にハートをあしらったティアラと向日葵の花冠を付けていた。
正体
第35話・第36話で、その正体がついに明らかとなる。
彼女こそがキュアミューズの正体であり、そしてメフィストとアフロディテの間に生まれた娘…すなわちメイジャーランドのお姫様だった。(対外的には「両親は遠い国にいる」ということになっている)
父メフィストが魔響の森で悪の心に操られてしまったことで、(少なくとも本編開始数ヶ月前には)祖父がいる加音町へ身を寄せた。
そして第1話の時系列にて、父を元に戻すため、メロディ達より前にプリキュアへ覚醒していたのだった。
同時に彼女が調辺音吉の孫娘であることが判明し、自動的に音吉さんがメイジャーランドの先代国王だったことが明かされた。それ以降、アコの表記は公式サイト・エンディングクレジット共に「調辺アコ」表記となっている。
前述の竹馬は、黒ミューズとして活動していた際の影響という事らしい。
ミューズが登場する直前直後のシーンによく登場していた為ミューズの正体候補ではあったが、当のミューズが背丈を偽装し正体を明かすまで声を一切発さなかったため、最後の最後まで反論の声も上がっていた。この辺りの詳細はキュアミューズも参照のこと。
正体が割れてからは彼女の孤独感や責任感の強さがクローズアップされていき、響達の輪に迎え入れられ、打ち解けていく様子が描かれる。(上記の冷めた性格も、家族の離散や親元を離れた孤独に起因していると考えれば致し方ないことかもしれない)
理解者が増えたことや背負うものが減ったこともあり、ストーリー終盤では年相応の無邪気な顔も見せるようになった。
しっかり者かつませた姿勢は変わらないが、態度は割と軟化しており、ツッコミ時にはデフォルメ顔も見せるようになっている。
本編1年後を描いた小説版では、メイジャーランドと加音町を行き来しながら次期女王としての修行をしている。具体的に何をやっているのかは不明だが、教養や帝王学に加え、お国柄音楽の勉強などもしているのかもしれない。
トリビア
眼鏡っ娘プリキュア
変身すれば自動的に外れるのはお約束だが、メイジャーランドにいたときは眼鏡をかけていなかったので変装するための伊達眼鏡という可能性もある。
ちなみにメイジャーランドの住人であるはずのエレンとハミィは、当時の彼女が眼鏡を掛けておらず長髪だった事から彼女がお姫様とは気づかなかったようだ。
ちなみに眼鏡のデザインは音吉と色違いであるため、キャラクターデザイン段階でアコ=音吉の孫であることは決定していた模様。
なお、スイートから3代後の『ハピネスチャージプリキュア!』の海外のプリキュアにワンダフルネットプリキュアという2人組のプリキュアがいるが、彼女らは変身後に眼鏡を着用している。
名前に関する疑問
先述の通り、メイジャーランドの姫君…という出自から「調辺アコ」の名は地球での名前、と推測される。名字の方は祖父・調辺音吉が使っていたものを流用したのだろうが、下の名はどうなのだろうか?
作中描写から両親に「アコ」と呼ばれている事自体は間違いないが、それは正式な名ではなく彼女同様愛称および通称である可能性もまた否定できない。
メタ的に考えると楽器の「アコ」ーディオン、もしくは黒川「エレ」ン(=エレクトリック)と対となるアコースティックに由来する名が濃厚と言えるだろう。
なお、外国人では元の名から離れた字面の愛称が存在する事は珍しくなく、例えばイギリス王室を例にするとウィリアム(William)→ビリー(Billy)、キャサリン(Catherine)→ケイト(Kate)、リチャード(Richard)→ディック(Dick)…など。
ちなみに設定上では、加音町に音楽文化を根付かせた偉人として「調辺音衛門」という中世の楽器職人の存在があるとされている。なおこの調辺音衛門はどこからか来た異邦人らしい。
アコの祖父である音吉が過去の偉人の姓を拝借して調辺姓を名乗ったというのが一番わかりやすい解釈だが、音衛門が音吉およびアコの先祖であるという見方もある。もしかすると「シラベ一族のアコ王女」等だったりするのかもしれない。
中の人について
担当声優の大久保瑠美女史は、プリキュアシリーズ初出演。
同時にプリキュア声優では初の平成生まれである。
「アコ=ミューズ」である事実は物語後半までシークレットとなっていたが当人はオーディションの時点から知っており、周りに話さないようにスタッフから釘を刺されていた。
しかし、判明するまで周りの人からは「ミューズじゃないんでしょ?」とずっと探られ続けていたという。
また、アコとしての出演がない回でも、黒ミューズとしての登場回時はアフレコ現場に訪れて現場を見学していたとのこと。
大久保女史は、1989年9月生まれであるが、彼女以前のプリキュア変身キャラクターのCVは1988年以前生まれの者のため、大久保女史を先駆けとして、平成生まれの声優がプリキュア変身キャラクターのCVを務めるケースが多くなっていく。(ちなみに、全員が平成生まれのCVを務めたケースは『ハピネスチャージプリキュア!』及び、『トロピカル〜ジュ!プリキュア』の2作品)
各話での動向(ネタバレあり)
テレビ
■第6話
- 奏太とともに初登場。往来で騒ぎ立てる響と奏に「邪魔!」「通れないんだけど」と辛辣な言葉を投げかけ、二人をムカつかせる。
- 年上にそういう口の聞き方は失礼だと奏に咎められても「口うるさ。アンタモテないでしょ?」と言い返し(年上の手前堪えていたが奏は明らかにキレていた)、「素敵な人にチョコを渡した」という奏に自分からチョコをあげるのをモテるとは言わない、さらにその奏を宥める響にそっちはチョコあげる相手もいなさそうだと辛辣な言葉を投げまくった。当然、アコと奏太が去った後の2人の反応は「生意気」。
- 後半にて公園に一人でいるところを響に見られた。どこか寂しそうな表情をしており、「生意気だけど時々ああいう顔をする」と響が発言しているため以前にも面識はあった模様。
- そこを奏太に絡まれて、サッカーに誘われるが拒否。ここで奏太の口から、アコは学校でも一人でいることが多く、奏太が話しかけることが多いと触れられる。響と話す奏太の背中に向けてボールを蹴り、「隙あり」と自ら構って去っていったあたり、満更でもなさそうである。
■第7話
- 直接の登場はないが、音吉に孫がいることが初めて言及される。
- その孫が手作りしたと思しき、音吉を模した人形を彼が忘れていったことが今回の話の発端なのだが(実際は響と奏の仲を取り持つための策)、実はこの回で孫の性別は一切言及されていない。そのためこの時点では、アコ=音吉の孫と判断できなかったりする。
■第9話
- 響や奏太と一緒に登校。響に向かって「あんた達、悩みなんてなさそうだものね」と相変わらず辛辣な言葉を投げかけている。さらに小学校の校門まで来てしまった響に「いつから小学生に戻ったの?」とキツイツッコミ。
■第10話
- 桜並木にて響達と遭遇。アコの歌が下手と言いかけたらしき奏太を制する。「アコちゃんも歌が嫌いなんだ?」と聞く響に「え? 好きだよ」とあっけらかんと答える。驚いた様子の響に、「あんた達ってほんと単純……」とぼやきつつ「下手だからって歌が嫌いとは限らないでしょ」と発言。結果的に響達は幼稚園の子供達の気持ちを考え直す。
■第11話
- 音楽自慢大会の会場に奏太と共に現れた。クラス皆で行うリコーダー奏を、自由参加なのもあって「面倒臭いから」とパス。「上手くできなくても一生懸命やる事が大事」という奏にも「口うるさ」と相変わらずの返答。
- 2人に出場の有無を聞き、ピアノを弾くと答えた響にピアノがどこにあるのかと冷静にツッコむ。困惑する2人を尻目に「付き合っていられない」と去っていった。(その後ピアノは街の人々の協力により準備された)
- そして黒ミューズとして初登場。キュアモジューレをオカリナのように鳴らしネガトーンの攻撃をリズミカルに回避(ハミィ曰く「ネガトーンの動きのリズムを完全に読んでいる」)、虹色の鍵盤で攻撃を仕掛ける。
- ネガトーンは怯んだ隙にプリキュア2人が浄化したが、発言はドドリーが代弁。曰く「私は誰の味方でもない」とのことだが……?
■第12話
- 黒ミューズの正体探しが主軸となるが、ミューズについてハミィから説明を受けたアフロディテが心当たりがあるような反応を見せる。特に「ミューズ本人は一言も喋らなかった」という点が引っ掛かったようだが、結局はぐらかされた。
- ベルティエ攻撃が効かなかったプリキュア2人のピンチに駆けつけ、ネガトーンにキック攻撃。「世話が焼ける」と(ドドリーが)言いながら、「当たり前ドド、どんな技でも何時も同じじゃ破られるに決まってるドド」と、乱雑な物言いを交えつつベルティエの形の理由を問いかける。
- ミラクルベルティエが割れて驚くメロディに「そういう造り」と呆れながら反応、それぞれの新技「プリキュア・ミラクルハートアルペジオ」と「プリキュア・ファンタスティックピアチェーレ」の発動およびネガトーン撃破に繋げた。
- 一方、ハミィからはベルティエの造りを知っていることに疑問を持たれる。
- 戦闘後、一体誰なのか、自分達の仲間なんでしょ?と2人に言われるも「まだ仲間にはなれない」とつれない態度。しかし去り際に「待てー!セイレーン!」と、セイレーン=ミューズと踏んでいたバスドラに呼び掛けられる。しかしそれには応じず、疑惑を疑惑のままにして去っていった。
- なお、アコとしての登場は一切なし。
■第13話
- 戦闘中に現れエレン=セイレーンと対面。セイレーンとは別人であることが確定する。
■第14話
- ミューズの正体探しがまた主軸に。
- 海岸にて、ミューズを探していたハミィの元に黒ミューズが現れる。響と奏を呼び出し自ら喋るが、正体はミューズに化けたセイレーン。
- あわやプリキュア達がマイナーランドにというところで登場し、攻撃をかわして正体を看破。戦闘ではプリキュア2人の援護に入った。
- 響達が回想する形で、戦闘終了後のことが語られる。仲間に誘うメロディに「まだその時ではない」と返し、「その時が来たら、必ずあなた達の前に仮面を取って現れる」と言い放ち去っていった。
■第15話
- アコとして終盤に登場。ラッキースプーン店内にて奏太にカップケーキを勧められる。「珍しくもないけど」と言いつつカップケーキを口にし、少し笑顔を見せた。
■第16話
- 響から奏との交換ステイの話を聞き、交換して何が分かるのかと疑問がる。互いの内面等が色々分かったと答える響に、事情は聞いていたのか「じゃあ(奏と)仲直りできるじゃない」と発言。「大人って色々あるのよ」と弁解する響には「知ってる。でもあんた達、別に大人じゃないし」と相変わらずの毒舌。
- 黒ミューズとしては戦闘を静観。「ミューズに頼らず自分たちで乗り越えよう」と話したメロディの意を汲んでか、ドドリーの口を塞ぎプリキュア2人を見届ける。そして第12話の時とは異なり、2人は自力でベルティエをパワーアップ=クロスロッド化させることができた。
- ラストシーンでは、公会堂の屋上から微笑みを見せて去っていった。
■第18話
- 響と奏が音符集めをしているところに奏太と通りすがる。興味を持った奏太を制すも、お構いなしに向かっていった彼に困り顔。
- 2人に何を捕っているのかと聞く奏太に、「こんな公園には珍しい虫とかはいないわよ」と言った後、「何を捕っているのかは知らないけれど、ホント2人とも暇よね~」と奏太を連れていく形で退却。結果的に助かったとハミィには喜ばれたが、響と奏は「すっごく腹立たしい!」と怒りモードだった。
- なお、人間界の住人は音符を見ることができないが(響と奏はハミィの能力で一時的に見ることができた)、メイジャーランドやマイナーランドの住人は見ることができる。当然王女であるアコも音符を見れるため(第39話など)、事情を把握し響と奏に助け舟を出した可能性が高い。(もっとも、態度自体はいつも通りだったためわかりにくい伏線ではあるのだが…)
- 戦闘中、トリオ・ザ・マイナーがパイプオルガンの音色に呻き、彼らが落とした音符入りの瓶を黒ミューズ姿で現れ回収。メロディとリズムにネガトーンを倒す指示を仰ぐ。
- しかし戦闘後は瓶に入っていた音符を放し、メロディ達に渡さず逃がしてしまう。「わたしは誰の味方でもない」といつもの答えを返して退却。
■第19話
- セイレーンが、ネガトーンの力で響と奏を別々の異空間に閉じ込める。アリア学園の生徒達が不幸のメロディで苦しむ中、ネガトーンや一同がいた学園の体育館に参上。「わたしは誰の味方でもないが、何の罪もない人達を巻き込むのは見過ごせない」として、虹色の鍵盤で防音壁を作り応戦。
- しかし数発の戦いの後、ネガトーンに競り勝たれてしまう。しかしそれでも対抗し続け、「1人じゃ無理だし、あの2人も現れない。私の勝ちよ!」と言うセイレーンに返す。「あの2人がどうなるか、2人次第ドド。でも、真のプリキュアなら…」
- 脱出して変身した2人は、喧嘩しつつ息を合わせながら攻撃し、互いをわかっているから本音をぶつけ合う。「ただ、声が揃えばいいだけじゃないドド。喧嘩をしていても、離れた場所にいても、心が一つになれば変身できる。それがプリキュアドド」
■第20話
- 奏太との下校中、セイレーンの歌声に気づいて駆け出す。木の下にハミィといたセイレーンが気にかかったようだが、「ハミィの友達じゃないか」とさほど気にしなかった奏太に言われるまま立ち去る。
- しかし翌日、奏太と共に響と奏にそのことを伝え、2匹がいた場所を奏太に教えるよう促した。
- この時、アコとしてはセイレーンの素性を知っていてはまずいからか、「怖い目をしていたので気にかかった」というニュアンスで話している。場所を教えるよう促したのも、さりげなく2人をアシストしたと見るべきだろう。
■第21話
- 黒ミューズとして戦闘に立ち会い、セイレーンが変化したプリキュアを見つけてひき止める。
- 「ハミィなんてどうだっていい」という彼女にじゃあどうして助けたのかと質問するが、「わからないわよ、そんな事!」と言う彼女に「本当はわかってる」とメロディとリズムを指し示す。
「プリキュアはどんなに苦しい時でも、自分の気持ちから逃げたりしないドド。セイレーンはハミィを助けたいと心から願ったからプリキュアに変身した。ならば、その気持ちを信じて正義のプリキュアとして戦う運命なんだドド」
- 戦闘終了後、屋根からメロディ達を見ていたがおもむろに視線を移す。そこには逃げていったセイレーンの姿が……
■第22話
- 前回の翌日。奏太との下校中、公園の滑り台下で雨宿りしていたエレンに遭遇。
- 第6話で奏太にした所業を思い出し、罪悪感から逃げるように去っていくエレンを無言で傍観。
- 戦闘では影でエレンを静観していた。
■第24話
- 浜辺のサンドアート大会に奏太と参加。上半身がゴリラの人(?)魚を造った奏太に「人を笑わせる為に作ったんじゃないんだけど」と不満がる。(人魚に関してはアコの意見を聞いたとのことだが…)
- ゴリラにセンスがないと酷評し、怒った奏太に水鉄砲を乱射されるも至近距離で全発回避し続ける。
- この場面には音吉も居合わせており、「一緒にケンカして笑ったり、何でも言い合えるのは楽しいもの」と、響と奏との距離感に悩んでいたエレンに助言する。アコ曰く、「奏太のレベルに合わせてあげてるだけ」らしいが。そしてまた水鉄砲を全発回避。
- 戦闘に黒ミューズとして登場。倒れたビートに対し動こうとするも、すぐさま反撃を始めた彼女に驚く。
- 3人で連携するプリキュア達を見て、大丈夫と判断したらしく退却。助けには行かないのかとドドリーに聞かれるも、理由を示すかのように3人の方を少し振り向くだけだった。
■第25話
- アコとして、浴衣姿でワンシーンのみ登場。作り物のお化けにビビる奏太に「たかが作り物」と冷静な反応をする。
■第27話
- ハイキングの約束の時間が近づく中、奏太に誘われていたらしくアコとして南野家に現れる。
- 厨房では、完成したカップケーキに珍しく見惚れた様子を見せていた。
■第28話
- プリキュア達が拘束されネガトーンに握りつぶされそうな中、黒ミューズとして参戦。
- ネガトーンの攻撃を防ぎ、虹色の鍵盤で拘束を弱体化させ3人を解放、更にはネガトーンを球体状に拘束する。
- 戦闘後、音符を取られ弱ったフェアリートーン達の事情を説明、謎の声の正体に対してクレッシェンドトーンだとの見解を示す。
■第30話
- 下校中、テストの点数が酷かった響に「自業自得」と容赦ない毒舌。怒る響に余裕の笑みで去ろうとするも、足音がなぜかシンバルの音に。笑われたのでぐぬぬ顔をするも、ガニ股でシンバル音を鳴らしながら帰っていくという状況になる。
- この音楽騒動はヒーリングチェストの仕業なのだが、アコがそれを知っていたかは定かではない。ただクレッシェンドトーンを知っている以上、目星を付けていてもおかしくないかも。
■第31話
- ヒーリングチェストの力で初めて「プリキュア・スイートセッション・アンサンブル」が発動。ネガトーンの骨部分まで粉砕して浄化する威力であったが、今回もやはり黒ミューズとして傍観していた。
- 「あそこまでパワーがすごいと、もしかして…」とのドドリーの言葉に不安そうにうつむき、どうするかというドドリーの質問に応じず退却。ヒーリングチェストに対して懸念材料がある……?
■第32話
- 黒ミューズとして加音町の上空にいた。脳裏によぎるのは前回の戦闘の様子。拳を握る姿からドドリーには真意を問われるが、町を見るばかりで何も答えることはなかった。
- アコとしてフリーマーケットを奏太と共に回っていた。奏太は店番だったため帰らなくてはならなくなるが、帰るつもりだったと返す。響からはお下がりのTシャツをプレゼントとして勧められたが遠慮し、物憂げに1人退却。
- 後にフリーマーケット会場にて、女装したトリオ・ザ・マイナーが響達からチェストを強奪。彼らが転んだ隙に何者かがチェストを入れ替えて…
- そして次のシーン、シルエットで描かれた何者かがチェストを抱えている姿が映る。その一部始終を見ていた黒ミューズの姿が。
- 入れ替えられたチェストの中身はびっくり箱。…そして本物は黒ミューズの元にあったのだった。
- 先のシーンによって「ヒーリングチェストを偽物と入れ替えた何者か≠黒ミューズ」という視聴者へのミスリードを誘っていたが、実はこのシーンでは黒ミューズの手元は映っていなかったりする。変身したタイミングには謎が残るが、チェストを入れ替えたシーンでは素手だったため、「本物のチェストを抱えているシーン→黒ミューズの姿」の間に変身したと考えるのが妥当と思われる。
- ドドリーに返すよう促され、チェストを手に取ろうとするがチェストの中にいたクレッシェンドトーンに呼び掛けられる。「仮面を付けなくてはならないあなたの苦しい気持ちは分かります。ですが大丈夫。あなたが仮面を取る日はやがて、訪れるでしょう」との言葉に反応を示す。
- そして戦闘中、戦うメロディ達を見ていたが「メロディ達もミューズも、世界の幸せの為に必死で戦っている気持ちは同じ筈」と諭され、何かに気づかされたようだが目を逸らす。そしてドドリーの口からも、「最近のミューズはいつもと少し違う」と言われてしまった。
- クレッシェンドトーンからは、ミューズにとって最も大切な人達を守りたいという気持ちはわかるが、3人も幸せを願う人々を悲しみから守る為に必死で戦っており、戦う理由に変わりはないはず、あの3人とあなたの心はきっとひとつになれると諭された。
- 戦闘後、黒ミューズはチェストを手に取る。どうするのかというドドリーの問いには答えず噴水の方へと跳躍し……
- 終盤、「噴水に落ちてたから届けにきた」とチェストを携えるアコの姿が。響には感謝のあまり抱きつかれるが、アコ本人は戸惑い気味。奏太に見送られ今度こそ帰宅した。
- なお、クレッシェンドトーンはチェストを入れ替えた主をはぐらかしており、ミューズがチェストを奪ったことは響達に知られなかったことは付記しておく。
■第33話
- 「太陽マン」の格好をした奏太に呆れ顔。
- 今回の話は「夢を守る」がテーマなのだが、終盤に黒ミューズとして現れ「私にも守りたいものがある」と告げて去っていった。
■第34話
- 黒ミューズとして海辺で波を見つめており、一緒に歌うようドドリーに誘われるも歌う様子は見せず。そろそろ踏み出し、響達に協力を頼むよう勧められるがそれを振りきるようにどこかへ飛び去っていく。
- 下校中、奏太は竹馬に乗っていた。かなり上手くなっただろという奏太に「へっぴり腰」と久しぶりに毒のある言葉を浴びせるが、じゃあやってみろと奏太に言われた矢先樹から下りられない子猫を発見。助けようとして転倒してしまった奏太に代わり、高めに調節してから竹馬を難なく乗りこなす。その姿に奏太も驚き。
- 「大丈夫。怖くないよ」と初めて満面の笑みを見せて子猫を招き入れ、バランスを取る限界が近づく中子猫が飛び込んできて回収成功。感謝を示す子猫に笑顔を見せた。
- そこに響達が居合わせ、奏からは「優しいのね」と言われるが「別に…」と陰ながら赤面、奏太に竹馬を返却し下校。奏太に後を追われていく。
- 戦闘中に黒ミューズでメロディたちの助太刀に急行。しかし避けるばかりで積極的に戦おうとせず、「音楽の女神、ミューズなどと名乗っているようだが見掛け倒しのようだな。この腰抜けめ」とメフィストに嘲笑される。
- ネガトーンに突き飛ばされるが、それに怒ったメロディたちが「ミューズは何かを守るために頑張っている」「大切な物の為に頑張る優しい心の持ち主」と反論。メフィストとネガトーンにスイートセッション・アンサンブルを仕掛けるが……
- ミューズはメフィストを庇い、一同は困惑。クレッシェンドトーンが軌道を変えてミューズへのダメージは回避された。その様子はアフロディテもメイジャーランドから目撃していた。そして何かに勘づいたように、「キュアミューズ…あなた…まさか!」
- しかしこの隙にメフィストが音符を強奪、プリキュア側の音符が全てメフィスト側に渡ってしまう。メフィストの感謝に歯をくいしばり、彼の退却後やってしまったとばかりに俯くミューズ。メロディからは守りたいものがメフィストだったのかと問いただされるも、何かを言いたげに口を動かす。結局その場から逃走し、後をドドリーが追うのであった……
■第35話
- 前回の行動から、ドドリーにメフィストを守りたい気持ちは分かるが、このままでは他のプリキュアがミューズを敵だと思うと窘められる。正直に全てを話した方がいいと勧められるが…
- そしてアフロディテは人間界に向かおうとしていた。だがそこに音吉が現れる。「ミューズは、プリキュアとしての使命を忘れてしまっているのです。これ以上あの子を悩ませたくない」という彼女であったが、音吉はプリキュアを信じて待つように意見。
- 響達は響達で「事情があるのかもしれない」と考え出しており、クレッシェンドトーンにミューズの事情、ミューズがまたメフィストを庇ったらミューズとも戦うのかと質問する。クレッシェンドトーンは「プリキュア同士で戦うなんて絶対に嫌」という3人の考えを聞いた上で、プリキュアは何のために戦うのかもう一度よく考えるように進言する。
- そして調べの館では、ドドリーが音吉の元に訪れていた。音吉はドドリーに言う形で、陰で聞いている「彼女」に諭す。「誰にだって守りたい人はおるじゃろ? その人を守る為ならどんな犠牲も払う。たとえ、そのせいで一緒に戦うべき仲間を失ったとしても。じゃが、よーく考えんとな。本当に守るとはどういうことなのか」
- 残りの音符を集めるべく、メフィストが巨大ネガトーンを召喚。加音町全体が不幸のメロディに苦しまれる。このままじゃ世界は悲しみに包まれてしまう、これもミューズがメフィストを守ったからとドドリーからは責められる。これが望んでいたことかという問いには違うとばかりに明らかに動揺。
そしてドドリーもミューズに諭した。「音吉さんが言っていたドド、どうすればメフィストを本当に守ることができるのか。それを決めるのはミューズドド」
- 更にミューズは聞いた。メフィストは洗脳されていると踏んだメロディ達の言葉を。「プリキュアが何のために戦っているのか。私は全ての人の幸せを守る為だと思う。それは、メフィストが相手でも同じこと。メフィストを操る悪の心と戦うことがメフィストの幸せを守るという事なのよ」ミューズは瞳を潤ませ動揺。
- メロディたちのピンチに対し、「あ!」とミューズとして初めて声を挙げるミューズ。そしてメロディ達を庇う形でメフィストとの前に姿を現し…。
「もうやめて、パパ!」
- 外見に合わぬ幼い声。ミューズとしての第一声。メイジャーランドから見守るアフロディテ。ミューズがメフィストをパパと呼んだということは……。
- 曇天に陽が射した。仮面、マント、ブーツを取り、
ミューズは真の姿を現す。その姿を見て、メフィストは「アコ」と呟いた。つまりミューズ=アコ=メフィストの娘。それらが遂にメロディ達や視聴者に明かされたのであった。
「これ以上、パパに悪いことをしてほしくないの。お願い、優しかったあの頃のパパに戻って!
わたしはたとえ悪に操られているパパでも守りたかった。でも、皆が大切なことを教えてくれたの。
わたしがパパを守りたいと思うなら、パパを操る悪の心とも戦わなければならない。
たとえそれがどんな辛い戦いになっても乗り越えなければならない。それがパパを本当に守るということだから!」
- ミューズの想いは通じようとしていた。だがメフィストはアコを止めながら大きく苦しみ、上空へと消えていく……。謎を残したまま次回へ続く。
■第36話
- アコを励ましに調べの館に訪れた響達に、自らの素性を遂に明かす。メフィストは元々メイジャーランドの国王であること(ハミィが伝えていなかったことで響と奏は知らなかった)、母はアフロディテ、つまりは自分はメイジャーランドの姫君であること。
- 自分が姫であることを明かした瞬間、「今まで姫様とは気付かず、ご無礼お許しください!」とエレンに謝られる。メイジャーランドにいた頃のアコは、現在より幼くドレスを着ていて長髪で、眼鏡もかけていなかった。故にエレンは気づけなかった。アコ本人はエレンの態度を気にしておらず、むしろ気付かれないようにしていたと明言。そう、アコはメイジャーランドから逃げてきたから。
- ヒーリングチェストを奪還しに魔響の森に向かったメフィストは悪堕ちし、メイジャーランドを去ってマイナーランドを作り上げた。アフロディテはメイジャーランドに残りアコは母方の祖父の元に身を寄せたこと、そしてその祖父は音吉であること(音吉としては隠すつもりはなかったとのこと)。
- そして第1話の時系列にあたる幸福のメロディの演奏会にてメフィストが現れ、両親のいさかいを避けたい、自分がなんとかしなければという思いが切っ掛けでキュアモジューレが生成される。そこにドドリーが訪れ、気がつけばキュアミューズになっていた。
- 変身したはいいものの、アコは実父を敵にするのは辛かった。マイナーランドや黒幕に正体を知られたくなかったこともあり、仮面を被り、思いをドドリーに託して声を出さなかった。初めは戦う気はなかったが、メロディ達のピンチを黙って見ていられなかった。加えて、父が目を覚ましてくれるかもしれないという望みもあって……。
- しかしそのうち、このままじゃいけないと思い始めた。ベルティエやラブギターロッドと、どんどん強くなっていくプリキュア3人の力を恐れ、それがいずれはメフィストを傷つけてしまうと考えた。黒ミューズがヒーリングチェストを奪い、メフィストを庇った理由がここにある。だが、前回のメロディ=響の言葉に、「父の幸せを守る為」に戦わなきゃいけないと思い直したのであった。
- 身の上と来歴を明かし終わり、「今までよく頑張ったね」と響からは労われた。気持ちはメフィストに届いた筈、どんなに悪い力も家族の愛には絶対敵わない、との言葉に暫し驚くも笑顔を見せ、一度は顔を逸らしたが、笑顔が止まることはなかった。母も祖父も満足気。
- そんな中、洗脳されたメフィストが再襲来。ただやはり覚悟は定まっておらず、父と目が合った瞬間後退り。意を汲んだ響達は3人のみで戦いに挑む。
- 「娘など俺にはいない!」とのメフィストの言葉にショックを受ける。悪に染められ、家族を幻と否定する父の姿はアコにとって見ていられなかった。音吉に連れられ裏路地へ避難したが、メロディたちは一蹴され、さらに母アフロディテが降臨。メフィストを止めようとする母だが、両親の対決はアコが一番見たくない光景。何のためにプリキュアになったのか。2人を制し、両親の喧嘩なんて見たくないと宣言。
「わたし、戦う。パパを守るために。そして、わたしのために戦ってくれた仲間のために。だって、わたしはプリキュアだから」
- 変身して反撃、しかしメフィストとは戦いたくなかったのは間違いなく、彼の攻撃を避けてばかりで反撃せず防戦一方。ようやく反撃しようとしてもメフィストの顔を見ると攻撃できず寸止めに終わってしまう。
- やっぱり戦えないというミューズ。守るために戦うんだとメロディに言われても、「分かってるよ。パパは悪い力に操られてるんだって。でも、目の前にいるのはパパなの。パパの目を見たらわたし…どうしたらいいか分からないの。皆には解らないんだよ、わたしの気持ちなんて!」と自分の感情を爆発させるように叫ぶ。
- それに対しメロディ達は「自分はミューズじゃないから、ミューズの気持ちを全部解ってあげられない」と認めた上で、「ミューズの心をもっと知りたいから叫んでる」「これまで沢山してきた喧嘩は、相手を傷つけたいからじゃなくて相手の心を知りたいから」「相手の心が解らない場合は大きな声で叫ぶ」と説得。
- ミューズは決意した。父の心に叫ぶと。そしてミューズはメフィストに自分の思いの丈を叫びながら立ち向かう。
「パパ、目を覚まして! 家族の愛を思い出して!」
「悪の力に負けちゃダメよ!」
「パパ! わたし、パパが大好きだよ! わたしのパパに戻って!」
- 彼のみぞおちに思いを込めた拳を突き出し、メフィストは叫ぶ。そして彼の脳裏によぎったのは、思い出しかけていた記憶の続き。
- 木の裏に目をやると、木陰にいたのは愛娘。アコは見つかって驚くも嬉しそうに父のもとに駆けつけ、メフィストは娘を抱き上げる。アフロディテと音吉も、それを見て嬉しそうに笑っていた。そんな幸せな家族の記憶。メフィストは過去の記憶、メイジャーランド国王としての本来の姿を取り戻した。
- 驚くミューズだが、笑顔を見せる父に駆け寄り涙ながらに再会を果たす。かくしてミューズは自分の父を、家族の絆を取り戻すことができたのだった。
■第37話
- 調べの館にて、響達と共に音吉からノイズの存在及びパイプオルガンの目的を聞く。
- そこにメイジャーランドに戻っていたメフィストからの通信が繋がり、娘に呼ばれた瞬間父の脳内ではアコの背景に花柄付きという状態に。「可愛い我が娘アコ!パパはもう大丈夫だよ!」という父の親バカぶりに引き気味になりつつ、メイジャーランドにはいつ帰るのかと聞かれるが、ノイズから人間界を守るプリキュアの使命を優先し、メイジャーランドには戻らないことを父に伝える。
- 食い下がるも折れた父は響達にアコのことを頼み込むが、その時の言葉が「頼める義理でもないのだが、どうかお願いします。うちの可愛いアコを!」と親バカ全開な台詞であり、その後も「可愛いアコ」を連呼してきたため赤面して絶叫。「心配性なんだから」と表情を崩し恥ずかしがる。
- その後加音町のハロウィンパーティーの準備を成り行きで手伝うことになるが、なんだかんだ律儀にやっていた。「明日が楽しみだね、可愛いアコ」と響にからかわれるも、こんな事より音符集めの方が大事だと頑なな態度。
- しかしパーティー当日、奏によってお姫様に強制的に仮装(?)させられる。仮装を嫌がり、(エレンに姫様呼びをやめるよう言うやり取りを挟んで)パーティー参加を拒否するも結局のところ無理矢理参加。
- 姫様衣装を見た奏太は「いつもと全然違う」と驚き。「アコの可愛らしさに驚いちゃったのね」と奏に嫌味を言われたが、否定しつつも顔は赤い。その様にアコも恥ずかしくなり、別の方を見てくると言って一人で行動開始。これまでのアコでは見せてこなかった姿に、響からは「可愛い」、奏からは「生意気な妹ができた感じ」と評された。
- 乗り気でなかったアコだが、商店街のおばさんにキャンディを勧められ笑うようにとほだされて、自分より年下の子供達には悪魔風と骸骨風の仮装で絡まれ、姫に手出しはさせないと現れた王子服の少年に逃げようと手を引かれていく。心に余裕が出てきたのか、いつの間にか笑顔を見せていた。
- その後音符を見つけた直後にトリオ・ザ・マイナーと遭遇。人外じみた形態に変わっていたバスドラ・バリトンに「変な仮装」と突っ込むも、「仮装じゃねぇよ!!」と返答(バリトンに至ってはこの姿にガチ泣きしていたので、心中お察しするところである)。ファルセットがネガトーンを召喚、駆けつけた響達と共に初の4人同時変身。
- 単身切り込み「プリキュア・シャイニングサークル」を発動。しかし返り討ちに遇い失敗。メロディ達に強がって一人でも倒せると主張したが、メロディからはキャンディを口に入れられ「もう1人で頑張らなくていいんだよ。私達は4人いる。4人で一緒にみんなの笑顔を守ろう。そして一緒に笑おう!」と諭される。
- 答えの代わりに4人で「プリキュア・スイートセッションアンサンブル・クレッシェンド」を繰り出そうとするが、ファルセットが未完成ながら不幸のメロディを唄ったことでクレッシェンドトーンが姿を消し技が失敗する事態に。そこで、メロディ・リズム・ビートがパッショナートハーモニーでファルセットの足止めに入り、キメ技「プリキュア・スパークリングシャワー」でネガトーンを浄化。
- 単独でネガトーンを浄化したことを仲間に褒められ「別に大したことはない」と返すが、ドドリーによって「本当は、3人の力に助けてもらった、どうもありがとうって思ってるドド」と本心が明かされてしまい、恥ずかしさで彼との追いかけっこに。その様にメロディ達からは、「世話の焼ける妹だね~」と笑顔で言われるのだった。
■第38話
- 家族の思い出のオルゴールを聴きながら、自室にて音吉のバースデーカードを仕上げていた。
- ラッキースプーンにバースデーケーキの注文に向かい、誰宛かははぐらかすもドドリーによってバラされてしまう。自分達もお祝いに参加しようと意気込んだ響達が歌を歌おうという流れになるが、アコは「歌を歌うのなら遠慮する」と気乗りしない。しかしメイジャーランド時代のアコにそんな話はなかったという。
- 気持ちは分かるがああいう言い方はよくないとドドリーに諌められるも突っぱねるアコ。曲がり角を曲がったところで怪我を追った鳥に遭遇。
- 自宅で手当てをし、まだ傷が痛む様子の鳥にオルゴールを回して歌い出す。鳥は大人しくなり、「歌ってごらん、少しは気が紛れる」とアコは語りかける。ピーピー喚く鳥に下手っぴと笑うも、半ば自問自答するようにアコは語りかける。歌いたくなくてわざとそうしてるのか、それなら自分と同じかもしれないと。シンパシーを感じたのか、鳥に「ピーちゃん」と命名。
- バースデーパーティー当日、奏太に話題を出されるが行かないと拒否の姿勢。誕生日は家族で祝うもの、アコがいないと始まらないという奏太にも「響達が居るからいいでしょ。家族じゃないけど」と突っぱねる。(プリキュアのことがバレそうになりプリンが大好きと誤魔化されつつ)「わたし達とアコはもう家族みたいなものでしょ?」と響に言われ一緒に歌おうと誘われるが、やはり頑なに拒否。そのまま去って行くアコの背中に、「待ってるからね」響の言葉がかかるのだった。
- ベンチに横になりながら、アコはオルゴールを見ていた。脳裏によぎるのは先程の響の言葉。プリキュアの皆がどういう存在かアコはもう気付いてる筈、後はアコが一歩を踏み出すだけとドドリーに諭されるも、聞き入れないアコの元に奏太がやってくる。
- 先程の誤魔化しを受けてかプリンを差し出され、歌は歌わなくてもいいから音吉の元へ行こうと彼に誘われる。「わざわざ買ってきたの?」と嫌味にも聞こえる言葉を返すが、奏太にムッとされたため謝ってから礼を言った。
- 2人でプリンを食べながら、奏太からはなぜそんなに歌いたくないのかと聞かれる。歌は好きだと前に言っていたらしい。アコはそれを肯定しつつ、「でも、歌いたくないの。今はまだね」と返答。素性は伏せつつ、自分の家族が遠い国にいることを知っている筈と奏太に確認を取ってから、オルゴールを手に取りアコは話した。
- このオルゴールは、両親から貰ったプレゼントであり、これを聞けば両親の事を思い出せること。いつも一緒にいる気がすること。嘗てはいつも皆で歌っており、皆歌が大好きだったこと。それでも歌いたくないのは、思い出だけでは足りなくて、孤独を感じて、両親に会いたくなってしまうだろうから。でも、まだそれはできないから…。
- アコの考えは理解できたが、肯定も否定もできない奏太。素性こそ伏せたが素性や内心を打ち明けられているあたり、アコが奏太に心を開いていることがよくわかる。
- だがそこにファルセットが現れ、オルゴールに音符が取りついていたためオルゴールごとネガトーン化。アコはミューズに変身、アコを待っていた響達もネガトーンの知らせに驚き合流に向かう。
- 父への攻撃を乗り越えたからか、オルゴールに謝りを入れてからネガトーンに躊躇わず攻撃。そんな中ファルセットによって奏太が意識のないまま人質とされてしまい、手が出しにくくなってしまう。
- メフィストを取り返した今、戦う理由などもう無いだろう、人間界の事など関係ないだろうとファルセットに指摘されるも反論。「わたしが守りたいのはパパやママだけじゃない。この世界にも大事な人がいるから。大事な人が…できたから」心に浮かぶのは、響達の姿。ミューズ=アコももう気づいていた。「わたしを家族って言ってくれた、皆がいるから。だから、わたしはわたしの家族がいるこの世界を守りたい!守る!守ってみせる! そう決めたの!」
- そこにメロディ達が合流。ネガトーンをメロディ、バリトンをビートが引き受け、リズムとの連携で奏太の救出に向かう。弟を託したリズムに遠心力を使って投げられ、ビートソニックの矢を掴み推進、メロディとリズムがファルセットを妨害。ビートソニックが奏太を拘束していた五線譜を破り、奏太の救出に成功。お姫様だっこならぬお姫様がだっこする形で着地した。
- 奏太を安全な場所に置いたリズムは「女の子に抱っこされちゃってかっこ悪い子」と呆れるも、「そんな事ないよ。意外とかっこいいところだって…あるんだよ」と顔を赤らめながら返答。リズムも本心からではなかったため、弟を助けてくれたことをミューズに労った。
- 皆がいたから助けることができた。1人じゃどうにもならなくても、皆で力を合わせればきっとできない事はない、どんな時だって、1人1人が助け合い皆が皆で支えあう。それが家族。メロディ達の言葉に、ミューズの目には嬉し涙が滲むのだった。そして4人同時技で初の撃破に成功する。
- 戦闘後、状況を不審がる奏太をはぐらかし調べの館に向かおうとする。祝いの歌を歌うために。当然一同は驚き「本当に歌いたくないのなら無理に歌わなくてもいい」とも言われるが、そうではなかった。「わたし、今すっごく歌いたい。皆と一緒に歌いたいんだ!」
- そしてバースデーパーティー。音吉にカードを渡し、パーティーの様子に無邪気に笑い、歌の時間に響・奏・エレンと歌い出す。本当は普通に歌えるんじゃないかと奏太にぼやかれ、舌を出して笑った。アコは1人ではない。人間界にも『家族』がいる以上、歌わないと思う理由はないのだ。
■第39話
- フェアリートーン達の集めた音符が消えてしまったため、音吉に頼み込んでパイプオルガンで音符を集めてもらう。メイジャーランド王女であるため当然といえば当然だが、ここで音符が見れることが正式に判明。
- 小柄な体躯ゆえ高所の音符をエレンに取られてしまい、悔しかったのか膨れっ面で黒い厚底ブーツを装着。
- 「黒ミューズの時の?」とエレンにもツッコまれており、まさかの黒ミューズの背丈に対する公式からの解答である。そして同時に、竹馬が得意である理由も正式に判明したのであった…。
- そのまま両手を振り回し「むむむむむむむむ…」と負けじと音符を集めまくり、響にはその様を「結構負けず嫌いだよね」と評される。こういう部分は年相応と言うべきか。
- 戦闘ではファルセットが奪った音符を瓶ごと取り返し、中身を逃がしフェアリートーンに回収させる。-戦闘後ハイタッチを3人に促され、両手を見つめた後に応じる。3人に自ら溶け込めてきた。
■第40話
- 転校してきたばかりの頃。とある雨の日、小学校の昇降口は傘を持ってきた親や共に帰る親子で一杯だった。1人取り残される中、同じく1人だった奏太からは傘を差し出されるが、それを拒み走り去っていく。走るアコの目は涙で一杯だった。
- しかし曲がり角で音吉とぶつかる。遅れたことを謝る彼に遅いと正直に言うアコ。雨は止んだので傘の必要はなくなったが、アコは照れ臭そうに音吉は手を繋いで帰っていく。…そんな昔の頃の夢。
- そして今日もまた、雨の日で親達が子供達を迎えに来ていた。また待っていたアコは奏太に傘を差し出される。あの日のことを思い出した奏太に、少し笑って奏太はいつも傘を持っているんだねとからかう。曰く母親にいつも持たせられるとのこと。とにかくと傘を渡されるが、音吉を待つアコは断る。それなら一緒に待つというので勝手にすればとアコは言い、奏太も勝手にすることにした。
- そしておもむろに「ねぇ、奏太って…優しいんだね」と呟く。真に受けてうろたえる奏太に「本気にしてるし」と言ってずっこけさせ、おかしかったのかクスリと笑う。罪深い小学3年生である。
- 音吉はいつも自分のところに来て支えてくれた。授業参観にはやってきて、運動会の徒競走で転んだときは応援してくれた。両親と離れている寂しさに耐えかね1人で泣いていたときも、何も心配することはないと言ってくれた。アコが不安な時は傍にいる。寂しい思いをしていても、必ずやってくる。だからひとりぼっちじゃない。安心して待っていればいいという祖父の言葉に、アコは元気付けられたのだ。
- そして音吉はその約束をずっと守ってくれていた。だが迎えに来ないということは、何か理由があるのではと推測する奏太。ノイズの脅威かもしれないと勘づいたアコは、奏太を振り切り調べの館へ。傘も受け取らず走っていく。
- その頃音吉はアコを迎えに行こうとしていたが、ピーちゃんの力でパイプオルガンの柱が落下。あわやというところで駆けつけた響達に助けられ、紆余曲折の末結論に行き着く。ピーちゃんはノイズではないかと。
- 走ってきたアコは調べの館に到着。ピーちゃんがノイズであること、怪我も近づくための理由であったことを知らされる。アコは考えた。嘘をついてないかと聞くと返事をするピーちゃん。アコもピーちゃんのことを信じたい。だが……。「おじいちゃんは今まで、わたしに、絶対嘘をついたことがないの。だからわたし…わたし、おじいちゃんを信じる!」
- 祖父への強い信頼が勝り、ピーちゃんは逃走。トリオ・ザ・マイナーも現れ、ピーちゃん=ノイズと確定。今回の戦いではシャイニングサークルを成功させる。
- 戦闘後、奏太が調べの館に到着し、彼の発言からアコが音吉を心配して帰ってきたことが知られてしまう。面と向かっては肯定できないアコは、顔を赤らめて俯くのが精一杯だった。
- 音吉と2人きりの帰り道、久しぶりに手でも繋いで帰るかと提案されるが、3年生ゆえ恥ずかしさから遠慮気味。アコが初めて人間界に来た頃には何時も手を繋いで帰っていたとのこと。
- ここで「手がスースーする」と不自然に言い出した音吉に、照れながら手を伸ばし手を繋ぐ。祖父と孫は2人仲良く帰っていくのであった。
■第41話
- ツッコミ役として機能。響達にすっかり溶けこんだ様子。
- 奏太扮する太陽マンに、ちゃっかり決めポーズまで決めて付き合った。
■第42話
- キュアモジューレに宿るハートのト音記号が、伝説の楽譜を完成させる最後のピースだとアフロディテから伝えられる。楽譜の音符とすり替えた作戦を教えてくれなかった母(と祖父)に不満がったが、「敵を欺くには、まず味方からっていうでしょ」と笑顔で言われてしまう。
- 部活を堪能する響と奏が呑気で心配だと、エレン・ハミィ共々焼き芋を頬張る。だがマイナーランドの者はモジューレに触れないからとほだされてしまい、結局焼き芋を口にすることに。
- 落とし穴作戦を見破られ温泉を掘っていると言い訳したバスドラの想像内で、なぜか髭を付けた状態でバスドラとバリトンを表彰。なぜ彼女だけそんな役回りにさせられたのか……。
- その日の夜、音吉を捕らえ人質にしようと玄関からバスドラとバリトンが訪問。すぐさま作戦を見抜き呆れ顔。そんな中、野良猫がサンマを奪い、音吉共々2人に協力を仰ぐ。律儀に協力した2人に例を言い(しかも「いえいえ」「どういたしまして」と律儀に返すバスドラとバリトン)、そしてごく自然な流れで夕食へ向かう祖父と孫だった……。
- 西島和音と東山聖歌が洗脳され、騙されたことで4人揃ってモジューレを奪われてしまったが、いつの間にかモジューレを偽物とすり替えていた(ハミィも手伝ったらしい)。教えてくれなかった理由をエレンに聞かれると、母と同じ目つきで「敵を欺くには、まず味方から」。……あの母にしてこの娘あり。
■第43話
- 今回はマイナーランドが舞台となり、母が捕らわれ、父がバスドラ・バリトンを元に戻すため捨て身の特攻を仕掛けたりしたため一際感傷的だった。やはり家族の危機には耐えられないのである。
■第44話
- クリスマスコンサートに向けて響達が笑顔で振る舞う中沈んだ表情。父が昏睡状態に陥ったこと、変身できない中ノイズがいつ襲ってくるかもわからない状況でとても笑えないと打ち明ける。
- しかし、今はクリスマスコンサートを成功させ皆に幸せになってもらうこと、不幸のメロディを聞いてもいない中暗い顔をしていたらそれこそノイズの思う壺だと3人に諭される。「今、私達にできる事を頑張ろうと。一緒に前を向いて」響にそう説得され、感謝を述べるアコには笑顔が戻った。
■第45話
- メイジャーランドへ。母の安否を気遣い、互いに無事な状態で再会。
- ノイズが封印されたことへの恨みでメフィストを闇に落とし、マイナーランドを作り上げたと知ったことで怒りが爆発。両親の仲を引き裂いたこと、母の辛さを拳と共にぶつけていった。
- ノイズの力がパイプオルガンを凌駕していたことで音吉はノイズに捕らえられ、異空間へと引き摺りこまれる。祖父の手を間一髪で掴むも、「後は頼む」と手を放される。姿を消した祖父に、ミューズは涙を溢し祖父を呼ぶことしかできなかった……
- だが、目に涙を溜めながらも大切な人達のために立ち上がる。「これ以上、悲しみを増やしたくない!」
■第46話
- 尚もまだ戦えるノイズとの決戦に向かう際、母と娘として互いの無事を祈る。
- 戦闘ではだるま落としの要領で柱の一部分を蹴り飛ばし、ノイズにぶつけた。
- ノイズの攻撃を受けたことで両親も国民も石化。失意の涙を流すも、フェアリートーンの演奏する『キラキラ星』をきっかけに、音楽はなくならないと切り換える。
■第47話
- ノイズの正体を知ったことで、「ノイズを助けるために戦う」とプリキュア達は方針転換。応戦しながらノイズに語りかける。
「わたしもパパがいなくなって、辛かった。1人で迷って、悩んで。でも! 皆がいたからわたしは…ありのままの自分になれた!」
- 戦闘では個人技を両方発動。虹色の鍵盤も久しぶりに展開させた。
■第48話(最終話)
- ノイズを浄化した翌日。人々は石化したまま、ノイズと分離して響達に回収されたハミィも眠ったまま。
- ハミィの精神世界に入ったことでハミィが目覚め、幸福のメロディを歌うことになる。石化した母に暗い顔を見せるが奏が背中に触れ、奏の笑顔にアコも微笑む。言葉は交わさなかったが、思いは通じ合っている。
- 幸福のメロディの力で石化が解けた母に駆け寄り、涙と共に抱きついた。1人の少女として、母に泣きつくアコ。メフィストの元へも母と向かい、目覚めた父に抱きつく。元に戻った家族の姿だった。
- 加音町へと戻る前、メフィストが響に「もう暫くアコのことを宜しく頼む」とアコのことを改めて託していた。詳しい経緯は明かされていないが、プリキュアの使命が終わっても加音町に残ることを決めた模様。帰還後、元に戻った加音町にて奏太といつものような会話を交わした。
- 転生したピーちゃんも迎え入れ、プリキュア達は悲しみも受け入れた上で前へと進む。エピローグでは、奏太だけでなく複数の同級生と共に登校するアコの姿があった。奏太以外にも、加音町の友人を作ることができたのだろう。
特別出演
■ハピネスチャージプリキュア!第33話
- プリキュア10周年おめでとうメッセージにおいてキュアミューズとして登場。スイプリメンバーのトリを務める。
■HUGっと!プリキュア第37話
- 後半での戦いでキュアフォーチュン・キュアトゥインクル・キュアエトワールと共闘する。このお話でキュアエトワールを含むキュアフェリーチェからキュアアムールまでの12人の後輩プリキュアと初共演し、亜久里と愛崎えみる(キュアマシェリ)との小学生プリキュア3人が勢揃いした。
映画
- 奏の家に入り込もうとして警察沙汰になった父メフィストを睨みつける。
- その後奇妙なハウリング音がして楽器の音が鳴らなくなった上、メイジャーランドと連絡がつかなくなったことでメイジャーランドに帰ることに。
■NS1
- 冒頭のフュージョンの戦いではメロディたち仲間や先輩プリキュアとともにフュージョンを倒す。
- フーちゃんに苦戦するキュアハッピー達スマイルプリキュアの助太刀に入る。その時自分たちにあいさつしてきたキュアピースに「挨拶は後!」と言い放つ。
- キュアリズム・キュアビートと共に魔女ソルシエールに囚われプリキュアの涙を得るための尋問を受けることに。特に人形劇で感動させるシーンでは泣きそうになっていた。
関連イラスト
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北条響 キュアメロディ 南野奏 キュアリズム 黒川エレン キュアビート