概要
こころの大樹を枯らせ、世界を砂漠にするのが目的の組織。
…なのだが、彼らの詳しい正体や砂漠化したい動機が何であるかは本編では語られなかった。
特に彼らがどこからやってきたのかはまるっきり謎のままであった。
本作はプリキュアシリーズでは珍しく「人間界とは異なる不思議な世界がある」という便利な設定を排除していたため、彼らの出自については宇宙人(異星人)説がよく語られる。
しかし、司令官のサバーク博士も三幹部も、その正体は地球に住むふつうの人間が洗脳されたものだったことが、宇宙人起源説をとったとしても、宇宙人はラスボスである砂漠の王デューンただ一人しかいないことになる。
その後発表された本編準拠の小説版では、実際にデューンのみが宇宙人であることや、彼が地球を砂漠化したい動機が明らかになる。詳しくは本人の項目を参照。
上北ふたごのコミカライズ版でも実際に宇宙人という設定になっているが、こちらは地球を狙う理由が若干異なっている。
砂漠の使徒の侵略が初めて確認されたのはおよそ400年くらい前で、そのときからプリキュアと砂漠の使徒との果てしない戦いが歴史の裏側で断続的に行われている。
いつの時代もプリキュアたちが最終的には勝利し砂漠の使徒を撃退しているが、何十年か立つとまた舞い戻ってくる。
普段は地球と月のそばにある三日月型の星にアジトを構えている。
構成員
上層部
デューン(声:緑川光) |
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砂漠の使徒の「砂漠の王」。キュアフラワーに敗れた経緯をもつ。最後は無限シルエットによって穏やかに浄化された。 |
サバーク博士(声:楠大典) |
砂漠の使徒の総帥。正体は月影ゆりの父・月影博士。第47話で人格を取り戻すが、最後はプリキュアを庇い爆散。 |
ダークプリキュア(声:高山みなみ) |
サバーク博士に仕える闇のプリキュア。月影ゆりの妹的な存在。第48話でキュアムーンライトに浄化され、穏やかに消滅。 |
大幹部
デューンやサバーク博士に仕える3人の幹部で、前作から恒例となる三幹部的な存在。いずれも「こころの花」を枯らせた元人間で、サバーク博士に身体を改造されて砂漠の使徒となった。
第31話からサバーク博士に与えられた「ダークブレスレット」の力で能力が強化され、召喚するデザトリアンと融合するようになる。
3人共プリキュアに心を浄化された後は元の人間の姿に戻り、それぞれの道へと社会復帰を果たす。
サソリーナ(声:高乃麗) |
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マイペースな砂漠の使徒の大幹部。元保育士の人間。第40話でプリキュアに救済された。 |
クモジャキー(声:竹本英史) |
熱血漢な砂漠の使徒の大幹部。元格闘家の人間(名は熊本)。第46話でキュアマリンに救済された。 |
コブラージャ(声:野島裕史) |
ナルシストな砂漠の使徒の大幹部。元ファッションコーディネーターの人間。第46話でキュアサンシャインに救済された。 |
戦闘員
スナッキー(声:堀井茶渡、岩崎了) |
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砂漠の使徒の戦闘員たち。プリキュアとの戦闘や雑用が任務。いずれも砂を布で覆った身体で構成されている。 |
ボスナッキー(声:不明) |
砂漠の使徒の上級戦闘員で、スナッキーたちを統率する隊長。本編では2体登場する。 |
怪物
デザトリアン(声:金田朋子) |
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砂漠の使徒が使役する怪物。人間の枯れた「こころの花」を素に、物体・生物に融合させることで誕生する。中盤以降「ダークブレスレット」による強化個体が登場。 |
デザートデビル(声:星野貴紀) |
デューンが使役する非常に強力な怪物。惑星1つを砂漠化させる強大な戦闘能力をもつ。「砂漠の種」から生まれる存在。 |
元構成員
侵略方法
本作の世界観での地球は「こころの大樹」というものが存在しており、それは地球という惑星の生命力とつながっている。
砂漠の使徒はこころの大樹を枯らすことで、地球の生命力を枯渇させて砂漠化させようとたくらんでいる。
第1話冒頭でこころの大樹は悪の戦士ダークプリキュアの襲撃によって大ダメージを受けるが、大樹は自らの意志で地球のどこかに転移してしまい、行方がわからなくなってしまった。
そのため、砂漠の使徒はこころの大樹を枯らすために人間たちを利用しようとしている。
すべての人間の心の中には「こころの花」なるものが存在しており、それはこころの大樹と精神的につながっている。
こころの花はその人間が落ち込んだりしたときに弱ってしまうが、普通は枯れるようなことはない。
もしも一本でも枯れてしまうようなことが起これば、大樹は自らの身体の一部を引き抜かれたようなことになり、そのたびに大きなダメージを受けてしまう。
そして砂漠の使徒は、心がしょんぼりしている人間のこころの花を物理的に取り出し、それを「デザトリアン」という怪物の姿に変えることができる。
デザトリアンは自身がもつコンプレックスを制御できなくなり、悲しみに吠えながら暴れまわる。その行為はデザトリアンの素材となったこころの花をさらに弱らせ、最後には枯れ果ててしまう。
つまり、砂漠の使徒が行う基本的な悪事とは、「心が弱っている人間を怪物に変えて暴れさせ、苦しめること」である。
砂漠の使徒の大幹部
主に作戦を実行する隊長的な存在。デザトリアンを生み出せる。
三幹部の名前の由来は砂漠に住む生き物をモチーフにしている。
その正体は人間のこころの花をベースに創られた存在で、デザトリアンの一種であると言える。
そのため各幹部の本体である眠りについている人間が必ずどこかに存在する。
お互いをライバル視しているが三幹部同士の絆は強い。
一方でサバーク博士やデューンに対する忠誠心などは薄いようで、こころの大樹を弱らせるという仕事を真面目にこなそうとしていない。むしろ、人間界の文化や行事を積極的に楽しんでいたり、かなりマイペースな動き方をしていた。
デザトリアンを暴れさせてこころの大樹を弱らせようとするのだが、劇中での破壊活動に計画性はほとんどなく、デザトリアンに選ぶ人間の人選も殆どが偶然見つけた気落ちした人間である。
結局毎回プリキュアに邪魔されて作戦に一度も成功していない。
本作ではプリキュアにデザトリアンが浄化されるたびに逆にこころの大樹が元気になるという世界法則があったため、第一話でダークプリキュアが頑張ってダメージを与えたこころの大樹を復活させてしまう原因を作っている。
デューン帰還まで三幹部が遊んでいた方が使徒は勝ってたんじゃないかと言われることも…
余談
モチーフ
「砂漠→佐幕→新選組」という発想からか、博士と三幹部の衣装には共通して、ダンダラ模様があしらわれている。
敵が全員改心する路線の先駆け
梅澤時代のTV本編の敵はスイートプリキュアを除けば首領と側近のみ倒され三幹部は全員生存改心の方針だった。しかし、小説版の記述を見る限り、デューン、サバーク博士、ダークプリキュアの上層部組は三幹部や劇場版の敵同様に改心していた。只、上層部組のみ死亡だった為、スイートプリキュアのマイナーランドやハピネスチャージプリキュア!の幻影帝国の様にTV本編に限れば全員生存改心にまでは至らなかった。(但し、劇場版に登場する両組織の敵幹部は死亡している。)
しかし8年後のHUGっと!プリキュアでクライアス社の敵幹部が本編及び本編以外も含めて全員生存改心した事で、ようやく本当の意味での全員改心が成し遂げられる事になった。
只、一つ言えるのは2010年代に入ってからのプリキュアで幾度か見られる様になった敵が全員改心する路線の先駆けになった敵組織でもある。
関連タグ
ラビリンス:前作の敵組織。砂漠の使徒と同じく(分野は異なるが)科学技術を活用している。
幻影帝国:四作後の敵組織。砂漠の使徒と様々な共通点がある。当初は地球人のみの組織と思われていたが、終盤になって地球外の存在が黒幕だと明かされた。