CV:野田圭一
説明
愛崎コンツェルンの総帥にして愛崎一族の厳格な家長。愛崎正人・えみる/キュアマシェリ兄妹の祖父。
初登場時は名前の読みが不明であったため「ばくはつ」とする説もあったが、息子(愛崎兄妹の父)の名前が「俳呑」(はいどん)であること、また髪型からの連想で「ばっは」説も当初から浮上していた。書籍等によって、正式に「ばっは」だと判明している。
愛崎コンツェルンの権威を振りかざして周囲を威圧する一方で、インターネットに疎く、ジェンダー至上主義を初めとする古い価値観の持ち主で、家族にもそれを押し付けていた(特に物語当初の正人は彼の影響を大きく受けており、祖父に期待されて育ってきたという裏設定がある)。
またビシンからはクライアス社との業務提携を打診されていたが、何かを悟っていたのか毅然とした態度で拒絶している。
えみるがキュアマシェリに覚醒する以前から提携先としてマークされていた可能性が高く、古風な考えとえみる達がいなければ社会的な信用が失墜していただろう。会社がほとんど、ペテンまがいだっただけに…。
孫娘のえみるを溺愛しているが、それは一人の人間としてでなく愛玩人形を愛でる感覚に極めて近い。
えみるのことを「自分のいうことをなんでも聞く素直で従順な可愛い子」として気に入っており、「えみるはずっと愛崎家の中で暮らしていけばいい」と悪びれもなく言い放っている。しかもそれらは全て本心からえみるのためを思ってのことであり、彼の中では善意として認識されている。その様子はかつての正人以上に歪んだもので、それを目にしたはなは不快感のあまり怒りの言葉もすぐには出せなかったくらいである。
えみるがエレキギターに興味を持ち友を見つけロックバンドグループ「ツインラブ」として音楽の世界に飛び込んでいたことをビシンから知らされた時は当然それを許せず、強制的に2人を引き離そうとし自分の価値観に染め上げようとした。
だが、自分の言う事を守っていたはずの正人からの思いがけない反撃にショックを受け、一旦引き返す。
そして帰途の自家用リムジン内にて「皆、どんどん私の下から去っていく…」と嘆いていた。(彼が善意で行動を起こしていることが端的にわかる台詞である)
その時に放出したトゲパワワに(お抱え運転手に変装していた)ビシンが目をつけ、猛オシマイダーのベースとされてしまうが、最終的にはプリキュア達に救出されている。
救出後、正人からえみるがライブに出ていることを告げられるが、差し出されたスマートフォン内のライブ動画には目を向けず「勝手にしろ」と吐き捨てる。
正人から諭されたことでえみるの活動を無理に止めることは諦めたようだが、やはり「都合の良い愛玩人形」でなくなったえみるを素直に愛し受け入れることはできないようだ。
そんな彼の様子を見て、正人はいつか祖父が個人の価値観を尊重し理解してくれることを心の中で望むのだった。
エピローグの2030年では、若宮アンリ振り付けのアイスショーに正人、俳呑、都と共に感銘を受けており、少なくとも娯楽を受け入れることはできたようである。
中の人について
演じた野田圭一氏はプリキュアシリーズ初出演。
東映アニメーション作品では『一休さん』の蜷川新右ヱ門役を筆頭に、それ以外ではSF要素の強い作品に多数出演しているベテラン声優で、本作ではネット(というより娯楽)に疎い老人というヒーロー・サポーター・科学者役を多く演じていた昔のイメージとギャップがある脇役を演じている(本放送時の実年齢に近い役ながらも随所に往年の声も聴け、脅迫まがいの提携交渉やリムジンの描写には映画&TVの東映刑事アクションと東映スパイ活劇を基調にしている東映児童路線の雰囲気を出していた)。
プリキュアシリーズにはベテラン声優達が善悪・レギュラー&ゲストを問わずに出演する事が多いが、今回はえみるの心情話と豪華ゲスト話が合体したレジェンド・ストーリーとなった。
関連タグ
ガンツ先生:東映の特撮ドラマ「がんばれロボコン」に登場するキャラ。巨大組織の元締めでCV担当が一緒である。