北斗百裂拳
ほくとひゃくれつけん
『北斗の拳』の主人公・ケンシロウが第一話にてZ-666(ジード)を倒す際に使用した必殺技。
北斗神拳の奥義の一つで、文字通り数多の拳を以って、相手の肉体の数ある経絡秘孔を狙い無数の突きを繰り出す。拳の速さは3秒間に50発。(初期の段階であり実際はもっと多い可能性もある)。
あくまで秘孔を突くことが目的なので、喰らった相手によってはパンチの衝撃で宙に浮かされてしまうことがあるが、それにもかかわらず拳撃による痛みをほとんど感じない場合も多い。だが、数秒後には無数の秘孔の作用により全身から血を噴き出して肉体は崩壊し、無数の断片と化す(そのため技名の“百裂”は「相手の肉体が崩壊する様子」を表したものという考え方もできる)。
原作でケンシロウがこの技の名前を宣言したのは第1話でジードに使用した一度だけであるが、それ以降もジャギ、ウイグル獄長、ラオウなどといった強敵と相対する度にケンシロウはこの技と酷似したモーション(「あたたたた…」と怪鳥音を叫びながらのラッシュ)を行なっていたため、いつの間にか彼の代名詞とも呼べる技として定着している。
また、ケンシロウ以外の北斗神拳の使い手たち(ジャギ、トキ、ラオウ)もこれとよく似た拳撃のラッシュの技を使用するが、「北斗羅漢撃」や「北斗羅裂拳」などとしてケンシロウの百裂拳とは別物とされている。
TVアニメ版では第1話、第5話、第8話と数回この技の名前を宣言している。当初は相手の体の秘孔を指先で突くのみという北斗神拳の特色を表した技だったが、後にはほとんど拳の連打になっている。
派生技として、北斗四兄弟の次兄・トキは長兄・ラオウとの死闘の際に、空中から無数の拳を浴びせる「天翔百裂拳」を使用している。
また『蒼天の拳』においてもケンシロウの先々代伝承者・霞拳志郎が北斗百裂拳を使用しているが、こちらは後半アニメ版同様、手の形がすべて握りしめた拳になっている。
ウルトラマンのスペシウム光線、悟空のかめはめ波、ジャイアント馬場の16文キックに値するケンシロウの代名詞とでも言うべき奥義であり、ゲームや外伝アニメなどでも100%に近い確率で登場している。
AC格闘ゲームにおいては、天破活殺や無想転生を差し置いてケンシロウの一撃必殺技に起用されている。最初の蹴りが命中後、服を破り捨て、文字通り100ヒットコンボを繰り出すロマン技。途中から拳撃が蹴りにシフトしているが「百裂拳」はあくまで技名である(どうみても飛び蹴りな南斗獄屠拳と同じ理論と考えれば良い)。
『北斗無双』においては、ケンシロウが最初から覚えている無双奥義となっている。また、ストーリーモードにおけるボスキャラのトドメの演出にたびたび使用されていた。なお、『真・北斗無双』にて、過去にケンシロウがジャギに、北斗八悶九断を放つ前に放ったパンチの連打も北斗百裂拳とされている。