「ふっ・・ぐふふ・・今日はいつになく鬼達が哭きよるわ」
「不落のカサンドラ伝説は この俺の伝説でもあるのだあーーーっ!!」
「あ~~聞こえんな!!嫌がる奴の命を賭けるから面白いんだ フハハハ~~!!」
最上嗣生(リバイブ)
公式サイトでの解説
【流派】泰山流拳法
【技】泰山流千条鞭、熊胴断波、孟古覇極道など
ラオウに逆らった者を収監し、死封の監獄島と恐れられたカサンドラを治める獄長。囚人の命運をすべて握っており、処刑する囚人の数を引き抜いたひげの本数で決めてしまう無慈悲な人物である。また、泰山流の鞭術や蒙古覇極道など技も多彩。トキ救出のためカサンドラを訪れたケンシロウと対決した時は、6本の指で蒙古覇極道を受け止められるそのうえ北斗百裂拳により無数の秘孔を突かれ、自ら掘らせた墓穴に無理やりねじ込まれて絶命した。
概要
ウイグルとは、拳王ことラオウの配下で、大監獄・『カサンドラ』の獄長。カサンドラにはトキが幽閉されており、トキとケンシロウの再会というラオウが最も避けるべき事態の阻止を担う。
カサンドラは、ラオウが目指す力による乱世の平定を顕現すべく、凶悪犯や拳王に与しないものを多く収容した監獄だが、元々はラオウがあらゆる拳法を奪う為に拳法家達を投獄した施設であった。ウイグルはこのカサンドラを恐怖で支配、誰一人として生きて帰ることが出来ず、『不落のカサンドラ伝説』ともいわれた。ウイグルはカサンドラ伝説を自身の伝説でもあると自負しており、挑戦者との対戦時には墓穴さえ用意し、抜いた髭の本数に合わせて囚人の命を懸けさせ、累々と並んだ墓標を伝説の記念碑とした。また、凶悪犯が哭いて出獄を乞うことからカサンドラは別名『鬼の哭く街』と呼ばれていた。
恐ろしく巨体で体重は300㎏(旧テレビアニメ版ではさらに増え500㎏)もある。本人曰く蒙古の子孫とのこと。(但しウイグルはトルコ語系民族の名前でモンゴルとは別の民族である)
ケンシロウとの決戦では二本の鞭を使った『泰山流双条鞭(たいざんりゅうそうじょうべん)』や、自称・蒙古の覇道を支えた最大の武器『蒙古覇極道(もうこはきょくどう)』で一度はケンシロウを戦闘不能に陥れさせた。
しかし、復活したケンシロウに北斗神拳奥義、『北斗鋼裂把(ほくとごうれつは)』によって肩を破壊された挙げ句『北斗百裂拳』を見舞われ、自分が掘らせた墓穴に放り込まれてしまう。その後、秘孔の効果により身体を折りたたまれて墓穴に押し込められ血飛沫を上げて敗北(旧テレビアニメ版では「たぁ、わぁ、ばぁ!!」と断末魔をあげた)。
しかし完全には死んでおらず、墓穴から再び立ち上がるとトキとケンシロウを会わせてはならぬと部下達に伝え(アニメ版ではこの最期の言葉がカサンドラが荒野に還る伝説を伝えるものに変更されている)、「をろあっ!」と断末魔の叫びをあげて真っ二つになって今度こそ絶命した。
この最期の描写から察するに、他の悪党とは違いラオウへの忠誠は本物のようだ。
また、倒された直後には看守達が敵討ちを図ろうとする場面もあり、配下の看守達からの信望は厚かった様子。これは部下が使い捨てにされる牙一族、逆に親玉のユダが倒された途端部下が恐れをなして逃げだしたり、死の恐怖で命乞いをしたりする事が多い世紀末世界では「非常に稀な光景である」。
旧テレビアニメ版ではカサンドラに収監された拳法家から家族を人質に取り極意書を奪い取る役を担い、抵抗した拳法家を副官の『ターゲル(CV:屋良有作)』に始末させていた。
派生作品
劇場版
まだリュウガ等が出てこなかった時代の話だったため、ラオウの側近として登場。巨大なバギーに乗り拳王軍の兵士を指揮していた。また、カサンドラは監獄というよりは、拳王軍の治める首都のようになっている。牙大王がラオウと一対一の勝負を挑んできた際にはその無礼を咎め、自らが代わりに戦おうとしたがラオウに制止されている。
その後、カサンドラの処刑場にてレイと戦うが、原作では「早すぎて見切れない」とされた自慢の鞭をあっさりに見切られ瞬殺されてしまった。しかし、それを見たラオウにレイの奥義が見切られることになった。
天の覇王 北斗の拳ラオウ外伝
彼が獄長となった経緯が描かれていて、元々は前獄長であったギオンが配下として迎え入れたが、「カス同士の潰し合いへの加勢などつまらん」と憤激し敵味方構わず皆殺しにしてしまった為、反逆者として捕えられカサンドラに幽閉されるが、絞首・ギロチン・毒・火あぶりなどあらゆる処刑法が全く効かず、複数の鎖でつながれても動きを封じるどころか逆に鞭のように振り回し、抑えていた看守をバラバラに引き裂くなど大暴れしていた所で、ギオンから報告を受けたラオウと対峙する。
ウイグルが「乱世に自分の伝説を築く事」を望んでいると知ったラオウは彼を気に入り、ギオンを差し置いて彼を新たな獄長に任命する。
そして直接拳を交えこそしなかったがラオウの強さに敬服したウイグルは、就任と同時に拳王を思わせる兜の制作を命令するのだった。
DD北斗の拳
ウイグル獄長自身は登場しないが、ウグイスと極楽鳥のハーフ(!?)である「ウイグル極鳥」が登場する。
北斗が如く
仲間の治療を頼む為にトキのもとを訪れたケンシロウと対峙する。その際に役に立たない部下を高所から飛び降りて踏みつけミンチにするという残虐性を見せる。
鞭は使用せず巨体を生かした打撃を主体として襲いかかり、地面に埋まっている岩を引き抜いて投げつける攻撃も行う。蒙古覇極道も健在で、とあるシーンではコマンド入力に失敗するとこの技でトゲ付きの壁に潰されて即死してしまう。
最期は墓に入れられずその場で「いべぼぉぅ~!!」と断末魔をあげて絶命。原作とは異なり部下達も恐れをなして逃げ出した。
拳法・流派
泰山流拳法の使い手で、鞭術の達人。
鞭を用いた中距離戦から搦め手、見た目通りの巨体と怪力を活かした肉弾戦も得意とし、ゴリ押しが得意そうな見た目に見合わず、意外にも幅広い攻撃手段を持ち合わせている。
『泰山流双条鞭(たいざんりゅう そうじょうべん)』
二本の鞭を使った、ウイグルのスタンダードな戦法。器用に相手の身体に鞭を巻き付けそのまま相手をバラバラに寸断する奥義『熊胴断波 (ゆうどうだんは)』や、磔の囚人めがけて飛んできた鷲の嘴を切り落としたりと、鞭をまるで刃物のように扱ってみせる。その速度たるや雷光の如く、レイをして「人間の眼では見切れない」と言わしめた。が、ケンシロウには結びつけられてしまった。
また、上述の通り『ラオウ外伝』では自らを拘束していた鎖を引き千切り、相手を切り裂く鞭として利用するなど、拳王軍参加以前から既に武術家としての一面を見せている。
『泰山流千条鞭(たいざんりゅう せんじょうべん)』
双条鞭の強化版と目される技。兜の二本角に仕込まれた無数の鞭を使い、ケンシロウの動きを止めた。旧劇場版では鞭をそのまま地面に叩きつけ亀裂を走らせ、恐ろしい破壊力を見せつけた。
『蒙古覇極道(もうこはきょくどう)』
ウイグルの巨体と鋼鉄より硬い肩から放たれるショルダータックルは恐ろしい威力を発揮し、ケンシロウでさえモロに食らったら一時的に戦闘不能にし、覚醒後も傷が残っていたほど。
その他
兜のモヒカン部分には刃が仕込まれており、それを利用した頭突きなどをしてみせたが、ケンシロウには通じなかった。
余談
作画担当の原哲夫氏の憧れの画家であるフランク・フラゼッタの描いた闘士の絵がモデルとなっており、そういった経緯もあって原氏は一番お気に入りの悪役としてウイグルを挙げている。