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もしかして:牙大王(五星戦隊ダイレンジャー)

CV:渡部猛旧テレビアニメ版86年度劇場版、PSゲーム)

   福原耕平北斗無双

   坂本頼光DD北斗の拳

公式サイトでの解説

【流派】華山角抵戯

【技】華山鋼鎧呼法

 マミヤの村を襲撃した牙一族の族長。マミヤとレイの妹アイリを人質に取り、ケンシロウとレイを脅迫する。しかし、最後はケンシロウたちに反撃されて一族を壊滅させられ、ケンシロウの岩山両斬波を受けて絶命した。

概要

 北斗の拳』に登場する野盗牙一族の族長。

 豊富な水のあるマミヤの村を狙い、「息子」と称している部下たちをけしかけて略奪の機会を窺っていたが、実弟コウを殺され、人知れず涙する彼女の姿に感化されたケンシロウレイの二人と対峙することになる。

 『華山角抵戯(かざんかくていぎ)』という中国拳法の使い手であり、瞬時に体の筋肉を鋼鉄並の強度にする奥義『華山鋼鎧呼法(かざんこうがいこほう)』を得意としている。ケンシロウが振りかざしてきた鉄骨も、なんの防御を構えるでもなくそのまま受けて、硬度だけで鉄骨をまるで飴細工の如くグニャリと曲げてみせた。 素の状態でも常人離れした硬度を持ち、マミヤの使う刃付きのヨーヨーも頭だけで払い除け、懐に飛び込んで突き立てた峨嵋刺も、皮膚一枚より下には届かずへし曲げてしまっている。

人物

 大中小様々な体格の者がいる一族の中でも一際巨大な大男。

蹄鉄型の口ひげに太い顎の非常に厳しい風貌をしており、頭頂部まで禿げ上がった額から顎にかけて、正中線に走る生々しい傷跡がある。衣装も他の一族の者に準じた茶色い毛皮を羽織っており、頭には後面に羽飾りがあしらわれた鉢金を着用している。

 一人称は「わし」。一族の者達から「おやじ」と呼ばれ慕われており、彼自身も一族の者を「可愛い息子達」と呼ぶなど結束力が強い。レイたちにより息子達が殺された際には涙を流しながら咆哮し、あの世に旅立った彼らのために、捕らえた人質を殉死者として処刑している。それでも怒りは収まらず、レイたちに必ず復讐しようと執念を燃やすなど、異常なまでの同族意識の強さを顕にしている。

 一方で、その野生児めいた外見に反し中々の策士であり、レイたちに怒りを向けつつも、息子達の惨状から直接戦えば分が悪いことも把握し、同じく同胞を失う苦しみを味わわせようと彼らの経歴を探り、肉親を人質にとる計画を企てている。

 ・・・とはいえ、結局の所は彼もまた小悪党であり、ケンシロウたちの一芝居に騙されて人質を取り返され、奥義を駆使しても彼には敵わないと悟ると、あれほど大事にしていた息子達に自身を守るように命令して逃げ出そうとしていた。

作中での動向

 荒野の岩山を根城として徒党を組み、近隣の集落から労働用の奴隷を攫うなど略奪や殺戮を繰り返してきた。豊富な水のあるマミヤの村を狙う一族は、詳しい経緯は不明だが、南斗水鳥拳の使い手レイを雇った上で、同じく、自身らを倒す用心棒を募っていたマミヤの村にスパイとして送り込み、内外から村を攻撃しようと目論んだ。

 しかし、村の長老が用心棒として連れてきたケンシロウと、マミヤに興味を持ち土壇場で裏切ったレイの圧倒的な強さにより作戦は失敗。なんとか生き残った一族の者はマミヤの弟コウを人質にとり、村人たちの前で処刑して宣戦布告する。

 戦士として村人たちを鼓舞しつつも、唯一の肉親を失い涙するマミヤの姿に感化されたレイは、その晩、一人で一族の根城に現れて報復する。丁度出払ってその場にいなかった大王とその息子達は、同胞たちの惨状に号泣。捕らえてきた人質たちを殉死者として処刑する。

 それでも腹の虫が収まらない大王は、憤怒の形相で彼らへの復讐を決意。しかし、北斗南斗の拳士を同時に敵に回しては到底自身らに勝ち目はないため、二人の身内を探し出して人質とすることを思いつく。一族の情報網を駆使し、レイの妹・アイリの存在を知り、現在彼女を従者として使っている男(野盗団のボスで元デスバトルのチャンプ。旧テレビアニメ版での名はプラハでCVは屋良有作)のアジトを襲撃。その強靭な肉体と統率力で瞬く間にアジトを落とし目当てのアイリを誘拐する。

 ケンシロウ・レイ・マミヤの三人が、改めて牙一族の根城にやってくると、大王たちは彼らの前にアイリの姿を見せつけ、長い間、妹を探し求めていたレイは激しく動揺する。レイを無力化し、続けて彼女を助けようと自らの懐に飛び込んできたマミヤをも人質にとる事に成功。二人の身柄を条件に、ケンシロウとレイを戦わせて同士討ちさせようと画策した。

 両者が『南斗虎破龍』『北斗龍撃虎』で相討ちとなり倒れたことを確認した大王は、息子達にトドメを刺させようとけしかけ、その後、用済みとなった人質二人も処刑しようとするが、機転により一時的に仮死状態となっていただけのケンシロウたちが復活し、形勢は逆転。

 人質を奪還されてしまって進退窮まり、ついに自ら戦う事を決意。

 『華山鋼鎧呼法』でケンシロウの鉄柱攻撃を防いで得意げに自らの鋼鉄化した肉体を誇ったが、経絡秘孔の一つ“大胸筋”(アニメでは“大胸”)を突かれて筋肉をブヨブヨの脂肪に変えられてしまい、鉄柱で叩きのめされてしまった。心配して駆け寄った息子達を盾にして「行け わしを逃がすための時間稼ぎせい お前ら わしのためなら何でもやると言っとるだろうが」、「バカもん! わしが生きとれば貴様たちの替わりはなんぼでも作れるんじゃ」とのたまい、逃げる為の時間稼ぎをしようとしたが、当然のごとく見捨てられてしまった(逃げた息子達はレイによって全滅)。

 降参するふりをしてケンシロウを手榴弾で殺そうとしたが、既に秘孔の効果で肉体は硬直し始めており、爆弾を手放せず右腕を吹っ飛ばされてしまった。何故か痛みを感じないのでいぶかしんでいたところ、ケンシロウに既に肉体が死に始めている事、確実な死は五つ数え終わった後である事を告げられ、自暴自棄になって襲いかかったが北斗神拳奥義岩山両斬波(がんざんりょうざんは)』を喰らって自慢の石頭をかち割られてしまい絶命した。

主な技、奥義

『華山角抵戯(かざんかくていぎ)』

ケンシロウ曰く「相撲の源流のひとつ」であり、実際に中国の歴史では角力、角抵、角抵戯などと呼ばれる相撲の原型となった格闘技が存在する。

 しかし、牙大王が作中で披露した技はほとんど防御目的のものが多く、攻撃面で相撲らしき技を使った場面は殆ど見られなかった。その特徴は「身体の鋼鉄化」であり、岩盤を頭に叩きつけられようが、鋭い刃が仕込まれたヨーヨーだろうが様々な攻撃を無効化してしまう。

頭突き

 デスバトルのチャンプ(プラハ)戦で使用。地味だが牙大王の石頭から繰り出されるそれは無類の破壊力を誇り、1発目で事実上、相手を失神させ、2発目で額を潰して倒してしまった。ケンシロウ戦でも苦し紛れに放ったが岩山両斬破によって敗られ、トドメを刺される。

ベアハッグ

 相手を抱き上げて胴体を締め付ける技。マミヤ戦で使用。捕らえられながらも彼女は峨嵋刺で反撃してきたがその鋼鉄の身体には全く通用せず、さらに強力に締め上げて完全に無力化させた。

『華山鋼鎧呼法(かざんこうがいこほう)』

 自分の体を黒く変色させて鋼鉄の鎧と化す奥義。ケンシロウ戦で使用し、鉄骨を完全にひしゃげさせるほどに硬くなる。しかし経絡秘孔の一つ“大胸筋”を突かれて無効化され、ぶよぶよの脂肪となった肉体に再び鉄骨を叩きつけられてしまう。

派生作品

旧テレビアニメ版

 原作と同じく『岩山両斬波』で頭を割られた後「わぁ~、たぁ~、べぇ~!!」と言う断末魔の叫びを挙げ、溶岩に真っ逆さまに落下して絶命した。

86年度劇場版

 原作からストーリーが大幅に脚色された本作でも変わらず、牙一族の長として岩山を根城に生活している。また、原作よりも身長が増えており、10mはありそうな巨人となっている。

 本編では、自らの支配する国に侵攻してきた拳王軍と対峙。拡声器で総大将の拳王ことラオウに立ち去るように警告したが、ラオウは構わず副官のウイグルに攻撃開始を指示したため、大王もまた息子達と共に戦闘を開始する。統率された兵力で押される息子達に代わり、得意の『華山鋼鎧呼法』で肉体を硬化して前線に現れると、拳王軍の兵隊たちの攻撃を物ともせず、大剣や噛み付きで次々に殲滅していった。

 その剣で黒王号ごとラオウを斬り殺そうとするも逆にパンチ一発で剣を叩き折られた挙句、彼の怒りを買って秘孔大胸筋を突かれた上で北斗剛掌波で吹き飛ばされ、岩山を貫通した挙句に岸壁に叩きつけられる。なおも自らの肉体の頑強さを誇示しようとしたが、鋼鉄の肉体がひび割れていき、「う、うが~!!」と言う断末魔と共に絶命した。

 拳王軍の侵攻に際し「この国の中だけで面白おかしく暮らしたいだけ」と述べており、原作のように他の集落を襲って略奪や殺戮を繰り広げたり、自分が不利になると人質を取ったり息子を盾にしたりするような極悪人としては描かれていなかった。

北斗の拳7

 ストーリーモードのコンピューター専用キャラクターとして登場。

 崋山群狼拳と称し、息子達を投げつけてくる。

PS版『世紀末救世主伝説』

 ストーリーモードのコンピューター専用キャラクターとして登場。

 背後から攻撃しないとダメージを与えられない様になっており、3Dの操作に慣れないうちは手こずる事になる。

北斗無双シリーズ

 第一作目『北斗無双』から特殊NPC拳士として登場。

 外見は原作とほぼ同じだが、首には赤いネックレスを下げ、手には鉤爪付きの手甲を付けるなど、若干豪華にアレンジされており、目元もこころなしか睫毛の長い切れ長の美形となっている。

 モーションは汎用の大男タイプと共通。専売特許である華山鋼鎧呼法も他の汎用拳士が使用するなどの理不尽な現象も発生している。

スマートフォン専用アプリ『真・北斗無双モバイル』

 「牙親父」名義でプレイアブルキャラクターに昇格。

 原作では「相撲の源流」と呼ばれていたが、本作では奥義の多くがエルボードロップや頭突きで構成されており、どちらかといえばプロレスっぽい(先に参戦しているフドウに相撲のような技が多かったので、その差別化のためだろうか)。

 キャラの特性として、「防御力が高いほど攻撃力が上がる」という設定が為されており、彼を使用するときは、はじめに華山鋼鎧呼法を発動するのが上策だろう。因みに本作では、大男が肉体硬化を行わない代わりに無法者モヒカン)が華山鋼鎧呼法を使用することが可能(というか全拳士の奥義が使用できる設定)

 原作のストーリーをなぞった『伝説編』では従来通りの悪党として立ち回るが、本作オリジナルのIFストーリーが展開される『幻闘編』ジャギの章では、彼がアミバと共に立ち寄ったコビトの村に、ジードと連携して襲撃に現れる。ジャギたちに敗れてからは、彼のことを気に入ったらしく「息子にしてやる」と勝手に決めつけ、以降は息子達もジャギとアミバを「アニキ」(ついでにババァのことも「アネキ」)と呼び慕い、彼らの軍に参戦している。

余談

 牙大王と言う呼称は旧テレビアニメ版でつけられたものであり、単行本の目次では「牙一族族長」としか紹介されていない。公式ウェブサイトでは「牙族長」と表記。なお、アニメでも自ら牙大王と名乗ったり呼ばれたりしたことはない。

 モデルはプロジェクトAに登場した海賊の首領サン。

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