概要
世紀末覇者を名乗り、天下布武を推し進めるラオウの手足となり、他軍閥を滅ぼし天下統一を目指している。基本的に他の軍閥が現状維持をメインにしているのに対し、ラオウは「天を掴む」野望に燃えているので、軍閥内でも特に強大かつ過激な一派であり、サザンクロスや聖帝軍を超えるほどの勢力となっている。
首都は拳王府(初代劇場版では登場せずカサンドラとゴッチャになっている)。
作中では拳王を配下に側近であるリュウガ他の大幹部、その下にザクなどの将軍がおり、その下を「拳王●●隊」といった部隊が構成している…のだが、組織系統図などはムック本や公式ファンブックなどで描かれるたびに代わっており、設定はガバガバである。
なんにせよ、組織があまりに巨大すぎるのもあり、末端はラオウの事を無視して私利私欲に走っているただの烏合の衆となっていることもある。ラオウ自身気が長いとは言えないため、目に余る蛮行や命令無視を行った部下は粛正される。
裏を返せば、拳王軍は一騎当千(どころではない)の拳王の武力とカリスマにより支えられている非常にもろい組織でもあり、ラオウがケンシロウに1度敗北したことで、一時的に崩壊し暴徒化したこともあった。
その後、リュウガにより再編成がなされ、ラオウの再起に伴い二次編成が行われたが、ラオウが天命を悟り、ケンシロウとの最終決戦を迎えたことに伴い、自然消滅した。
構成員
拳王
北斗神拳継承者候補にして世紀末覇者。拳王軍を圧倒的な力と恐怖で統べる長。各地で拳法家を名乗る拳士からその流派の奥義を奪い、監獄都市カサンドラに幽閉した。
詳細は該当項目参照。
ラオウの愛馬。ラオウの体躯に見合った巨大な黒馬で、象の足ほどはあろう巨大な蹄で人間を踏みつぶすほど。拳王没後はケンシロウ・ユリアに同行し、後にラオウの忘れ形見であるリュウもその背中に乗せている。
外伝作『ラオウ外伝 天の覇王』では、元は「黒王谷」と呼ばれる地で暮らす野生馬たちの長で、拳王との和解を経て他の馬たち共々拳王傘下となった経緯が描かれた。
詳細は該当項目参照。
幹部
アニメ映画『真救世主伝説』並びにその前日譚である漫画/TVアニメ『天の覇王』に登場する軍師頭。メイン画像手前左。レイナの兄で、修羅の国時代のラオウの幼馴染。脚技と瞬歩を得意とし“韋駄天”の異名を持っていたが、カサンドラ制圧時に右脚を喪失する。
『真』冒頭にて不治の病に陥るが、それをあえて利用し、宴の席でラオウと共に自身の誅殺劇を演じその場で処刑され、緩んでいた部下達の心を戒めた。
該当項目参照。
ソウガの妹で拳王軍親衛隊隊長。双剣使いの美女。メイン画像手前右。ラオウの覇業成就の為に尽力するが、後にそれがラオウに対する愛であることに気付く。聖帝軍との戦いで重傷を負うが、ラオウの秘孔により仮死状態とされ、戦死を装う形で戦地から離脱させた上で、故郷である修羅の国に帰された。
詳細は該当項目参照。
泰山天狼拳継承者でユリアの兄、雲のジュウザの異母兄。ラオウこそが乱世を平定する人物だと確信し、彼の下につく。
拳王軍の重鎮であり、二次編成を行った中興の祖。該当項目参照。
軍師
CV.木村亜希子
『天の覇王』アニメ版に登場する女性軍師。占卜と天文の理を知り、未来を予知する能力を持つ。「乱世に平和をもたらすのは北斗」という自身の占いに導かれ拳王軍に下る。
また、黒山陰形拳なる秘拳の使い手でもある。
ウサ
CV.千葉繁
原作126話で登場した軍師の1人。
ラオウを治療するユリアの姿を見て、今がチャンスだとラオウに耳打ちするが、「男が女から情けをかけられるのは最大の屈辱」と逆鱗に触れてしまい、一撃のもとに屠られたマヌケ。公式ムックによれば女官からめっちゃ嫌われていたらしい。
外伝『天の覇王』では、前述のソウガが「クセはあるが頭が切れる」として副軍師として起用した経緯が語られている。部下であるアミバに命じてトキを貶める為に策を弄した。
総参謀 ギラク
CV.武田雅則
『ラオウ伝 激闘の章』にて登場。ソウガやリュウガといった、これまでの主要幹部が死去した軍におけるNo.2。ラオウのことを「陛下」と呼び囃し立て、戦死した遺体から金品を掠め取るなど小賢しく浅ましい性格。最期は、天下とユリアを掌握したラオウにより、その業を共に背負わされる形で殺害された。
なお『真』ではこいつが「ユリア=南斗最後の将」を突き止めたことになっている。
カサンドラ
カサンドラ二代目獄長。格的には将軍上層。トキとケンシロウを再会させないことを厳命されていた。
『ラオウ外伝 天の覇王』では元々拳王軍の兵卒だったらしく、戦地で敵味方構わず大量殺戮をおこなった罪でカサンドラに投獄されるも、あらゆる処刑を物ともせず、当時の獄長だったギオンに助勢を懇願されたラオウとはじめて謁見。「伝説を作る」という野心を買われ獄長に就任した。
旧劇場版アニメでは拳王の側近だった。
詳細は該当項目参照。
ギオン
CV.利根健太郎
『天の覇王』に登場する初代獄長。
元は「智王」を名乗る拳王軍の敵対派閥であったが、黒王と引き合わせただけでラオウに恭順後、カサンドラを与えられた。その後、カサンドラに捕らえられていたウイグルの実力に惚れ込んだラオウにより降格させられる。
ライガ
CV.沢木郁也(TVアニメ版)/稲田徹(PS版)/平井啓二(真北斗無双)/酒巻光宏(リバイブ)
カサンドラの衛士。フウガと共に二神風雷拳を操る双子の兄。
弟と共にカサンドラの罠を体を張って受け止め、ケンシロウに道を譲って死んだ男の中の男。
フウガ
CV.幹本雄之(TVアニメ版)/今村直樹(PS版)/鈴木賢(真北斗無双)/堂坂晃三(リバイブ)
ライガの双子の弟で、上記の通りの最期を迎える。
将軍
ザク
CV.平野正人
リュウガ軍副官(リュウガ戦死後はラオウの側近)の将軍。ラオウよりケンシロウの足をとめるよう命じられ、拳王長槍騎兵隊を含む大軍団を派遣した。
THE 中間管理職とでも呼ぶべき苦労人。拳王軍で特に説明もなく「将軍」と呼ばれている場合は基本この人。常識人であるがゆえにラオウの突拍子もない行動に苦労させられている。
CV.平野正人
第3部に登場。拳王軍屈指の武将として知られるが、性格はハト派。
拳王軍壊滅後、平安の世で生きる術を持たなかったため貧困に陥る。本来ならはるかに下っ端であるコウケツに己の息子・シンゴをはじめとする元・拳王軍戦士の子供達を人質に取られ、子供の命と引き換えに牛馬となって働く事を強要される。
新劇場版『ラオウ伝 激闘の章』では、ソウガらの亡き後ラオウの側近となったようで劇中たびたび登場。命令に背いてフドウを射た部下たちに怒るラオウをなだめるなどしていた。
詳細は該当項目参照。
パチスロ及び外伝漫画『金翼のガルダ』に登場する、南斗神鳥拳の使い手。
リュウガやウイグルと並ぶ拳王軍最強候補の人。
外部協力者・独自部隊
言わずと知れた北斗神拳継承者候補。該当項目参照。
トキの口から拳王の手先と称されたが、実際拳王軍とどう関係があるかは媒体によって異なる。
言わずと知れた世紀末堕天使。該当項目参照。
こちらは明確に拳王軍の一派閥とされている。
隊長級
ガロン
CV.亀井三郎
侵攻隊隊長。世紀末では貴重なガソリンを飲んで火を噴き、住民に焼き印を押し忠誠を誓わせていた。レイに斬られて腹のガソリンに引火し大爆死。
メディスンシティーを支配する狂信的愛犬家。該当項目参照。
リセキ
かつて拳王に仕えていた老人。ケンシロウから赤ん坊だったリュウを託され、ハクリ夫妻をはじめ拳王旧臣たちが集う集落で彼を養育した。年齢と作中での呼ばれ方からしても、最低でも隊長級はあったと思われる(どう見ても文官だろうし)
ジンバ
拳王軍時代にコウケツの上司だった男。開拓者に紛れて彼の下を訪れ、恐喝してその地位をまるごと奪おうと目論むも、コウケツの用心棒となった自身の元部下たちに始末される。
カレン
『レイ外伝 華麗なる復讐者』に登場する女性兵士。ラオウのすぐ隣に立つことを許されるくらいには信頼があった、侵攻隊の隊長(ガロンの前任?)。
南斗白鷺拳の分派・南斗翡翠拳の使い手で、シュウの弟子。南斗水鳥拳のレイともお互い修行時代から面識があり、彼に対し恋心を抱いていた。しかし、乱世によって巻き起こった南斗の内乱で唯一の肉親である兄・マサヤを失い、拳王の思想に感化され軍門に下る。しかし、それでも非情に徹することができなかったため、拳王の秘孔縛によって心を封じ込める。
なおこの読切は単行本未収録。そのため『蒼黒の餓狼』だけ読んでも何のことやらわからないという弊害が出ている。
シュカン
『ジュウザ外伝』に登場した侵略部隊司令官。愛犬家。
出てきてすぐ反乱軍に射抜かれ死んだので詳細不明。おそらく将軍かその下の士官レベル。
ヨナ
『ジュウザ外伝』に登場したバスタ軍総司令官。おそらく将軍~隊長上層レベル。美少年。
北斗ワールドでは本当に珍しいことに、まともな内政能力を有していた支配者。手先が非常に器用で遠隔式の時限爆弾を自作できるほか、なんと通貨まで流通させていたスッゴイ有能な支配者。ただし女装趣味のある変態で、子供同士を攫って殺し合わせる闇賭博を行っていた。
実はもともとその美貌故に男娼をさせられ、闘技場で実父と戦わされた上に父親は息子を殺すことを躊躇い眼前で自害、精神を病んだ結果こうなった。
なお彼の上官であるバスタは1コマしか登場していない。
兵卒級
ザルカ
CV.塩屋浩三
親衛隊の一人。相棒のカシムと共にカサンドラのトキ抹殺任務を受けるもケンシロウに剣を盗まれあっさり処刑される。
該当項目参照。ケンシロウを狙う刺客。実はババアではなくジジイ。
TVアニメ版では“拳王軍特殊部隊”を名乗り、仲間も屋根裏の男以外に同じく老人に変装した3人が登場した。ちなみに本名は「コビト」というらしい。
シーカー
偵察隊員。文明が崩壊した時代には珍しい暗視スコープをかけて岩を自在によじ登るヤモリのような奇人変人。カリ棒が武器。闇夜を一人歩いていたマミヤを襲撃するも、ケンシロウに太鼓の如くボコられる。
アビダ
CV.沢木郁也
一時崩壊時に暴徒化した一団の長。人間ハンマー投げを行っていたが、リュウガにあっさり粛清される。
ゴンズ
CV.田中康郎
アビダの手下のお下げデブ。ケンシロウに蹴られてビルに激突し圧死。自らの身で新記録を達成した。
ヒルカ
ザクの部下。泰山妖拳蛇咬帯の使い手。拳王軍で最も冷酷非情(他称)、好感度ワースト1(byザコたちの挽歌)の卑劣漢で、自分の実子をそこらへんに捨てたうえ、その養父である山のフドウを倒すために砂地獄に投げ込むクズ中のクズ。ケンシロウに楯にされ死亡。
ジャドウ
CV.堀之紀
改造ヘルメットを着用した巨漢。バイク乗りで、ケンシロウに挑むも目が見えないハンデをものともしなかったケンシロウにあっさりやられる。
ハクリ
拳王軍の元兵士。妻と共にリュウの養育を任せられた。伝染病を患った妻や他の感染者のために荒れ地を開墾し生活していたが、コウケツ一派による襲撃で患者ともども殺害される。
(画像手前)
第2部に登場した残党。元は拳王軍の馬係であった。拳王に媚を売るが、その行為が逆鱗に触れ追い払われる。
拳王軍壊滅後は「狼もエサを与えればブタになる」と豪語し、拳王の旧臣であるバルガ達の子供を人質にし、彼らを奴隷として酷使し荒地を開墾させ、大農場を開拓。食を武器に人々を支配した。
元は拳王軍の下っ端であったが、ラオウに仕え、北斗神拳を見様見真似で会得した凄いお方。妹を見殺しにした神を憎み、神をも超えようとする拳王に憧れを抱いたが、情を捨てきれないという理由で切り捨てられ、勝利のためには情は必要ないと考えるようになる。
後に「光帝」を名乗り(おそらく北海道あたりで)独立国家を建国。
詳細は該当項目参照。
ジャック
『天の覇王』に登場。
元は暴走族ジライ団のチンピラだったが、決起直後のラオウにジライ団が滅ぼされた事で小便をちびりながら逃げ回り、拳王軍旗揚げ後に加入、拳王特攻隊に任ぜられる。
拳王軍壊滅後、ラオウに殺された拳法家の息子たちにいじめられていたリュウに、拳王が悪行を行ったの真の目的を明かす。
ガラハ
『ジュウザ外伝』に登場したシュカン配下の拳法家。
「胸に七つの傷の男より強い」と豪語していたがジュウザにあっという間に倒される。きっとジャギだなソイツ。
その他
ラオウの息子。拳王の旧臣リセキの下で養育された後、父の義弟・ケンシロウに導かれ旅に出る。ケンシロウと別れてからは、バルガ父子に引き取られた。
支配地域
拳王府
首都。
『天の覇王』によればもともと鬼王ゴラムの本拠地「鬼巌城」であったが、ラオウ・ソウガ・レイナの3名によりゴラムが殺害され、部下ごと乗っ取られて改築された。
カサンドラ
鬼哭島の異名を持つ巨大監獄。ラオウに逆らった者を捕らえ、拳法の秘伝書を蒐集する拳法家の墓場とも呼ぶべき場所。
『天の覇王』によればもともとは龍帝アモンが築き上げた不落の要塞。猜疑心に囚われ廃人となったアモンを打倒しラオウが簒奪する。ちなみにウイグルはもともと拳王軍の新兵だったが、敵ごと上官や同僚を殲滅した咎でここに入れられ、数多の死刑を乗り越えた後にラオウによりカサンドラ二代目獄長に選抜された。
メディスンシティー
ラオウ愛用の霊薬製造拠点となる街。核戦争前は製薬会社か何かがあったのだろうか?
ガルフにより犬が人間より偉い扱いを受けていた。
関連項目
北斗の拳拳王軍ザコたちの挽歌:拳王軍の一般兵の視点で描いたギャグマンガ。拳王軍から見たケンシロウがいかに恐ろしいかがよくわかる作品。