概要
倉尾宏による『北斗の拳』のメディアミックス作品であるギャグ漫画。『マンガほっと』2017年11月から2020年3月まで連載され、ゼノンコミックス(徳間書店)から単行本が発売された。
その名の通り、拳王ことラオウ率いる部下たち(総称:ザコたち)が行く先、やることが殆ど死につながるオチを迎える「ザコ死にまくりコメディ☆」(※単行本1巻の宣伝帯より)。
序盤はただのギャグだったが、3巻で原作『北斗の拳』第1話と同時並行ということになり、遂に拳王軍は崩壊の時を迎える…。
フラフラ歩いて行っては片っ端からモヒカンを殺して回る神出鬼没のケンシロウがいかに乱世の諸派閥からは恐ろしいかというのが身にしみてわかる作品である。
あらすじ
世紀末ゆえに就職難の末に拳王軍に就職(入隊?)した青年・ノブが、周囲の先輩であるモヒカンの巨漢たちに恐々とした日々を過ごすハメになる。
登場人物
拳王軍
- ノブ
主人公。就職難の末に(詐欺まがいの広告で)拳王軍に在りつくハメになった、かわいそうな人。身長167㎝、体重65㎏とモヒカン軍団の中では飛びぬけて小さく目立つ。
周囲に恐々とした日々を過ごすハメになるが、物事を冷静に判断したり意見する程度には肝が据わっている。実はケンシロウを間近で見たことがあり、ジャギが偽者であることを拳王軍の面々に認知させた。
終盤で遂に本物のケンシロウと遭遇するが…。
- バーズ
拳王軍部隊隊長の1人である、額にコブラのタトゥー(焼印?)をしたモヒカンの巨漢。ノブの教育係を務めることになる。
- モヒカン軍団
毎度お馴染みザコ。よく死ぬ。敵に殺されなくても、バイクで不運と踊って死ぬ。
全く生産性や先見の明がなく、理解力も著しく低い。でも笑顔は絶やさない。
世紀末覇者。血も涙もない冷酷な独裁者、と見せかけて実はけっこうお茶目で寛大なおじさん。
- ザク
拳王軍の幹部。苦労人。
拳王軍武術大会を主催した。
ノブが新人研修で向かった不落の監獄カサンドラの獄長。兜にある秘密が隠されている。
拳王軍武術大会ではラオウの隣で観戦していた。
身長255㎝。待ち伏せ作戦のおとり役だが、選ばれた理由は消去法。
- 烈闘破鋼棍の人
身長204㎝。トキに人間知恵の輪にされた。
- 拳王偵察隊シーカー
サザンクロスの偵察に向かったハイテンションなお調子者。まずは形から入るタイプ。
拳王武術大会にも出場した。実は読唇術が使える。
- 抱き着き大男
極度のスケベで目隠し鬼をしないと禁断症状が出る。マミヤに抱き着こうとするが…?
- ゴンズ(人間ハンマーの人)
身体測定にでかいババアや抱き着き大男と共に向かっていたアホ。後に拳王軍武術大会に出場。
- アビダ
ゴンズと一緒に人間ハンマーしてた人。拳王軍武術大会で八百長を目論むが…
- 拳王進行隊ガロン
焼き印の為にわざわざ部下に火を起こさせる。キリモミ式で。
- ナイフ使い
2本のナイフを巧みに操るザコ。ケンカを売る相手と頭が悪すぎた。
- ヒルカ
拳王軍で最も冷酷非情と言われ、不人気No.1の座に輝いたモヒカン。
ケンシロウの足止めを買って出たが、その作戦があまりにクズすぎてザクがドン引きしていた。
- ジャドウ
- 鋼棍使い
- 拳王先遣隊のリーダー
拳王軍武術大会に参加した名誉あるザコたち。
メディスンシティーの市長。ラオウの霊薬を製作している。
- セキ
ガルフの愛犬。やたらと強い。
拳王軍の幹部。綱紀粛正に厳しい。
第1次崩壊を喫した拳王軍の兵士たちを集めて、無事に拳王軍を再結成まで導いた優秀な指揮官であるが、程なくしてケンシロウに討たれる。
ノブたちに圧迫面接を行った。部下にいらないモヒカンを粛清させながら。
ア…トキに仕える小男。チビであることにコンプレックスを持ち常に物理的に人の上に立とうとする。ハート隊を全滅させたノブを木偶狩り隊に勧誘しようとする。
一応拳王軍ということで拳王軍武術大会にも参戦。
- バラン
拳王軍最年少の兵士。ラオウに憧れ見様見真似で北斗神拳を学ぶ少年。
リュウガ死亡のあたりで拳王軍を抜ける。
北斗の人々
言わずと知れた『北斗の拳』の主人公。直接登場していないが、「胸に七つの傷を持つ男」として拳王軍には認知されているうえにノブにも直接姿を認知されている。第1話以前に拳王軍のザコたちの秘孔を突き、ノブの就職を前後して3人ほど死亡した。さらに、拳王軍の広報部が描いた似顔絵も胸の傷がかけ離れていたりするなど、ネタにされている。
3巻でようやくその姿が明かされた。
毎度おなじみのキャラ。このころはまだ拳王の命を受けていないはず。
今回はヘルメットを取られそうになったところを憤慨し、ヘルメットを取るように要求されて含み針や北斗羅漢撃でザコを殺害。しかし、ケンシロウのとは違い頭が爆発しなかったため、拳王軍の面々から「偽者」扱いされた。
カサンドラに捕らえられており、ノブを迷い込んだ囚人と勘違いして看守に北斗有情破顔拳を撃ってしまう。やはりこの人はこんなマンガでも聖人である。
南斗の関係者
毎度御馴染みサウザーの手下でありザコの中のザコ。火炎放射器のガスを切らしてしまい、補充したタンクがセメントやら石鹸水やらでパニックになっている。
- ブル
聖帝軍人事部長。拳王軍崩壊(第1次)で離職した拳王兵たちを部下にするも、ものの1か月でサウザー死亡により崩壊する。
三大勢力KING軍の首領だが、偵察側の思い込みである誤解を抱かれる。ついでに他の南斗も巻き添え。
自分の血を見ると逆上する体質のため、ノブが不運と踊っちまったせいで部下を虐殺。それにより変な噂が広まった。
拳王軍武術大会にも招待選手として参加したが…?
原作通りモヒカン狩りを行っていたが、情報が断片的すぎて「変なキャラ」として拳王軍の中でうわさが広がってしまう。
ユダに仕える小男。同じくチビであるハブと、ノブのヘッドハントをめぐって熾烈な戦いを繰り広げた結果、強敵(とも)となる。
ご存知ラオウの想い人。拳王軍の人々もその美しさと慈愛に魅かれる。
ラオウとの決戦に挑むが、余計な忖度をしたザコに討たれる。
群雄
拳王兵が研修に行かされたスパルタ組織。拳王軍のあまりの軟弱さに呆れていた。
ケンシロウによりマッド軍曹とカーネルが殺された後も、トレーニングジムとして盛況を博していた。
拳王軍と低レベルな争いを繰り広げる。
一般市民
バットの育ての親。子供たちと共に知恵と勇気を駆使し拳王軍を迎え撃ちまさかの圧勝。しまいにはモヒカンの脳天をライフルでぶち抜いて「ごるご!」の断末魔と共に打ち取った。
抱き着き大男に襲われそうになり観衆も総出で大男の方を応援していたのだが、最後は抱き着き大男のサービスシーンを提供した。
種もみを拳王軍に奪われそうになる。
拳王軍武術大会
士気向上も兼ねて2巻で開催されたザコの、ザコによる、ザコだけのトーナメント。優勝賞品は食料3か月分。ルールは石舞台から突き落とすか戦闘不能にすれば勝ち、死んだらまあそれまで。
特別ゲストとしてKINGからハート様が、聖帝軍から汚物消毒マンが参戦、更に観衆もサクラを兼ねてKINGや聖帝軍のザコやその辺からかき集めてきた村人などが動員された。
参戦メンバー
- ナイフ使い
- ザルカ(拳王親衛隊)
- シーカー(拳王偵察隊)
- ジャドウ(バイク部隊)
- ハート様(ゲスト)
- 烈闘破鋼棍の男
- 拳王先遣隊リーダー
- バランくん
- アビダ
- ゴンズ
- でかいババア
- ハブ(アミバ軍団)
- ヒルカ
- 抱き着き大男
- ガロン(拳王侵攻隊)
- 汚物消毒マン(ゲスト)
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