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CV:神谷明(ドラマCD)

   山寺宏一(TVアニメ・パチスロ2作目以降)

   山野井仁(初代パチスロ)

概要編集

本作の主人公で、第62代北斗神拳伝承者。

同作者の漫画『北斗の拳』の主人公・ケンシロウから数えて先々代の伝承者にあたる。


上海では「閻王」の異名で知られ、紅華会をはじめとする闇社会の住人たちから怖れられている。拳法家として修行のために上海を巡っていた際に、青幇(チンパン)の若頭・潘光琳とその妹・玉玲と知り合い、彼らの朋友(ポンヨウ、日本で同志や盟友に近い親友の意味)となる。その後、日本に戻り北斗神拳伝承者となるが、かつての同志たちの危機を知り、再び魔都・上海へと足を踏み入れる。


青幇をはじめとする拳志郎と親しい間柄の人物からは「拳さん」と呼ばれている。


容姿編集

顔は『北斗の拳』のケンシロウに瓜二つで、ケンシロウよりもやや髪が長い。

その他多少容姿が違って見えるのは、年齢と性格の差によるものと思われる。

(実際、若い頃の回想シーンでは本当にケンシロウにそっくりだった)


服装は革ジャケット・スーツ・アオザイなど様々な衣装を着こなし、時には瓶底メガネや付け髭、髪型を整えて優男や酔っぱらいに扮することも。


また、こうした変装を用いた潜伏時には「拳崎志郎(けんざき しろう)」という偽名を名乗っている。偽名の構成もさることながら、変装のレパートリーの一つであるピッチリと固めた髪や眼鏡、スーツを着込んだ紳士然とした姿は恐らく後述の中坊林太郎のオマージュである。

本人はこれらの変装に自信満々だが、あまりにもガタイが良すぎたり演技に熱が入りすぎているため逆に目立っており、周囲から怪しまれたり(敵味方それぞれから)指摘を受けることもしばしば。


頭髪に隠れていて見えないが、彼とケンシロウは頭の同じ位置(アニメでは左前部、原作では右前部)に北斗七星の形のアザがある。


性格編集

その人物像については作者・原哲夫の過去の連載作品の主人公たちがベースとなっており「ケンシロウの強さ」「前田慶次の快活さ」「中坊林太郎のハードボイルドさ」をそれぞれ取り込んでいると巻末のコメントで語られている。


実際その性格は明るいと言えば明るいが「蒼天のようだった(byリュウケン)」と言うには、悪党に対してはケンシロウに輪をかけた性格の悪さ(ドSさ)も披露している。加えて口も悪く、相手の拳法家に対しては横柄な態度で挑発するなど高圧的な側面も見せているが、暗黒街でヤクザ達と交友を持つという経歴の持ち主なので、そういった面があっても不思議ではないと思われる。

また、ドSとは言っても根本的には生真面目で脳筋なケンシロウとは異なり、変装して酔っぱらいのフリをしながら護衛をしたり劉宗武の部下に秘孔を仕掛けて宗武の目の前で破裂させたりと茶目っ気がアリ、紅華会の幹部が取り仕切る地下闘技場にいつの間にか爆薬を仕込んでおいたり、捕まえた工作員が青幇に打撃を与えるために持参したペスト入りのノミを彼に飲ませて連絡員をあぶりだし紅華会のアジトを特定するなど悪知恵も働く。


パチンコ版では性格の悪さがかなり修正されていて、普通の主人公っぽくなっている。


能力編集

非常に鼻が利くという特技の持ち主であり、これは嗅覚が鋭いというだけでなく、危険な兆候を感じ取るといったある種の未来予知といった性質も備えている。ちなみに、純粋な嗅覚も犬に匹敵する。


拳法の他にピアノの演奏が得意で、昔はよく玉玲や仲間たちから曲をリクエストされていたらしい。さらに読書家で、よく本屋で立ち読みをしては瞬間的に記憶し手帳にその内容を書き写し、写本を作っていた。(よい子は絶対マネしないでね!

また、拳法家であるにもかかわらずヘビースモーカーで、常に煙草をくわえている。朋友の一人であるシャルル・ド・ギーズから上物の煙草をもらった際は一度に4、5本の煙草をふかし煙たがられていた。


人間関係編集

父は第61代北斗神拳伝承者・霞鉄心。母は北斗劉家拳先代伝承者の娘・劉月英

また、腹違いの弟に霞羅門(後の第63代北斗神拳伝承者・リュウケン)がいる。加えて、TVアニメ『蒼天の拳REGENESIS』には義兄(鉄心が保護し養子となった)・霞拳心が登場した。


ケンシロウとの血縁関係は未だ不明だが、前述の頭部のアザが共通することから遠からず血縁者である可能性が高い。また、霞家はケンシロウと同じく北斗神拳創始者・シュケンの子孫である。


連載開始当初は独身だったが、物語中盤で再会した恋人・潘玉玲と結婚した。

玉玲の兄・潘光琳と、その配下である青幇の面々とも交友が深く、敵勢力との闘いでは情報収集や物資提供などで常々協力することになる。


ライバルは、青幇の敵対勢力である紅華会や、北斗神拳と縁ある拳士たちなど。

北斗孫家拳の芒狂雲、北斗曹家拳の張太炎とは、愛する女性・玉玲の命運をかけて拳を交わし、劉宗武とは北斗の拳士としての誇りをかけて幾度も激突した。


孫家拳のシャルル・ド・ギーズとは利害の一致から協力関係を築き、フランス軍将校である彼の情報網や権力により光琳を救出することに成功する。以降もギーズとの親交は続き、復活した青幇と共に朋友として彼の夢である「ユダヤ人安住の地」を築く手助けをする。極十字聖拳の流飛燕とは、当初ギーズの仇敵として対立するが後に和解し、彼の連れであるユダヤ人の少女エリカ・アレントと共に保護し、牧師として生きる道を与えた。


西斗月拳のヤサカには、かつて北斗神拳の創始者であるシュケンが西斗の壊滅させたという血塗られた歴史から命を狙われることになるが、後に北斗の菩提寺に収められていた秘宝である勾玉から、西斗の女神として祀られるヤーマの本心を知り和解。以降、『リジェネシス』まで続く腐れ縁となる。


作中での活躍編集

物語冒頭では、上海での拳法修行時代に知り合った北大路財閥総帥・北大路剛士のはからいにより、彼が会長を務める東和女子大学校の講師の職に就き平和に暮らしていたが、ある日、青幇の構成員で拳志郎にとっても朋友である李永健が日本に住む拳志郎の下に現れ、その追手たちとの交戦の中で青幇が滅亡した事実を知らされる。


光琳や玉玲らの身を案じた拳志郎は、戦乱により魔都と化した上海に再び足を踏み入れ、紅華会や大湖弊といった対立組織との裏社会の覇権を巡る争いに加え、それらに関わる北斗の拳士たちと激闘を繰り広げることになる。

とある経緯から記憶を失い、馬賊の女族長として生きていた玉玲と再会。兄・光琳と拳志郎の尽力により、紆余曲折を経て記憶を取り戻し、晴れて拳志郎の妻となった。


その後は、北斗劉家拳の菩提寺・泰聖院にて劉宗武との「天授の儀」を交わし激闘の末に勝利する。その後まもなく、北斗への復讐に燃えるヤサカと死闘を繰り広げるも、朋友・飛燕との約束と、同じくシュケンの血を受け継ぐ彼への慈愛から和解し、エリカたちと共に飛燕の冥福を祈った。


2018年から漫画およびTVアニメにおいて新シリーズが展開されており、いずれの媒体もオリジナルのストーリーが展開されている。ただし「インドネシア」「天斗聖陰拳」「ジェネシス」といった世界観の共通性が随所に見られることや、両作品ともに「霞拳志郎の最期」を描く作品であることが触れられている。


漫画版『蒼天の拳リジェネシス』編集

ヤサカとの和解から数年の月日が流れ、幼かったエリカも美しい女性に成長している。

そんなエリカだが、冒頭からオランダ軍に拉致され、一路オランダ領インドネシアへ連行される。


拳志郎とヤサカは、彼女が乗せられた軍艦に戦闘機で追跡の末乗船。オランダ軍を一網打尽にし、エリカを救出する。その後、将校であるボー・ボンネフェルトを尋問するも、間もなくボーは不可解な死を遂げ、拳志郎はその最期に北斗の流派に近いものを感じる。拳志郎たちは、エリカを狙う強大な敵と、その不可解な拳法の真相を探るべく、そのままインドネシアに上陸する。


TVアニメ『蒼天の拳REGENESIS』編集

ヤサカとエリカの和解から間もなく、国民党軍による指名手配を受け追われる身となり、同時に謎の組織「ジェネシス」が暗躍し、西斗月拳、ひいては北斗神拳の源流とも言われる「天斗聖陰拳」の継承者で組織の最高幹部でもあるシメオン・ナギットの一派にエリカや勾玉を付け狙われるようになる。


戦乱から逃れるため、玉玲やエリカら子供たち、ヤサカと共にインドネシアに移住し、4年の月日が流れるが、再びジェネシスの強襲によりエリカとヤサカが囚われの身となってしまう。ジェネシスの狙いは、エリカの父が開発した「ミガドルの雷(核兵器)」を再現し、世界を再創生することであり、その鍵となるのが、エリカが記憶した核兵器の設計図と、兵器作動の鍵となる勾玉だった。


拳志郎は二人を救出するためにジェネシスのアジトに乗り込みシメオンとの激闘に勝利するも、これまで彼の側近として潜伏していたヒムカこと霞拳心が、自らの野望のために核兵器を完成させようと動き出す。北斗神拳・天斗聖陰拳の二つの殺人拳を修めた拳心の力は絶大であり、その力を以て即座に師父・霞鉄心を殺害。勾玉を持って逃亡した羅門を追い、拳志郎と対峙する。


かつて拳志郎は、少年時代に拳心に勝負を挑むもその気迫に気圧され、以来「唯一恐れる存在」として畏敬の念を抱いていたが、己の野望のために父を殺害し、エリカまで利用しようとする拳心には怒りを顕にし、その野望を阻止せんと戦いを挑む。しかし、強大な拳心の力の前にマトモに太刀打ちできぬまま敗走。家族の身を案じたエリカは、自らの身を差し出した。


朦朧とする意識の中、なんとかエリカを止めようと歩み寄るも、拳心により秘孔・新血愁を突かれてしまう。原初である『北斗の拳』においてラオウレイに対して使用した秘孔で、この秘孔を突かれた者は3日後に死亡するとされている。羅門の見解では、この秘孔に波動を操る天斗の力も加えられ、死の宣告はより早まっていると目された。拳志郎は、我が身を犠牲にしてでもエリカの未来を救おうとし(エリカと拳志郎はこの少し前に死兆星を見ていた)、弟・羅門に心霊台を突かせて延命処置を行い、拳心との最終決戦に挑む。


関連タグ編集

蒼天の拳 主人公

北斗神拳 閻王 咥え煙草

ケンシロウ






















以下、アニメ版『REGENESIS』のネタバレ編集

エリカの記憶を無理矢理引き出そうとしていた拳心を既の所で制止した拳志郎は、仲間たちと協力して核兵器の作動装置を破壊しエリカを奪還。強襲する拳心の攻撃を、なんと無想転生で回避する。拳志郎は、拳に直向だった義兄・拳心を尊敬すると共に、その純真さ故に乱世に絶望し、孤独と破滅の道を選んでしまったことへの哀しみからその力に目覚めていた。


拳心の追走を振り切りエリカたちをアジトの外まで送り出すも、自分の能力のせいで多くの愛する人たちが犠牲になり、これからも同じ悲しみが連鎖すると悲嘆するエリカは拳志郎に自らを殺すように懇願する。拳志郎は「お前の悲しみを俺が一緒に背負う」と諭し、彼女が「ミガドル」ではなく「エリカ・アレント」として生きるように願い、彼女のこれまでの記憶一切を忘却させる秘孔を突き、同行していた羅門や緋鶴に託した。


その後、拳心の最終奥義「黒洞天殺」によって暗闇の繭に封じられるも、ギーズ、飛燕、ヤサカの導きにより奇跡的な復活を遂げ、強い光と共に拳心の奥義を破る。死力を尽くした両雄は、ただ純粋な拳による鬩ぎ合いを展開し、最後は朋友たちの思いを乗せた一撃の差で拳志郎が勝利を収めた。


拳心の死を見届けた拳志郎にもまた死が迫っており、荒野を一人彷徨いながら最期の時を迎える。最後の一服を味わい、いつか撮った玉玲とエリカの写真を見つめ、二人を思いながら蒼天へと昇っていった。


なお、玉玲はこのとき拳志郎との子供を身籠っており、ファンの間では、この生まれてくる子供が後のケンシロウヒョウの親ではないか?と推測されている。

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